このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] [BL] 2015.02.14
1106492691.jpgチョコドーナツ「ネコにさよなら」



……だけど
いい人だ




■捨てられた白いネコと、振られたばかりのサラリーマン。気まぐれに拾ったら、なんと人間に変身!?美少年(ネコ)の飼い主探しに協力するため、2人暮らしが始まった。泣き笑い癒され傷つき、シーソーのように揺れる気持ちが、生物の壁をこえた絆を築いてゆく……。

 本作はライトなBL要素をふくんだ、猫と人間の絆を描いた感動もの。主人公はいつも外面を気にしつつも、それが仇となってか「いい人」認定されてよく女性にフラれてきたサラリーマン・赤井。今回も「いい人だけど…」とフラれ公園で落ち込んでいたところ、一匹の白い捨て猫を見つけます。弱った心に響くところがあったのか、拾って帰ったのですが、なんと翌日その猫が人間の姿に…!何が起こったかわからない中、その猫・シロの話を聞くと、飼い主を探しているとのこと。これも何かの縁と、少しの間飼い主さがしを手伝ってあげることに。一緒に暮らすことで、だんだんと自分の中でシロの存在が大きくなってくる赤井ですが…というお話。


ネコにさよなら
突然ネコになったり、BL要素絡みつつとか、色々と特殊要素はあるのですが、泣かし方はかなり真っ当。序盤こそ同居もののドタバタコメディという感じですが、物語が進むにつれ、ストレートに感動できるように。


 ネコのシロは姿こそ美青年/美少年ですが、中身はかなりのわがままな子供という感じ。人懐っこく甘えてくるのですが、その可愛さに赤井もやられ、なんだか妙にドキドキするようになります。ドキドキする対象は男である上に猫…種別も性別も越えた想いということで、かなり特殊でクセの強い作品のように思われるかもしれません。けれどもいわゆるBL要素は薄めで、強く描かれるのは飼い主と猫の信頼関係・絆といった、より根源的な感情です。イメージ的には子供向けのアニメとかに近いかな、と。根となっている所(感動の源泉となる部分)が比較的ベタであることに由来しているのかも。ラストのシロの語りなんか、なかなか泣かせるんですよ。

 主人公の赤井は「絵にかいたいい人」ではなく、時に自分の感情を優先させてしまう人間臭いところのある人物です。詰まるところ、フツーという。シロは逆に「ネコはあんまり手がかからない」というイメージとは遠く、めちゃくちゃ手のかかる子って感じ。ネコを買ったことがないのでわからないのですが、感覚的にはここで描かれている内容に近い感じなんでしょうか。

 バレンタインデーということで、何かチョコレート物件を…と思っていたのですが、「失恋ショコラティエ」でド定番で行くよりも、ちょっとひねってこんな作品をお届けしてみました。作者さんがチョコドーナツ先生なので、いいかな、と。本作はふゅーじょんぷろだくとのCOMIC Beという雑誌で連載されていた作品です。BL作品も多数含んだ女性向けの雑誌で一般的にはかなりマイナーなのですが、最近は「魔法少女 俺」がヒットし、書店で平積みされているところをよく見かけます。本作も書店いくつか回ってみたのですが、大型書店でようやく発見できる程度。もっと読まれてほしいなぁなんて思う一作でした。 


【男性へのガイド】
→BL要素がありますので、ややハードルは高めかと思います。BL比で言ったらかなりライトなので、とっつきやすいかとは思いますが。
【感想まとめ】
→割とド直球の感動もので、そういう作品を欲している方にはうってつけなんじゃないかと思います。2人の小さな世界で織りなす、優しい物語です。



作品DATA
■著者:チョコドーナツ
■出版社:ふゅーじょんぷろだくと
■レーベル:Be Comics
■掲載誌:Comic Be
■全1巻
■価格:675円+税


■試し読み:第1話~3話(pixiv)

スポンサーサイト
カテゴリその他のレーベルコメント (0)トラックバック(0)TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [オススメ] [BL] 2011.08.15
1106048512.jpgこめり「いとしのこいしの」


美しい思い出(予定)の人が
目の前にいる事の方がハプニングです



■高校生の修はネットで知り合った年上の野田さんとお付き合い中。趣味も合うし、真面目で優しくてスゴく愛されてるって分かってる。けれど、時々不安になるんだってば…!なんで家に行っちゃいけないの?なんで仕事の話をしてくれないの?なんでデートは6時解散なの!?もしかして…もしかして…!募る不安から、疑心暗鬼になる修は、真相を確かめるために…。恋する男子の疑心暗鬼を面白おかしく描く表題作に、独特の切り口で綴る新鋭こめりのファーストコミック登場!

 久々のBLレビューです。もっとBL作品ご紹介したいのですが、少女マンガの新刊だけでも現在レビューできてない作品が多くて、なかなか手が回らないというのが現状…。なんとか改善したい!ということで、こめり先生のデビュー単行本のご紹介です。安心の東京漫画社マーブルで、この表紙。「あ、ほのぼの系だな」と簡単に見当ついたのですが、やはり内容もそのままで、非常に読みやすかったです。
 
 読切り中心に、5シリーズ6編を収録。どれも学生たちが主人公で、希望に満ちあふれているのだけど、力のない自分、マイノリティとしての存在ということも自覚していて、どこかみんな後ろ向きで、ささやかな幸せを噛み締めるというような男の子という印象がありました。表題作は既に恋人がいるシチュエーションですが、その他は基本的には付き合う以前。とにかく初々しく微笑ましい、遠慮しがちで時に大胆な恋の駆け引きを楽しむことができます。「泣きたくなるほど晴れた日に」は、社会人の主人公ですが、そこに高校生の男子(しかもカップルではない)が介入してきて、やっぱり瑞々しさというか、ピュアさを際立たせるには学生というのは欠かせないのかな、と思ったり。すごく奇妙な構成なのですが、それが不思議と心地いいのですよ。その風景は完全に「日常もの」で、ガツガツしておらずエロ表現もほぼなし。全体的にマイルドでとっても読みやすいです。


いとしのこいしの
「四六時中一緒に居たい相手なんてな
 一生に一人出会えたら充分なの」
 おもわずスゴく納得できてしまった言葉。この作品の言葉は、何気なくとも力があるというか。


 どのお話もすごく面白かったのですが、個人的にお気に入りだったのは、2話目「メリー・メロー・メモリーズ」。主人公は、高校卒業を目前に控えた男の子で、サッカー部のとある男子に憧れています。けれども大して話したこともないし、こんな片田舎で男が好きなんて絶対に言えない。彼のことは高校時代の綺麗な思い出として取っておいて、大学に入ったら恋人を作ろう!と息巻くのでした。けれどもひょんなことから彼と知り合いになり、思わぬチャンスが巡ってきて。。。というお話。もうこの初っぱなから「望み薄だから」と早々に諦めている感じがなんだかとってもリアルというか、可愛いなぁ、と(笑)けれども青春時代の妄想というのは、悪い方でも良い方でも、想像通りにはいかないわけで、思わぬところから仲良くなるきっかけを掴むわけですが、このチャンスをしっかりと掴んじゃうあたり、主人公の彼はなんだかんだでやり手だなぁ、と。
 
 もうひとつは「これも何かのご縁でしょ。」。学生バイトの青年と、若社長という組み合わせなのですが、意志薄弱な現代っ子と、ちょっと酸いも甘いも知った黒髪メガネ社長という組み合わせがなんだかとてもツボってしまいまして、この二人が絡んでるだけでなんだか眼福でありました(ってこれがBL萌えの第一歩か!?)。別に何があるってわけではないのですが、雰囲気が良いのです。雰囲気が。
 
 書き下ろしでそれぞれのお話のその後が描かれているの良かったです。大きな出来事が起きるような非日常的な作品とは対極にいるような作品でしたが、それこそが魅力で、しっかりと見るに耐える作品に仕上っていると思います。良き癒しとなってくれました。


【男性へのガイド】
→BLとはいえ、そういうカップルを描いた日常ものだと変換すれば、案外容易に受け入れられるんじゃないかと思ってみたり。女の子は一切登場しないです。
【感想まとめ】
→この雰囲気は大好物です。黒髪×金髪という組み合わせが基本になるので、最初はちょっとキャラの見分けつかねーな、という感じでしたが、最後はちゃんと見分けつくほどにキャラ付けされてるという。これって多分それだけしっかり読めたからだろうな、と思うのです。


作品DATA
■著者:こめり
■出版社:東京漫画社
■レーベル:マーブル
■掲載誌:Cab
■全1巻
■価格:629円+税


■購入する→Amazon

カテゴリその他のレーベルコメント (0)トラックバック(0)TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [オススメ] [BL] 2011.05.07
1102940578.jpg山中ヒコ「エンドゲーム」 (1)


言えない言葉は
二つに増えた



■克哉は共に暮らす親代わりの青年・透に道ならぬ恋心を抱いていた。けれどもそんなこと、言えるはずもない。その想いを胸に秘め、日々柔道に打ち込んでいた。そんなある日、亡くなった母の知り合いだという男から、母の死は事故ではなく轢き逃げ   殺されたのだと聞かされる。今まで知ることのなかった真実。母の記憶は朧げで、実感の湧かない克哉であったが、当時の新聞記事にあった遺留品の記述から、透が犯人かもしれないという疑念が生まれ…

 山中ヒコ先生の新作…ってレビューしようしようと思ってるうちに2巻まで出て完結しちゃったよ!ということで、「エンドゲーム」のご紹介です。義理の親子の禁断の愛を描いたお話です。主人公は、孤児であった所を透に引き取られ、今は二人で暮らしている克哉。大きく逞しく育った彼は、日々柔道に打ち込み、全国的にも有名な選手に育っていました。そんな彼には、秘めた想いがひとつ。それが、親代わりに育ててくれた透のことを、思い続け日がなよからぬ妄想を繰り広げているということ。これが許されない想いであることを自覚し、日々我慢しながらの生活。そんなある日、亡くなった母の知り合いだという男から、母は轢き逃げで死んでいたことを告げられます。気になって過去の新聞記事を調べると、そこには松脂が現場から検出されたとの情報が。透は画家で、松脂を使ったターペンタインを使っていることから、克哉は透が轢き逃げの犯人ではないかとの疑念を抱くようになるのですが…というお話。


エンドゲーム
克哉の想いを秘めざるをえないしがらみは多い。動きたくても、動けない。


 寡黙で黙々と部活に打ち込む、大柄な高校生と、弱々しく頼りなげで、けれども子供のことを第一に考え生活している画家の、疑似家族BL。禁断がいくつも重なるような、複雑な事情ではあるのですが、引き取り育ててくれた透が自分を孤児にした轢き逃げ犯であるかもしれないという疑念が一番大きな問題として主人公の前に横たわるため、その他の禁忌は比較的無意識のままに物語は流れていきます。主題として用いられる疑疑念で終わるはずもなく、真実は1巻ラスト~2巻にかけて明らかに。結果主人公は、積み重ねた大切な時間と、過去に冒した大きな過ちを心の計りにかけ、己の進退を決定していかなくてはならないのですが、その過程が切ない切ない。そしてドンピシャに狙ったタイミングで、過去の思い出を挟んできて、泣かすのですよ。ずるいです。
 
 苦悩・葛藤する主人公に対し、透は何もしません。いや、できないと言った方が正しいのか。向かう先は悲しき未来、けれども自分の気持ちに嘘はつけず、日々を慈しむように記録の収めるその姿が、これまた切ないです。どちらも共に、ストイックというか、必要以上に我慢しちゃうんですよね。優しく切ない、良き作品でした。
 
 物語は2巻半ばで一応完結。残りは番外編が組み込まれるのですが、ちょっとだけ切なさのある良き余韻を残しての最終回であっただけに、その後をガッツリ描かれるのは個人的にちょっと残念だったかもです。それであれば子供時代の思い出に絞ってもうひと泣かせとか。なんてワガママでしかないわけですが。何はともあれ、素敵なお話でした。


【男性へのガイド】
→BLですので。BLですので。はい。
【感想まとめ】
→ゼッタイにありえないであろう設定を、上手いこと物語の中に日常風景のように溶け込ませてしまう手腕はお見事。プラトニックに切ない物語は好物です。


■作者他作品レビュー
山中ヒコ「丸角屋の嫁とり」
山中ヒコ「森文大学男子寮物語」


作品DATA
■著者:山中ヒコ
■出版社:新書館
■レーベル:ディアプラスコミックス
■掲載誌:ディアプラス(連載中)
■全2巻
■価格:571円+税


■購入する→Amazon

カテゴリ新書館コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] [BL] 2011.02.28
1106005846.jpg秀良子「リンゴに蜂蜜」


会いにきてくれて
ありがとう



■松田夏樹・大学2年生…ゲイ。付き合っている男に突然結婚すると言われ、年下の男に唐突に「カレー部入んない?」と誘われた。ずけずけと踏み込んでくるその男に、最初は引いたけれど、気がつけば、寂しさも哀しみもカレーが大好きなアイツが現れてから、少しずつ幸せへと形を変えていた。すごく甘くてちょっぴり可笑しいコマノ&夏樹シリーズ他、10年振りに訪ねてきた同級生とのひと夏を描いた「世界の終わりのなつもよう」を収録。

 秀良子先生のマーブル初コミックス。毎度おなじみマーブルです。3週連続でBLレビューになってますが、元々毎週日曜はBL作品で更新しようとか決めたとか決めていないとかいうあれがあったので、いわば意地になってるのです。上記の表題作シリーズ、大学生の二人を描いたお話の他に、もう一シリーズ収録。こちらは、ある日突然元クラスメイトが自分の家に「2012年に人類が滅びるって聞いて、誰に会いたいか考えたら来てしまった」とわけのわからない事を言って押し掛けてくるというお話。短編集というよりは、シリーズ集という感じの一冊となっています。


リンゴに蜂蜜
「世界の終わりのなつもよう」より。世界の終わりを意識させる、「何でもない夏の日」の描写。起伏のない物語ながら、その味わいはかなり深い。


 せっかくなので両方のお話について書きたいと思います。まずは表題作シリーズの方。こちらはカレー部に所属する二人の男子大学生のカップルを描いたお話。ゲイであることから、なかなか大学の人間と関われないでいた主人公に、ある日突然馴れ馴れしくカレー部に入らないかと声をかけてきたのは、大学の後輩である生徒。女と間違われて話しかけられただけ、しかもカレー部なんてものは存在していなかったのですが、夏樹に興味を持った彼はそれ以降もつきまとうように声をかけてきます。いわゆるゲイ側は大人しくて全然乗り気じゃないんだけど、そんな彼に興味を持ってしまったノン気がどハマりしてしまうというパターン。後輩ということもあり、結構自由でワガママな彼に振り回されつつも愛してしまうという、このグダグダ感が可愛らしいお話になっています。
 
 もう一方、「世界の終わりのなつもよう」は、逆に全くのノン気の主人公。というか、これってBLなのってぐらいにあっさりとした関係性が描かれます。というかこれはBLテイストと言った方が良いような。マヤ歴終焉という話から来る、「2012年世界滅亡説」を信じた元クラスメイトが、会いたくなったと主人公の家を訪ねてくることから始まる物語。序盤全く「好き」とも明言しない、近づかない。ただ「会いたくなった」と言い、それを言葉では跳ね返しつつも許容してしまう関係。実に奇妙なとある夏の日々を、淡々と切り取っていくだけなのですが、それでも最後のまとめ方が美しく、読み終わったときにすごくスッキリとした前向きな気分になれました。こういう時間の流れの中に、一度身を落としてみたいな、となんとなく憧れもあったり。いや、不思議な味わいで良かったです。


【男性へのガイド】
→表題作シリーズは若干厳しかったのですが、逆に世界の終わり~の方はしっくり。この感覚で。恋愛感あるかないかの違いでしょうか。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→東京漫画社は好みの作品が多いのですが、これまたちょっとテイスト異ならせつつで楽しむことができました。


作品DATA
■著者:秀良子
■出版社:東京漫画社
■レーベル:マーブルコミックス
■掲載誌:
■全1巻
■価格:629円+税


■購入する→Amazon

カテゴリその他のレーベルコメント (0)トラックバック(0)TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] [BL] 2011.02.21
1102992754.jpg宝井理人「花のみぞ知る」(1)


…想像と
違うじゃん



■ある晴れた日の午後、大学の構内で…。ある雨の日の夕方、駅で…。有川と御崎は出会った。かわいい彼女がいて、人当たりがよく人気のある有川と、無口でどこか近付き難い雰囲気のある御崎。お互い名前も知らず、存在も知らなかった二人の始まり。期せずして、研究室で一緒に過ごすことになった二人の距離は、段々と縮まっていくけれど…。出会いは偶然、恋は必然、ふたりの物語は、はじまったばかり…

 「セブンデイズ」(→レビュー)でおなじみの、宝井理人先生の新連載。といっても、1巻の発売はちょっと前ですので、後追いのような形になりますが。今回ももちろんBL作品なのですが、まぁなんとも素敵な表紙ではないですか。この構図もさることながら、色使いに、ディテールのデザインに、帯に、どれもツボ。思わず購入しました。とある大学を舞台に繰り広げられる、一組の恋物語。イケメンで人当たりが良く、かわいい彼女もいる人気者の法学部生・有川と、人とは話さず研究ばかり、周囲からは同性愛者として見られている農学部生・御崎。全く接点のない二人が出会ったのは、大学構内と駅で偶然ぶつかったから。御崎は何にも気に留めず、以降も過ごしていたのですが、人気者・有川は御崎に興味津々。とある授業に出ていることを知るやいなや、その講義室に突っ込み、御崎に猛アプローチを始めます。とはいっても、恋愛感情は抜きにした、単純な興味から。そして良いタイミングで、御崎の研究室の手伝いを、有川がすることになるのですが…


花のみぞ知る
得体の知れない男・有川に戸惑うも、気になる気持ちは当然芽生えるわけで…。


 どちらかというと人付き合いを避けるようにして生きる後ろ暗い青年と、誰からも愛されるような人懐っこい太陽のような青年、そんな二人の組み合わせというのは、「セブンデイズ」を彷彿とさせるカップリングではあるのですが、こちらの方がよりゆっくりと時間が流れている印象。高校と大学という、舞台の違いもあるのでしょう。そして3年生ということで、それなりに落ち着き、時間もある程度自由にやりくりできるというのも、良いです。
 
 今回もまた、全ての躊躇を好奇心のみで軽く飛び越えていってしまうような、爽やか変人が登場するのですが、やっぱり男としては御崎は理解できても有川は受け入れがたい(笑)こう、男が無駄に大切にしているような残念な部分を一切持たず、全てをサクサクと切り捨てて周りも見ずに前だけ進んでいくような彼は、この作品のタイトルにかけて例えるとしたら、まるで“造花”のよう。とびきり美しいかわりに、生ものの香りがしてこない、そんな印象を受けるのです。だからこそ、全てを切り離した世界の中、同性的な感覚での共感という方向(といかそもそもそんな読み方は求められていない)に働かないであろうメインの女性読者からしたら、さぞ素敵なお話なのだろうな、と。というわけで私は、うだうだと根暗にはっきりとしない御崎が、俄然好きなわけですよ。(結局そこかっていう)


【男性へのガイド】
→有川という男はどう思われるのか、気になるところでは有ります。相変わらずのプラトニックさで、BL水準としては読みやすい部類に入るかと。ただ、あくまでBL水準で、ということをお忘れなく。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→なんだかんだで2巻買っちゃうんだろうな、と。オススメしていいのかはよくわからんです。だからここで。


作品DATA
■著者:宝井理人
■出版社:大洋図書
■レーベル:ミリオンコミックス
■掲載誌:CRAFT
■既刊1巻
■価格:650円+税


■購入する→Amazon

カテゴリその他のレーベルコメント (2)トラックバック(0)TOP▲
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。