
この物語は29歳で出産し、日々育児の
大変さにテンパりなはらも、あらゆる困難を
人に頼って乗り越え、母親としての自己を
確立したようなしないような一漫画家と
その息子ごっちゃんの記録である……。
■2巻発売しました。
『きせかえユカちゃん』『ひまわりっ~健一レジェンド~』で有名な東村アキコの爆笑育児エッセイ。「すいません育児ナメてました」の言葉が示すように、愛息・ごっちゃんが生まれて以降、いえ、お腹の中にいるときから、壮絶な育児の日々は始まった…。散らかし放題、わがまま放題の王様相手に、今日も漫画家・東村アキコは笑顔と涙にまみれて奔走する!
『このマンガを読め!2009』にて、堂々の第1位を飾った爆笑エッセイマンガの登場です。東村アキコさんについてはもう説明不要でしょう。『きせかえユカちゃん』『ひまわりっ』で、ギャグにコメディに大活躍中の作家さん、ウチでは『海月姫』をご紹介しました(→レビュー)。てかこの人何本連載抱えてるんだよ、と。作中では、週に1~2回締め切りが来るって書いてあるのですが、そんな中育児なんてできるのだろうか…と若干心配になります。

エッセイマンガって説明するのが難しいんですよね。何か有用性のある内容であれば、それに沿って紹介すれば良いのですが、この作品は、育児というテーマを掲げながらも、育児に関するアドバイス的な要素は皆無。あるのは母・東村アキコと、息子・ごっちゃんの、ハイテンションで面白すぎるやりとりのみ。ギャグが面白い作家さんは、日常を描かせてもやっぱり面白いという。一見二人のやり取りは、「ありえないこと」のように思えるのですが、実際はそうではない…と、思う(だって育児したことないんだもの)。子供を育てたことのある親であれば、誰しもが経験するような出来事を、見事にコメディに昇華させている秀作と言えるのではないでしょうか。これができる東村先生は、生まれながらのコメディ・ギャグ漫画家なのだなぁ、とつくづく感心。
■作者他作品レビュー
*新作レビュー* 東村アキコ「海月姫」
【オトコ向け度:☆☆☆☆☆】
→東村アキコさんは、老若男女楽しめる作品を描ける貴重な漫画家さんだと思います。
【私的お薦め度:☆☆☆☆☆】
→上野駅のBOOK EXPESSに行って、サイン会の整理券をゲットしようかと画策していたのですが、結局間に合わなかった…。あ、オススメです。とりあえず読んでいただければ、その面白さがわかると思いますので。
作品DATA
■著者:東村アキコ
■出版社:集英社
■レーベル:不明
■掲載誌:コーラス(2007年8月号~連載中)
■既刊2巻
■価格:各743円+税
■購入する→Amazon