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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2015.01.24
1106481972.jpg葉鳥ビスコ「ウラカタ!!」(1)


おまえの才能は今!!
ここで発揮されるためにあったんだからな…?!



■超ネガティブ思考の七石大学一年生・蘭丸は大学構内で映研が撮影中のゾンビに遭遇!血糊に驚いて気絶した蘭丸が目を覚ましたのは「美研」こと映研の美術製作班の部室。個性的な美班メンバーに出会い、蘭丸の日蔭生活が一変することに!!とびっきりのハイパー☆青春DAYS、待望の第1巻登場!!

 「桜蘭高校ホスト部」の葉鳥ビスコ先生の新連載です。今回の舞台は大学。そしてスポットが当てられるのは、大学の映像系サークルを裏で支える「美術製作班」ということで…。ではではあらすじをご紹介しましょう。
 物語の主人公は、大学に入学したばかりの内気な青年・栗栖蘭丸。とにかく日々静かに“日蔭”で生きていたいと願っていたのも束の間、映研の撮影現場に迷い込むというハプニングに見舞われ、紆余曲折あり美術製作班(通称:美班)の部長に目をつけられることに(いい意味で)。美術製作の資質を部長に見いだされた蘭丸は、気弱なところに付け込まれるようにして、半ば強引に美班の活動に参加するようになるのですが…というストーリー。


ウラカタ1-10002
当たり前ですが、割と体力系のサークル。部長はかなり体育会系の匂いを感じさせる人物で、一方の蘭丸は体力なしで気弱。これくらい強引なほうがちょうどよいのです、たぶん。


 前作は華やかな印象のあるホストをネタに使っていたわけですが、今回はホストとは真逆の、裏方的存在にスポットを当てています。なかなかコアなところを攻めて来ていますが、こういった変わり種のコミュニティを描く作品は最近割と多く、むしろ同時に専門的なネタを交えつつ間を持たせることができるので、割と手堅いといった印象があったり。また今回は大学ということもあってかなり自由度は高まっているため、フィールドとしてはなかなか楽しそうですね。

 この毛糸のお話では当たり前ですが所属メンバーはいずれもキャラ濃いめで、それぞれに得意分野があります。一応まとめて「美術」とされていますが、そのカバーする領域は非常に広く、セットや衣装のほか、特殊メイクやミニチュアといった特撮チックな分野にも手を伸ばしています。そんな個性派ぞろいの中で、主人公は割とキャラ薄めに設定されており、上手いこと彼らとバランスが取れているという感じでしょうか。とはいえ主人公は何もできないわけではなく、抜きんでて手先が器用で、また周囲を観察する力に長けているという、美術にはおあつらえ向きな能力が備わっています。

 技術的な面では主人公はもう十分に通用するレベルにあるので、特殊テーマでのスキルアップ的な方向には進むことはありません。主として描かれるのは、彼の精神面での変化・成長だと思われます。先述のように、彼は手先が器用(かつ不運)なことであらぬトラブルを招き、自分に自信がない状態に陥っています。そんな彼が、自分を必要としてくれる“居場所”と見つけ、その中で人間的成長をしながら、これまで味わうことができなかった青春を楽しむ、そんな所が一つ物語の核となるのではないでしょうか。


ウラカタ
 1巻はまだまだ自分の居場所を見つけ始めたというレベルでの幕引きで、友情や恋愛と言った要素はこれから徐々に動き出していくことになるのでしょう。そこは実績のある漫画家さんゆえの、長期連載を見据えたゆったりとした組立て。おそらくサークル内での矢印が飛び交うことになるのだと思うのですが、一つあざといのは、蘭丸は実はいとこの家に下宿をしており、そこに高校生のツンツンな美少女がいるといういかにも何かありそうな人物配置。いやいや、色々と先が楽しみですとも。


 
【男性へのガイド】
→桜蘭高校ホスト部って割と男性受けいいんですよね。本作もノリはそこまで大差なく、また主人公は男の子ですから、当然本作もとっつき易いのではないでしょうか。
【感想まとめ】
→1巻時点ではガッツリ心つかまれるという感じはないのですが、巻が重なるにつれ面白くなりそうな予感はものすごくしています。これは外さない感じがビシバシと。



作品DATA
■著者:葉鳥ビスコ
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:LaLa
■既刊1巻
■価格:429円+税


■試し読み:第一話

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Tag [新作レビュー] 2014.12.15
1106463696.jpg池ジュン子「水玉ハニーボーイ」(1)

新しい扉
開けるわよ



■強さを求めてひた走り、「侍」の異名を持つ剣道部副主将・仙石芽衣。女子力高く仕草や口調は女の子、女装も辞さないオネエ男子・藤司郎。真逆な2人だけど、オネエ男子が侍女子にまさかの恋!告白攻撃を侍女子が叩き斬る!?ツッコミ不在のハイテンションラブコメ!

 「BEAR BEAR」(→レビュー)の池ジュン子先生の新作です。前作は小っちゃい女の子と被り物をしている男子という特殊なカップルでしたが、今回も負けず劣らず凸凹な組み合わせとなっております。ヒロインは、周りから「侍」と呼ばれる剣道一筋の仙石さん。恋愛とは縁遠い所にいる、女子からの支持高い麗しの女子高生。一方そんな彼女の恋人に立候補したのが、手芸に料理になんでもござれ、コミュ力も高いオネエ男子の藤司郎。「恋をしている暇はない」と断りを入れていた仙石さんでしたが、意外と打たれ強い藤くんは、その後もあの手この手でアプローチ。だんだんとほだされてきた仙石さんでしたが。。。というお話。

 この設定勝ちなお話。池ジュン子先生の連載で普通の男子は望めないのでしょうか(ほめ言葉)。オネエ男子ってのは女性向け漫画でも割と登場するキャラなんですが、真正面から相手役に据えるのはそこまで多くない印象があります。なぜなら毎回描かれると胸焼けがするから…と私は思っているのですが。本作についても、なかなかくせのあるキャラで結構味付け濃いめだと思うのですが、それでも割と自然に楽しめてしまうのは、ヒロインもまた癖のある濃いキャラだからでしょうか。


水玉ハニーボーイ
 侍×オネエということで、素直にその設定を受け取れば、仙石さんに守られる藤君というパターンが定石。しかしながら本作は、強くあろうとする仙石さんがふと見せる弱さに対して、藤君が男らしく守って見せるという割と全うな展開となっています。そう、オネエ方面で魅力を見せるかと思いきや、藤君はすごく男らしいんですよ。そのギャップが魅力的なんです。包容力と、瞬発的に見せる男らしさが素敵。


 白泉社は比較的展開が早く、すぐに付き合ってしまったりもするのですが、本作では仙石さんのガードがなかなか固く、付き合うには至りません。少しづつ意識はしてくれているのですが、色々と抵抗はあるようですね。とはいえ二人の距離感・役割はほぼ固まっている感もあるので、それほど時間はかからないのかも。赤面の仕方といい、彷彿とさせるのは「会長はメイド様」の会長なんですけれども、相手役が全然違うという、この新鮮さをお楽しみください。

 
【男性へのガイド】
→イケメンですが、オネエという相手役。いわゆるキャラもの作品ですが、そういった作品がお好きな方であれば楽しめるのではないでしょうか。
【感想まとめ】
→藤君はなかなか好印象なキャラクターで、見ていて非常に楽しかったです。これからこういう相手役が定番になったりするんですかね。


作品DATA
■著者:池ジュン子
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:LaLa
■既刊1巻
■価格:429円+税


■試し読み:第1話

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Tag [新作レビュー] 2014.09.07
1106433683.jpg音久無「黒伯爵は星を愛でる」(1)



そんなあなたが欲しいと思った
この手で守ってやりたくなった




■下町で花売りをするエスターは、母を亡くし、双子の兄とも離れ離れ…。
「いつも笑顔でいれば、素敵な王子さまが現れるわ」
そんな母の言葉を支えにしていたある日、
エスターのもとにヴァレンタイン伯爵が現れ、「貴女は今日から私の花嫁です」と…!?
しかし、伯爵には別の顔も…!?
半吸血鬼のシンデレラストーリー!!


「花と悪魔」(→レビュー)の音久無先生の新連載になります。今回も安定のファンタジー作品。主人公は、早くに親を亡くし下町で貧乏ながらも明るく暮らしている少女・エスター。つい最近、一緒に暮らしていた双子の兄も養子となり、今は一人で生活しています。そんな彼女の前に、ある日いきなりイケメンの伯爵が現れ「貴女は今日から私の花嫁です」なんて言ってくる。甘い言葉に乗せられ、ホイホイとお城についていくと、やはりそこには裏がありました。イケメン伯爵の本業はヴァンパイアハンターで、エスターは半分ヴァンパイアの血が流れる半吸血鬼。人間社会に紛れ込むヴァンパイアを見分ける能力を持つエスターの能力を仕事で利用しようと、結婚を申し込んだのでした。そんな背景はありつつも、結婚は結婚。愛なんてこれっぽっちもないところからの、新婚生活が始まったのでした…。

 半吸血鬼は血を吸わないかというとそんなことはなく、その本能に目覚めてしまうと人を襲うこともあるそうな。そんな一見相対する二人が関係を築いていく物語ということで、なんとなく「花と悪魔」の関係性を連想させます。ただしあちらが人間愛的なところが出発点であったのに対し、こちらは結婚スタートということで、恋愛特化の物語となります。


黒伯爵は星をめでる1
伯爵はエスターを利用するという前提はあるものの、しっかりと夫婦としての関係は築いていこうという考えはもっており、良好な関係醸成に前向き。しかし一方のエスターは、初回に背景を脅され気味にカミングアウトされているため、伯爵にそんな気持ちがあるなんてことは露知らず、あまり積極的に良好な関係を築こうとはしません。そんな気持ちのすれ違いがひとつ、微笑ましいポイント。

 ヴァンパイアハンターの仕事が物語を転がすメインとなるので、割とアクションは多め。そして何かにつけてエスターは危険な目に遭いがちで、都度伯爵が守ってくれるという、「ヒーローに守られるお姫様」的なシチュエーションがお好きな方にはかなりおあつらえ向きな内容になっているかと思います。

 
【男性へのガイド】
→典型的な王子様とお姫様的なストーリーですので、そういったものが好きな方には良いのではと思います。
【感想まとめ】
→「花と悪魔」の幻影を見たのは私だけではないはず。それを差し置いても、安定して楽しめるファンタジー作品だと思いました。個人的に伯爵のキャラも好きです。


作品DATA
■著者:音久無
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめコミックス
■掲載誌:花とゆめ
■既刊1巻
■価格:429+税


■試し読み:第一話

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Tag [続刊レビュー] 2014.08.03
1106422048.jpg天乃忍「ラストゲーム」(6)


…柳のこと考えると
わけわかんなくなってやだ…



■6巻発売しています。
「柳だったら、嫌じゃないよ」
九条にとっての友達の距離感に悩み悶える柳。だけど、酔った柳は夢だと思って、九条にまさかの!?同窓会、誕生会、夏合宿…楽しい夏休みは、柳、相馬の眠っていた衝動を呼び起こし、ドキドキの連続に!!


〜怒濤のラブコメ〜
 6巻発売しています。女子のライバル登場によってだんだんと柳に追い風が吹いてきた感のある5巻ですが、6巻では風力を増して柳に吹きすさびます。もうね、なんだこのラブコメってぐらいにラブコメ。しかもなんだか、絡み方に色々なパターンがあるという贅沢っぷりでございますよ。



ラストゲーム6−2
まずはプラネタリウムでド定番のこれ。付き合う前、付き合った直後、初めての映画でありがちなやつです(あくまでマンガ・アニメの世界での定番ですから)。しかも腹立たしいことに、これデートとかじゃなくて、天文サークルの面々で行った時にやってますからね。これリアルであったとしたら、気づかれたら結構気まずいことになりそうです(笑)



ラストゲーム6−1
続いてはこんなの、付き合って長年経ったカップルが見せがちな「夫婦?」というアレ。付き合ってすらいないのに、この空気感はすごい。男女としての関係に進展が見られずやきもきしていた柳ですが、友達的な関係性から見ればこんなにも自然に打ち解けられているという。小中高の流れからすれば、これでもすごい進歩なんですけどね。なんとなくですが、付き合ってしばらく経って落ち着いたら、きっとこんな感じになるのだろうと予感させるものがありました。


しかしなんといってもこれですよ、これ…



ラストゲーム6−3
色々とニヤニヤポイントはあったのですが、やはりポイントが高いのは、普段フラットな九条さんが取り乱す瞬間でして。そしてその取り乱しっぷりが大きければ大きいほど、そのポイントは高くなるという。あの一件以降取り乱しまくり、赤面しまくりの九条サンですが、ついに「ばか」発言ですから。

 九条さんはこれまで決して柳に対して「ばか」なんて言いませんでした。相手を卑下することもなく、そして冗談を言う事もなかったから。それを踏まえた上でこの発言を振り返ると、実に味わい深い。もうこれだけでご飯5杯くらいいけそうです。思わずこんな発言をしてしまうほどに、彼女に余裕がなくなっている、そしてこんな言葉を発せてしまうほどに、柳を親密に捉えている、と。他にも色々とにやけポイントはありましたが、発言が持つ意味ではこれが段違いにポイント高いのです。


〜相馬くんが不憫すぎる…〜
 さて、このまま一気に成就か思ったのですが、正念場を迎えそうなのはむしろ相馬の方という。まさかまさかの…。しかし彼の周囲に巻き込まれている/動かされている感はすごいですね。それはその他の脇役の意思でもあり、作者さんの意思でもありなのですが、彼の想い通りに事が運んだシーンがまぁ無いこと無いこと。今回も不憫の極みとでも言うべき状態で、実家に押し掛けられる → 高校時代想いを寄せていた子に再会 → 親父と喧嘩 → 予定外のラスト という怒濤の流れ。そろそろ彼に幸せが訪れてほしいものです。


【関連記事】
作品紹介→10年越しの恋の駆け引き:天乃忍「ラストゲーム」1巻
2巻レビュー→守られてるのに気づかないこのもどかしさ:天乃忍「ラストゲーム」2巻
3巻レビュー→必要性のあることだからなんですよね?:天乃忍「ラストゲーム」3巻
4巻レビュー→本格的にラブってきたら柳はショック死するんじゃ:天乃忍「ラストゲーム」4巻
5巻レビュー→空回りっぷりがかわいい:天乃忍「ラストゲーム」5巻
作者他作品紹介→流れる季節に想い重ねて、切なく眩しい恋をした:天乃忍「夏のかけら」

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Tag [新作レビュー] [オススメ] [読み切り/短編] 2014.07.26
1106413641.jpg草川為「今日の恋のダイヤ」


勇気をだせ
すべてはそこからだ



■誰かの勇気が私に、私の勇気が誰かにつながっている。
 片想いの会社の先輩が姉と付き合いはじめ、諦めようとしてきた楡原。2人の結婚が決まり、式に出るために気持ちを殺し空港へ向かうのだが…。空港を行き交う見知らぬ4人が影響を与え合い、前に進んでゆく連作オムニバス!
 
 「八潮と三雲」(→レビュー)の草川為先生の、大人の女子の恋物語。いやこれ、読んだときものすごく意外でびっくりしたんです。草川為先生というと、ファンタジー作品でヒロインも比較的若く元気…というイメージが強かったのですが、今作はガラッと変えて、働く女性、しかもどうにも素直になれない不器用な恋をする女性がヒロインとなっています。設定を見たとき、「メロディ連載かな?」なんて思ったのですが、どっこいレーベルはLaLa。ただし掲載誌はAneLaLaということで、つまるところCanCamとAneCanみたいな関係の増刊誌掲載でございました。増刊のキャッチフレーズはオトナガールに贈るってあるんですが、「オトナガール」ってなんなんでしょうね(冷静)
 
 物語は4話構成。どれも世では「大人」と言われる社会人が主人公。自分の想いを圧し殺し耐える者、最初から自分の恋を諦めている者、遠距離恋愛ですれ違いばかりしている者、東京に来たけれどどうにも上手くいかない者…それぞれ抱えている問題は様々で、そして大人ゆえに動きにくく、歯がゆい。働いているゆえか、「そう、そういう時あるよね!」とか「いるいる、こういう人いる」みたいな場面がしばしば。草川為作品でこういう感覚を味わえるってのがとにかく新鮮で、非常に強く印象に残りました。


今日の恋のダイヤ1-1
メインはやっぱり社内恋愛なわけですが、社内であろうと社外であろうと、大人の恋は面倒くさいのです。うん。


 それでは気に入ったお話をご紹介しましょう。一番のお気に入りは1話目に収録されていた楡原さんのエピソード。会社でもしっかり者の楡原さんは、密かに会社の先輩・瀬戸さんに恋心を抱いていました。彼を追って入った会社のフットサルチームでの活動に、姉を連れて行ったところ、瀬戸さんと姉は一瞬で恋に落ちてしまった。トントン拍子に話は進み、二人は結婚することに。自分の気持ちを必死に圧し殺しつついた楡原さんですが…というお話。
 
 同じ職場の先輩に恋するという所でそこそこ面倒なのですが、それに加えて彼には婚約者がおり、さらにその相手は自分の姉という辛いシチュエーション。けれども気丈な楡原さんは、決して自暴自棄になることなく、周りの求める“しっかり者”を演じ続けるわけですが、その姿が切ない。もういい大人なので、自分の気持ちに素直になって状況を壊すなんて行動に出れないわけですが、その心の消化の仕方が難しいのですよね。切り替えようとしたって、職場で毎日会ってしまうし、次を簡単に見つけられるほど、社会には“出会い”は溢れていない。この歯痒さになんとも共感したというか、「わかるポイント」が多くて良かったです。


今日の恋のダイヤ
泣きつく相手がいないことも、立ち直りを遅らせる一因に。


 もうひとつお気に入りは、遠距離恋愛で最近ギクシャクなカップルを描いた第3話。付き合って5年で、かといって具体的な結婚話もなく、一方で親からはなんとなくプレッシャーをかけられるという、この焦り。この焦りが…!私も気がつけば眼前に三十路の壁が迫っており、こういうエピソードがなんとなく身に沁みるようになってきました。私は男だからまだ弱い方で、同年代の独身女性からこういう話を聞くことが増えて来た分、なんとなくこういうエピソードに対するアンテナが高くなっているのかもしれません。
 

【男性へのガイド】
→視点が女子で、またエピソードも働く女子ならではという感が強いです。とはいえ身につまされるエピソードもあり、男性が全くダメかというと、そういうわけでもないかと。
【感想まとめ】
→大人感があって落ち着きつつも、草川為先生が描いているということでもの凄く新鮮味のあった本作、オススメです。


作品DATA
■著者:草川為
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめコミックス
■掲載誌:アネララ
■全1巻
■価格:429円+税


■試し読み:第1話

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




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レビュー
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レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。