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Tag [新作レビュー] 2010.07.24
1102940401.jpg聖千秋「KECHONPA」


うすっぺらーい同情と
笑える自虐ネタをひとつ以上持ってれば
ここの空気は心地いい



■毎日渋谷を我が物顔で闊歩する、カリスマギャルのリリコ。いつもは遊び歩いている彼女だったが、ひょんなことから探偵の真似事をすることに。婚約者と信じている、エリート警察官僚の二ィのため、行方不明になったひとりのギャルを捜す。リリコの洞察力と、ギャルの情報網、そして愛の力(?)を総動員し、目指すは事件解決!しかしそう簡単に、事は運ばなくて…!?

 渋谷のギャルが、事件を解決。新感覚ミステリーコメディでございます。作者は聖千秋先生。ドラマ化もされた「正義の味方」の作者さんです。ヒロインは、渋谷をホームに活動しているギャル・リリコ。そんな彼女がある日、ひょんなことから人探しを手伝う事に。というのも、田舎の名家の出身である彼女が、かつて婚約者として紹介された相手で、警察のエリート官僚であるニィが、とあるギャルの行方を追っているということを聞いたため。未だにニィが婚約者であると信じているリリコは、彼の役に立つためと奮闘。持ち前の洞察力の高さと、ギャルの情報網を駆使し、事件の真相へと迫っていきます。


ケチョンパ
婚約者にはギャルになった後の姿を知らせていない。だから会うときは清楚系で、取り繕って会う。


 言葉遣いや格好が、現代ギャルの姿をリアルに描きあげているかというと、よくわかりません。ただ、絵柄が一昔前の雰囲気をたたえているので、リアルな雰囲気はあまり受けないかなぁ、と。しかしながら、あくまでコーラスを読む世代、作者さんの世代の方が、物語を楽しめれば良いので、その辺はあまり問題ではありません。
 
 一応触込みは、「ミステリーコメディ」ということで、ギャル達のお馬鹿さかげんと、ちょっとしたミステリー要素を投入して展開していきます。イメージ的には、石田衣良原作の「池袋ウエストゲートパーク」が近いかもしれません。一話完結型で、1冊通して複数の事件を収録。人が死ぬような大事ではなく、もう少しミニスケールな、ストーカーや行方不明になった人間の捜索などが主になっていきます。
 
 最後まで読んでみた印象としては、どういった話を描きたかったのかよくわからないというもの。何かしら、一貫したものがあれば良かったのですが、婚約者でるニィとの関係も、ヒロインの過去と現在の心境も、軸として持ってくるには、やや露出不足だったような感を受けました。単発で読むぶんには、全然楽しんで読めるのですが、通して読んだ時にプラスアルファで何かあれば、シリーズ物としてより楽しめたのではないかな、と思います。


【男性へのガイド】
→どうなのだろうか。さして拒む要素も無さげであり、かといって強みもないような。ギャルってだけで敬遠する人は多そうですが、果たして。
【私的お薦め度:☆☆   】
→別に何が悪いってわけではないのですが、もうちょっと捻りや一貫性があれば。。。


作品DATA
■著者:聖千秋
■出版社:集英社
■レーベル:クイーンズコミックスコーラス
■掲載誌:コーラス
■全1巻
■価格:419円+税


■購入する→Amazon

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Tag [新作レビュー] 2010.05.08
1102908495.jpg河内遥「はてなの花」


愛のコトバがずれ込んでゆく
この際どんなカタチでも
喜ぶ顔が見てみたい



■結婚3年目の主婦・ヨーコは、最近とある悩みを抱えていた。セックスレス。旦那が自分に反応しなくなって、もうすぐ半年が経とうとしている。セックスがしたいというわけではない、ただセックスがないと相手の心が確かめられない。そんな彼女の前に現れたのは、子供の頃に大好きだった少女漫画のヒロイン!?付録から飛び出してきたなのかちゃんに戸惑いつつも、夢見心地で様々なことを話す。思わぬ救世主の登場に、ヨーコの運命は…!?

 河内遥先生のリレーでの一作。倦怠期に悩むヒロインの目の前に、かつて好きだった少女漫画のヒロインが現れ、救世主となるというお話。区分はラブストーリーです。。。ですよね?飛び出すと言っても、生身の人間みたいな物が現れるわけではなく、付録の紙みたいなものがしゃべったり表情を変えたりするという感じ。その様子を見ることができるのはヒロインのみで、旦那にはただの紙人形にしか見えません。セックスレスと少女漫画。なんとなく相見えることのなさそうな二つが、この作品ではメインテーマとして描かれます。いや、セックスレスよりも、もっとすごいモチーフが出てくるんですが…


はてなの花
未来の自分へ向けた手紙を見て、懐かしいと思いつつも少し落ち込む。救世主のなのか自身は何もしてくれないが、変化を促すきっかけを与えてくれる。


 3年目でセックスレスというのは珍しいのでしょうか?結婚したことないのでわからないのですが、普通の恋人であれば3年というのはかなり早いような気もします。いや、実際に行為に及べるのであれば良いのですが、こちらの夫婦の場合は、夫が全く反応しないという状況。しかしそれには、ちゃんと理由があったのでした。その原因というのが、SM。表紙のヒロインの格好からもわかるように、旦那さん、友達に誘われて行ったSMクラブでまんまとハマってしまったのでした。そのことが妻のヨーコにバレてからは、SMプレイに挑戦するように。しかしヨーコからすると、SMプレイなんてのは不本意な行動であるわけで、自分と相手の感覚のズレに悩みを募らせるようになります。そしてそれを見守る、少女漫画のヒロインキャラ。なんとも不思議な関係性が構築されていますが、物語はさらに不可思議な関係性を形成。良くも悪くも“変”な作品になっています。

 SMと少女漫画。奇妙な三角関係から四角関係への変化。とにかく独特な設定・展開。ゆえにおすすめはしづらいのですが、私は不意にも私泣いてしまって(笑)書き下ろしにて完結したのですが、その書き下ろし部分がズルい。というかこれ、書き下ろしがなかったら物語として破綻していたんじゃないかという。ちなみに泣いた所というのは、最後に旦那さんが妻へとある言葉を贈るシーン。言ってみればこいつが全部悪いわけですが、最後に持っていたのもまたこの男だったのですよ。その言葉は、本当に情けなくてわがままで、どうしようもない言葉です。けれども、だからこそ沁みるといいますか。いや、たぶんあまりの情けなさに涙が出たんでしょうね。正直この一言がなかったらとんでもない作品だったんじゃないかと思うんですよ。でもあってよかった。ギリギリの所で、ちゃんと作品として形になってくれました。


【男性へのガイド】
→変な作品。男女向けとかあるのだろうか。しかし旦那の情けなさが身にしみるんだ。少女漫画というモチーフが大丈夫なら、多分大丈夫かと。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→さすがにおすすめはどうだろう。どうせ河内遥先生の作品を読むのであれば、「夏雪ランデブー」(→レビュー)とか「ケーキを買いに」の方が。泣いておきながら何言ってんだか。

■作者他作品レビュー
河内遥「真空片戀パック」
河内遙「へび苺の缶詰」
河内遥/墨染蓮「ラブメイク」


作品DATA
■著者:河内遥
■出版社:集英社
■レーベル:愛蔵版コミックス
■掲載誌:コーラス
■全1巻
■価格:930円+税


■購入する→Amazonbk1

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Tag [オススメ] [新作レビュー] 2009.12.24
1102821602.jpg有田直央「日本サンタクロース株式会社」


私は
強く願えば
いつだって 飛べた



■日本にたったひとつの、サンタクロースたちが働く会社・日本サンタクロース株式会社。冬は依頼主(対象は子供だけど)の元へプレゼントを届け、閑散期の夏は靴下を作ってなんとか凌ぎます。看護士から転職した研修中の女子サンタ、足を痛めて引退した老サンタ、そして施設で育った青年サンタ…。それぞれに、様々な思いを抱えて働く、サンタクロースたちの物語。今日もどこかで、サンタさんたちはこどもたちのために、一生懸命働いているのです・・・

 「Starman」(→レビュー)の片山あやか先生や、「カエデの恋」(→レビュー)の霜月ミリ先生、そして「幸福ダイブ」(→レビュー)の堀乃月先生を輩出した金のティアラ大賞(大賞はなんと賞金500万円!)にて、第2回「銀のティアラ賞」を受賞された先生の、初連載作でございます。お話は、サンタクロース株式会社というサンタクロースを派遣する会社で働く人たちを描いた、ファンタジー風味の感動物語。社員たちは老若男女おり、お客の依頼でサンタとしてプレゼントを届けます。機会仕掛けのソリにのり空を飛んで、オフシーズンの夏は靴下の生産に明け暮れるという設定付きで、それらの仕事をこなすには研修を経て腕を磨かないといけません。お話のメインとなるのは、様々な思いを抱えるサンタたち。半人前の女子サンタや、引退した老サンタなど、こどもたちとの関わりや思い出などを通して、優しく切ない物語を描いていきます。


日本サンタクロース株式会社
絵柄もやや特徴的。頭身が低く角を感じさせない絵柄は、優しい物語をさらに際立たせる。


 コーラス連載だからなのか、もともとの作風なのかわかりませんが、サンタクロースの会社というややエキセントリックな設定を用いていながらも、その印象は非常に地味。いや、地味と言うと誤解を与えてしまうか。素朴で優しい。派手さがないのは、サンタが相手にするのは基本的に子供であるため、物語に恋愛要素を投入するスペースがないためかもしれません。しかしながら、それが良いんだよ!正直読みはじめたときは、「地味だなぁ…口でっかいなぁ…」なんて思ってたのですが、気がつけばその優しくフワフワした雰囲気にのまれ、夢中で読んでいました。こういった物語にはありがちな、ある意味普遍的な悲しみや切なさを発端としているので、いくらかの既視感を覚えることもあるかもしれませんが、それは同時に素朴さと安心感を与える要素にもなり得るわけで、こういった優しい話が好きな人にはぴったりフィットするはず。なんとなく粗い感じは受けますが、新人さん基準でみたら全然気にならない程度かな。
 
 また銀のティアラ大賞を受賞した「フロムエウロパ」と、もう1編読切りが収録されているのですが、どちらも独特の作風で不思議に魅せる、素敵な作品に仕上がっています。「フロムエウロパ」は、滅びゆく氷の惑星・エウロパに生きる二人の少女を描いたファンタジー作品という、ちょっと捻った作品なのですが、ラストはそうくるかと。どのお話も、やや頭身低めで目が大きいキャラで描く、優しさに包まれたような内容であるせいか、ちょっとした“おとぎ話”を読んでいるような気分になりますね。これはちょっと、これからの作品が楽しみな作家さんが出てきましたよ、はい。
 

【男性へのガイド】
→素朴で優しい、ちょっとおとぎ話っぽいような、そんな作品が好きな方に。描かれる女の子が結構可愛いので、それもプラスになるかも。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→クセがあるというか、独特ではある。まだ粗いし、話の引き出し自体もそう多くない気もしますが、これはちょっと好きです。新作出たらきっと買う。


作品DATA
■著者:有田直央
■出版社:集英社
■レーベル:クイーンズコミックス
■掲載誌:コーラス(2009年9月号~11月号)
■全1巻
■価格:419円+税

■購入する→Amazonbk1

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Tag [オススメ] 2009.11.22
07193085.jpgくらもちふさこ「駅から5分」(1)


そうか
ボクはきみを好きだったんだね



■3巻発売しました。
 東京都豊島区にある、駅から5分の花染町。事故によって記憶をなくした中学生、前世がオーロラ姫だと信じる変わり者の大学生、両親の不仲に心を痛める小学生、一人暮らしをはじめた高校生…。見知らぬもの同士、すれ違うこの町で、重なりあう景色とその想い…

 少女漫画界に燦然と輝く名作家の一人、くらもちふさこ先生の連載作品です。1巻が出るまでに2年を要した大作…というわけではなく、途中で入院してたからなのですが、それでもやっぱり名作でございます。話の舞台となるのは、東京都豊島区にあるとされる、花染町。そこに集まった人々の日々を、オムニバス形式で描いていきます。ちなみに花染町というのは実在しない町ですが、都会的な雰囲気にどこか懐かしさを残したアットホームな匂いをからめた、なんとも味のある町となっています。2話目にて、そのお話の主人公が降り立った駅を見ると、ツツジの植栽が特徴的ということから、駒込駅近辺あたりかと思われます。大学4年間で山手線に乗っており、駒込駅も通過してたのですが、1回も降りたことないや。


駅から5分
風景と暮らしを切り取るから、妙な安心感と味わい深さが生まれる。


 さて、オムニバス形式で話が進むということでしたが、登場人物はほぼ固定。だいたい5チームくらいに分かれてるのですが、それらが入れ替わり立ち替わり展開され、最終的には輪となり繋がるというような形。登場人物たちを数珠つなぎで線にしていくというのが、オムニバスの定番なのですが、そうではなく、イメージとしては三つ編みみたいな感じですかね?最近だといくえみ綾先生の「潔く柔く」(→レビュー)なんかがこれに当てはまるような気がします。まぁあそこまで人物を絞っているわけではないですが、絞り込まないからこその面白さと味わいがあるっていうね。そもそもいくえみ先生はくらもち先生から影響を受けているので、今こうしてこの2作を楽しめるってのは本当に幸せなことなのかもしれません。

 てかこういう形式で、年代もバラバラでも、しっかり少女漫画しちゃってるからスゴい。おとなもこどもも、おねーさんも…。オススメでございます。


【男性へのガイド】
→甘ったるさはない。少女漫画ではあるが、読みにくさはないはず。
【私的お薦め度:☆☆☆☆☆】
→上手いですよ、面白いですよ。単純にくらもちラインの作品が好きってのもあるのでしょうが、それを差し引いても。


作品DATA
■著者:くらもちふさこ
■出版社:集英社
■レーベル:クイーンズコミックス
■掲載誌:コーラス(2005年8月号~連載中)
■既刊3巻

■購入する→Amazonbk1

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Tag [オススメ] [新作レビュー] 2009.10.27
07228772.jpg勝田文「ちくたくぼんぼん」(1)


弟妹よ!!
東京には人間まで落っこちてるベ



■時は昭和初期。田舎で貧しい暮らしをしていたところを、東京に住むおばに拾われ、今は女中として東京で暮らしているイワ。たいした器量も才能もない、ならば精一杯善行に励め。そうじい様に言われたイワは、その言葉を忠実に守り元気一杯に女中仕事に励んでいる。そんなある日、道端で傷ついたコウモリを見つけ、かわいそうだからと手当をしてあることに。やがてコウモリは元気になって去っていくものの、入れ替わるように今度は道端に倒れ伏す青年を見つける。思わず保護して家に連れ帰ったイワだったが…!?

 勝田文先生の新作です。『ウランバナ』との同時刊行。『ウランバナ』は買うつもりはなかったのですが、『ちくたくぼんぼん』がなかなか雰囲気良さげだったので、買うことに決めました。こちらは後日レビューします~。さてこちらのお話、舞台となるのは昭和初期の東京。そしてヒロインは、元女優のおばとその息子(帝大生)の暮らす家で女中をする、田舎出身のイワ。器量も才能もない、だから精一杯善行に励む。そう教えられ、その通りに過ごしてきた彼女が、東京の道端で傷ついたコウモリを拾う。三五と名付けたそのコウモリは、傷が癒えるとやがて飛び立っていく。せっかく手に入れたペットに逃げられてしまうイワだったが、今度はなんと人間を道端で拾う。病弱そうで、吸血鬼のような風貌の彼の名前は、奇しくもコウモリと同じ三五。もしや本当に吸血鬼!?と思ったのも束の間、彼は時計屋の倅で、仕えている従弟の友人だということが判明する。何故か彼から形見の時計を手渡され、以来彼のことが気になるイワだったが、彼はどうにも病弱ゆえの死にたがり屋さんで…!?という感じのお話。


ちくたくぼんぼん
この雰囲気の良さは、読んでこそ伝わる気も。賑やかさだけに終始せず、ロマンチックなシーンもしっかり描き出す。


 結局は青春群像的な恋物語になるのでしょうか。東京での生活を楽しんでる田舎者のヒロインと、病弱さからこの世に希望を見出せない都会育ちの青年。なんの接点もない二人が出会い、お互いの魅力を認めあい。希望を見出していく…と書くとなんだか壮大で感動的なお話のようになってしまいますが、実際の雰囲気は明朗快活なヒロインの心情表現ベースで展開されるので、とても賑やかで明るく、コミカル。脇を固める人物たちも個性的で、味がある。またこれはもう感覚としか言いようがないのですが、昭和初期の空気感(昭和モダンとでも言いましょうか)がすごく伝わってくる作品になってます。東京で見るものすべてが新しいヒロインと、当時の東京を体感したことがない私たちの視点が重なり、リアルな雰囲気を感じさせているのかもしれません。一筋縄でいかない時代・人物たちの上を、無垢で元気一杯なヒロインが軽やかに駆け抜ける、そんなイメージ。滑稽で、爽快…不思議な味わいを持った、素敵なお話だと思います。
 
 と書いたものの、1巻では3話しか収録されておらず、あとは2巻を待つという状態。ただその切り方が、楽しい展開を予感させるようないい終わり方なんだ。1巻ではまだ判断できる段階にないのでしょうが、いや、これは面白くなるはずですよ。あ、あとタイトルや表紙にある通り、時計がひとつのキーアイテムとして登場。これからどのような物語、心情描写を演出するのか楽しみです。それはまた続刊レビューにでも。
 
 同時収録の長編読切りも良かったです。ちょっとズレた日常とでも言いましょうか、独特の空気感がいい味出してました。


■作者他作品レビュー
*新作レビュー*勝田文「プリーズ、ジーブス」


【男性へのガイド】
→男性も好きな人は好きでしょう。マイナス要素はコレといってないと思われ。
【私的お薦め度:☆☆☆☆☆】
→昭和モダンを、田舎者の女中視点でコミカルに描いた良作。強気の5つで。「まだあわてるような時間じゃない」と仙堂から突っ込まれそうですが、いいんです。この高鳴る予感に、ウソはつけないさ。


作品DATA
■著者:勝田文
■出版社:集英社
■レーベル:クイーンズコミックス
■掲載誌:コーラス(2009年4月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:419円+税

■購入する→Amazonbk1

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かくかくしかじか
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レビュー
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レビュー
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レビュー
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レビュー
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