
女の子って
可愛くなりたいって思うと
強くなれるんです!
■如月真琴・15歳。特技は被害妄想!?カリスマと呼ばれるような有名読者モデルのお姉ちゃんと比べられて、かなーり立派にそだった日陰者根性。高校からは生まれ変わってかわいくなろうと努力するけれど、なかなか上手くいかなくて。。。そんな時、クラスの人気者の入谷くんと出会って…?真琴の青春の戦い(!?)の高校生活スタート!
「MOMO」「クレマチカ靴店」(→レビュー)などを描かれている、酒井まゆ先生のりぼんでの新連載になります。「シュガーソルジャー」と、なんだかかわいらしいような逞しいようなタイトルですが、一人の内気な女の子の青春の戦いということでこんなタイトルになりました(多分)。ヒロインは、表紙のなんともかわいらしい女の子・如月真琴。悪くない見ためをしているものの、彼女を支配するのは根の深い日陰者根性。というのも、姉がカリスマと呼ばれるようなレベルで人気の読者モデル。どこにいっても「あのモデルの妹」として見られ、「あのお姉ちゃんの妹にしては地味」なんて言われて育ってきたのでした。けれどこのままじゃダメだと、高校入学を機に奮起。オシャレにメイクに気を使って、いざ迎えるは高校生活!けれどもそう簡単に日陰者根性は変わるわけではなく…?というお話。

本当に自分に自信がないので、割とかわいいのにこんな感じ。日陰者根性はそう簡単には治りません。
りぼんの作品って割と「あ、これ人気出そうだなぁ」とかわかりやすい気がするのですが、これもきっと人気が出るはず。別に根拠があるわけじゃないんですけど、これまで親しんできたりぼんの人気作品と同じような匂いがするというか。異端までいかないけれどそれなりに個性的な登場人物たちを配し、ちょっとした捻った要素をヒロインに持たせる。この作品で言えばその見ためとは裏腹に著しく低い自己評価がそれにあたりますが、そこを基軸に実に上手く物語を運んでいます。
姉に比べて地味とはいえ、それなりにかわいいヒロイン。見ために気を使えば、それなりに人の目は引くようになります。けれども今まで育ててきた日陰者根性はそう易々と抜けるものではなく、結果自分の余裕を無くさせて動けずじまいに。自ら他人に対して動くということができない子なので、周囲に彼女を動かす人物を配置するのですが、その面々が学校の王子様であったり、中二病なゴスロリ少女だったり、カリスマモデルの姉だったりと、個性の塊のような人たち。彼らの承認によって自己評価を回復させることもあれば、逆に彼らの個性によって自分の地味さを嘆く方向にも転んだり。良くも悪くもヒロインの心をゆらゆらさせ、上手いことバランスを取っているなぁ、と。このバランス感は長く描いていらっしゃる酒井先生だからこそなのだと思います。

高校デビューと言えば当然恋愛も盛り込まれるわけですが、相手役が食えない男で、これからまだまだ楽しめそう。見ため、言動、どこをとっても完璧な王子様。けれども彼女は作らず孤独を貫く変わり者。ある意味難攻不落の彼を前に、ヒロインが上手く立ち回れるわけもなく。ただ余裕無くピュアな心をふりまいて慌てふためくヒロインがかわいいのなんの。
詰まる所この作品の魅力は、ヒロインの純粋さと一生懸命さに集約されているような気がします。日陰者根性はついているけれど、捻曲がってはおらず、ただ汚されずに純粋に育ちましたってな感じの。こんな子を悪く思う人はまずいないはずで、きっと多くの共感を得るのではないでしょうか。
【男性へのガイド】
→りぼんっぽい少女マンガ。りぼん作品が苦手でないのであれば大丈夫かと、なんていう割と無責任な薦め方を。
【感想まとめ】
→これは面白かったです。ヒロインの可愛らしさもさることながら、脇役達も個性的で、今後の話の転がりが非常に気になる所。オススメで。
作品DATA
■著者:酒井まゆ
■出版社:集英社
■レーベル:りぼんマスコットコミックス
■掲載誌:りぼん
■既刊1巻
■価格:400円+税
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