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Tag [オススメ] 2009.09.30
07099767.jpg峰倉かずや「最遊記RELOAD」(1)


「あ奴ら また何かしでかしましたか?」
「……いや いつも通りさ」



■人と妖怪、化学と妖術が共存を果たす無秩序な世界「桃源郷」。長きに渡り、人と妖怪は均衡を保ち共存を果たしてきた。しかしその均衡は、負の波動を受けた妖怪達の暴走という謎の異変によって、突如として崩れ去ることになる。異変の元凶は、どうやら牛魔王復活を試みる蘇生実験。斯くして、四人の若者が西域・天竺国への旅を余儀なくされた。再び世界に平和を取り戻すため   !!

 さてこちら、「最遊記RELOAD」ということで、「最遊記」の続編に当たります。三蔵を中心とした、悟空、沙悟浄、猪八戒の4人組が、天竺国で行われているという牛魔王蘇生実験を食い止めるために、様々な妨害を切り抜けながら旅をするというアクションファンタジー。アニメ化もされているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?すでに続編の続編「最遊記RELOAD BLAST」の連載も決定しており、ゼロサムの看板マンガになっています。基本的には痛快アクション珍道中とでも言いましょうか、とりあえずキャラ達がカッコいい。それぞれ個性がたっており、なんでもない掛け合いも面白いですね。「化学と妖術の共存」とあるように、移動はジープだったり、拳銃が武器だったり、かと思えば妖術や如意棒も出てくるなど、その世界観は独特。ただ独自ルールが作られていない分、理解はしやすくなっています。


最遊記
こんな感じ。オフ時はいがみ合ったりするものの、基本的には仲間意識が強く、戦う時は息ぴったり。


 続編ですが、RELOADから読んでもさほど問題はありません。私もRELOADから入ったクチで、そこから最遊記へと遡る形になりました。続編の特徴は、過去回帰が多くなったことや、ヘイゼル=グロース,ガティ=ネネホークといった新キャラの登場など。メインの4人は基本的にそのままなので、過去を知ることでより味わい深くなり、新キャラの登場で世界観が広がる…という感じでしょうか。とりあえず読みやすさだけは保証します、ハイ。内容は全然別ものですが、その雰囲気はなんとなく「ルパン3世」に通じるものがあるような気も。違うって言われたら全然違うんだろうけど(なんだそれ)。
 
 
 新連載の「最遊記RELOAD BLAST」が最終章になるようですね。はたしてこちらはどれくらい続くのでしょうか?


【男性へのガイド】
→いかにもヲタ女子向けという感じを受けるかもしれませんが、テンポの良さや、キャラだけにたよらない工夫されたストーリー展開など、取っつきやすい要素は案外多めかと。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→続編をオススメするのはいかがなものかと思いつつも、面白いものは面白いということで。あ、大判コミックですので。


作品DATA
■著者:峰倉かずや
■出版社:一迅社
■レーベル:ZERO-SUMコミックス
■掲載誌:ZERO-SUM
■全10巻(予定)
■価格:各724円+税

■購入する→Amazonbk1

カテゴリ「ZERO-SUM」コメント (2)トラックバック(0)TOP▲
コメント

 正直、ガンガン系列誌出身の作品を「少女漫画」に分類することには、ちょっと違和感がある私です(苦笑)。確かに昔から女性ファンが圧倒的に多いですけど、あくまでも建前上は『D.Gray-man』や『Reborn!』のような「オンナでも読める少年マンガ」に分類すべき作品だと思っていたので(内容的にも、ガンガン本流のバトルファンタジー漫画ですし)。
 基本的に、少年漫画と少女漫画の境界って、雑誌で区分されると思うのです。その意味で、出身誌である『Gファンタジー』はギリギリ少年誌だと思うのですが(同系列の『ステンシル』は少女誌だったと思いますが)、『ZERO-SUM』は少女誌に分類するのが一般的なのでしょうか? まぁ、どっちでもいいと言ってしまえば、それまでなのですが。
From: 闇霧 * 2009/09/30 19:27 * URL * [Edit] *  top↑
作風で決めるのが面倒なので、私も分類に関しては掲載誌でわけています。

女性向けかどうかの判断に関しては、その雑誌ないしHPで、女性向けであることを謳っているかを一つの指標としているのですが、ゼロザムも「女性向けのニュージェネレーションコミック誌」と謳っているので女性向けと判断しています(実際に読者も85%が女性らしいです)。

ただこの辺の系統の雑誌は、男性向け女性向けの線引きが難しく、個人的には白・黒というよりはグレーゾーンという感覚が強いですね。ブックオフでも紀伊国屋本店でも、男性向けの棚に並んでたり女性向けの棚に並んでたりと、本当に曖昧というか。ならばできるかぎりグレーを拾っておきたいな、というのが私のスタンスで、結果として「ASUKA」や「アヴァルス」、「ゼロサム」までレビューするという形になってます。芳文社4コマは違うだろというツッコミは結構受けているのですが、これは別枠ということで(笑)

この話題に関してはもうちょっと詰めた議論ができそうですね。
貴重なコメントありがとうございました!
From: いづき * 2009/09/30 20:47 * URL * [Edit] *  top↑

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