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Tag [新作レビュー] 2013.05.31
1106265688.jpgシタラマサコ「セーラーズエンジェル」(1)


セ…セーラーズエンジェル


■困っている生徒を命懸けで救う噂の部…。その名も「セーラーズ エンジェル」!!奇人変人あふれる橋田壽賀高校を舞台に、3人のエンジェルたちが事件をかいけ…悪化させる!!放課後負け組ガールズたちの、青春こじらせショートギャグ!

 秋田書店月刊プリンセスののギャグ枠が単行本化。橋田壽賀高校に入学した日和は、これといった取り柄もない地味な女の子。高校入学を機に、「私だけの輝きを手に入れる!」と高校デビューを決意した日和ですが、あろうことか「セーラーズエンジェル」とかいうわけのわからない部活に目をつけられ、熱烈スカウトをされてしまいます。熱意に負けた日和は、結局入部することに。名目上は、困っている生徒を命をかけて救うこと…しかしその実態は、他人のトラブルに首を突っ込み、事態を余計悪化させる迷惑な部…。報われない部長、可愛くて食いしん坊な副部長、そして地味な日和の3人で構成されるセーラーズエンジェルは、今日も行く!

 またとんでもなくくだらない(褒め言葉)マンガが登場しました。月刊プリンセスで初掲載されてから、実に4年間かけて単行本化した本作。作者はシタラマサコ先生って、別マのギャルジャポンの先生ですね。ギャルジャポンはキャラが圧倒的に出オチっていう豪腕系のギャグですが(下記で試し読みできます)、こちらは一転地味な女の子がヒロインです。
 
 ■ギャルジャポン試し読み


 高校デビューを目論むものの、ワケの分からない集団に引き込まれ、トラブル続きの毎日を送るという、巻き込まれ系ギャグ。トラブルメーカーの筆頭は、今日日珍しいワンレンの部長。考え方が極端で、下心にまみれていて、かつアホという救いようのない彼女。正直まず自分を救ったら?なんて思うわけですが、そういう人ほど他人を救いたがったりするもの。しかもそのやり方がアホウかつ豪快なので、ついつい周りを巻き込みがち。


セーラーズエンジェル
基本好き放題やってるんですが、なぜかソレが裏目に出て、厄災が自分に降りかかるというパターン。


 部長がこんな人なので、ヒロインは基本的に突っ込み役になるわけですが、時折ネジが飛んで巻き込む側になったりもします。ヒロインもツッコミ頑張っているのですが、濃すぎるキャラ達の前ではどうしても負けがちで、キャラ同士がお互いに食い合っている感すら。
 
 メインキャラに通じているのは、思い描いていたような高校生活を送れず、悩んでいるということでしょうか。そんな中にワケの分からないキャラ達が投入され、話が転がっていくというもの。勢いの割には、その後ろにちょっとした物悲しさが見え隠れしていて、哀愁を誘います。シュール路線で力んで空回りみたいな印象があるのは、狙ってのことなのか。勢いこそ全然違いますが、根っこの部分、系統としてはたぶん「稲中卓球部」あたりが近いんじゃないかと思います。


【男性へのガイド】
→男性誌の笑いのエッセンスは多分に取り込まれていると思いますが、それゆえにあえてこちらを、という強みはないかもしれません。
【感想まとめ】
→正直感想になっているのかわからないですが、とにかく書きやすくて、書き始めからこの時点でトータル8分くらいしか経っていません。ネタ的に好みは別れるところかと思いますが、そう刊行ペースも早くない一期一会な単行本ですし、気になった方はちょいと手に取ってみては如何でしょうか?個人的には、潔い分ギャルジャポンの方が好みかなぁ…。


作品DATA
■著者:シタラマサコ
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:月刊プリンセス
■既刊1巻
■価格:419円+税


■購入する→Amazon

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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2012.02.06
1106090115.jpg梅田阿比「ブルーイッシュ」(1)


少し意識を変えれば
…世界は違って見えたりする



■人の思念・記憶を吸い込む、テレパスの亜生。直接触れずに物を動かすことのできる、サイコキネシスの綸。そして、自分を他の誰かのように幻覚を見せることのできる少女・知那。両親を亡くし、血もつながらない彼らは、「できそこない」のサイキッカー3兄妹で…!?せつなさとはかなさが絡み合う、センチメンタル・ストーリー登場です。

 週刊少年チャンピオンにて「幻仔譚じゃのめ」を連載していた梅田阿比先生の、プリンセスでの連載作になります。「幻仔譚じゃのめ」は全巻購入しているものの、未だ未読の状態にあるので(どういうことなの…)、これが初めての梅田阿比作品となります。本作で描かれるのは、できそこないのサイキッカーの少年少女3兄妹。人の思念を読み取る亜生に、物を触れずに動かす綸、そして自分を誰かのように幻覚を見せることのできる知那。元々は血のつながっていない彼らは、両親に養子として引き取られるも、今は死別したったの3人でボロボロの洋館に暮らしています。3人とも中学校に通ってはいるものの、その能力のおかげでクラスにはあまり馴染めず、いつも一緒に行動。そんな自分達を「できそこない」だと自認している彼らですが、様々な出来事を通して、自分たちの存在価値を再認識していく、そんなお話となっています。


フ#12441;ルーイッシュ
パッと見兄妹とはわからない。血がつながっていないので、見ためも性格もてんでバラバラです。


 3兄妹でありながら、全員血がつながっていないということから、それぞれ見ためも性格もバラバラ。長男としての役割は、黒髪の男の子・亜生。色白黒髪サラ毛ショタが背負う運命とも言うべき身体の弱さを持っており、相手の思念を吸い込みすぎると途端に倒れてしまうという虚弱キャラ。その分優しさと寛容さに満ちあふれたキャラクターになっているのですが、ある意味一番手のかかる子とも言えるかもしれません。弟的なポジションは、茶髪の綸。こちらは逆に元気と力が有り余っている感じで、いつもサイコキネシスが暴走して物を壊してしまう感じ。これまた手のかかる弟キャラです。そして紅一点・知那が妹&姉。割と一番まともなイメージのある彼女は、普段はアイドル的な姉という感じ。けれども、超能力で化けた相手のことを段々と忘れていってしまうという、強い副作用があるために、その実最も放っておけない存在。それぞれにどこか欠点や弱さを抱える3人は、それぞれに自分の長所を生かしてその穴を埋める関係にあり、「似ている弱さを抱えるが故に共感して依存関係に陥る」というような不健全な関係とは異なる依存関係を築いています。個人的には黒髪サラ毛ショタということで、亜生くん一択です、はい。
 
 最初は3人の中で閉じているギブ&テイクの関係も、物語の進行と共に広がりを見せていくようになります。たまたま出会った人を通して巻き込まれる出来事で、ちょっと勇気を出して自分達の力を使い解決へ。「できそこない」であった彼らの自尊心が、段々と回復していく様子が垣間見えます。1話ごとに完結していくスタイルで、そのたびに救いを用意。またそれと同時に、彼らがどうしてこの屋敷に集められたのか、最初は明らかにされていない謎が徐々にわかっていき、物語の大きな枠も明らかになっていきます。少年誌で週刊連載をしていた実績もある通り、物語の作りやまとめ方はさすがに上手で、読んでいて安心感があります。喜びと悲しみのバランス感もちょうど良く、多くの人にとって読みやすい作品に仕上っているのではないでしょうか。少女マンガと言いつつも、恋愛要素は皆無と言ってよく、割と低年齢向けの男女両方をターゲットにした良作という感じを受けます。もちろんオススメ。


【男性へのガイド】
→少年誌での連載作とのギャップ等は読んだことないので語れませんが、少女マンガ作品全体の中で見てもこれは割と男性でも受け入れやすい作品だと思います。優しいお話ですね。
【感想まとめ】
→「幻仔譚じゃのめ」も読まないと…!表紙やタイトルから、どこか仄暗い感じのお話なのかと思っていたのですが、そこにはしっかり光が差すので暗さはあまりありません。都度都度救いを提示してくれる良い作品だと思います。


作品DATA
■著者:梅田阿比
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:プリンセス
■既刊1巻
■価格:419円+税


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Tag [続刊レビュー] 2011.11.07
作品紹介→*新作レビュー* 高殿円/藤丘ようこ「神曲奏界ポリフォニカ~エターナル・ホワイト~」
2巻レビュー→ヤンデレなプリムローズ嬢が素敵すぎる:高殿円/藤丘ようこ「神曲奏界ポリフォニカ エターナル・ホワイト」2巻
3巻レビュー→美味しそうに食べる女性って本当に素敵だと思うんです:藤丘ようこ/高殿円「神曲奏界ポリフォニカ エターナル・ホワイト」3巻
4巻レビュー→契約申し込みは告白みたいなものだ!:高殿円/藤丘ようこ「神曲奏界ポリフォニカ エターナル・ホワイト」4巻




1106079716.jpg高殿円/藤丘ようこ「神曲奏界ポリフォニカエターナル・ホワイト(5)



何かがつながる
ずっと昔
春の雪の中で感じたぬくもりと…



■5巻発売、完結しました。
 不安と猜疑心を深めブランカとの契約を解除したスノウ。そんな彼女に、ついに本性を現したミナギの罠が襲いかかる。再び訪れた精霊島の危機に、スノウとブランカは…!?人と精霊の絆を描くドラマチック・ファンタジー「インフィニティ・ホワイト」編、完結!!
 
 
~完結だそうです~
 5巻にして完結と相成りました。描かれたのはブランカとの絆であったり、ミナギの想いであったりと様々。物語として一応完結の格好とはなっているものの、プリムローズ嬢についてはぶん投げっぱなしであったり、ミナギもミナギでバッドエンド臭を漂わせながらのラストと、なんだか消化不良というか、「多分原作はもっと色々描かれているんだろうなぁ」なんて思わされた最後でした。気になって原作を…という狙いが少なからずあるのだとしたら、まんまと乗せられているわけですが。。。さて、そんな中ひと際存在感を放ったのが、スノウとブランカ…ではなく、前回もご紹介したストーカー精霊・リシュリーでした。
 

 周りに焚き付けられながら、ついにジョッシュとご対面、今までのことを彼に話したのでした。もちろん、特別な感情を持っていてそれが抑えきれないことは隠したままに。ここからは恥じらいつつの可愛いリシュリーが見れるのかな…と思いきや
 


神曲奏界ホ#12442;リフォニカ5-1
クソ竜がああああ


 テンション上がりすぎちゃった(てヘペロ☆)。この後も「くたばりなさい」とか「トカゲ野郎」とか、暴言連発。意外と切れると見境なくなっちゃうあたり、この辺もなんだかストーカーチックというか、ちょっとヤンデレ気質ですよねっていう。早々にドン引かれる姿を晒してしまったわけですが、当人も後からそれを自覚。騒動が一件落着した直後、一目散に逃げ出してしまいます。このギャップが危うげでよいよい。しかし今回は最終回ということで、それだけでは終わりませんでした。「ここでちゃんと気持ち伝えんかい!」的に姉(突如登場して大活躍)が助け舟を。自ら気があるように見せかけて妹を焚き付けると…
 

神曲奏界ホ#12442;リフォニカエターナルホワイト5-2
イヤッッホォォォオオォオウ!


 これはかわいい。誰がなんと言おうとこれはかわいい。見境のなさが、いい方向に出た形となりました。めでたしめでたし。なんて幸せ者なんだジョッシュ。しかしこのあとジョッシュは衝撃のですね。。。真面目というか真面目というか、真面目というか。「罪を洗い流せた」と言って来てくれた子を、さらに待たせる罪な男でございます。もうほんとエピローグとかもジョッシュとリシュリーが一番最終回っぽかったというか。何気に美しく纏まっていたなぁ、と。この二人がいなかったらもうちょっととっちらかったイメージを持っていたかもしれないです。

 

~バトル展開がメイン~
 5巻はミナギの策略をきっかけに起こる物語の山場ということで、終始バトル展開になっていました。ファンタジーということで、これも一つの形なのかもしれませんが、割と不思議な力を使っているので状況としてどうなっているのかよくわからんというのもあったり。「07-GHOST」とか群青先生の「橙星」とかも割とバトル状況わからんという感じだったのですが、それを思い出しました。ファンタジーを読む以上、それを読み解く力ももちろん必要なのですが、私の場合なかなか向上してこないです。小さい頃バトルものって本当に苦手で、だから少年漫画じゃなくて少女漫画に流れたっていう過去があったりするのですが、その時に触れてなかったのが割と今にも影響しているのかな、なんて思ったりしました。


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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2011.07.24
1106047215.jpgアサダニッキ「青春しょんぼりクラブ」(1)


やっかいな恋しかできないやつには
冷静な他人がそばにいてくれるのは
いいもんだよ



■好きになった男子が、ことごとく自分の目の前で彼女を作ってしまうというジンクスを持つ少女・桃里にま。恋愛不成就率・100%という驚異のハイスコアを誇る、超絶当て馬体質の彼女に声をかけたのは、何やら怪しげな活動を行っている「部」。部長である三刀屋依子によれば、その集まりは「他人の恋愛を観察・研究する」という。そんな部に、幸か不幸かその資質を見出されたにまは、なんだかんだでその部に所属することになってしまうのですが…!?

 アサダニッキ先生の初単行本になります(多分)。同人での活動歴はあるようですが、商業はこれが初めての単行本のはず、きっと。というわけで「青春しょんぼりクラブ」のご紹介です。これ最初書店で見かけたとき、プリンセスの単行本だということ全然気がつかなくてですね、その清々しい色使いの表紙絵の他に、背表紙も通常のプリンセスコミックスとは異なった青をベースとしたデザインで、「秋田書店もこういうことするのかぁ。。。」とちょっと驚いた覚えがあります。そして中身を読んでさらにビックリ。これが初とは思えないほどに熟れた、そして面白い作品に仕上っていましたよ!(ちょっと興奮気味)
 
 物語の主人公は、驚くほどの当て馬体質を持つ女子高生・桃里にま。彼女が少しでも好意を持った相手は、例外無く数日以内ににま以外の彼女が出来てしまうというジンクスがあり、これまでに彼氏は出来た事がありません。もはやそれは、恋愛の神様として他の女子に崇められるレベルにまで達しつつあり、余計ににまを苦しめるという状況。そんな彼女に目をつけたのが、学園長の娘で何やら怪しげな行動を取る女子・依子。今日も今日とて恋愛不成就したにまに対し、「お見事!!」と言い放ち、さらにはとある“集まり”に勧誘されます。その“集まり”とは、「他人の恋愛を観察・研究する」というちょっと変わった部活動。他人の恋愛観察に余念がない依子をはじめ、女装する美少年や二次元にしか興味のないイケメンオタクなど、変人揃いのその部活に、何故かにまも加わることになるのですが…というお話。



青春しょんぼりクラブ1
ベースはコメディ。しょんぼりコメディとでも言いましょうか。当て馬体質というのは、他人からすれば非常にありがたい存在であるわけで。にまちゃん、私の前にも現れてくれないですかね。


 「他人の恋愛を観察・研究する」というわけのわからない名目であるにもかかわらず、そんな部活がまかり通っているのは、部長である依子が学園長の娘であることから。半ばサボり場・ダベリ場・たまり場として機能しているその部室ですが、所属するメンバーは、確かにこの部活に所属するに相応しい恋愛体質をお持ちの方々。部活に所属したことを皮切りに、物語は序盤、それぞれの恋の在り方を中心に展開していくことになります。
 
 最初はもちろん、ヒロインになんとか恋人ができるようにと動くのですが、その過程で、メンバーの恋愛の方も明らかに。部長の依子は、こんな部活を立ち上げるキッカケとなった理由と、不意に落ちてしまった叶う事のない恋について、また麗しの女装男子である隠岐島武が、なぜそんな格好をするようになったのか。どちらも成就しない想いを抱えており、恋愛に関しては恵まれていません。残る一人のイケメンアニヲタ・簸川くんも、二次元キャラに恋している時点で、両想いになることはないわけで、これまた成就しない想いを抱えていると言えなくもありません。要するに所属メンバー全員が、恋愛に関しては芳しくないわけで。そんな彼らが、それでも前向きに恋愛していく青春の様子が、本当に甘酸っぱくてそして面白い!


青春しょんぼりクラブ1-2
一人で思い悩む必要はない。辛い事があれば相談したりぶちまけたりすればいいし、暴走を止めてくれたり、盲目気味な恋の道中、第三者の存在ってのは結構ありがたいんだよ、特に不器用な人たちにとっては、というのが根底にあるような気がします。越える所は自分で越えなきゃですが、その地点に立つのすら難しい子達が揃っているので。


 こういったあらましだけを書いていくと、どうしても切なかったり辛かったりという感じが強く出てしまうようにも思えますが、ベースは学園コメディであり、非常に賑やかで脱力感のある、非常に親しみやすい青春もの。また絵の雰囲気も描きこみすぎず、シンプルすぎずで、耽美さ溢れるプリンセスの中にあっては、こちらもまた非常に親しみやすいのではないでしょうか。
 
 なんだかんだで皆さん美男美女で、モテる素養はある人達なんですよ。それでもどうにも上手く恋愛できないのは、それぞれに弊害となる理由があるから。基本的にはそれぞれが自分の中に壁を作ってしまっていて、肝心なところでブレーキを引いてしまう、タイミングを逃してしまう…という形になっており、今後はそれをどう取り払うかというところが焦点となってくると思われます。皆々不器用で、そう簡単にはいかないのですが、その不器用さに苦しむ姿もまた、青春っぽさが溢れていて、非常に好感がモテるのですよね。全然関係ないですが、自分もちょっと当て馬体質があるところを自覚しているので、他人事にはなかなか思えない登場人物たちに、ガッツリ心掴まれたというのも、この作品を楽しめた要因の一つになっているかもしれません。長々と書きましたが、オススメですよー。これは是非ともチェックを。


【男性へのガイド】
→男性も楽しめるんじゃないでしょうか。レビューサイト周りでも、男性で買ってる方結構いるのですが、皆々評判良いですよ。
【感想まとめ】
→これは面白かったです。表紙から受けた期待感以上の、良き青春コメディを繰り広げてくれました。こういうオーソドックスなのがたまに出たりするから、プリンセスは面白い。オススメです。


作品DATA
■著者:アサダニッキ
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:プリンセス(連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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Tag [続刊レビュー] 2011.06.01
作品紹介→*新作レビュー* 高殿円/藤丘ようこ「神曲奏界ポリフォニカ~エターナル・ホワイト~」
2巻レビュー→ヤンデレなプリムローズ嬢が素敵すぎる:高殿円/藤丘ようこ「神曲奏界ポリフォニカ エターナル・ホワイト」2巻
3巻レビュー→美味しそうに食べる女性って本当に素敵だと思うんです:藤丘ようこ/高殿円「神曲奏界ポリフォニカ エターナル・ホワイト」3巻



1106025597.jpg高殿円/藤丘ようこ「神曲奏界ポリフォニカエターナル・ホワイト」(4)


僕と一緒に向こうの世界へ帰ろう


■4巻発売です。
 ミナギ・クロードの演奏を聴き、彼が作ったという曲すべてを聴いたことがあるという、不思議な体験をしたスノウ。そんなスノウにブランカは、ミナギと関わりを持つなと言い、二人の関係はギクシャク…。そんな中、ミナギに呼び出され知らされたのは、スノウの本当の名前と、その出自。あまりに突拍子もない内容に、はじめは信じていなかったスノウだが、それは次第に現実味を帯びはじめ…
 


~なんとかわいい精霊さん!~
 4巻発売です。秋田書店のコミックスの原作付きでここまで毎回楽しみにする作品が出てくるとは、思ってもいませんでしたよ。原作全く知らないですが…というか、知らないからこそ楽しい!ということで、今回ものっけからエンジン全開でした。というのも、ちょっと前からちょいちょい登場していた、あのキャラの正体が明らかになったのですよ!
 
 ということで、コミカライズ担当の藤丘ようこ先生も「一番描きたかった」という、めっちゃ良い青年だけど地味な・ジョッシュと、そんな彼を遠巻きに見守る、謎の精霊…っぽい女の子。どう考えても好意バリバリで、精霊でなかったらストーカーとして立件されそうなぐらいに一途な様子を見せていた彼女の名前は、リシュリーと言いました。しかしその過去を知ってドびっくり。弱い存在であったために怯えているかと思いきや、元々は強大な力を持った存在だったのですね。そんな彼女が、紆余曲折を経て…
 
 
神曲奏界ポリフォニカ4-1
恋する乙女
 
 
 他にも精霊などは幾つか登場していますが、ここまで“恋心”を感じさせる存在がいたでしょうか。他の精霊と人間の「契約」の様子を見ると、なんとなく軽さを感じさせる「誘い」…悪く言えば「ナンパ」っぽい感じが強いのですが、このアシュリーとジョッシュの場合は…
 
 
神曲奏界ポリフォニカ4-2
ガチ告白にしか見えない
 
 
 もうこの瞬間とか止めどなくニヤニヤが…(笑)あーもうなんですかこの幸せな空間は…!結局うやむやになって終わってしまい、そのまま話は5巻へ…。ということは、まだまだこのやりとりを楽しめるというわけではないですか。もうそれだけを楽しみにこれからの物語を追いかけ続けられます、本当に。



~おお、こんな話なのか…!~
 さて、そんなニヤニヤな二人をよそに、本編では徐々に謎が明らかに。原作未読であるために、どのような世界観なのかもよくわからず物語を読み進めていたのですが、こんな秘密があったのですね。完全なファンタジー世界での繰り回しだと思っていたので、ちょっと意外ではあったのですが、これからどんな落としどころになっていくのか、期待しかなく、本当に続きが楽しみになりました。ミナギについてはこれまで意図が読めない、ちょっと嫌な感じのキャラクターだったのですが、背景を知ると、なんとなく今までの行動も納得がいきます。しかしスノウが神童と呼ばれていたとは。才能の片鱗を見せることはあっても、あっという間に楽器を習得…なんてことにはなっていなかったので、これもまた意外。でもピアノとかガッツリやらせればまた違うのでしょうかね?



~スノウはブレないその一点だけでも恐ろしく魅力的~
 スノウって、アイドル育成ゲーム「idol m@ster」の律子に似てますよね(唐突な話題転換)。アイマスについても詳しいわけではないので、律子がどのような性格なのかはよくはわからないのですが、一本筋の通った正しいことを言うってイメージがありまして。スノウもまた、理路整然と自分の正しいと思うことを、言葉にし、行動に起こすというイメージがあります。(あれ、どう考えても律子の話題いらなかったな…) 今回ブランカと口喧嘩をするシーンがあるのですが、その際のスノウのブランカへの言葉が、どうしたって反論のしようのないもので、すごいなぁと。「正しい」ってのは、一対一では絶対的な力をもっていて、それを武器として出されたとしたら、こちらも「正しさ」をもって対抗するしかないわけですが、そうそう正しさが二つある場面で一対一の口喧嘩になどなるわけなく。。。これスノウ目線でいるとすごく気持ち良いのですが、相手にはなりたくないなぁ、と(笑)とはいえこれだけ一本筋が通っているヒロインというのは、それだけでどこまでも魅力的なのでありますよ。これからもブレずに、自分の意志で進む子で居て欲しいです。



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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。