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2011.05.07
■当ブログでは「オススメ」タグなどを用いてあれやこれやと作品を紹介しているわけですが、実生活において特定の誰かに作品をオススメするということは殆どしません。というか、できることならばしたくないです。端的に言うならば、「怖い」のですよ。

 もしオススメした作品が、相手の気に召さなかった場合のことを考えると、どうしても。オススメする以上、その作品は自分が大好きな作品なわけで、万が一それが気に入ってもらえなかったら、ちょっと悲しいです。だから誰かに「オススメ作品教えて」なんて言われて、選ばざるを得ない状況になった場合は、絶対に一番好きな作品だけは避けます。別にケチってワケじゃなく、自分を守ってるんですって。だってこれ否定されたら、ホントちょっとどころじゃなく悲しいので。そしてオススメするときは、こんな感じになります。



※ありがちな8パターン※
1.「これとか…もしかしたら良いんじゃないかなぁ…?たぶん。」(←ぼやかす)


2.「これは…どうかわからないけど、とりあえず自分は好き。」(←「自分は」と言って保険をかける)


3.「○○が好きなら、同じ白泉社系がいいんじゃない?」(←とりあえずゾーン広めに)


4.「これは○○(相手が好きな作品)に似てると思うよー。」(←作品の面白さどうこうじゃなく、系統を重視しちゃう)


5.「これ、○○(共通の知人)が面白いって言ってたよ。」(←他人に責任をなすりつける)


6.「最近すごい人気らしいよ、これ。」(←とりあえず世間様を盾にする)


7.「これはこんなストーリーで…」(←あらすじだけ言って自分の意見は言わない)


8.「これ自分は面白かったけどなぁ、あんまりオススメはできないかなぁ。」(←慎重に行き過ぎた結果、オススメじゃないのばかり紹介しちゃう)
  
 
基本俯きがちに、スローに弱々しく喋る


友人「…(^_^;)」

 
 
 また少なからず「面白くない」と思わせる作品を読むことを、相手が望んだ形であるとはいえ、半ば強いてしまったというその状況が申し訳なくて。それにまだ「合わなかった」みたいな形で伝えてくれるなら幸せで、大抵の場合は、気をつかって合わなかったことを隠して「面白かった」なんて伝えちゃったりするんじゃないでしょうか。自分は少なからずそうなので、どうも薦めて感想聞いた際には疑心暗鬼になってしまうんですよね。「え、この『面白かった』はどっちだろう…」みたいに(笑)
 
 依頼されて特定の相手に作品を薦めるということは、それに対して少なからず責任を持つことである、という感覚があって、そのプレッシャーが自分にはキツいです。対してブログは、そういった双方向故に生じる責任的なものがないですから、すごく気楽です。ブログは「特定の誰か」ではなく、あくまで「不特定の誰でもない相手」に向けて発信しているわけで、相手を意識しないでいられますから。そこにあるのは、自分の中の感覚だけ。たまにコメント等で、「オススメされていたけど面白くなかった」みたいなお言葉を頂くことがあるのですが、「いや、別にあなたに向けて書いているわけではないので」と。
  
 というわけで、当ブログの「オススメ」というタグ・言葉は、「自分がどう思うか」のみで出来ている、かなり外部に投げかけるには無責任なものです。もう脊髄反射で出ちゃうぐらいで、女の子の言う「かわいい」程度の信頼感だと思って下さい(←女子に失礼)。ですので鵜呑みにせずに、用法用量を守って自己責任でお使いくださいね!丸ごと信じちゃダメ、ゼッタイ!

カテゴリ雑記コメント (6)トラックバック(0)TOP▲
コメント

ここのレビューを見て、
買うか迷っていた漫画を何度も購入しました。
わかりやすくて、助かっています。

確かに人にすすめるのは勇気が要りますよね。
うまくすすめる方法ってあるんですかね?
やっぱり、ぼかしがいいのかもしれませんね。
From: クジラ * 2011/05/07 21:31 * URL * [Edit] *  top↑
"一番"好きな作品って、
個人的な気持ちとしては、「命の次に大切なもの」くらいなんです

だから万が一でも、否定されるのは避けたい
一気に相手への気持ちが冷めます
どんなにいい人でも、心のどこかで嫌ってしまいます
自己中の極みですが、仕方ないです

なので、一番はひけらかさない。またそれほど有名な作品でもないので、
それを避けたからといって話題に付いていけないということもないです
From: しゅぴ * 2011/05/07 22:53 * URL * [Edit] *  top↑
中年おやじとしては、おすすめがあうあわないはそれほど気にしなくていいとおもっています。マンガの場合絵柄の好みとかあって、特に人それぞれですし。
 ある程度の読書家になれば読書の9割は駄作とのつきあいです。配慮にかけたと思うことがあればそれはあとでいかせばいいだけです。母をなくした直後のひとに「ガラスの仮面」のマヤの母がなくなる巻はまずい、とかの心づかいですね。

ベテランのソムリエだったはずすことはありますよ。
From: madi * 2011/05/09 00:29 * URL * [Edit] *  top↑
このコメントは管理人のみ閲覧できます
From:  * 2011/05/09 08:47 *  * [Edit] *  top↑
私は正直に「微妙だった!」と言ってしまいます
自分が言われるとショックなんですけどね…
面白いと言って似たようなものをオススメされると
どんどん面倒になってしまうので、言ってしまいます。
From:   * 2011/05/10 06:18 * URL * [Edit] *  top↑
私がこちらに来るようになったのは
自分の好きな作品の他人の評価が気になったから
よく友人にあれやこれや進めますが
必ずその作品の何処がどう面白いと感じているかを
漠然とした物ではなく具体的に補足説明します
当然私個人の主観の押しつけとも取れますが
好きな作品が少しでも売れて欲しいし知って欲しいと思います

絵柄が好みじゃないのは仕方ないですがね
From: あお * 2011/05/11 16:22 * URL * [Edit] *  top↑

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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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