関連作品紹介→*新作レビュー* トジツキハジメ「俺と彼女と先生の話」
シリーズ第二弾!人ならぬ者の世界への入り口へ…:トジツキハジメ「僕と彼女と先輩の話」
トジツキハジメ「俺と彼等と彼女の話」
クレイジーだわ
■シリーズ完結です。
いまどきの平凡なフリーター・高橋、見えざるものが見える女子高生の小町、怪異の知識に長けた兄のニールと霊感体質の妹・イライザ。四人に降りかかる、この世に残されたねじれた想いが引き起す怪事件…。そして起こるはずのない奇妙な出来事に興味を持つことは、終わらない運命の始まりだった……。
〜シリーズ完結です〜
シリーズ3作目にして、完結致しました。続きがある的なことは書かれていたのですが、本当にこうして描かれて、そして完結を迎えるとは。1作目は先生と小町と高橋の3人を中心にした、現代のお話。2作目は先生の学生時代を描いたお話。そして今回は、再び現代に戻ってのお話となりました。3作目を始めるにあたり、新キャラが投入されます。それが、ブロンド髪のイギリス人兄妹・ニールとイライザ。

兄は知識豊富な秋葉系。妹は奔放な女子高生で、小町の数少ないお友達。
和風ホラーにブロンド外国人ってのは、いかにもミスマッチではありますが、どこか仄暗い雰囲気漂う本作において、良いアクセントになっておりました。あとイライザ、小町と見ためで良い対比になっていて、結構良かったです。性格はちょっと似てるけど。
〜意外と怖い〜
クライマックスということで、これまでの2作を総括するような、大きな流れのある内容になっているのかと思いきや、各話それぞれが独立していて、大きな物語ははっきりとは見えてきませんでした。とはいえ相変わらず、怖いというか、不気味です。個人的にイヤだったのは2話ですかね。山奥の廃村に引き込まれて、抜け出せなくなり殺されそうになるっていうエピソード。

別に驚かせよう的な仕掛けはないのですが、ぬらりと背後に忍びよっているような感じが、苦手。
てか面白いのは、みんなお化けに慣れているようで、やっぱり全然慣れていないし、怖いと思っていること。高橋筆頭にみんな叫びまくり。小町も叫ぶし焦るし、イライザもやっぱり怖がる。この辺が、「まだみんなこっちサイドにいるんだ」という安心感を引き起すと言いますか。小町が妖怪退治するときも、異能を持つヒーローというよりは、勇敢な少女というラインにいる感じで、親しみやすさがありました。
〜小林冥沙の件を回収する〜
さて、これまでの流れから、ということであれば、一つの伏線が今回しっかりと回収されました。2作目、「僕と彼女と先輩の話」で行方不明となった先輩・中村が、帰ってくるまで待つと宣言した、小林冥沙。2巻の描きおろしでは、先生の家を訪ねて来る小林さんの姿が描かれておりました。その時は先生が先生が不在でそのまま引き返してしまうのですが、お盆の百奇譚にて再登場。そしてそこに、行方をくらましていた中村も姿を現します。小林さんも先生も、年月相応に歳をとった容姿をしていますが、中村だけはあの頃から変わっていません。そして、最後の話をし終わり、中村は小林さんに問いかけます。一緒に来るか、と。そして小林さんは…

ついて行く
正直小林さんの中村に対する想いがそこまで強いとは思っていませんでした。もちろんそれは、2作目本編での印象。その後、再び先生の家を訪れた時点で、この結果は見えていましたが、ものすごく強い愛情でなければこの選択はできないでしょう。だって話の中で、中村は自らが死んでいることを明らかにしていて、ついて行って辿り着く先は容易に想像できるのですから。ある種の心中とでもいいますか、もちろん生前の中村に、そんな意思があったのかはわかりませんけれども。
1作目で死者をこの世につなぎ止めようとしていた先生が、こうして今回は迷っていた死者を送り出したというのは、このシリーズの中でも大きな意味を持っていたのではないかと感じたのでした。その後、なんとなく時間は流れ、最終話に。ぶっちゃけ1話目で終わっても、別に納得いった感はありました(笑)
〜物語の終わりは意外と静かに〜
何か大きな謎や力によって、さらに物語は深みに…なんて結末になるかと思っていたのですが、終わりは意外と静かなものでした。シリーズとしては完結しましたが、これからもあの家は引き継がれ続け、物語は続いて行くのでしょう。最後、金髪の二人での締めくくりってのが、なんともシュールでミスマッチ感に溢れていたのですが、ああいったキャラが締めくくるからこそ、後腐れなく終わることができるんでしょう。これといった伏線も張ることなく、落ち着く所に落ち着きました。1冊目から何年経ったかわかりませんが、最後まで楽しく読むことができました!
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クレイジーだわ
■シリーズ完結です。
いまどきの平凡なフリーター・高橋、見えざるものが見える女子高生の小町、怪異の知識に長けた兄のニールと霊感体質の妹・イライザ。四人に降りかかる、この世に残されたねじれた想いが引き起す怪事件…。そして起こるはずのない奇妙な出来事に興味を持つことは、終わらない運命の始まりだった……。
〜シリーズ完結です〜
シリーズ3作目にして、完結致しました。続きがある的なことは書かれていたのですが、本当にこうして描かれて、そして完結を迎えるとは。1作目は先生と小町と高橋の3人を中心にした、現代のお話。2作目は先生の学生時代を描いたお話。そして今回は、再び現代に戻ってのお話となりました。3作目を始めるにあたり、新キャラが投入されます。それが、ブロンド髪のイギリス人兄妹・ニールとイライザ。

兄は知識豊富な秋葉系。妹は奔放な女子高生で、小町の数少ないお友達。
和風ホラーにブロンド外国人ってのは、いかにもミスマッチではありますが、どこか仄暗い雰囲気漂う本作において、良いアクセントになっておりました。あとイライザ、小町と見ためで良い対比になっていて、結構良かったです。性格はちょっと似てるけど。
〜意外と怖い〜
クライマックスということで、これまでの2作を総括するような、大きな流れのある内容になっているのかと思いきや、各話それぞれが独立していて、大きな物語ははっきりとは見えてきませんでした。とはいえ相変わらず、怖いというか、不気味です。個人的にイヤだったのは2話ですかね。山奥の廃村に引き込まれて、抜け出せなくなり殺されそうになるっていうエピソード。

別に驚かせよう的な仕掛けはないのですが、ぬらりと背後に忍びよっているような感じが、苦手。
てか面白いのは、みんなお化けに慣れているようで、やっぱり全然慣れていないし、怖いと思っていること。高橋筆頭にみんな叫びまくり。小町も叫ぶし焦るし、イライザもやっぱり怖がる。この辺が、「まだみんなこっちサイドにいるんだ」という安心感を引き起すと言いますか。小町が妖怪退治するときも、異能を持つヒーローというよりは、勇敢な少女というラインにいる感じで、親しみやすさがありました。
〜小林冥沙の件を回収する〜
さて、これまでの流れから、ということであれば、一つの伏線が今回しっかりと回収されました。2作目、「僕と彼女と先輩の話」で行方不明となった先輩・中村が、帰ってくるまで待つと宣言した、小林冥沙。2巻の描きおろしでは、先生の家を訪ねて来る小林さんの姿が描かれておりました。その時は先生が先生が不在でそのまま引き返してしまうのですが、お盆の百奇譚にて再登場。そしてそこに、行方をくらましていた中村も姿を現します。小林さんも先生も、年月相応に歳をとった容姿をしていますが、中村だけはあの頃から変わっていません。そして、最後の話をし終わり、中村は小林さんに問いかけます。一緒に来るか、と。そして小林さんは…

ついて行く
正直小林さんの中村に対する想いがそこまで強いとは思っていませんでした。もちろんそれは、2作目本編での印象。その後、再び先生の家を訪れた時点で、この結果は見えていましたが、ものすごく強い愛情でなければこの選択はできないでしょう。だって話の中で、中村は自らが死んでいることを明らかにしていて、ついて行って辿り着く先は容易に想像できるのですから。ある種の心中とでもいいますか、もちろん生前の中村に、そんな意思があったのかはわかりませんけれども。
1作目で死者をこの世につなぎ止めようとしていた先生が、こうして今回は迷っていた死者を送り出したというのは、このシリーズの中でも大きな意味を持っていたのではないかと感じたのでした。その後、なんとなく時間は流れ、最終話に。ぶっちゃけ1話目で終わっても、別に納得いった感はありました(笑)
〜物語の終わりは意外と静かに〜
何か大きな謎や力によって、さらに物語は深みに…なんて結末になるかと思っていたのですが、終わりは意外と静かなものでした。シリーズとしては完結しましたが、これからもあの家は引き継がれ続け、物語は続いて行くのでしょう。最後、金髪の二人での締めくくりってのが、なんともシュールでミスマッチ感に溢れていたのですが、ああいったキャラが締めくくるからこそ、後腐れなく終わることができるんでしょう。これといった伏線も張ることなく、落ち着く所に落ち着きました。1冊目から何年経ったかわかりませんが、最後まで楽しく読むことができました!
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