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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2015.04.07
1106500722.jpg師走ゆき「高嶺と花」(1)



これは
媚びたら負けの
駆け引きだから




■姉が拒否した、父の勤め先の御曹司・才原高嶺とのお見合いに、身代わりとして出席した女子高生・野々村花。高嶺の横柄な態度にブチ切れ、当然破談と思いきや「お前のことが気に入った!」と言いだし連れまわされるように…!大人げない高嶺の態度にムカついたり、笑ったり、惹かれたり!?このお見合い、良きご縁となるや否や…??

 「不老姉妹」などの師走ゆき先生の花とゆめ連載作です。巻数が付くのは1月に発売された「わんテール」に続いて2冊目になりますね。庶民なヒロインと、横暴だけどどこか憎めないイケメン御曹司とのドタバタラブコメという、いわば少女マンガでは王道中の王道とも言える作品になっています。

 主人公はごくごく普通の高校生・野々村花。ある日、かなりの美人と評判の姉に、父の勤め先の御曹司との見合い話が舞い込むも、姉には付き合っている相手がいるとのことから、花が身代わりにお見合いに出席することになります。なんとかその場をやりきり、円満に破談とすべく臨むも、あまりの相手の横暴さにキレてしまった花は、つけ毛を相手に投げつけて暴言を吐いて去るというとんでもない行動に。後悔の念に駆られる花でしたが、何故だか高嶺は「お前のことが気に入った」と度々デートに誘われるように……。引き続き姉として、お見合いの延長戦に臨む花。横暴に見えつつも、意外と可愛い所もある高嶺と過ごす時間が、だんだんと居心地よく感じるようになり。。。というストーリー。


高嶺と花0001
 「花より男子」に代表されるように、プライドの高い御曹司の相手をするには、彼らに負けない芯の強さ・負けん気の強さがあるサバサバ女子がヒロインとなります。本作の場合もまさにそれを地で行く直球系ヒロインで、見ていて非常に気持ちが良い。なお相手の嫌味に対してもこれくらいやりあえるという。

 
 相対する御曹司・高嶺はかなり人を見下した態度を取るのですが、性根が根本から捻じ曲がっているワケではなく、自分の気持ちを素直に表現できない不器用さを持った男の人という感じで、言動の割にはあまり嫌な印象は受けません(言えばなんだかんだやってくれる人みたいな)。ともあれ二人とも自身の思惑を、体面崩さずに押し通したいものですから、事あるごとにぶつかり合うマウンティング合戦が繰り広げられます。それがひとつコメディとしての面白さとなっているという。

 で、一通りぶつかり合いを繰り広げた後に待っているのは、お互いが譲歩した中での赤面タイムで、そこがもう当人たち以上に赤面してしまうようなニヤニヤな瞬間となっています。ぶつかり合いによる笑いからの、ふと見せる優しさからのニヤニヤと、メリハリ効きつつ両方をバランスよく楽しむことができる内容となっています。

 なお正体隠しつつというのは1話目でばれて終わるので、以降は普通に、庶民の女子高生とイケメンやり手御曹司という関係で続いていきます。一応双方に居心地が良いというか、楽しく過ごせるためにお見合いという名のデートは続いていくのですが、お互い「好き」とか「付き合う」といった具体的な言葉は言わず、なんだか不思議な状態が続いてきます、茶を濁しつつ1巻完結で、2巻ではこの辺りを明確にすべく行動するなんてことが増えてくるかと思うのですが、それもなかなかニヤニヤ度の高そうな過程を踏みそうで楽しみなところです。また珍しく1巻時点ではライバルらしいライバルもおらず、非常にシンプルなキャラクタ構成で進むあたりも引き込まれやすい一因かと。


高嶺と花0002
ドキドキパート。これは花がすることもあるし、高嶺がすることもあるし。どちらにせよ、赤面ニヤニヤは必至。


 ラブコメらしいラブコメ、、、というとよくわからないかもしれませんが、オススメの一作です。正直師走ゆき先生の作品って、やや突飛でクセのある設定のお話が多く、ピンとくることがあまりなかったのですが、本作はかなりハマりそうな予感がしております。師走ゆき先生のイメージを良い意味で崩す作品になっているかとも思いますので、先に発売されている作品だけしか読んでいない方は、是非とも本作を手に取ってほしいところです。


【男性へのガイド】
→少女マンガの王道という言葉でお分かりかとは思いますが、そのジャンルがお好きな方は手に取って間違いない作品かと思います。
【感想まとめ】
→面白かったです。切れ味よしのニヤニヤラブコメということで、追いかけ続けたい作品ですね。


作品DATA
■著者:師走ゆき
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめコミックス
■掲載誌:花とゆめ
■既刊1巻
■価格:429円+税


■試し読み:第1話

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Tag [新作レビュー] 2015.02.27
1106491342.jpg夏芽ミカン「パパには秘密なのですが」



譲くんがお父さんになってくれて
すごく今幸せです




■イケメンアラサーリーマン・譲くんは、女子高生・栞の義理のパパ!ママ亡きあと、栞を引き取って育ててくれた譲くん。だけど、かわいい娘の恋の予感に、譲くんの過保護ぶりが爆発する……!血はつながっていないけど、いつでもお互いが一番の味方。笑いと涙と胸キュンの、ちぐはぐ父娘ホームコメディ。かきおろし後日談もたっぷり収録!

 「まるふく片想い」を描かれていた夏芽ミカン先生の連載作です。父と娘の禁断の恋愛を描いた……なんてことはない、義理の親子の温かな関係を描き出したホームコメディです。ヒロインの栞は母の連れ子で、今の父である譲と再婚後しばらくして他界。義理の父である譲が栞をそのまま引き取りここまで育ててきました。譲は20歳の時に結婚をしたため、高校生の栞を育てているとはいえまだ27歳の若者です。周囲からみれば二人はせいぜい兄妹にしか見られないという状況。それでも精一杯父親として行動する譲と、家事でサポートする栞。良好な関係の二人でしたが、栞の恋の予感に譲は気が気ではなく……というお話。

 構図的にはなかなか恋愛の匂いたつ表紙ですが、めちゃくちゃ真っ当なホームドラマとなっています。恋をしたい娘とそれが心配な父親というのは現実でもよく見られる光景ですよね。父親の譲は義理の父親だからこそ、若いからこそしっかりしなくちゃと、こと恋愛や門限に関しては厳しく管理をするのですが、それが時に裏目に出たりするわけですよ。元々一番だった優先順位も、娘に好きな男が出来ると下がりもするわけで、それが悲しかったり。で、冷たく接してしまったり。その姿は頑固おやじそのものなんですけれど、見た目が若いお兄ちゃんってのがひとつこの物語の面白いところ。自分は別に結婚もしていなければ、子供もいないんですけれど、職業が同じ(システムエンジニア)で年齢も近いということもあり、どうしても彼に肩入れして見てしまう面がありました。


パパには秘密なのですが
いざこっちを向いてくれたと思ったらこれ。素直じゃないけどかわいいじゃないですか。


 娘の栞もその歳の女の子としてはかなり出来た子で、父親の立場というもの(譲の大変さ)をしっかりと理解出来ている子です。時に反発してしまうこともありますが、それはある意味で致し方ない面もあり、こちらの気持ちもよく理解できるから辛いところ。

 それでもって一番いい人は誰かと言うと、栞の恋のお相手である藤村くんかと思います。栞と父親の家庭の事情もしっかり理解して、がっつかずに待つ男の子ですし、非常に穏やかな性格。いざ譲を前にしてもたじろぐことなく自然に真正面から接することができますし、すごくできた男の子なんです。裏表紙の紹介文では名前すら出てこないのですが、割と彼が作中で良い働きをするという(まぁ嵐を呼び起こした発端も彼なのですけれど)。

 というわけで、とにかく悪意を持つ人物が登場しない作りとなっており、善意の行き違いから起こる出来事が物語の中心。ですので読んでいて悪い気持ちになることは一切なく、すっきり温かく読むことができる作品かと思います。一方それに伴うパンチのなさは否めないかもしれません。また大抵この手の作品って読み切りが同時収録されていたりするのですが、本作は1巻まるまる収録されており(書下ろし多めですが)、そこそこ人気もあったのかなと思ってみたり。巻数付いていないですが、反響次第では続刊もあるかもしれません。

 
【男性へのガイド】
→これといって協調材料はないのですが、変に恋愛によってもおらず、ホームコメディ的な作品ということで、間口は割と広いんじゃないかと思います。
【感想まとめ】
→相手役の藤村くんはもっと推されてもいいと思うのですが、そのあたり(不憫な感じ)含めて彼らしく、これでいいのかなと読み終わって納得してみました。



作品DATA
■著者:夏芽ミカン
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめコミックス
■掲載誌:花とゆめ
■全1巻
■価格:429円+税


■試し読み:第1話

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Tag [新作レビュー] 2014.09.07
1106433683.jpg音久無「黒伯爵は星を愛でる」(1)



そんなあなたが欲しいと思った
この手で守ってやりたくなった




■下町で花売りをするエスターは、母を亡くし、双子の兄とも離れ離れ…。
「いつも笑顔でいれば、素敵な王子さまが現れるわ」
そんな母の言葉を支えにしていたある日、
エスターのもとにヴァレンタイン伯爵が現れ、「貴女は今日から私の花嫁です」と…!?
しかし、伯爵には別の顔も…!?
半吸血鬼のシンデレラストーリー!!


「花と悪魔」(→レビュー)の音久無先生の新連載になります。今回も安定のファンタジー作品。主人公は、早くに親を亡くし下町で貧乏ながらも明るく暮らしている少女・エスター。つい最近、一緒に暮らしていた双子の兄も養子となり、今は一人で生活しています。そんな彼女の前に、ある日いきなりイケメンの伯爵が現れ「貴女は今日から私の花嫁です」なんて言ってくる。甘い言葉に乗せられ、ホイホイとお城についていくと、やはりそこには裏がありました。イケメン伯爵の本業はヴァンパイアハンターで、エスターは半分ヴァンパイアの血が流れる半吸血鬼。人間社会に紛れ込むヴァンパイアを見分ける能力を持つエスターの能力を仕事で利用しようと、結婚を申し込んだのでした。そんな背景はありつつも、結婚は結婚。愛なんてこれっぽっちもないところからの、新婚生活が始まったのでした…。

 半吸血鬼は血を吸わないかというとそんなことはなく、その本能に目覚めてしまうと人を襲うこともあるそうな。そんな一見相対する二人が関係を築いていく物語ということで、なんとなく「花と悪魔」の関係性を連想させます。ただしあちらが人間愛的なところが出発点であったのに対し、こちらは結婚スタートということで、恋愛特化の物語となります。


黒伯爵は星をめでる1
伯爵はエスターを利用するという前提はあるものの、しっかりと夫婦としての関係は築いていこうという考えはもっており、良好な関係醸成に前向き。しかし一方のエスターは、初回に背景を脅され気味にカミングアウトされているため、伯爵にそんな気持ちがあるなんてことは露知らず、あまり積極的に良好な関係を築こうとはしません。そんな気持ちのすれ違いがひとつ、微笑ましいポイント。

 ヴァンパイアハンターの仕事が物語を転がすメインとなるので、割とアクションは多め。そして何かにつけてエスターは危険な目に遭いがちで、都度伯爵が守ってくれるという、「ヒーローに守られるお姫様」的なシチュエーションがお好きな方にはかなりおあつらえ向きな内容になっているかと思います。

 
【男性へのガイド】
→典型的な王子様とお姫様的なストーリーですので、そういったものが好きな方には良いのではと思います。
【感想まとめ】
→「花と悪魔」の幻影を見たのは私だけではないはず。それを差し置いても、安定して楽しめるファンタジー作品だと思いました。個人的に伯爵のキャラも好きです。


作品DATA
■著者:音久無
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめコミックス
■掲載誌:花とゆめ
■既刊1巻
■価格:429+税


■試し読み:第一話

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Tag [新作レビュー] 2014.01.26
1106359402.jpg西形まい「ダンシグラシ」


ほんの少しだけなら
人の手を借りるのも
悪くない



■マジで!?おまえと?ひとつ屋根の下!!
 高校入学を機に、快適な一人暮らしをはじめる…はずだった俺、堂島良牙。不動産屋のうっかりミスで、同じ部屋を契約していた同級生の谷啓吾と、2週間だけ二人暮らしをするはめに…。料理ができない俺。片付けられないあいつ。まったくソリが合わない俺達は、この暮らしに耐えきれるのか!?男2人、ひとつ屋根の下コメディ!
 
 「サイボーイ」(→レビュー)、「花の騎士」(→レビュー)などを描かれている、西形まい先生の新作。「サイボーイ」以来となる、非ファンタジーのコメディ作品です。「サイボーイ」が大好きだったので、非常に嬉しかったのですが、1話完結(しかも話数足りてない)。やっぱりあまり受けないんでしょうか。
 
 物語は男子二人の同居コメディ。主人公は非常に真面目な潔癖キャラの、堂島くん。ズボラな両親に耐えかねて、一人暮らしを決意したものの、新居に行ってみたらそこには同世代の男の子が既に暮らしていたのでした。どうやら不動産屋の手違いで二重契約となってしまったよう。その男・谷くんとは同じ学校の同い年ということで、新居が見つかるまでの数週間、一緒に暮らすことにするのですが、彼は堂島くんが一番苦手な、ズボラな男子で…というお話。


ダンシグラシ1
あれこれに対して非常にキッチリ決めたいタイプの堂島良牙に対して、面倒くさがりな谷啓吾。この差。


 その内容こそ男子二人のドタバタコメディではあるのですが、そのシチュエーション、キャラ造形、絡みと、そのエッセンスはBLを匂わせます。そもそも表紙からしてBL的な匂いを漂わせているわけですが、そういうエッセンスが苦手な人はやや読み難い所もあるかもしれません。って、そういう人は表紙を見て敬遠するのか。
 
 同居相手の谷啓吾は、体育推薦で入学した体育会系男子。熱血さはなく、どちらかというと淡々とフラットにすごすマイペースなズボラ男(合理的でもあり、場当たり的でもあるような)。それに対して主人公の堂島良牙は作法を重んじる真面目なタイプで、頑固。素直じゃないので、あまり上手く立ち回れません。この二人が組合わさるとどうなるかというと、堂島くんのツンデレ大爆発的な状況に。なんというか、彼が一人で勝手に空まわって場が転がっている感がすごいです。ズボラだズボラだと谷敬語は突っ込まれるのですが、彼のその適当さというか、大らかさがあるからこそ、二人の同居が実現しているのだろうな、と思う面が強いです。潔癖性は、同居に向かない(断言)二人は全く正反対なタイプなので、好みが別れそう。私は俄然谷啓吾が好きですかね。かわいいのは堂島くんですけれども。


ダンシグラシ
こんな面倒くさい堂島良牙が同居を決め込んだのは、谷啓吾が見ために反して料理上手だから。堂島良牙は料理が唯一苦手であり、言わばギブアンドテイクの関係になっているのです。


 表題作のほか、読切りが2編収録されています。どちらも学園恋愛もの。「ゴーインゴーイン★クレイジー」は、ヒロインの食べっぷりに相手役が惚れ込むというお話なのですが、ご飯を美味しそうに、そしてたくさん食べる女の子はやっぱり可愛いですよね。私も付き合うのなら、ご飯を美味しそうに食べる人が良いです(誰も聞いていない)。初めて付き合った子がもの凄い好き嫌いの激しい子で、結構辟易とした思い出があってですね…(以下略)。


【男性へのガイド】
→表紙からもわかるように、こういうエッセンスですから。ただネタ自体はアホな掛け合いなので、受ける印象ほど食べ辛くはないと思いますよ。
【感想まとめ】
→やっぱり西形まい先生のコメディは好きです。変な勢いがあって良いです。


作品DATA
■著者:西形まい
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめコミックス
■掲載誌:花とゆめ
■全1巻
■価格:429円+税


試し読み

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Tag [続刊レビュー] 2013.12.24
作品紹介→囲碁の世界に生きると決めた少女の奮闘:モリエサトシ「星空のカラス」




1106349660a.jpgモリエサトシ「星空のカラス」(3)


前に進めるんだもん
楽しみ!



■3巻発売しました。
 母との約束を守る為、囲碁を辞めた和歌。だが鷺坂と首藤の対局を見て、再び囲碁への強い想いが甦る。対局後、鷺坂の孤独を垣間見た和歌は…!?
 

〜舞台が変わる〜
 3巻発売しました。「ちはやふる」に似た系統なので、このマンガがすごい!でランクインするんじゃないかと思っていたのですが、結果は案外(44位)。「ちはやふる」も20位圏外でしたし、流れが良くなかったでしょうか。
 
 さて、物語の方は一つ転換点へと差し掛かっています。鷺坂と首藤の対局を目の当たりにした和歌は、これまで押さえ込んでいた碁への情熱を再び爆発させ、母親に土下座をしてまで「囲碁をしたい」と頼み込みます。その甲斐あって、再び囲碁をすることを許された和歌は、院生となってプロ棋士を目指すのでした。

 はい、3巻からは舞台が院生研修の場、日本棋院会館へと移ります。ここからが、鷺坂と対戦するための第一歩。長く険しい道のはじまりです。


〜仲間が増える〜
 同じ夢を追う者たちが集う場所ということで、切磋琢磨を期待して会館へと足を運ぶ和歌。首藤さんの妹・蘭子ちゃんがロリロリ癒し枠で登場しただけでなく、意外にも顔なじみのあの人まで登場するのでした。
 

星空のカラス3−1
八日町吟


 あの生意気な関西弁ですよ。「関西の人」そして「プロは目指さない」というダブルの縄を突破してのまさかの登場。東京に越してきて、さらに中学の間だけプロを目指したいと、親を説得しての上京だそう。そして和歌が囲碁を指していない間に、A級にまで昇格していたとのことで、「これは中ボス的ライバルとして君臨するのか!?」なんて思わせたのですが…
 
 
星空のカラス3−2
まさかのかませ犬



〜ライバルが増える〜
 はい、彼はライバルにはなりませんでした。彼はA級の中では力は下の方。しかもアマチュア時代の生意気っぷりが祟り、上位勢から相手にすらされていないというツライ状況に陥っているのでした。そりゃあ、そう簡単にはいきません。バトル漫画のアレのように、戦うフィールドが変われば、さらに強いキャラ達が登場してくるのです。今回もバーゲンのように新キャラが続々登場しております。今回もバトル漫画のテンプレートを流用したかのように、ナンバーワンが会場入り前にヒロインと邂逅していたり、群れる上位陣が形成されていたり。
 

星空のカラス3−3
 バトル漫画では得てして登場シーンからしてかませ犬臭を漂わせているキャラがいるわけですが、今回だと轟くんですかねー。負けて、そして人情熱い心強いガヤ要員になる所まで見えた(適当)。
 


 なんとなく皆しっかりキャラ付けされていて、どういう戦い方をして、その後どういう立ち位置に落ち着くのかまで、なんとなく想像付く感じが不思議。良い意味で予想を裏切ってもらいたいところです。

 八日町吟にももちろんライバルとしてのポジションを獲得する可能性はあるとは思うのですが、そうだとしたら、本作のラストは葉月じゃなくて吟自身が打つんじゃねーの、と。この一番の見せ場でお役御免になっているところから、「多分実績はありつつも活躍がそんなに描かれないまま、ちょっと力足らずな印象のある仲間」というポジションに落ち着くんだろうなぁ、なんて想像してしまいました。キャプテン翼の森崎くんみたいな。


〜熱い囲碁対決は4巻から〜
 さて、3巻では新たなフィールドで登場人物が揃ったところで幕引き。熱い戦いは4巻以降に持ち越しです。全部のキャラと対戦していったら相当長い時間がかかりそうな気がするのですが(少年漫画とかで考えると)、果たしてどのくらい続くのでしょうか。最高峰には四天王とかいうのが控えていますが、こちらは尺足らずで鷺坂がぶつかって終わると予想。そもそも和歌との対戦は想定されていないはずで、ラスボスは鷺坂かな。さて、どのような展開を見せるのか気にしつつ、続きを待ちたいと思います。


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レビュー
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