作品紹介はこちら→末次由紀「ちはやふる」
5巻レビュー→《気まぐれ続刊レビュー》末次由紀「ちはやふる」5巻
6巻レビュー→肉まんくんこと西田くんとは何なのか…《続刊レビュー》「ちはやふる」6巻
7巻レビュー→最後の壁は誰になるのか、というお話《続刊レビュー》「ちはやふる」7巻
8巻レビュー→我らが詩暢サマに異変!?:末次由紀「ちはやふる」8巻
9巻レビュー→みんなとするから、かるたは楽しい:末次由紀「ちはやふる」9巻
10巻レビュ-→リベンジのためには、太一の成長は必須だった:末次由紀「ちはやふる」10巻
11巻レビュー→殻を破ってまた頼もしく:末次由紀「ちはやふる」11巻
12巻レビュー→それぞれの想いがぶつかる全国大会:末次由紀「ちはやふる」12巻
13巻レビュー→クイーンへのこだわりと、他人本位:末次由紀「ちはやふる」13巻
14巻レビュー→かるたは音を感じる競技:末次由紀「ちはやふる」14巻
15巻レビュー→良い意味で『スラムダンク』的であったように思う;末次由紀「ちはやふる」15巻
16巻レビュー→終わりと始まりの入り交じる夏:末次由紀「ちはやふる」16巻
関連作品レビュー→「ハルコイ」/「クーベルチュール」
末次由紀「ちはやふる」(17)
千速振る
「神」にかかる 枕詞
■17巻発売しました。
全国高校かるた選手権。2日目個人戦。A級B級ーその他決勝戦は同時に、しかし別会場で行われる千早と同じA級の綿谷新・若宮詩暢が大注目を集める中、B級の太一も富士崎の山城理音相手に苦戦を強いられる。白熱する戦い。誰もが息を呑む展開。千早が見つめる太一は?そして新の戦いは!?
〜白熱の個人戦〜
アニメ2期決定ということで、おめでとうございます。私はアニメは殆ど見れていないのですが、周囲での評判も上々なようです。そんな中、本編は未だ全国大会まっただ中。個人戦の決勝戦が行われており、それぞれのドラマが繰り広げられています。
目下最注目なのは、A級決勝。我らが詩暢様と、全国大会で一気にその存在感を増した新の白熱した戦いが繰り広げられることとなります。どちらも実力派折り紙付き。序盤からお互い一歩も引かぬ戦いぶりで、一進一退の攻防戦となります。新については、その実力が高いということは示されては来たものの、具体的にどのような戦い方をするのかはこれまで描かれることはありませんでした。しかし今回ついに、千早でいう“速さ”、理音でいう“感じ”など、当人を象徴するようなソレが明らかに。その戦い方とは…

相手の長所から崩して行く戦い方
詩暢が対戦相手よりもむしろ、札たちと向き合って戦いに臨んでいるのに対し、新は相手をしっかり見据えつつの戦い方。そのアプローチ手法は全く別ものでした。かるたに限らず、相手と交わりつつの対戦競技というのは普通、相手の弱点から崩して行くというのがセオリーです。しかし彼の場合は全く逆。長所から崩す、と。さらっと書かれていますが、これって要するに相手の長所と渡り合えるだけの技量がないと成り立たないことなわけで、如何に新のかるたの実力がずば抜けているかが窺い知れます。速さ、正確さ、そして何よりその安定感。どこを取っても超一流。舞台が全国大会の決勝であろうと、対戦相手が現クイーンの詩暢様であろうと関係なし。そして結果的に、詩暢様は新の戦い方に飲まれることになります。

新の実力を改めて実感した詩暢は、早い段階で捨て札を作り出します。札と会話し万遍なく全ての札を狙っていける=“札とのつながり”というものを、自ら断ってしまった結果呼び込んだ悪い流れ。終盤それに気づき必死に食い下がりますが、時すでに遅し。最後は2枚差で、新が勝利。枚数差以上に、その優劣がハッキリと出た試合となりました。普通の青春スポ魂ものであれば、ここで詩暢様はおしまい。けれども今回熱を押して出場していたことが判明。それに新の上京が懸かっていた勝負ですもの、ロールプレイングゲームで言えば所謂負けイベント。大丈夫、まだまだ挽回できるって。勝負の後に爽やかな笑顔を見せてくれた彼女が、更なる成長を見せてくれることを期待しましょう。
〜太一が同じ土俵に登りつつある〜
さて、新の上京が決まったことで何気にピンチ感が増した太一ですが、陰に隠れて着々とその実力を上げてきています。実は今回の大会で無敗だったのは、新と太一の二人だけだったのですよ!そんなところに気づく桜沢先生、過去の経歴も含め素敵です。B級決勝での太一評と良い、なんだか太一は桜沢先生のお気に入りのようで。もしかしたらかませ犬コース後に用意されている、適当なキャラとくっつくその相手役として、桜沢先生が急浮j…ないか。恐らく桜沢先生は、太一に自分の影を見ているのかもしれません。過去に幾度となくクイーン戦に臨むも、ついぞその栄冠を掴むことはなかったという彼女。その前に立ちはだかったのは、才能なのか何なのか。太一が富士崎高校のメンバーだったら、桜沢先生がどのような采配をするのかちょっと見てみたいですね。
なんて太一が一番欲しいのは、桜沢先生からの評価ではなく、千早からの恋心。けれども合宿所で恋バナになった時、千早が想ったのはどちらかというと新の姿。千早から放たれた「かるた強くならないと 目の前にさえ座れないから」という言葉は、かるたバカの変な一言ではなく、言わば彼女の恋愛観と言っても過言ではないわけで。少なくとも太一は今、千早の眼中にはなさそう。けれどもそれで終わらないのが太一なわけで、合宿での勉強熱心っぷり、そして次巻予告での…

この秋は右手のおまえに
公式戦で勝つ
「強くならないと相手の前にも座れない」を自ら実践し、千早に自分の姿を認めてもらおうとしています。本気になった時の太一はなんだかとっても頼りがいがありますよね。この宣言も、なんだか本当に実現させてしまいそうで、いまからワクワクですよ!B級という引け目もなくなった今、目指す場所はもっと高いところ。詩暢、千早、新たちと、同じ目線で戦う太一の姿を、早く見たいですねー。しかしイケメンって努力してる姿だけでご飯食べれるくらい絵になるな。まったく…。
■購入する→Amazon
5巻レビュー→《気まぐれ続刊レビュー》末次由紀「ちはやふる」5巻
6巻レビュー→肉まんくんこと西田くんとは何なのか…《続刊レビュー》「ちはやふる」6巻
7巻レビュー→最後の壁は誰になるのか、というお話《続刊レビュー》「ちはやふる」7巻
8巻レビュー→我らが詩暢サマに異変!?:末次由紀「ちはやふる」8巻
9巻レビュー→みんなとするから、かるたは楽しい:末次由紀「ちはやふる」9巻
10巻レビュ-→リベンジのためには、太一の成長は必須だった:末次由紀「ちはやふる」10巻
11巻レビュー→殻を破ってまた頼もしく:末次由紀「ちはやふる」11巻
12巻レビュー→それぞれの想いがぶつかる全国大会:末次由紀「ちはやふる」12巻
13巻レビュー→クイーンへのこだわりと、他人本位:末次由紀「ちはやふる」13巻
14巻レビュー→かるたは音を感じる競技:末次由紀「ちはやふる」14巻
15巻レビュー→良い意味で『スラムダンク』的であったように思う;末次由紀「ちはやふる」15巻
16巻レビュー→終わりと始まりの入り交じる夏:末次由紀「ちはやふる」16巻
関連作品レビュー→「ハルコイ」/「クーベルチュール」

千速振る
「神」にかかる 枕詞
■17巻発売しました。
全国高校かるた選手権。2日目個人戦。A級B級ーその他決勝戦は同時に、しかし別会場で行われる千早と同じA級の綿谷新・若宮詩暢が大注目を集める中、B級の太一も富士崎の山城理音相手に苦戦を強いられる。白熱する戦い。誰もが息を呑む展開。千早が見つめる太一は?そして新の戦いは!?
〜白熱の個人戦〜
アニメ2期決定ということで、おめでとうございます。私はアニメは殆ど見れていないのですが、周囲での評判も上々なようです。そんな中、本編は未だ全国大会まっただ中。個人戦の決勝戦が行われており、それぞれのドラマが繰り広げられています。
目下最注目なのは、A級決勝。我らが詩暢様と、全国大会で一気にその存在感を増した新の白熱した戦いが繰り広げられることとなります。どちらも実力派折り紙付き。序盤からお互い一歩も引かぬ戦いぶりで、一進一退の攻防戦となります。新については、その実力が高いということは示されては来たものの、具体的にどのような戦い方をするのかはこれまで描かれることはありませんでした。しかし今回ついに、千早でいう“速さ”、理音でいう“感じ”など、当人を象徴するようなソレが明らかに。その戦い方とは…

相手の長所から崩して行く戦い方
詩暢が対戦相手よりもむしろ、札たちと向き合って戦いに臨んでいるのに対し、新は相手をしっかり見据えつつの戦い方。そのアプローチ手法は全く別ものでした。かるたに限らず、相手と交わりつつの対戦競技というのは普通、相手の弱点から崩して行くというのがセオリーです。しかし彼の場合は全く逆。長所から崩す、と。さらっと書かれていますが、これって要するに相手の長所と渡り合えるだけの技量がないと成り立たないことなわけで、如何に新のかるたの実力がずば抜けているかが窺い知れます。速さ、正確さ、そして何よりその安定感。どこを取っても超一流。舞台が全国大会の決勝であろうと、対戦相手が現クイーンの詩暢様であろうと関係なし。そして結果的に、詩暢様は新の戦い方に飲まれることになります。

新の実力を改めて実感した詩暢は、早い段階で捨て札を作り出します。札と会話し万遍なく全ての札を狙っていける=“札とのつながり”というものを、自ら断ってしまった結果呼び込んだ悪い流れ。終盤それに気づき必死に食い下がりますが、時すでに遅し。最後は2枚差で、新が勝利。枚数差以上に、その優劣がハッキリと出た試合となりました。普通の青春スポ魂ものであれば、ここで詩暢様はおしまい。けれども今回熱を押して出場していたことが判明。それに新の上京が懸かっていた勝負ですもの、ロールプレイングゲームで言えば所謂負けイベント。大丈夫、まだまだ挽回できるって。勝負の後に爽やかな笑顔を見せてくれた彼女が、更なる成長を見せてくれることを期待しましょう。
〜太一が同じ土俵に登りつつある〜
さて、新の上京が決まったことで何気にピンチ感が増した太一ですが、陰に隠れて着々とその実力を上げてきています。実は今回の大会で無敗だったのは、新と太一の二人だけだったのですよ!そんなところに気づく桜沢先生、過去の経歴も含め素敵です。B級決勝での太一評と良い、なんだか太一は桜沢先生のお気に入りのようで。もしかしたらかませ犬コース後に用意されている、適当なキャラとくっつくその相手役として、桜沢先生が急浮j…ないか。恐らく桜沢先生は、太一に自分の影を見ているのかもしれません。過去に幾度となくクイーン戦に臨むも、ついぞその栄冠を掴むことはなかったという彼女。その前に立ちはだかったのは、才能なのか何なのか。太一が富士崎高校のメンバーだったら、桜沢先生がどのような采配をするのかちょっと見てみたいですね。
なんて太一が一番欲しいのは、桜沢先生からの評価ではなく、千早からの恋心。けれども合宿所で恋バナになった時、千早が想ったのはどちらかというと新の姿。千早から放たれた「かるた強くならないと 目の前にさえ座れないから」という言葉は、かるたバカの変な一言ではなく、言わば彼女の恋愛観と言っても過言ではないわけで。少なくとも太一は今、千早の眼中にはなさそう。けれどもそれで終わらないのが太一なわけで、合宿での勉強熱心っぷり、そして次巻予告での…

この秋は右手のおまえに
公式戦で勝つ
「強くならないと相手の前にも座れない」を自ら実践し、千早に自分の姿を認めてもらおうとしています。本気になった時の太一はなんだかとっても頼りがいがありますよね。この宣言も、なんだか本当に実現させてしまいそうで、いまからワクワクですよ!B級という引け目もなくなった今、目指す場所はもっと高いところ。詩暢、千早、新たちと、同じ目線で戦う太一の姿を、早く見たいですねー。しかしイケメンって努力してる姿だけでご飯食べれるくらい絵になるな。まったく…。
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