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Tag [続刊レビュー] 2015.03.08
1106481913.jpgニ星天「京都ゆうても端のほう」(3)



好きなやつがいるんだ



■3巻発売しました。
 京都府行楽課に配属された七木。上司の新沼とともに、京都のオカルトスポットをまとめた『紫道標帖』を編纂することに……。行方不明の前任者・冬見恋一郎を探し続ける新沼。ついに七木は2人の過去を知らされて……?京都をめぐる妖しの観光名所ミステリー!


~久我野さんメイン~
 どうもこの記事で2000記事になるみたいです。非公開にした記事もあったりしたので、本当はもうちょっと先に到達していたのですが、現時点で公開している2000記事ということで、ちょうど良い区切りです。もっと早くに達成できるかと思っていたのですが、かなり時間がかかってしまいましたね。

 さて、そんな前置きはさておき「京都ゆうても端のほう」の話をしましょう。快調に巻数を重ね、気づけばもう3巻です。核心に迫るようで全く迫っておらず、まだまだ物語は続きそうです。とはいえ全貌は徐々に明らかになっており、新沼さんと久我山さん、そして行方不明となっている冬見さんの姿が徐々に明らかになって来ます。3巻は端的に言うならば、久我野さんの回でした。想い想われ、この人と恋愛って全く結びつくイメージがなかったのですが、あろうことか人の感情の機微を敏感に感じ取り色恋ネタを投入してきてくれました。

 発端となったのは久我野に恋する安達さん。この子が身の程弁えないアグレッシブさで久我野さんに迫るのですが、恋によって仕事がおろそかになってしまいがちな姿を見てちょっとイラついたりしました。執念めいたものに若干引いたと言いますか。なんて話は進み、久我野さんの過去話を聞いてみたら、この人もめちゃくちゃ恋愛に走ってる人だったというオチ。安達さんに対して誠実に返答をしたのも、自身が色々と恋愛で抱えているからより強く理解できたという背景もあったのかもしれませんね。


京都ゆうても端のほう30001
一歩引いて……という姿勢ではあるのですが、つかず離れずの微妙な距離を保ち続けている巧妙さと臆病さは、冷静に考えるとちょっと気持ち悪いかもしれません(笑)


 そうそう、ここで冬見さんの姿が明らかになるのですが、想像と違ってめっちゃユル軽そうな人でびっくりしました。新沼さんの想い人ってことで、きっと優しくて誠実で、尻にめちゃくちゃ敷かれるタイプか、“剛”という漢字が似合いそうなフィジカル系の人物を勝手に想像していたのですが、どちらでもないっていう。


京都ゆうても端のほう30003
想像と真逆の冬見さん


 オカルト的な背景はあるのでしょうが、こういうタイプに新沼さんが惹かれているというのが意外で。意外と女性っぽいというか、出会いを描いたところなんか完全に恋する女の子って感じでしたもんね。それが今はあn(自粛


~にいぬマーチとかいう素敵な響き~
 さて、メインキャラの新沼さんは今回前半はお休みで、後半になってようやく登場してきました。このエピソードをきっかけにで物語は大きな転換点を迎えることになりそうなのですが、それは本編を読んでいただくとして、個人的にはもっとどうでもいい話をしたいな、と。この回からやたら押されたワードがあるのですが、それがなかなか素敵な響き…


京都ゆうても端のほう30002
にいぬマーチ


 下に解説がある通り、新沼さんの愛車はマーチです。にいぬマーチ…音がいいというよりも、字面ですかね。“にいぬ”を“マ”でつなぐ感じがツボです(誰にも伝わらないツボ)。どこかで使ってみたいものですが、で全く使いどころがないという。いつか使える時が来たら使おう。マーチに乗っている、苗字ないし名前が“ま”で終わる人がいないと応用もできないという難点ありですが。本編では2回ほどこのフレーズが登場しましたが、4巻以降も登場することがあるかというと…望み薄ですかね。。。



■関連記事
妖しの京都観光名所ファンタジー:二星天「京都ゆうても端のほう」1巻

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2014.11.03
1106451972.jpgかねもりあやみ「この街は神さまの庭~四神の京都・町家暮らし~」(1)



きっとこの時が
いつか美しい思い出になるはずだ




■京都の街は、東西南北の四方を四人の神様に守られている。そんな青龍、白虎、朱雀、玄武の四神が京都の町家で念願の人間暮らしを始めたら?ある日、光熱費を取立てに来た大家の宮子さんに一目惚れした朱雀は、酒屋でバイトしながらデートを夢見て彼女を祇園祭に誘うのだが……!?京都の神様と人間の女の子たちとの恋を描いた、愛しくも切ない、恋愛ファンタジー第1巻!

 京都の街で4人の神様が人間暮らしをしながら送る、日常&恋愛ラブコメディ。山で遭難していた男を助けた京都の4神(青龍、白虎、朱雀、玄武)は、助けたお礼にと人間として暮らすことを望み、以来京都のとある場所にある家で4人同居しているのでした。時は流れすっかり人間としての暮らしに慣れた4人は、俗世の欲にまみれた神様らしからぬ暮らしぶりをするように。さらには人間の女の子とも、なんだかいい感じに。。。けれども神様と人間の恋は、許されない関係。さてさてどうする!?というお話。


この街は神さまの庭1-2
こんな緩さ。完全に人間として日常に溶け込んでます。でも一応、行事の際などは神様としてお仕事するんですよ。


 神様が人間の姿で日常生活を送るというと、「聖おにいさん」が思い出されますが、本作もあちらと同じくらい緩い雰囲気が流れる日常ものとなっています。ただ本作の場合、軸となるのは神様と人間の女の子との恋愛であり、いい塩梅でシリアスシーンも落とし込まれます。緩くなり過ぎず、かといってシリアスになり過ぎず、このバランス感が結構難しいと思われ。

 神様と人間の恋愛は禁止されているわけではないのですが、人間は神様に比べ寿命が短く、また過去に「神様をやめる」という選択をした者がいたため、暗黙の了解的に人間と関係を持つのは避けられています。けれども長く人間界で暮らしていると、人間とかかわりを持たないわけにもいかず、期せずして急接近してしまう場合も。そうした中でわたわたする4人の姿が面白いのです。


この街は神さまの庭
長い年月暮らしていていきなり集中的に恋愛イベントが起こるのかとも思われるかもしれないですが、あらすじ紹介にあった通り、背景を知らない大家の娘・宮子が家賃(正確には光熱費)を取立てに来るようになり、その工面のためにアルバイトを始め、その結果出会いが増えるという寸法。また表紙に大きく描かれている男子・朱雀はあろうことか宮子に恋をしてしまい、唯一積極的に人間に近づいていくという状態で、彼が一番微笑ましくも危なっかしいという。


 4人はそれぞれキャラ分けがきちんとされており、朱雀は真っ直ぐな体力バカ系。メガネの玄武は家事全般をこなすしっかり者のオカン系。表紙左下の白虎はチャラいオネエ。右上の青龍はとにかく働きたくない怠け者ショタ。個人的に好きなのは青龍ですかね。神様らしからぬ欲にまみれた姿が素敵すぎます。あとあんまり何事にも動じない姿とか、いいですね。

 先ほど「聖おにいさん」と言いましたが、シチュエーションが似ているだけで、作品の雰囲気的には全く異なります。むしろファンタジックな要素に加えて、京都という場所柄を存分に活かしたお話作りは、同じ秋田書店から出ている「京都ゆうても端のほう」(→レビュー)に通じるものがあるかもしれません。あちらが好きな方はこちらも気に入ると思いますし、逆に本作が気に入った方は、「京都ゆうても~」も気に入るかと思いますので、ぜひダブルチェックをば。しかしながら秋田書店の謎の京都押し、素敵です。

 
【男性へのガイド】
→神様は女子受けしそうなキャラで、また物語も割と恋愛特化な感じもあるので、そこがどう出るか。
【感想まとめ】
→面白かったです。日常コメディ、恋愛、ファンタジーとどれもちょうど良い塩梅でMIXされていて、ものすごく読み心地が良かった。


作品DATA
■著者:かねもりあやみ
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:プリンセスGOLD
■既刊1巻
■価格:429円+税


■試し読み:第1話

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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2014.01.20
1106299102.jpgニ星天「京都ゆうても端のほう」(1)


…また探します
何度でも



■京都府行楽課に配属された七木の初仕事は、「古墳の祟り」の調査だった…!?上司の新沼とともに、京都のオカルトスポットをまとめた「紫道標帖」を編纂することになった七木は…!?貴船、伏見稲荷、天橋立…などなど、あの観光スポットで起こる不思議な出来事。京都在住の新鋭作家が贈る、妖しの観光ミステリー!

 ニ星天先生のプリンセスGOLD連載作です。マンガは小さな書店を回って買うスタイルなので、どうしても秋田書店はマークが薄くなりがちでして…本作ですが、刊行は昨年の7月。最近ゲットして読んだので、ご紹介です。Amazonでは品切れ状態、レーベルがレーベルだけに部数も少ないのか…。
 
 舞台となるのはタイトルを見ても分かる通り、京都です。主人公は、京都府の行楽かに配属された新社会人の七木くん。やる気満々で仕事に取りかかろうとする七木くんですが、彼に課せられたのは、行楽課として決して表立つことのない、なんとも特殊な仕事だったのでした…。それは、実害のあるオカルトスポットを調査し、それらをまとめた「紫道標帖」の編纂。先輩である男勝りな破天荒上司・新沼と共に、妙な噂が流れる場所を調査。そこで起こる奇怪な出来事に首を突っ込み、時に命懸けで編纂に取り組むのですが…というお話。


京都ゆうても端のほう1−1
新沼さんは、妖と対峙してもたじろぐことのない肝の座った女性。とにかく食えない性格で、主人公の七木くんは結構よく振り回されます。


 プリンセスGOLDらしい、1話完結型のファンタジー作品です。舞台となるのが現代の京都というのも、取っつきやすくて良いですよね。オカルトチックな噂を聞きつけ、向かってみるとそこには案の定妖怪や神様が…。そういった存在と相性の良いパワースポット・京都というだけあって、題材には事欠きません。旅行で行ったことのある場所が出てきたりすると、なんとなく風景も浮かんできます。
 

京都ゆうても端のほう1-2
七木くん自身にはそういったオカルト的なパワーと言うか、資質はないのですが、上司の新沼さんにはその気あり。七木くんは京都と縁がある人物ではないので、関西弁も使いません。一方の新沼さんは京都弁バリバリ。新沼さん軸で話を回すと、きっと京都という閉じた範囲で、オカルトというこれまた閉じた世界で話が飛躍してしまいがちなのでしょうが、七木くんの存在がそれを上手いこと緩和してくれております。真面目な性格なのも好印象。


 話の印象から、「夏目友人帳」的な想像をされる方も多いのかもしれませんが、むしろ人物配置的に近いのは「ゴーストスイーパー美神」とかかも(人物の性格や話の流れは全然違いますが)。1話完結型で内容も明快、とても読みやすいと思います。1巻の各話から受ける印象は、所謂読切り枠的な存在なのですが、1巻の終盤に進むに連れて大きな物語が明らかに。全体で見た時に、1巻は序章であることがわかります。マンガだけでなく挿絵イラストも描かれている方ということで、絵柄も綺麗。面白かったです。


【男性へのガイド】
→主人公視点で行けば読みやすいんじゃないかと。恋愛要素もなく、明快なストーリーは読みやすいのでは。
【感想まとめ】
→レーベル的に地味なんですが、埋もれさせるのはもったいない面白さ。刊行ペースもゆっくりだとは思うのですが、興味があればチェックをば。


作品DATA
■著者:ニ星天
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスGOLDコミックス
■掲載誌:プリンセスGOLD
■既刊1巻
■価格:429円+税


■試し読み:第1話

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Tag [新作レビュー] 2013.12.30
1106349583.jpg吉岡李々子「キミに小さな嘘ひとつ」(1)


なのに今
あなたが
いない



■千星と明星は双子の姉妹。甘え上手で男子にモテるのは、妹の明星。不器用で告白もできず、怖いキャラとして認識されているのは姉の千星。正反対の性格の二人だけど、見ためは本当にそっくりで、誰も違いがわからない。唯一見分けることができるのは、幼なじみの宮本だけ。宮本と3人で過ごすはずだった誕生日、千星と明星に悲劇が…。

 「彼はトモダチ」などを描かれている吉岡李々子先生の新作でございます。本作はプチプリンセスということで、秋田書店からの刊行になります。吉岡先生というとベツフレの印象が強いので、なんだか不思議な感覚。帯には「『彼はトモダチ』以上の衝撃作、ついに登場」とありますが、本当だとしたらものすごいことになりますよ(色々な意味で)。
 
 さて、物語の主人公は双子の姉妹の姉です。見ためがそっくりで、身内しか二人を見分けられないという千星(姉)と明星(妹)。ただ性格は正反対。男に甘えるのが上手でいつも告白されまくっているのが妹の明星。しっかり者で怖い性格、言うなれば委員長タイプなのが姉の千星、こちらは全くモテません。そんな二人の幼なじみが、同じ学年の男子・宮本。彼は身内以外で唯一二人を見分けることができるのですが、どうもモテる妹・明星ではなく、怖がられている姉・千星に気があるよう。しかしそれを良く思わない妹・明星は、宮本と誕生日に二人で出かけたことを千星に「デートだ」とアピールし、彼女を諦めさせようと画策します。それにより意気消沈する千星でしたが、その後さらに気持ちを落ち込ませる出来事が。明星がその帰りに交通事故で亡くなってしまうのでした。宮本との間には微妙なわだかまりが残ったまま、彼は引越しをしてしまい、そのまま疎遠に。千星は高校生へと成長をするのですが…というお話。
 

キミに小さな嘘ひとつ1
のっけから重要人物が亡くなるのですが、要するに死者により残された誤解やわだかまり、罪悪感の中を生きる少女の恋物語という位置付けのお話と言えるでしょう。すごいのは、亡くなった妹が完全に性悪の悪役であり、また死んでしまったのでもはや挽回のチャンスも無いというとこでしょうか。


 登場した当初は悪役でも、その後優しい部分や憎めない部分を見せ、後半に挽回するパターンがままあるわけですが、本作の場合は死んでしまった為にそういうフォローが難しい状況に。千星自身は自覚していないとはいえ、物語中でのこの役回りはだいぶ可哀想な気が。明確な悪役が、勧善懲悪的に死に追いやられ、さらに蟠りを残し続けるというのは、なかなかの衝撃でした。ただこのまま終わりとも思えず、またタイトルが意味するところの主体が明星であるという可能性もあると思いますので、ちょっとだけ結末に期待したいところです。
 
 あらましの流れから、明星の死後の宮本と千星の関係性が描かれると思いきや、宮本とは疎遠になり、高校生になってからは今のところ登場していません。そのかわり、千星のことを見分けられる謎の同級生が登場し、彼女の心の氷を解かしそうな雰囲気を醸し出しています。二人はまだ出会ったばかりで、これから関係を構築していくことになります。恐らくそこにさらに宮本が再登場し、三角関係的な流れになったりするんじゃなかろうか、と。傷を持たずに彼女を受け入れ理解してくれる男の子と、同じ傷を持ちこれまた彼女を受け入れ理解してくれる男の子の間で、揺れるといった展開が美しい(と、個人的には思っているのですが)。


キミに小さな嘘ひとつ
王道ならば宮本ですが、個人的にはこっちの彼が。「彼はトモダチ」の印象から、メガネキャラが良くてですね。



【男性へのガイド】
→これは女子っぽい感じが前面に出た作品かと。
【感想まとめ】
→1巻時点では登場人物と舞台装置を整えたという段階で、この後物語が一気に転がっていくものと思われます。静かでどこか物悲しい雰囲気をたたえた物語がお好きな方は、こういう作品はうってつけかと思われます。


作品DATA
■著者:吉岡李々子
■出版社:秋田書店
■レーベル:プチプリンセスコミックス
■掲載誌:プチプリンセス
■既刊1巻
■価格:429円+税


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Tag [新作レビュー] 2013.05.31
1106265688.jpgシタラマサコ「セーラーズエンジェル」(1)


セ…セーラーズエンジェル


■困っている生徒を命懸けで救う噂の部…。その名も「セーラーズ エンジェル」!!奇人変人あふれる橋田壽賀高校を舞台に、3人のエンジェルたちが事件をかいけ…悪化させる!!放課後負け組ガールズたちの、青春こじらせショートギャグ!

 秋田書店月刊プリンセスののギャグ枠が単行本化。橋田壽賀高校に入学した日和は、これといった取り柄もない地味な女の子。高校入学を機に、「私だけの輝きを手に入れる!」と高校デビューを決意した日和ですが、あろうことか「セーラーズエンジェル」とかいうわけのわからない部活に目をつけられ、熱烈スカウトをされてしまいます。熱意に負けた日和は、結局入部することに。名目上は、困っている生徒を命をかけて救うこと…しかしその実態は、他人のトラブルに首を突っ込み、事態を余計悪化させる迷惑な部…。報われない部長、可愛くて食いしん坊な副部長、そして地味な日和の3人で構成されるセーラーズエンジェルは、今日も行く!

 またとんでもなくくだらない(褒め言葉)マンガが登場しました。月刊プリンセスで初掲載されてから、実に4年間かけて単行本化した本作。作者はシタラマサコ先生って、別マのギャルジャポンの先生ですね。ギャルジャポンはキャラが圧倒的に出オチっていう豪腕系のギャグですが(下記で試し読みできます)、こちらは一転地味な女の子がヒロインです。
 
 ■ギャルジャポン試し読み


 高校デビューを目論むものの、ワケの分からない集団に引き込まれ、トラブル続きの毎日を送るという、巻き込まれ系ギャグ。トラブルメーカーの筆頭は、今日日珍しいワンレンの部長。考え方が極端で、下心にまみれていて、かつアホという救いようのない彼女。正直まず自分を救ったら?なんて思うわけですが、そういう人ほど他人を救いたがったりするもの。しかもそのやり方がアホウかつ豪快なので、ついつい周りを巻き込みがち。


セーラーズエンジェル
基本好き放題やってるんですが、なぜかソレが裏目に出て、厄災が自分に降りかかるというパターン。


 部長がこんな人なので、ヒロインは基本的に突っ込み役になるわけですが、時折ネジが飛んで巻き込む側になったりもします。ヒロインもツッコミ頑張っているのですが、濃すぎるキャラ達の前ではどうしても負けがちで、キャラ同士がお互いに食い合っている感すら。
 
 メインキャラに通じているのは、思い描いていたような高校生活を送れず、悩んでいるということでしょうか。そんな中にワケの分からないキャラ達が投入され、話が転がっていくというもの。勢いの割には、その後ろにちょっとした物悲しさが見え隠れしていて、哀愁を誘います。シュール路線で力んで空回りみたいな印象があるのは、狙ってのことなのか。勢いこそ全然違いますが、根っこの部分、系統としてはたぶん「稲中卓球部」あたりが近いんじゃないかと思います。


【男性へのガイド】
→男性誌の笑いのエッセンスは多分に取り込まれていると思いますが、それゆえにあえてこちらを、という強みはないかもしれません。
【感想まとめ】
→正直感想になっているのかわからないですが、とにかく書きやすくて、書き始めからこの時点でトータル8分くらいしか経っていません。ネタ的に好みは別れるところかと思いますが、そう刊行ペースも早くない一期一会な単行本ですし、気になった方はちょいと手に取ってみては如何でしょうか?個人的には、潔い分ギャルジャポンの方が好みかなぁ…。


作品DATA
■著者:シタラマサコ
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:月刊プリンセス
■既刊1巻
■価格:419円+税


■購入する→Amazon

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