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Tag [新作レビュー] [4コマ] 2009.10.15
07228728.jpg杉原涼子「はろう警報」(1)


うちなんて家賃
バナナ196本だよ



■平凡な浪人生・西波一朗。平凡な彼の回りには、なぜか平凡でない人間、平凡でない社会が広がっている。正体不明のお隣さんに、チャレンジ精神旺盛な彼女、そして戦隊もののヒーローが、普通に街を歩いている。平凡に見えて、実は危険と隣り合わせ。一朗を取り巻く超個性的なメンバーが、次々と巻き起こす笑撃の嵐に接近注意!

 クッキー連載のギャグ4コマが単行本化。とりあえず、連載期間を見てドびっくり。この作品、連載開始が平成15年と、実に6年も前から連載されているという長期作品になります。そしてこの度第1巻の発売。どんだけ生産性悪いんだと思ったら、第2巻は来年1月に発売と、かなり間隔が狭いです。そういうマーケティングなのかな?確かに1巻発売してから3年とか期間が開いちゃうと、その頃には忘れてそうですもんね。
 
 さて、どんな内容かと申しますと、オーソドックスなギャグ4コマになってます。まぁオーソドックスギャグ4コマってのがどういうラインを突くのかはよくわからないんですが、適度にシュールで、適度にダイナミックで、適度にブラック。正攻法というか、正攻法に捻りを加えてダイナミックに見せるといった印象。


はろう警報
こちらはシュールなネタ。スケールの大小は問わないが、基本的にバカな感じ。それがたまらない。


 ネタ的に「似てるな~」と思ったのは、誰もわからないのを承知で言うと、ギャグ王に連載されていたタイジャンホクト先生の「アクロバットバカ野郎」。あるあるネタや下ネタはほぼナシ。日常の一部をありえないモノや規模に変換したり、変人をそこら中に配置するなどしてネタを展開します。主人公は一応西波一朗君となっていますが、彼が全ての話に関わってくるわけではなく、それぞれのキャラごとに独立したシリーズとして存在しているという面が強いです。そういう意味ではにざかな先生の「B.B.Joker」(→レビュー)なんかは構成が似ているかもしれません。
 
 この手のギャグは個人的に大好物。のっけからクスクス笑ってしまいました。しかし読み進めるうちに、毒が抜けたというか、破壊力は落ち気味に。これはいわばギャグ4コマの宿命とも言えるもので、同じようなテンポで似たようなテイストのネタが続くと、どうしても食べ飽きた感が出てきてしまうのです。また回を重ねるうちに、パターンが出来上がってしまったようにも。最初は結構シュールだったり、ぶっ飛んだネタもあったのですが、メンバーが固定化されてからはかなりネタが画一化してしまいました。そうした場合、今度はシリーズ化してストーリーを追いかける的な楽しみを見出していく事になるのですが、1巻ではまだその辺が不十分な気も。ただそれが本格化してきそうな2巻は結構楽しみ。だからこその発売期間の調整なのか?多分私は2巻買うと思います。


【男性へのガイド】
→これは絶対に読める。女性の描くギャグって結構クオリティ高いんですよ?
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→若干尻すぼみの感が。最初が強烈だった分、余計にハードルを高くしてしまった…。ただこれだけの量がつまってこの値段はお得。ギャグ好きは買うべし。


作品DATA
■著者:杉原涼子
■出版社:集英社
■レーベル:りぼんマスコットコミックス
■掲載誌:クッキー(平成15年6月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税

■購入する→Amazonbk1

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Tag [オススメ] [4コマ] 2009.10.13
07192164.jpg宮原るり「みそララ」(1)


ライターのお仕事をちょとずつ始めました
一人前には程遠いけど
ほんの少しの自信と
肉がつきました



■3巻発売でございます。
 務めていた企業がつぶれ、再び就職活動を始めることになった麦田美苑。4年間働いたけど、潰れても何の未練もないってのはどうなのだろう…。そう思った美苑は、今度はやりがいのある仕事を!と、昔憧れたデザインの事務所に応募する。募集は経理だったが、社長(ベートーベン似)にデザインの勉強もしたい旨を伝えてみると、あっさりOK。個性派揃いの同僚たちにからかわれ支えられながら、美苑はライターとして新たな道を歩み始めた…!

 「恋愛ラボ」(→レビュー),「となりのネネコさん」(→レビュー)も絶賛連載中の宮原るり先生の、もう一つの連載作です。先の2作がそれぞれ中学と高校が舞台であったのに対し、こちらは社会人がヒロインとなり、物語はデザイン事務所にて展開されます。ヒロインは、4年間の社会人生活を経た後、会社の倒産を機に憧れだったデザインの仕事を目指しはじめた麦田美苑。経理としての採用だったが、デザインの勉強も同時にさせてもらえることに。彼女の担当はライター業務。クールだけど熱血なデザイナー米原梨絵、体育会系のノリで場に元気を与える営業1年生・粟屋真琴、口の悪さと外面の良さが際立つ先輩営業・梶浦修平、超マイペースな自由人・棚橋裕也、キャリアウーマン臭漂う営業チーフ・大島真理子、笑顔の絶えないデザイン担当チーフ・松山宏、そしてベートーベンルックの変人社長・増田孝作など、個性派スタッフに囲まれながら、ライターとして成長していきます。


みそララ
何気ない瞬間すら、ネタに変換。このキャラ、ステキです。いないんだけど、実際にいそうなんだよなぁ。


 世界観を「恋愛ラボ」と共有しており、「恋愛ラボ」ファンはさらにこのお話を楽しめるかも。スタッフの棚橋さんは、恋愛ラボのレギュラーである鈴音の兄で、本作にもちょこっと登場したりします。あちらは夏緒という爆弾娘を中心に据えてはちゃめちゃなストーリーを展開しますが、こちらは社会人ですからそういった爆弾は用意できません。ヒロインである美苑がやや変度が高めで物語の展開を引っぱりますが、スタッフそれぞれが適度に変わっているので、どこからでもネタを展開できる面白さがあります。「恋愛ラボ」が夏緒という柱をど真ん中に据えて、それを生かす(邪魔しない)形で他のキャラが個性を伸ばしているのに対して、こちらはスター不在ながらも、非常にレベルの高い組織プレーをしているイメージ。どちらも全体として形が整っているので、面白いです。もうね、気がつけばニヤニヤしてるっていう。キャラに萌えてニヤニヤ…ではなく、キャラ同士の掛け合いの中から伝わってくる、恥ずかしさやバカらしさやクサさに起因するようなニヤニヤ。同時にしっかりと成長を感じられる作りになっていますので、マンネリ化せず、常に新鮮さも感じられるという。

 私はどう考えても大島さんが好きなんですが、誰が一番人気なんでしょうか?やはりヒロインである美苑?それとも貧乳でツンデレっぽさ漂わせる米子?いや、この作品はキャラというよりも、その関係性が魅力なのか…。でも大島さんがいるからこそ、この作品はお仕事漫画(仕事場漫画)としての空気を保っているような気がしてならないんですよね。そういった所がステキ。ステキメガネです。


【男性へのガイド】
→芳文社だし、宮原るりだし。もう説明不要ですよね。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→もちろんオススメ。いい塩梅でそれぞれにキャラがたっている、そのバランス感が好き。


作品DATA
■著者:宮原るり
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイム(2007年7月号~連載中)
■既刊3巻

■購入する→Amazonbk1

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Tag [オススメ] [新作レビュー] [4コマ] 2009.10.10
07230377.jpg野広実由「ダブルパティシエール!」(1)


「私もいつか感動するようなケーキを作るぞー!」
「それは何年計画?」



■あの「パティシエール」が帰ってきた!今ではすっかりパティシエとして板についてきた森山まさこ(28歳)さんが働くのは、街のかわいいケーキ屋さんパティスリー・ノワ。そこに先日、新人が加入!ニート歴1年5ヶ月を経て、彼氏にフラれたことをきっかけに、パティスリー・ノワにバイトとして入ることになった、吉本かほ(23歳)。笑って、泣いて、甘いけれどアマくないプロの世界。お菓子に懸ける青春は、まだまだ終わりません!

 野広実由先生の人気4コマ「パティシエール!」の続編登場です。舞台は前作から3年後。前回のヒロイン・まさこさんは、製菓学校を卒業し、街のケーキ屋さんで修行中です。そしてもう1人、ニューヒロイン・吉本かほが加入。就職する予定だった会社が潰れ、行き先をなくし、そのままずるずるとニートに。永久就職する予定だった彼氏にもフラれ、打ちひしがれていた所に出てきたのが、まさこさんの作ったムースでした。その味に感動し、さらにケーキ屋さんのバイト募集の張り紙を見つけた彼女は、すかさずバイト志願。斯くしてパティスリー・ノワの一員として働くことになったかほは、キビしい店長やスケベな同僚、そして面倒見の良いまさこさんに囲まれながら、社会人として再出発、成長していきます。


ダブルパティシエール
新ヒロイン.かほがとにかくよく動くので、飽きない。成長もするし、いいキャラです。よく動く元ニートってのもなんだか不思議だけど。


 ダブルヒロインではあるものの、実質的なメインヒロインはかほ。物語も、かほの成長を追うという面が強くなっています。ただしその成長に大きく関わってくるのが、先輩であるまさこさんですので、露出自体はほぼ同等と、前作ファンも存分に楽しめるという作りになっています。一樹さんをはじめ、前作の登場人物たちも度々登場しますし。
 
 年齢以上に大人びたまさこさんに比べ、かなりそそっかしいかほ。この対照的な二人が織り成す温かなやりとりは、先輩後輩というよりも、歳の離れた姉妹を見ているような感じ。まさこさん、ますます大人びたというか、なんというか…。また前作に比べてやや賑やかな印象を受けるのは、かほのそそっかしさに依るものでしょうか。社会人経験がないどころか、1年5ヶ月もの間ニートであったかほは、年齢以上に子供っぽく見えます。元々ドジッ子ってのもあるんでしょうけど。ただその分擦れていないので、非常に素直であるとも言えるのかな。努力した所を褒めてあげれば、それだけやる気になるし、逆もまた然り。そんな彼女を成長に導くには、まさこさんのような存在は必要不可欠。まさこさんを生かすキャラ配置になるのかと思いきや、状況だけを見れば、まさこさんが生かされるキャラ配置という感じ?とにかく良いコンビだと思います。また店長の娘で不思議少女のすぐりちゃんもいい味出してる。今作も、なかなかに楽しませてくれそうですね。


【男性へのガイド】
→問題無く読めるかと。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→続編はオススメしようか迷うのですが、面白いものをおすすめせんでどうする、と。続編ですが、ここから入っても全く問題なし。前作ファンならもっと楽しめるという感じ。


作品DATA
■著者:野広実由
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイムジャンボ(2008年9月号~),まんがタイムファミリー(2008年10月号~)
■既刊1巻
■価格:619円+税

■購入する→Amazonbk1

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Tag [オススメ] [新作レビュー] [4コマ] 2009.10.09
07230376.jpg曙はる「ベツ×バラ」(1)


センパイって…
なんだかんだ
センパイですよね



■別所たまき(20)、お菓子のパッケージ会社「アマイ企画」入社2年目。社員平均年齢50歳、歳上だらけのこの会社で、制作室のエースとして常にやる気満々。そんな中、営業部に新入社員が。原田智哉(22)、敬語もままならないやや生意気な歳上の新入社員に飛ぶのは、歳下の先輩であるたまきからの愛のムチ!?仕事に恋に気になる2人のオフィスバトル!!

 歳上の新人×歳下の先輩。平均年齢50歳という、お菓子のパッケージ会社「アマイ企画」の若手社員2人の、なんとも不思議で、なんとも微妙で、なんとも素敵な関係を描き出したオフィス4コマです。主人公は2人。高校を卒業してすぐに入社した、制作室のエース・別所たまき(20)。甘味を糧に仕事をバリバリこなす彼女は、憧れの人などはいるものの、恋愛経験はほぼゼロ。そしてもう1人は、営業部に配属された新人・原田智哉(22)。イマドキの若者という感じの彼は、歳下の先輩にも物怖じせずに接する。最初はいがみ合っていたふたりだったけど、気がつけばなんとも不思議な関係になっていて…という流れ。この関係がなんとも言えない。


ベツバラ
歳下でも、先輩だからため口。でも頼りないところはあって、そういう時に原田くんがフォローする。ああ、なんて素敵な…!


 あるある、こういう絶妙で微妙な関係。たまきには、その都度憧れの存在を用意し、原田くんが気になって…という流れにはなりません。また原田くんにも入社当時彼女がおり、その後すぐに別れるものの、しばらくその子のことを引きずります。やがてくっつく方向に行くのでしょうが、現時点ではそういった気配はなく、あくまで先輩と後輩の関係を保ち続けているという状況。しかも変に気構えせずに、あくまで自然に接するから、その距離感がなんとももどかしく、同時に心地よい。どちらも変に気遣いをするような性格でなく、あくまで先輩後輩というスタンスで接するので、こういう関係が築かれるのでしょう。そしてふとした瞬間に、歳上と歳下という関係が出てくる。このバランス感が本当に絶妙、たまりません。
 
 2人だけの関係にフォーカスした作品ですが、毎回しっかりオチをつけて、4コマとしてしっかり機能。4コマとしての流れを無視した仙石寛子先生の『背伸びして情熱』みたいな作品も素敵ですが、やっぱりこういう4コマのおいしさを味わいながら楽しめる物語ってのは、イイですねぇ。ツボに入っただけかもしれませんが、かなり楽しめたのでオススメで。面白いというか、とにかく好き。


【男性へのガイド】
→このもどかしさは男女共通。ま、芳文社4コマですし。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→雰囲気、設定、がっつりツボに入りました。恋愛未満のムズかゆい関係を、心行くまで楽しみたいと言う方に、心からオススメ。


作品DATA
■著者:曙はる
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイムスペシャル「2008年5月号~2009年10月号」
■既刊1巻
■価格:619円+税

■購入する→Amazonbk1

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Tag [新作レビュー] [オススメ] [4コマ] 2009.09.11
07228459.jpg井上トモコ「はこいり良品」(1)


木下しおり27歳
祖父の古書店を継ぎ
店長になりました



■木下しおり27歳。幼い頃から本が大好きで、この度念願叶って祖父の経営する古本屋を引き継ぐことになりました。小さい頃から商店街の人たちに愛されて育ち、今ではすっかり、木下家ではなく、商店街の娘状態に。両親は共に単身赴任で不在だけど、高校生の妹と、まだまだ現役の祖父と一緒に毎日楽しく過ごしています。小さな古本屋には、なかなか厳しいご時世。でも、本が好きだという気持ちと、商店街の人たちの温かさで頑張ります!

 1巻発売までに、連載開始から実に4年を費やしたというからスゴい。いや、4コマでは得てしてこういうことが起こるのですが、それでも4年ってのはなかなか。ということで、「はこいり良品」のご紹介です。ヒロインは、27歳にして古本屋の店長になった木下しおり。昔から本が大好きで、その上しっかり者。単身赴任で不在の両親の代わりに、妹の面倒を立派に見ています。放浪癖のある祖父と、まだ高校生の妹ということで、店の切り盛りはほぼ彼女一人でこなすという状況。本が好きという気持ちと、売り上げアップさせなくてはという商魂の兼ね合いから、時折不思議な方向へ彼女を走らせるのですが、それが一つのネタに。ま、基本的にはしっかり者なので、そういう意味では読んでいて安心ではあります。


はこいり良品
思わず「欲しい…」と呟いてしまった本棚。しおりさん、かなりのアイデアマン(ウーマン?)でもあるのです。


 古本屋と商店街の面々、そして家族との変わらぬ温かい日常を描くのかと思いきや、それだけには留まりません。妹と、その幼なじみである魚屋の倅でラブコメチックな展開を用意。最初、倅はしおりに憧れていたものの、周囲の意図によってかよらずか、段々と妹のほうが気になるように。当の妹はというと、その気は一切ナシで、あくまで彼を見るのは「幼なじみ」という目線だけ。それでも二人の関係に、若干の変化が見られているから、これから先が楽しみです。またしおりも、お見合い話から同業者の青年との知り合いになるなど、これから先動き出しそうな要素アリ。ま、彼女も妹と同じく、彼のことははあくまで「同業者」としてしか見ていないわけで…普段は正反対の性格でも、根は似たもの姉妹ですね。
 
 まとめると、古本屋ないし商店街軸で、日常という変わらぬ物語を描き出し、同時に恋愛軸で、変わっていく人間関係を描き出すという構成。変わらぬ良さと、変わっていく面白さ。その二つを、見事なバランスでミックスさせた良作と言えるのではないでしょうか。一冊で二度も、4コマの醍醐味を味わえるようになっています。おすすめ。


【男性へのガイド】
→芳文社4コマですからね、読みやすいに決まってます、はい。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→続きが出るのはいつ?…待ち遠しいぜ。このバランス感はなかなか出せるもんじゃないと思うんですけど、どうなんだろ。あ、わかりにくいかもですが、オススメですよ。


作品DATA
■著者:井上トモコ
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイム(2005年3月号~)
■既刊1巻
■価格:619円+税

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かくかくしかじか
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レビュー
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王国の子
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レビュー
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レビュー
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
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