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Tag [新作レビュー] 2012.08.23
1106176729.jpgしばの結花「NOAH!-ノア- 」(1)


救世主が現れた
そう信じて疑わなかったのです
この時までは



■雪平乃愛・15歳。絵を描く事が大好きな乃愛は、憧れの“あの人”を描きたい一心で進路を決定。絵のことになると暴走しがちな乃愛を受けとめられる、幼なじみの尚久と一緒に、聖リンネル学園高校に入学することに。だけど、夢にまで見た“あの人”   麻生先輩との出会いは大失敗…。完全に先輩に嫌われたとへこむ乃愛だったけど、なぜか「モデルをやってもいい」と言われて…!?

 しばの結花のオリジナル連載作になります。前回連載「ランウェイの恋人」(→レビュー)は原作付きで全3巻。今作は、オリジナル連載としては初めて巻数が付いた作品となります。小学館は巻数付くまで時間がかかるイメージですが、しばの先生もそれに漏れず。おめでたいことです。
 
 さて、本作ですが、一人のアーティスティックな少女を軸とした青春恋愛物語になっています。ヒロインは、絵を描くのが大好き&大得意な少女・乃愛。ある日一目惚れした“憧れの人”を追って、聖リンネル学園に入学します。その憧れの人とは、生徒会長で学園の理事長の息子でもあるスーパーおぼっちゃま・麻生先輩。絵の事になると暴走しがちな乃愛は、入学式で挨拶をしている彼に「(絵のモデルになって欲しいので)服を脱いでくれませんか?」と爆弾発言をしてしまいます。早々に嫌われたと思った矢先、今度は育った家が火事で焼失。祖父母が経営していた学生アパートを手放さなくてはならないことに。まさに踏んだり蹴ったりなスタートの学生生活でしたが、そんな彼女に一筋の希望の光が。なんと嫌われたと思っていた麻生先輩から、「モデルをやってもいい」との話があり、彼女の高校生活は動き出す・・・というお話。


ノア
乃愛は基本明るい。あとアホキャラなのか、デフォルメ多いです。


 あらまし紹介を読んでも「どういうお話なの?」って感じる方もおられるかもしれませんが、私もよくわかってないです。別に難解なお話というわけではなく、単純にゴールが見えないという。ざっくりと言うならば、ヒロインの乃愛の恋愛模様を描いて行くお話で、そのお相手が生徒会長で理事長の息子の麻生先輩、そして幼なじみの男の子・尚久。そのお話を転がすために、絵であったり、家事で学生アパートがなくなってしまったり、学生アパートの住人たちにスポットが当てられたり…といったイベントが加えられているイメージです。なので最終的には麻生先輩ないし尚久とくっついてめでたしめでたしとなるはずなのですが、如何せんサイドストーリーの数が多くまたそれなりにインパクトが強いため、どこに軸を置いて読んだら良いのかがわからなったりするかも。それと伏線結構張っているのですが、回収出来るのかちょっと心配。なんてあくまでこれは個人的な感想なので、他の方がどう読んだかはわかりませんが。
 
 「ランウェイの恋人」は原作付きで、スローテンポな中進んで行くお話となっていましたが、今回は非常にハイテンポで進んで行きます。ヒロイン自身が非常に活発で、とにかく前へ前へというような性格の子であるため、それがひとつ大きな推進力になっています。元々しばの先生の描くお話は、抑揚があまりなく一定のテンポで進んで行く印象。であれば、ハイテンポでサクサク読み進められるというのは一つ大きな特長と言えるでしょうし、賑やかな雰囲気は静かに落ち着きがちなベツコミの中でもひと際目立ちそう。このハイテンポ&ごった煮感は、むしろりぼんやマーガレットとかに連載されていた方がしっくり来そうですね。一応語りは振り返る形で、これからネガティブなイベントが多々ありそうなのですが、それがこのお話にどう作用してくるのかは全く想像つかず。変に悲恋にしすぎても、余計に物語を混沌とさせるだけでしょうし、なんとか乃愛の快活さは保ったまま物語が進んで欲しいものです。

【男性へのガイド】
→これは男性厳しいんじゃ。生徒会長で理事長な息子が相手役でも大丈夫という方は。
【感想まとめ】
→目的が見えず色々な要素を詰め込んでいるので、ちょいとチグハグな感じは否めません。ノリ自体はすごく良いので、ポジティブな雰囲気で進めればまた一味違ってくるのかも。


作品DATA
■著者:しばの結花
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ
■既刊1巻
■価格:400円+税


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Tag [続刊レビュー] 2012.03.21
作品紹介→*新作レビュー*宇佐美真紀「ココロ・ボタン」
2巻レビュー→捨て台詞の「死ね」がこんなにもカワイイものだとは:宇佐美真紀「ココロ・ボタン」2巻
3巻レビュー→違った仕草を見せ始める古閑くんが良い良い:宇佐美真紀「ココロ・ボタン」3巻
4巻レビュー→彼女が掴み合いの喧嘩してるのに笑顔:宇佐美真紀「ココロボタン」4巻
5巻レビュー→あなたはどのヘアスタイルがお好み?:宇佐美真紀「ココロボタン」5巻
6巻レビュー→Sっ気のある彼が見せる弱さにキュンとくる:宇佐美真紀「ココロ・ボタン」6巻
関連作品レビュー→宇佐美真紀「春行きバス」宇佐美真紀「恋*音」




1106121744.jpg宇佐美真紀「ココロ・ボタン」(7)


大丈夫…だよね?
あたしたち…



■7巻発売しました。
 古閑くんのお母さんが離婚届を用意しているということを知ってしまった新奈。古閑くんが引越して離ればなれになってしまうことを心配したけれど、古閑くんは「心配ないよ」と笑顔。けれども古閑くんのお母さんはどうやら本気モードで…?
 

~離ればなれになる心構えをする7巻~
 7巻発売です。何も起きないところがこの作品の良い所だと思うのですが、7巻は俄に慌ただしかったです。と言ってもこの巻で何か起きたというわけではなく、恐らくこの先起こるであろう事態に備えての、ちょっとした予行演習のような。話は古閑くんの両親の離婚騒動により幕を開けます。ここで浮上するのは、古閑くんの転校=離ればなれになるというもの。結局この件は、引越してもしなくても通う学校は変わらないということで事なきを得るのですが、その後更に、古閑くんの受験勉強の本格化によって、この懸案事項は再び新奈の前に現れることになります。
 
 一番最初の離婚騒動は新奈に「そういうことがあるかもしれない」と気づかせる役割を果たし、2度目のそれは「いつか必ず訪れること」として立ちはだかる。あまり悲しい出来事であるとか不都合な物事に目を向けることのない新奈にとって、この段階的な意識付けはなかなか効果的なものであったでしょう。いきなり現実を突きつけるのではないのも、作者さんなりの優しさなのかも。思考よりも感情優先で動きがちなキャラクターでも、予め覚悟と取るべき行動を決めておけばちゃんとその時を迎えることができる。受験が終わる時期はまだまだ先ではありますが、この先迎えるであろう“その時”を、彼女なりの考えでもって歩み向かっていける姿がきっと見られることでしょう。古閑くんの放置も、彼女自身に選択・解決させることを良い形で促しているなぁと思います。過保護な彼氏だったら依存度がどんどん高くなって目も当てられなくなりそうですな。


~全く素直じゃないかませ犬はかわいいな!~
 さて、そんな壁にぶつかりつつも頑張っている二人を横目に、一人思わぬ人物がかませ犬の階段を駆け上ることになりました。元々登場人物が多くない本作において、そのポジションにつける人なんてごく僅かしかいないわけですが、こんなにも早くそこに行くとは。もうね、素直じゃないかませ犬って大好きなんですよ、ヨダレ出るレベル。基本良い子なんで、突っぱねるような物言いでもその優しさが溢れ出るという(笑)ぶっきらぼうでクールな男の子がやっているからバランス取れていますが、一緒に探し物してくれたり、バイト時間伸ばしてさらにヒロイン出待ちとか結構なアタックですからね。
 

ココロホ#12441;タン7-1
 こんな風に顔を逸らして顔赤らめてるシーンとかもう可愛すぎて可愛すぎて。バツの悪そうな赤らめ方というか、いいですよねー。また古閑くんが唯一と言っていいほどに大切な友人であるというところもかませ犬としての哀愁を誘います。まさに手も足も出ない状態・・・ではあるのですが、もしかしたら思わぬ一発を食らわせることもあるのかも…。でも古閑くんの監視下でそういうこと絶対できないと思うんですよね(笑)彼がこの気持ちをどう整理して決着をつけるのか、今から楽しみです。なんか全然良い結末が想像できないのですが(笑)


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Tag [続刊レビュー] 2012.02.18
作品紹介→モデルの裸、全て見せます:しばの結花/田中渉「ランウェイの恋人」1巻
2巻レビュー→才能がせめぎ合うランウェイまでの熱すぎる戦い:しばの結花「ランウェイの恋人」2巻




1106111707.jpgしばの結花「ランウェイの恋人」(3)


まだ見ぬ未来を
自分を生き抜くために



■3巻発売、完結しました。
 大手CMのモデルの座をかけて、亜希と争うことから逃げてしまった唯。母の夢を追って、モデルを続けることに、ますます悩み苦しんでいた。一方、モデルの頂点・パリからオファーがきた亜希も、恋と仕事の間で心が揺れ動く。嫉妬、焦り、迷い…葛藤とプライドをかけて進む、モデル達の本音へ!
 

~完結です~
 3巻で完結しました。少女マンガは内面を掘り下げていけばいくらでも長引かせることができるのですが、それでも原作者の田中渉先生の作品って長編というイメージがなくて、3巻までよくぞ続いてくれたという印象が強いです。いや、そんなに読んでいるわけではないので、実際長いお話も書かれているのだとは思うのですが、どちらかというとハードカバー薄いよなぁ的な印象というか。。。


~過去回帰と、自分の進むべき道~
 ヒロインの唯は、1巻2巻と亜希の成長の前に自信を失っていくばかり。一度は立ち向かう勇気を持ったものの、それを上回る彼女の魅力の前に、自己評価は再び急降下。とにかくずっとずっと打ちのめされる惨めさであるとか、努力しても報われない辛さを読者に浴びせかけてきたわけですが、それでもなお奮起する唯に非常に心惹かれました。「努力は報われる」唯と同じように、自分もどちらかというとその方向に期待を寄せていたのですが、物語はそうは転がらなかったようです。モデルとしてはやはり亜希の方が圧倒的にポテンシャルは上。それは努力や運だけではどうすることもできない要素だったようです。
 

ランウェイの恋人3-1
 このままではモデルとしての新里唯は潰れてしまう、何かしらの形で代替の救いを用意するわけですが、本作ではそれが母の過去と唯を生んだ経緯でした。唯は母のパリコレの夢を絶った忌むべき存在ではなく、死の危険性があったとしてもそれでもなお生まれて欲しいと願って生まれた大事な大事な存在。それをきっかけに、唯は自分の自己否定をなくし、自分の進むべき道を歩むようになります。あれほどまでに固執し続けたパリコレへの夢は諦め、自分らしさを最も活かせる路線へ。亜希も唯も、どちらも成功、どちらも幸せで一件落着です。誰も不幸せにならない、清々しい終わり方でした。
 

~努力を報いてあげたい~
 ただですねぇ、個人的にはもっと唯の意地を見てみたかったというか…(笑)今回のような救いの見せ方でももちろん良いのですが、これまでの唯のパリコレへ向けた努力はなかったものにされてしまうのだろうか、という想いがちょっとありまして。もちろんこれまでやって来たこと全てが無駄になるわけではありません。今の魅力ある唯を作り出しているのは、他でもない自分磨きによるものです。けれどもそれはあくまでパリコレへ向けられたもの。物心ついてモデルを志して以降、母親への想いも相まって、ずっとこれだけを見据えて頑張ってきました。


ランウェイの恋人3-2
過去の努力はちゃんと受け入れてはいる。


 今回提示された救いは、モデルを志して以降の努力を報いるものではなく、それ以前の前提の修正。かなり歪んだ表現をするならば、「いや、君が思ってたのは勘違いだからもういいよ。良く頑張ったね。」って言っちゃうようなもので、なんかちょっと寂しいんですよね。結果これが唯に安寧をもたらすのは言うまでもないのですが、意地になって努力していた唯が好きだったので、どうしても。才能で輝く人はもちろん素敵ですが、努力で成り上がり、そしてそのことを誇っている存在はもっと好きです。なんかどこか一つでも、彼女の努力が報われるところがあっても良かったかなぁって。なんてパリコレ一本だから、生半可に叶えることもできなんですよね、難しいなぁ。何はともあれ、ただただ頑張り、甘さには全くと言ってよい程触れることのできなかった唯ちゃんに拍手!本当に素敵なヒロインでした!


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Tag [続刊レビュー] 2011.12.30
作品紹介→芦原妃名子「Piece」
3巻レビュー→「砂時計」との違いを生む相手役の性質 《続刊レビュー》「Piece」3巻
4巻レビュー→物語を構成する、異なる性質を持った“Piece”:芦原妃名子「Piece」4巻
5巻レビュー→謎が謎を呼ぶ展開に、目が離せない:芦原妃名子「Piece」5巻
6巻レビュー→脇役なんていない、全てが答えを導く欠片となる:芦原妃名子「Piece」6巻
関連作品紹介→「ユビキリ」「蝶々雲」「月と湖」




1106102353.jpg芦原妃名子「Piece」(7)



君に
赦されたかった



■7巻発売しました。
 折口はるかが生前「便利屋NEO」の岸辺という男に依頼していた仕事…それは、かつて成海と坂田が殺しかけた丸尾を捜し出し、手紙を届けることだった。岸辺の店を訪ね、本人から話を聞き出した水帆と矢内だったが、同時に、予想すらしていなかった衝撃の事実を知ることに!ついに「はるかの元彼」に辿り着いた水帆たちは…!?
 

~7巻で明らかになったこと~
 7巻です。巻を重ねるごとに明らかになっていく事実…以上に、わからないことが増えていって益々混迷の本作、今回もまたすごかった。恐らく、役者は全て揃ったんじゃないかと思います。そう、今まで回想でしか登場することのなかったあの人・成海比呂の登場です。


 
Piece7-1.jpg
 彼は住処を移し、神戸にて生活中。絵は描き続けているようですが、絵の具を買うのも自費であるため、アルバイトをしているようです。元々生活力のあまりない彼が、バイトで苦労するのも無理はなく、なかなか大変そうです。どうも皓の場合、20歳で扶養を外れるということを言っていましたから、比呂もそうなのかもしれません(過去に書いてありましたっけ?)。しかし今回は比呂の登場は核心に迫るという意味ではまだまだ。恐らく次巻以降でどんどんと明らかになっていくのでしょう。恐らく今後は収束。だんだんと、別の気持ち良さが出てくるんじゃないかと思います。


~まだまだわからないこと~
 さて、今回便利屋の情報と比呂の登場により、一気に状況は変わることとなったのですが、未だにわからないことがあり。まず一つ目は、妊娠していたというはるかの相手。情報屋の話を信じるならば、相手は皓になるわけですが、正直まだ確信は持てないですよね。ここでもしそうだとしたら、どんな経緯があってどういう落とし方になるのか。正直この二人とも、セックスまでは想像できたとしても妊娠ってあんまり想像できないんですよね。っていうのも卵食べれないじゃないですか、皓って(その後、比呂も食べれないことが判明)。無精卵とはいえ生殖の象徴である卵を頑に拒む存在と妊娠って、こうあんまり想像できないっていうか。


~卵が食べれない~
 さて、というわけで後半フィーチャーされていたのが、“卵”。元々皓が卵が食べれない(正確には食べれなくなった)という設定があったのですが、ここに来て比呂もまた卵が食べれないことが判明します。しかも元々食べれなくなったのは、比呂の方。元々は、子供らしいちょっとした罪悪感から食べれなかったんですね。それが母親による監視の強化と、皓及び懐いていた家政婦さんとの別離によって、トラウマの象徴のように食べることが出来なくなってしまいます。以降卵は、彼の心を表すように描かれるようになるのですが、彼の場合
 
 
piece7-2.jpg
 「卵にこもる」という表現で、自分の心を閉ざすようになります。心の卵とでも言うのでしょうか。そして唯一それをぶつけることができるのが、絵でした。
 
 これがどのようにして皓の方に伝染ったのかはわかりませんが、きっと気持ちの悪い過程があったのでしょう。元々母親が「お互いに影響を与えないようにするため」として隔離した中での一致。心的なシンクロって方向には考えにくく、何か作為的なものを感じるわけですが、その中で浮かぶのは、皓の回想の中での比呂の病的な表情。直前の回想で、比呂は皓に自分の母親の表情を見出していますが、絶対あのとき皓は、比呂に自分の母親の姿を見たんじゃないかな、とか思いました。なんだかんだで似てるんですよね、二人。それが母親の言う「本質」というものなのかはわかりませんが。社交的な皓に対して、内向的な比呂。一見真逆を行っているように思えるのですが、比呂の「殻にこもる」という行為と、皓の「誰にも心を許さない」というスタンスは、世界との隔絶という部分でしっかりと一致しているんですよね。そんな比呂が、物心ついて唯一心を許した存在が、はるか。卵の殻のように部屋を取り囲む絵の中、隙間から除くようにおかれた彼女の肖像画がなんとも印象的でした。「似ている」という部分だけに着目して見るならば、皓がはるかに心を許すというのも、なんとなく納得できるというもので、やっぱり父親は皓なんでしょうか。それとも比呂?


~コメントで頂いた気になる点~

 さて、そういえば前回のレビューの時に興味深いコメントを頂きまして、ちょっとご紹介したいと思います。情報提供してくださったSKさん、ありがとうございます。
 

実はまだ6巻読んでないんですが、5巻まで読んで気になっていた所があります。
それは、コウジがしているネックレスです。
礼美の回想シーンでも、成海との再会シーンでも彼ネックレスしてるんですよ。
で、水帆を名古屋に呼び出した成海が似た様なネックレスしてるんですよね。
家を出て行った時とかコウジと再会した時にはしていない様に見えるんです。
何の関係もない事なのかもしれませんが、ちょっと引っかかってます。


とのことなのですが、確かに礼美の回想では…



坂田コウシ#12441;
コウジがプレートタイプっぽいネックレスをしている
その後水帆と成海が会った時は…


ネックレス
こんどは同じようなネックレスを成海が。もちろん成海はコウジと接触する以前はネックレスなんてしていませんでした。これは確かに気になります。が、正直これがどんな意味を持つかとかさっぱりわからないです(笑)本当に関係あるのかもわかりませんが、ちょっとだけ期待してみたいと思います。


 あ、そうそう、芦原妃名子先生の代表作である「砂時計」の映画が1/1にTBSにて放送されるようです。自分は帰省しているので見れるのかわからないのですが、これはちょっと見たいですねー。なんと杏は夏帆さんですよ!なんかちょっとイメージ違いますが、少女マンガ原作のシネマライズは割と固いと思っているので、お暇な人はいかがでしょうか?



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Tag [新作レビュー] 2011.12.08
1106090050.jpg藤生ナミ「ダブルベイビー」


身体ごと
ぎゅってなる



■高校生の芽依は、ある日ひょんなことから、同じクラスのイケメン萩原の甥っ子に懐かれてしまう。しかも、萩原に頼み込まれてなぜか子守りをすることに。クールでいけ好かない奴だと思っていたけれど、甥っ子の面倒を見る彼は思った以上に優しくて…。教室では見せない萩原の素顔にドキドキする芽依だけど…?あったかくって、きゅんとなる、ホーム&ラブコメディ!

 藤生ナミ先生の初コミックスでございます。おめでとうございます。初連載作となる表題作の他、読切り2編が収録されています。それでは表題作についてご紹介を。ヒロインはごくごく普通の女子高生・芽依。ひょんなことから、クラスメイトの男子・萩原の甥っ子に懐かれてしまい、そのまま彼に子守りを頼まれてしまいます。萩原はイケメンの人気者なのですが、無愛想でムカつくという先入観から、あまり良いイメージは持っていませんでした。けれども甥っ子の前で見せるその姿は、イメージとは真逆の優しい男子で…。聞く所によると、姉が短期間家を離れていて、放課後は面倒みなくちゃいけないとのこと。これからも手伝ってくれないかという萩原のお願いを受け入れ、その後もお守りとして萩原家に通うことになるのですが…というお話。


タ#12441;フ#12441;ルヘ#12441;イヒ#12441;ー
ハグっていいですよね。ハグをはじめとした、身体の触れ合いからのドキドキ安心、たくさんあります。


 うら若き男女が疑似子守りを通して恋愛を育む…というのは「だぁだぁだぁ」に代表されるように、少女漫画ではそれなりに見られるシチュエーション。疑似家族という時点で既に関係を醸成しやすい分、割と外れが少ないイメージがあります。その中で各漫画家さんの特長を味わうのが楽しいわけですが、藤生先生の特長を一つ挙げるとすれば「身体的接触の多さ」でしょうか。例えばこれが男性向け萌え作品だと“ラッキースケベ”なんて言葉で表現されるような、結構がっつり抱き合っちゃったりぶつかっちゃったりするようなハプニングが、毎回のように起こります。子供を交えつつハートフルで、ヒロインもエロさを感じさせないラインにいるのですが、それに反して全体的にややエロティックな感覚を受けるのは、ここに起因しているのかもしれません。
 
 ヒロインはベツコミらしく、中の上中下のどれかに収まるベーシックなポジションの子です。そしてお決まりですが、相手役はややワイルドな王子様系イケメン。全ての作品の相手役について総じて言えるのですが、攻撃的かつ積極的なS系となっており、そういった系統の男キャラがお好きな方にはうってつけと言えるかもしれません。3話完結の他、短編2編ということで、比較的短いタイムスパンの中で物語を構築することになるのですが、その中で頻繁に体の接触が起こるので、そういうのが苦手だと逆に違和感を感じることになるかも。ベツコミだと横山真由美先生のラインあたりになるのでしょうか。表題作は初単行本かつ小学館の新人さんということを差し引いても読みやすく描かれていて、個人的にはとても楽しめました。相手役はシュッとした顔立ちが多いですが、子供の丸顔が可愛くて、こんなキャラもどこかで見れたらいいな、なんて思いました。


【男性へのガイド】
→相手役の男の子のキャラクターに拒否反応を示す人は少なからずいそうですが、そこはヒロインの普通っぷりに免じて許してください。
【感想まとめ】
→やっぱりベツコミ好きです、自分。割とハプニング的なエロが目立っていたので、今後そこが軸になるのか、それとも収まるのかちょっと注目。って私、身のあるコメントしてないなぁ相変わらず。。。



作品DATA
■著者:藤生ナミ
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ
■全1巻
■価格:400円+税


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レビュー
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BEARBEAR
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レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。