
どんなに考えたところで
他人の気持ちは想像しかできない
想像でしかないなら
ぶつかってみるしかない
■ヒロインの水谷雫は、テストで一番を取ることにしか興味がない女の子。ある日先生に頼まれて、入学初日に流血事件を起こして以来、学校に来ていない吉田春の所へプリントを届けに行く。噂に違わぬ怪物のような男の子だったが、なぜか雫は友達認定されてしまう。いままで友達というものがいなかった春は、「雫がいるのなら学校に行ってもいい」と言い、それ以来学校ではカルガモのごとく雫の後をついてくる始末。果ては告白までされるのだが…。冷血女子と超問題児の、新感覚ラブストーリー(?)。
読切りの名手・ろびこ先生の、本格初連載作品です。ヒロインは人付き合いというものに興味がなく、目下の興味は自分の成績オンリー。そんな彼女が怪物くん・春に出会うわけですが、彼もまたかなり変わっている。いままで友達がいたことがなく、しかも高校が怖いという。なんでも、気づけばみんなから怖がられ、避けられているからだとか。それでも雫をきっかけに学校に行くものの、なかなか適応できない。
また恋愛要素もあるわけですが、お互いまともな人付き合いをしたことがなく、ちょうど良い歩み寄り方がわからない。そのためなんとも奇妙な関係に。それがなんとも面白い。
ヒロインが少女マンガであまり見ないタイプ(どちらかというと男性向け学園マンガとかにいそう)で、男の子もかなりキャラの立ってる珍しいタイプ。一歩間違えればとんでもない作品になりそうだけど、そこは作者のウデ、バッチリ成立している。後半から登場するサブキャラも、なかなかキャラの濃い面々ですが、絶妙なバランス感で物語を味付け。これはかなりの秀作なんじゃ?
■続刊レビュー
《気まぐれ続刊レビュー》ろびこ「となりの怪物くん」2巻
【オトコ向け度:☆☆☆☆ 】
→一応ラブストーリーなのですが、少女マンガ特有の甘さはほとんどなし。だからってクールな作品というわけではない。ヒロインも少女マンガのヒロイン的でないし。関係ないですが、髪型のせいか「ソウルイーター」のマカの面影を見てしまいます。
【私的お薦め度:☆☆☆☆☆】
→ろびこさんの連載ということで期待していましたが、その斜め上を行く内容で驚きました。文句なしにオススメです。
作品DATA
■著者:ろびこ 作者ブログ→「ろびこにっき」
■出版社:講談社
■レーベル:KCデザート
■掲載誌:デザート(平成20年10月号~連載中)
■既刊1巻
■定価:419円+税
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