
うすっぺらーい同情と
笑える自虐ネタをひとつ以上持ってれば
ここの空気は心地いい
■毎日渋谷を我が物顔で闊歩する、カリスマギャルのリリコ。いつもは遊び歩いている彼女だったが、ひょんなことから探偵の真似事をすることに。婚約者と信じている、エリート警察官僚の二ィのため、行方不明になったひとりのギャルを捜す。リリコの洞察力と、ギャルの情報網、そして愛の力(?)を総動員し、目指すは事件解決!しかしそう簡単に、事は運ばなくて…!?
渋谷のギャルが、事件を解決。新感覚ミステリーコメディでございます。作者は聖千秋先生。ドラマ化もされた「正義の味方」の作者さんです。ヒロインは、渋谷をホームに活動しているギャル・リリコ。そんな彼女がある日、ひょんなことから人探しを手伝う事に。というのも、田舎の名家の出身である彼女が、かつて婚約者として紹介された相手で、警察のエリート官僚であるニィが、とあるギャルの行方を追っているということを聞いたため。未だにニィが婚約者であると信じているリリコは、彼の役に立つためと奮闘。持ち前の洞察力の高さと、ギャルの情報網を駆使し、事件の真相へと迫っていきます。

婚約者にはギャルになった後の姿を知らせていない。だから会うときは清楚系で、取り繕って会う。
言葉遣いや格好が、現代ギャルの姿をリアルに描きあげているかというと、よくわかりません。ただ、絵柄が一昔前の雰囲気をたたえているので、リアルな雰囲気はあまり受けないかなぁ、と。しかしながら、あくまでコーラスを読む世代、作者さんの世代の方が、物語を楽しめれば良いので、その辺はあまり問題ではありません。
一応触込みは、「ミステリーコメディ」ということで、ギャル達のお馬鹿さかげんと、ちょっとしたミステリー要素を投入して展開していきます。イメージ的には、石田衣良原作の「池袋ウエストゲートパーク」が近いかもしれません。一話完結型で、1冊通して複数の事件を収録。人が死ぬような大事ではなく、もう少しミニスケールな、ストーカーや行方不明になった人間の捜索などが主になっていきます。
最後まで読んでみた印象としては、どういった話を描きたかったのかよくわからないというもの。何かしら、一貫したものがあれば良かったのですが、婚約者でるニィとの関係も、ヒロインの過去と現在の心境も、軸として持ってくるには、やや露出不足だったような感を受けました。単発で読むぶんには、全然楽しんで読めるのですが、通して読んだ時にプラスアルファで何かあれば、シリーズ物としてより楽しめたのではないかな、と思います。
【男性へのガイド】
→どうなのだろうか。さして拒む要素も無さげであり、かといって強みもないような。ギャルってだけで敬遠する人は多そうですが、果たして。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→別に何が悪いってわけではないのですが、もうちょっと捻りや一貫性があれば。。。
作品DATA
■著者:聖千秋
■出版社:集英社
■レーベル:クイーンズコミックスコーラス
■掲載誌:コーラス
■全1巻
■価格:419円+税
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