
そんなの決まってるだろ
自分が正しいと思うことをするんだ
■チョコレート、その他甘い物は一切食べることを禁止!?選挙にて第一党となった〈健全健康党〉に支配された世界で、発令された〈チョコレート禁止法〉。チョコレートを食べるのはもちろん、保持するのも犯罪扱い。配られるお菓子の代用品は、とても食べれたものじゃない。そんなおかしな法律に挑むことにしたハントリーとスマッジャーは、チョコレートを密造し〈地下チョコバー〉を始めることにした!2人の少年が自由、そしてチョコレートを勝ち取るために、立上がる!
「やじろべえ」(→レビュー)や「友だちの話」(→レビュー)などを描いていらっしゃる、山川あいじ先生の過去作になります。Amazonでの評価も高く、前々から気になっていたので読んだのですが、良かったのでご紹介したいと思います。元々は、イギリスのドラマおよび小説で、日本に持ち込まれアニメ化・コミカライズが行われたという経緯があります。
物語の舞台は、とある時代のとある国。選挙の結果、第一党となった健全健康党は、国民の健全な健康を第一に保つことを目的に、チョコレートをはじめとした一切の甘い物の所持・摂食を禁止してしまいます。チョコレートを食したもの、若しくは保持したものは、チョコレート警察によって逮捕され、再教育施設へと収監されることに。そんなおかしな法律に、戦いを挑むことにしたのが、この物語の主人公・ハントリーとスマッジャー。チョコレートが大好きな2人は、チョコレートを密造し地下チョコバーを始めることに…!そんな勇敢な2人の行動が、やがて大人を巻き込み世の中を変えていく様子を、軽快に描いていきます。

チョコレートを通して「自由」を勝ち取るために、子供達が立上がる。
もう設定だけでワクワクできますよね、これ。大人が選挙に行くのをサボってしまったために、訪れた世の中は、なんとも生きにくい、楽しみのない世界で、そんな世の中を変えるキッカケを作るのは、勇敢な子供達。紹介で出したチョコバーは、自由とチョコレートを勝ち取るためのきっかけに過ぎません。子供だからこそ、より好き嫌いがハッキリしているし、世の中をよりシンプルな目で見ることができ、そしてシンプルに行動することができます。好きな物は好き、おかしいと思ったらおかしいと声に出し、行動に出る。子供が持つ純粋さを、そのまま力強さへと変換し、物語を動かす言動力とするこの物語の造り、素晴らしいです。こういうストレートな物語、アニメだと結構あるような気もするのですが、少女漫画ではあんまり見なかったような。
原作を読んでいるわけでも、アニメーションを見ているわけでもないので、この作品がそれらと比較してどのような物語構成となっているかを語ることはできないのですが、どうもそれぞれ違ったお話となっているようですね。こちらは1巻完結。大きな動きをひとまとまりにしてため、息つく暇なく物語は流れていくのですが、その疾走感が逆に良し。テンポよく場面が切り替わり、確実に物語が進んでいくことを、読みながら体感できるので、一気に読むのをオススメします。この物語のステキなところは、子供だけじゃなくて、理解ある大人がしっかりと協力してくれるってところでしょうか。脇を固めるバビおばさんもルイーズも、ジョン・ブレイズもみんな良いキャラしています。特にブレイズのカッコ良さは異常。私もこんなお兄さんになりたいものです。
【男性へのガイド】
→もちろん大丈夫。少女漫画誌以外で連載されていたとしても、全く違和感ないと思います。
【感想まとめ】
→山川あいじ先生のお話って、ゆるりと流れる印象があったのですが、こちらは軽快なテンポで駆け抜けて違った印象がありました。また絵柄もマッチしていて、物語に入り込みやすかったです。
作品DATA
■著者:山川あいじ/アレックス・シアラー
■出版社:集英社
■レーベル:別冊マガーレットコミックス
■掲載誌:別冊マーガレット
■全1巻
■価格:457円+税
■購入する→Amazon
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