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Tag [新作レビュー] 2010.11.28
1102959138.jpg本山理咲「ハッピーエンドではじめよう」(1)


お主は死んだ
気の毒なお主に
7日間の時間を与えよう
ただし猫として



■終着駅は、ちょっとさみしくてちょっとわくわくしませんか?天国に行く前に、7日間だけ自由な時間をもらえたら、あなたは何をしますか?…ただし猫になって。しんだばかりのあなたに、猫の神様が7日間の時間の猶予を与えた結果、見えてくる世界とは。人生が愛おしくなる感動の瞬間をあなたにも!!

 まんがタイムオリジナル連載の、非4コマ作品。人生の終わり、天国に行く前に、7日間だけ猫としての時間を与えられた人々の様子を描く、1話読切りタイプのショートストーリーたちが収録されています。予期せぬ死により、やり残したこと、後悔していることをそのまま残してしまった人間の前に、突如として現れる、猫の神様。彼の気まぐれにより、彼ら彼女らは猫としての人生(但し7日間だけ)を与えられるのですが、猫としてできることはごくごく僅か。しかも7日間。その間にやるべきことをやろうと決め、行動した結果、見えてくるのは自分の人生。違う視点だからこそ気づくことがある、良かったと思えることがある、そして、生まれ変わったらこうなりたいと思えることがある。人それぞれの終わりで始まる物語を、温かさいっぱいで描いていきます。


ハッピーエンドではじめよう
魂が移る猫の体は、飼い猫など身近なものが多い。だからこそ、大切な人が死後自分について語る場面に遭遇できたり、恩返しをできたり。


 あなたがもし死んでしまって、7日間猫としての余生を与えられたとしたら、何をしますか?この物語では、その行動起因が実に明確。恐らく自分もそうなるかと思うのですが、人生で後悔していること、気になっていること、これをやらずして死ねないと思っていることを、なんとか達成・実現しようと、彼らは奔走します。とはいえ猫なので、できることには限界が。しかしそんなときには、周囲の人が、不意に助けてくれて、また違った風景が見えてきて、意外と愛されていたのだと自覚できたり。「あの人に想いを伝えたかった」「こんな人生が良かった」「誰に会いたかった」そんな願いの先に待つものは、人生を終えての充実感と、生まれ変わったあとの希望。感動路線のお話、タイトルにもあるように、みなみな「ハッピーエンド」を迎えることになります。

 輪廻転生の考え方が基本。物語の最後では、生まれ変わったら誰になりたいか、何になりたいか問われるというケースもあります。もし自分がこういう状況に陥ったら、何するのだろうかと考えるのですが、うーんその時の状況に依るのかなぁやっぱり。物語中、「やり残したこと」は人それぞれ、様々あるのですが、パターンは基本一緒。わかりやすい物語である反面、先が読みやすいという弊害もあり、それを良いと捉えるか、イマイチと捉えるかは読んだ人次第なのかな、という気がします。


【男性へのガイド】
→まんがタイムということで、厳密には女性向けレーベルではございません。ということで、両対応という感じ。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→良い話なのですが、ショートストーリーで捻りもないため、やや薄味な印象。多分帯のあおりで変な方向に期待してしまったのが良くなかったのかもしれません。捻りがないのではなく、素直。そう表現するのが良いのか。



作品DATA
■著者:本山理咲
■出版社:芳文社
■レーベル:まんがタイムコミックスストーリー
■掲載誌:まんがタイムオリジナル(連載中)
■既刊1巻
■価格:619円+税


■購入する→Amazon

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Tag [続刊レビュー] 2010.06.10
作品紹介→*新作レビュー*ねむようこ「ペンとチョコレート」
作者関連作品紹介→ねむようこ「午前3時の無法地帯」/「午前3時の危険地帯」/「東京無印女子物語」



1102916435.jpgねむようこ「ペンとチョコレート」(2)


私 漫画が描きたい
私の名前はフタバトワコです



■2巻発売、完結しました。
 新担当・秋元のもと、打ち切りにもめげず、増刊雑誌のシリーズ連載枠を獲得した漫画家・フタバ。秋元のミスから、ギクシャクした関係になったのものの、無礼な編集者に絡まれたフタバを助け出し、「担当は僕しかいない」との宣言により、フタバはついに自分の想いに気づく。会えば会うほどに、その想いはしっかりとした輪郭を持って、自分の心の中に浮かんでくる。けれども秋元には、彼女の存在が…。さらに、漫画界のシビアな現実が、二人を襲う!仕事とプライベートの狭間で揺れる、トワコの明日は…!?


~完結してしまいました~
 完結しました。どうやら2巻で完結というのは、比較的早い段階で決めていたみたいですね(あとがきより)。久々の続刊だったので、改めてじっくり1巻から通して読み返したのですが、「ああ、なんて面白いのだろう…」と。2巻という短さで終わったのは少し寂しかったものの、想像以上の濃密さで、最後まで楽しませてくれました。
 
 
~トワコの感情の揺れ動きが、本当に心に響いた~
 1巻も良かったのですが、2巻ではひと際トワコが素敵に映りました。素敵というか、彼女の心の揺れが、ダイレクトにこちらに伝わってくるというか。そういったシーンが、2巻では多く描かれていたように思います。中でもこのシーン、紙袋を秋元さんと一緒に持つというくだりが、本当に破壊力抜群でした


ペンとチョコレート2-1 
 “カノジョ”だったら
 こんな紙袋越しじゃなくて…
 もっと近づいてもよくって
 会うのもファミレスじゃなくって
 呼び止めて…
 追っかけて…
 もっかいバイバイとかして…
 次の約束とかもして…

 もしカノジョだったら…。考えないようにしようとしても、どうしても考えてしまい、そして現状を痛感し落ち込む。叶わぬ想いを抱える人ならば、誰しもが経験するであろう、苦い行動。そしてその後に…
 
 ああでも もしかしたら
 秋元さんの担当作家であることは
 カノジョになることなんかより
 ずっとずっと特別なことなのかもしれない…

 と、逆に自分の立ち位置をポジティブに捉え直し、納得させるという。あるある(私だけ?)。近づかず、離れず、ただ自分の中で、考えがぐるぐる…。進展が望めない以上、自分の気持ちを保たせるには、何かしらのプラス面を挙げ、それをよりどころにしていないと、やっていられない。このアンバランスな状態が、とってもリアルな感じがして、なんとも…。


~ラスト2話は、次巻が一気に飛ぶ~
 ラスト2話、20話目と最終回は、19話目からかなり時間が飛び飛びになります。その間にあったであろう、様々な過程を丸々抜き去り、一部分しか提示しません。一気に飛ぶ時系列に、なんだか不思議な感覚を覚えます。2巻完結にするための帳尻合わせだったのか、はたまたはじめから狙っていたのか。その真意はわかりませんが、ラスト2話…特に最終話では、ちょっとした仕掛けがなされていて、個人的にかなりお気に入りでした。
 
 まず最終話は、トワコの感情が一切描かれません。というか、トワコの登場シーンも少なかったりします。視点は、トワコのファンであるとある女の子のもの。視点を外部に置くことは比較的よく使われる手法ですが、今回のこの視点は、一人の読者・ファンのもの。それまで物語では、アンケートや人気投票などを通して読者の存在が示されることはありましたが、具体的なファンの姿というのは一切提示されずに進んできました。ひと際ストイックに、ファンレターの一つも描かれることなく。それがラストになって登場。しかも視点を保持しています。そしてその視点はいってみれば漫画家とは真逆の方向を向いているものです。視点の逆転によって、幸せを客観化しており、また最後では、二人の関係の真相を完全には明かさずに終えるという、なんとも粋な終わり方。ええ、こういうの大好きです、はい。


~ペンとチョコレート~
 最後にちょっと、タイトルについて。チョコレートは言うまでもなく、トワコの大好物です。じゃあペンは?となるのですが、こちらもまた、トワコの好きなもの。この「ペン」は、「漫画を描くこと」に置き換えが可能です。そしてトワコにとって漫画を描くこととは、「自分の描きたい物語を描くこと」でした。原作つきの漫画を描いて、一定の成功を収めたものの、彼女はその状況を踏まえ「漫画を描きたい」との発言をしています。自分の描きたいものでなければ、それは漫画を描いていることにはならないのです。そもそもこの作品では一貫して、楽しく描く=面白い作品を生み出すという考えが示され続けていました。


ペンとチョコレート2-2
鳶谷コゴロー先生は、楽しく描く=面白いものを描くというメッセージの象徴であった。

 チョコレートもペンも好き、しかもそれが、大好きな人からもらえれば、もっと美味しい・楽しい。物語中、もっともチョコレートが美味しく描かれたのは、チョコパフェでもチョココルネでもなく、秋元さんから差し入れられた板チョコでした。そしてまた、ペン=「描きたい物語を描く」という状況も、秋元さんによって与えられたものでした。ああなんだよ、このタイトル、めちゃくちゃ甘いじゃないですか。読み終わり本を閉じたとき、改めて表紙のこのタイトルを読んで、にんまり。なんともいい気分になったのでした。
 

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Tag [新作レビュー] [4コマ] 2010.05.17
1102905654.jpg胡桃ちの「パパロバ」(1)


オレたちは
ここにこれから誰も見たことのない宿を作るんだ



■接客のプロ・なごみは、大失恋の末に務めていたホテルを退職。そんな中、同窓会に出るために地元に戻った際、高校時代の親友から、徳島での宿屋経営を手伝ってくれないかと持ちかけられる。実家は少々居づらいし、再就職先もないということで、宿屋経営を協力することに。親友の夫婦が経営と料理を、なごみが接客を、元カレの建築家がデザイン・建築を…「眺居座 ゆほびか」で、プロ集団が究極の癒し空間を提供します   

 胡桃ちの先生が描く、四国の小規模経営宿屋ライフ4コマでございます。ヒロインは、失恋の末に勤め先のホテルを辞めた26歳、なごみ。同窓会で地元に戻ったところで、高校時代の親友夫婦から、徳島で宿屋を経営するから手伝ってもらえないかと頼まれます。最初は一緒に開店準備をするだけ…という約束だったのですが、なんだかんだで乗り気になり、結局一緒に宿屋経営に携わることに。一日一組限定、極上の癒しのひと時を提供する、オーシャンビューの素敵な宿屋「眺居座 ゆほびか」で、騒々しくも楽しい毎日を過ごしていくことになります。


パパロバ
こういう女性ならではの視点というものは、とてもためになります。理想を詰め込んだような、素敵な空間をマンガで再現。


 癒し空間を提供する、お宿漫画。とはいえ作品が癒しに満ちた雰囲気系の4コマかというと、そういうわけではありません。むしろキャラはがっしり確立されていて、個性のぶつかり合い。淡く空気を壊さないように、なんてことはなく、むしろ色濃く自分たちが空気を作り出してやる!という勢い。宿屋経営に携わる友人夫婦は、元ヤン旦那に、そんな旦那を尻に敷く強気奥さん。ヒロインのなごみは、恋愛になると弱ものの、なんだかんだでちゃっかりしている抜け目のない性格。そこに宿屋のデザイン設計を担当する、なごみの元カレが加わるのですが、彼もまた気が強いんだ。だから歯に衣着せぬ会話がデフォで、ときに下世話な話題も。こういったノリもまた、芳文社きららにはないノリですよね。
 
 序盤は宿屋作りということで、ストーリー展開はあるのですが、後半はお客さんごとに様々なサービスを施すという形で、ストーリー的な進展ではなく、横の広がりで話を持たせます。双方が丁度良い分量で、いい塩梅。物語的展開は、これから恋愛方面で動くか動かないかという感じ。しばらくは宿屋で楽しいひと時を…という方向で持ちそうなので、ゆっくりとこちらは進展してもらいたいですね。また舞台となる宿屋は実在する宿がモデルとなっているそうです。一日一組限定って、どんだけセレブなお客たちだよ…なんて想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、どうやら庶民でも十分手が届く範囲のよう。またレストランも同時に経営しているので、金銭的なやりくりは心配ないみたいですね。和気あいあいと楽しみながら宿屋経営。読む側は、経営側とお客側、双方の視点から楽しむことができる内容となっています。自分もいつか行ってみたいですね。まぁ行く相手がいないんですけど。


【男性へのガイド】
→まんがタイムなので、別枠。男性でももちろん楽しめます。一応ラブリー連載なので、女性向け感は出てますけど。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→安定感のある4コマ作品。あとは絵柄とノリの好み次第じゃないでしょうか。


作品DATA
■著者:胡桃ちの
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイムラブリー(2008年9月号~)
■既刊1巻
■価格:619円+税


■購入する→Amazonbk1

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Tag [新作レビュー] [4コマ] 2010.05.11
1102905655.jpg矢直ちなみ「一緒にかえろう」(1)


ふみだせ
泣きむし
…ゆっくりとな!



■春・16歳、詩緒・15歳。6年ぶりに再会した2人は、ちょっとヘンテコな幼なじみ。長髪の似合う美人の詩緒は、当時見ためは男の子で、春はすっかり男の子と勘違い。あろうことか恋をし、再会するまでそのときの想い出を大切にとっていた。再会し、女の子だったと知ったときのショックは大きかったけど、今ではちゃんと友達として付き合っている。元気いっぱいだけど、いい加減な性格の春と、引っ込み思案で泣き虫の詩緒。変わった形で再会を果たした二人の、新たな毎日が始まった…!!

 矢直ちなみ先生の新作4コマでございます。とりあえず表紙が素敵ですよね。買うか迷っていたのですが、店頭で見て即決で購入してしまいました。お話は、6年の時を経て再会を果たした二人の女の子の毎日を描いた作品。話のポイントは、6年前の勘違いによる、変わった再会の仕方にあります。表紙でいうと左側にいる女の子・春は、6年前の夏休みに、表紙左の女の子・詩緒に出会います。今でこそ髪が長くて胸も大きく、実に女の子らしい詩緒ですが、当時は髪も短く男の子のような格好をしていました。そのため春は、詩緒に恋心を抱くように。間もなく詩緒は引っ越していってしまうのですが、その後も文通は続け、このたび6年ぶりに町に戻ってきたのでした。再会してみて春はびっくり。どんな素敵な男の子になっているだろうと思っていたら、目の前に現れたのは黒髪なびかせる美人さん。春の初恋は見事に天に召されるも、二人の仲は変わることなく、今度は同性の友達として、高校生活を送っていくことになるのでした。


一緒にかえろう
詩緒は驚くほど泣き虫。いつも心配を重ね、勝手にプレッシャーを感じ、そして堪らなくなってないてしまう。そんな彼女を支える、春。


 帯には「出会いは初恋のわたしたち。思い出より今がすき。」という文字が。表紙の感じも相まって、なんとなく百合を想像させてきますが、内容はまったく百合ではありません。久々に再会した詩緒は、転校が重なったこともあり、他人と仲良くする術をなかなか学べず、自らバリアを作って人を遠ざけるような振る舞いを無意識のうちにしてしまっているところがあります。本当はとっても気が弱くて、皆と仲良くなりたいのに、怖いし勇気がない。そんな彼女をなんとか溶け込ませようと、春を始めとしたクラスメイトたちがあの手この手でアプローチ。変わることのない(成長のしない)春と、変わろうと努力する詩緒。全く正反対の性質を持った仲良しの二人ですが、それだからこそ相性抜群。一緒に悩んで泣いて笑い合って…一つ一つゆっくりと精一杯解決していくそれぞれの姿が、とっても眩しいです。
 
 二人の他にも、周囲を固める脇役に個性派多数。春の仲良しで笑顔で怒る、二人の世話役的ポジション真名ちゃんに、春に想いをよせる男の子・葉月、お調子者の伊藤くん、そしてイジワルな性格の杉山さんなど、男女に4コマで動かしやすそうなキャラクターを配置しています。1巻の時点では、いつまでもウジウジしている詩緒を、いかにクラスに溶け込ませるかという部分に終始しており、友情一辺倒で話が展開。確かに良い話なのですが、それだけだとお腹がすいてきます。そのままラスト付近まで駆け抜けて行くのですが、最後になって恋愛展開と詩緒の家庭事情でのフラグが立つというスパートを見せてきます。軸としてある友情というものに、いかに恋愛と家族愛を絡めていくのか。このレーベルだからこそ、その3本両立を期待したい所ですが、果たして。個人的には、友情展開でもっと丁寧に描けばより詩緒の新條が引き立って味わい深くなるんじゃないかなぁ、と思ったのですが。なんてたぶんこれがこの作者さんのリズム感なんでしょう。


【男性へのガイド】
→まんがタイムということで、少女漫画とは別枠。もちろん男性も全力で楽しめるかと。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→友情のみに終始した1巻だけ。最後に畳み掛けるようにフラグを立てていったわけですが、どう回収するのか。大化けの予感もあります。まっすぐな女の子同士の友情というものがお好きな方は、1巻からもどうぞどうぞ。


作品DATA
■著者:矢直ちなみ
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイムファミリー(2008年10月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:619円+税


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Tag [続刊レビュー] [4コマ] 2010.05.10
作品紹介→*新作レビュー*野広実由「ダブルパティシエール!」
関連作品レビュー→*新作レビュー*野広実由「なないろレシピ」



1102905652.jpg野広実由「ダブルパティシエール!」(2)


私もやっぱり
お菓子作りしたい!



■2巻発売、完結しました。
 ニートを脱却してパティシエールになるため、奮闘するかほだったが、ちょっとしたことが原因でパティスリー・ノワをやめてしまう。もう二度と戻ることはないと思っていたけれど、まさこさんを始め、ノワの皆が待っていてくれた!もう一度ノワで働きたい!ちゃんとパティシエを目指す!気持ちも新たに、製菓専門学校に通いはじめたかほと、一人パティシエールとしての道を歩み始めたまさこさん。それぞれに、自分の決めた道を進む二人は…!?


~完結しました~
 2巻で完結です。正直「もっと続いて欲しかった」というのが本音です。どうして終わってしまったんや…。だって、やっとかほがノワに戻って、パティシエとしての道を志しはじめたというのに、一人前になることもなく終わってしまったのですよ。確かに気持ちはニートの時とは段違いに変わりました。けれども、これから…これからが楽しみだった。影の薄い新キャラの登場に心躍り、お仕事ステップアップコメディとして展開して行く状況が整ったところでの終了。あれ、これだとかほはパティシエールになりきれていないから、「ダブルパティシエール」じゃなくないですか?だからもっと続くべきだったんだってば!(←納得がいっていない)


~打ち切りの匂いが…~
 途中まではまったくそういった気配は見せず、残り数話になって唐突にまさこさんの結婚話が登場。そこから一気に終幕へと向かっていきました。それまでは、かほのノワ復帰をはじめ、比較的ゆっくり物語が進んでいたことを考えると、やっぱり打ち切りなんですかね?いい話だと思うんだけどなぁ(←まだ納得がいかない)


~しのぶさんという好材料がいたのに…!~
 2巻の見所というか、個人的にハマったのは、新キャラのしのぶさん。とにかく存在感のない彼女は、接客をしても気づいてもらえないので、ホールに出してもらえないという変わり種。けれど意外と見ためはよろしい。かほ曰く「美人」なんです。しかししのぶさん、その存在感のなさが裏目に出てしまったのか、今まで男性とお付き合いしたことがないという…


パティシエール

 この初い感じが愛いですね。これでもまさこさんよりベテランで、お菓子作りの腕も確か。しかし男性の好みは少々変わっていて、どちらかというとブサイク専だったりします。この人の絡みがもっと見たかった…!かほとまさこさんの先輩後輩の関係はもとより、すぐりちゃんの存在感や、しのぶさんのポテンシャル…楽しみだったんだけどなぁ(←まだまだ納得がいってない)
 
 何はともあれ野広先生、お疲れさまでした!


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レビュー
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