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Tag [オススメ] 2012.07.11
■毎年この特集やっているのですが、今年は如何せん読んだ数が少ないので(いきなり言い訳)。しかも気づいたら7月になってるじゃないですか。全然気づいてなかったですよ、もう。というわけで今年もやります、オススメ新作まとめ。数は読めていないですが、ビビビと来た作品は昨年よりも多い印象。というか上半期だけやってても、大概すごい作品ってのは下半期にどばっと来たりするんですって(一昨年と去年がそうだった)。果たして今年はどうなることやら。リンクをクリックすると、個別レビューに飛びます。



天乃忍「ラストゲーム」1巻

…先日2巻が発売されたばかりの本作。天乃忍先生にとって、長編連載は2タイトル目になるでしょうか。勉強、運動、容姿、家柄全てが完璧な王子様が恋に落ちた相手は、運動・勉強で彼の上を行く貧乏無口な鈍感女子。なんとか恋に落とすための10年越しの恋の駆け引きを、ピュアな片想いを描かせたら天下一品の天乃先生が描き出します。男子が主人公ということもあって、もう主人公に肩入れしまくりで読んでいます(笑)




いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」1巻

…いくえみ綾先生のスピカでの新連載。売れない役者をやっている主人公の隣にある日越してきたのは、高校時代の顔見知り。その二人をつないでいた一人の男は既にこの世を去っており、また再会前後を境に、主人公にしか見えない女の子の幽霊(?)が現れるように…。幽霊ものとはちょっと違うと思いますが、大切な人の死をと残された人の感情を、ちょっと不思議な形で描き出すお話。別冊マーガレット連載の「プリンシパル」よりかはこちらの方が良い感じに力が抜けていて、個人的には幾分かお気に入りです。





赤美潤一郎「あかりや」1巻

…1巻表示付いていますが、果たして2巻が発売されることはあるのだろうか。ネムキだし、赤美先生の体調は不安定なようで…。欲望を持つ者の前に現れるというお店“あかりや”は、普通の照明とは異なる、お客の願いを叶える特殊で様々な“あかり”を提供。流されるようにしてあかりやに辿り着き、あかりを手に入れた客達の行く末は、光か闇か…。所謂「世にも奇妙な物語」的なお話で、ブラック・ホワイト双方の展開を用意。読後感が良いお話ばかりではないですが、読み応えはありますし、読んで損はさせません。





天堂きりん「きみが心に棲みついた」1巻

…ananの特集の際にもオススメさせてもらった作品です。挙動不審でどもりがちなヒロインが、未だに縛られ続けるのは、大学時代に想いを寄せた一人の男性の影。そんな過去からの脱却を図るヒロインの頑張りが心に響くってか、痛くて辛い。愛されること、そしてその裏返しとして愛することを知らない人の、辛くて不器用で不格好な生き方を、真っ正面から痛々しく描き出します。読んでいて時折しんどいくらいなんですが、それくらい引き込む力があるとも言えるわけで。色々な意味で目が離せない作品です。





アルコ/河原和音「俺物語!!」1巻

…上半期最大のインパクト枠。アルコ×河原和音っていう組み合わせ考えたの誰だよ、最高だよもう。実績のある二人を合わせた結果、なんかすごい作品が出てきましたよ、しかも面白いっていう。主人公は表紙にいるゴリラっぽい男の子。不器用で熱くて一本気な性格の彼が、初めての恋に真っ正面からぶつかって行くという青春ストーリー。ギャグとか思われるかもしれませんが、いいえ、割とガチな青春モノです。そして何より、この主人公めっちゃかっこいいんだって。決して出オチではありませんから、是非とも読んでみてください。面白いですから、さあさあ。




過去分はこちらです
オトヨメ的、2009年上半期この新作だけはチェックしておけ!!リスト
オトコでも(ry 的、2010上半期チェックしておくべき新作10
2011年上半期女性向け新作 特選6作

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Tag [オススメ] 2012.04.06
■3月は出張あったりしたのですが、出張明けの方がむしろ更新出来ないというまさかの展開。レビュー数も少なかったですねぇ。ということで若干の縮小版、5作をお届けです。


1.山川あいじ「やじろべえ」2巻
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…1巻では若干推しきれなかった所があったのですが、今度は全力プッシュです。多感な年頃、難しい環境下で育った女の子が出会い見、感じる全てが物語に落とし込まれています。こういう作品を読めることができるのは、幸せなことだと思うんです。




2.やまもり三香「ひるなかの流星」2巻
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…2巻も相変わらず面白い!ブレイク必至の本作を読まずして今年の少女漫画は語れない…なんて強気なこと言ってしまっていいですか?主人公だけでなく、脇役たちの恋がまた素敵なんです。彩りが鮮やかに進む青春物語から、目が離せません。




3.リカチ「明治緋色綺譚」2巻
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…腰を据えた連載化によって、先を見据えた物語展開が出来るように。即ちストーリーに深みが出るという。登場人物たちの背景が多く描かれた2巻は、1巻とはまた違った景色で二人の関係を眺めることができました。




4.酒井まゆ「シュガーソルジャー」1巻
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…りぼんの人気出る作品ってこういうのを言うのかなって、なんとなく。日陰者根性が染み付いた、意外とスペック高い女の子の青春奮闘物語。後ろ向きだけどとっても前向きなヒロインの頑張りを見ると、ついつい応援したくなるんですよね。続きが楽しみな新作が、またりぼんから登場しました。




5.楠田夏子「グレイロマンス」
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…楠田夏子という名前をご存知ないのであれば、是非とも覚えておくべきですとも。講談社KISSが送り出す実力派作家さんの短編集。叶わぬ恋、切ない別れ…苦みを伴う想いの中に浮かぶ、ほんの少しの仄かな甘みがたまりません。


 
■その他オススメタグを付けた作品&オススメ続刊
あきづき空太「ヴァーリアの花婿」
瀬川藤子「VIVO!」2巻
日生マユ「放課後カルテ」1巻
麻生みこと「そこをなんとか」6巻
会田薫「梅鴬撩乱-長州幕末狂騒曲-」2巻

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Tag [オススメ] 2012.03.06
■何気に月間まとめをするのは、昨年の11月分以来、実に3か月ぶりになります。どれほど需要があるのかはわかりませんが、割と好きな作品・面白かった作品を優先的にレビューしていたので、濃いラインナップになっているかと思います。もはや発売月とか全く関係なくなっていますが、振り返ることは大事ですよ、と。というわけで、画像をクリックするとレビューへ飛びます。順位はあくまで目安。ではではどうぞ…



1.勝田文「ちくたくぼんぼん」3巻(完結)
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…いやー本当に面白かった。これほどまでに痛快という言葉が似合う作品が、今まであったろうか。終始楽しいテンポで、それでいてロマンチックに。本当に素敵な昭和ロマンでした。勝田文先生の神髄を知った作品です。




2.雲田はるこ「昭和元禄落語心中」2巻
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…1巻が凄すぎたので2巻で落ち着くのかと思いきや、読めば読む程に深みが出て面白い。2巻では八雲の過去が明らかになり、また違った様相でお送りします。助六と八雲の関係は、いかにして築かれ、どう変化していったのか…。引き続きプッシュしますよー。




3.葉月かなえ「好きっていいなよ。」8巻
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…きっかけは受動的であろうと、めいが自ら女の子になろうとして、女の子になった回。ステージに立って彼女が伝えた言葉には、本当に感動しました。そしてガチンコで臨んだめぐみもまた素敵でした。




4.天堂きりん「きみが心に棲みついた」1巻
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…挙動不審な女子が、本当の愛を探す、痛いけど心に沁みるお話。コミュニケーション力に乏しい自己評価の低い人間が、過去に縛られながらもそこから抜け出そうともがく姿は、非常に不格好ではあるものの、同時にとても勇気づけられるのです。




5.天乃忍「ラストゲーム」1巻
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…白泉社の片想いの名手と言えば天乃忍先生(勝手にそう思っている)。新連載も甘酸っぱさと切なさが詰まった、一方通行の青春物語です。主人公が王子キャラでありながら残念ってのがなんとも親しみ深い。ヒロインもかわいく、続きが楽しみな一冊です。




6.おかざき真里「&」3巻
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…3人がようやく揃い、動き出した3巻。出遅れた草食系男子はそのまま差を埋められず…というパターンが多い気がしますが、シロちゃんは果たして。大人だからこそシンプルに動けない、そんなジレンマを上手く描き出した3巻でした。みんな不器用ですな。




7.草川為「八潮と三雲」4巻
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…三雲の思わぬ事実が発覚し、だいぶ印象変わりました(笑)とはいえうぶな三雲もまた良し。相変わらずなかなか進展しない二人ですが、それでも重ねた時間は確実に二人を近付けているようで、そろそろ大きな動きがあっても良いんじゃないですか?




8.赤美潤一郎「あかりや」1巻
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…久々に「ネムキ」より。様々なあかりを扱う“あかりや”を舞台に描かれる、人々の欲望と叶った末のその顛末を描くファンタジーホラー。救いのある話とそうでない話の描き分けが見事で、非常に読み応えのある作品でした。




9.ねむようこ「午前3時の危険地帯」4巻
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…4巻にて完結です。ずっとずっと臆病だったヒロインが、自らの道を決め走り出す、疾走感のあったクライマックス。青春ですね。恋の重みも、恋がもたらす軽さも、両方教えてくれた一作でした!




10.尾崎あきら「あたしのバンビ」
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…クソ真面目で空気読めないヒロインが出てくる作品は基本鉄板。バカな相手役と、クソ真面目で逆にバカっぽいヒロインの、凸凹なかけ合いがとても面白かったです。テンポも良く、非常に読みやすい作品でした。  
  
 


■その他オススメタグを付けた作品&オススメ続刊
鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」11巻
遠山えま「わたしに××しなさい!」8巻
たし「東京ボイジャーレコード」
しばの結花/田中渉「ランウェイの恋人」3巻
タカハシマコ/桜庭一樹「荒野の恋」1巻
梅田阿比「ブルーイッシュ」1巻
わたなべあじあ「ひめごとははなぞの」5巻


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Tag [オススメ] 2011.12.06
■11月分です。それなりにレビューしたとは思うのですが、あまり印象に残っていないのは、私生活が忙しかったからなのか、それともそんなに思い入れのない作品ばかりだったからなのか。なんて見返してみると、それなりに頑張ってました。というわけで、いつものように10作品をピックアップ。リンクをクリックするとレビューに飛びます。


1.ろびこ「となりの怪物くん」8巻
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…やっと二人の想いがカッチリはまった巻。幸せそうな二人の表情それだけでもう幸せいっぱいお腹いっぱい。新キャラの登場もあって、益々盛り上がりそうな、期待感と満足感の両面から幸せになれる充実度の高い1冊です!




2.えすとえむ「うどんの女」
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…ここまでうどんを官能的に描いた作品があっただろうか。うどんはエロいんです。いや、そういう話ではなく、学食のおばちゃん(と言っても30そこそこ)と草食系貧乏学生の恋を描いたお話。BL出身の漫画家さんの上手さが滲み出た良作です。




3.南塔子「360°マテリアル」5巻
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…茜の恋心を自覚するまでと、それからをニヤニヤしながら楽しむ巻。もう茜のかわいさだけで何時間でも語れるんじゃないかってくらい、見事に迷走してくれました。素直じゃない女の子が慌てたり、傷ついたりする様子って、すごく良いですよね(しみじみ)




4.香魚子「シトラス」2巻(完結)
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…ラストについては賛否両論あると思いますが、描こうとしたテーマを最後まで押し通し描ききったその気概を個人的には評価したいです。報われない、辛い、悲しい…そんな感情ばかりが詰まっていて、読んでいて辛くもありましたが、そんな日々すら愛おしく思える日が来るというのは、多分間違ってないと思うので。




5.西炯子「姉の結婚」2巻
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…相変わらず本意の見えない相手役と、過去の見えないヒロイン。すっきりしないところもありますが、それでも読ませる魅力は作者さんの描き方の上手さか。最初からこれぐらい脱線しているのであれば、この先急激に来ても対応できますし、期待感割りと高め。




6.群青「まつるかみ」1巻
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…群青先生のITAN連載作は、新しい家族と氏神様と暮らす田舎の日々を描いた優しい優しいファンタジー。生きにくさを抱える不器用な子供達と、それを見守る優しい人と、不思議な存在たち。群青先生の魅力が詰まった新作になっていると思います。




7.末次由紀「ちはやふる」14巻
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…アニメも絶好調のちはやふるですが、漫画の方も相変わらずアツい。準決勝に決勝と、目が離せない試合の連続。特に机くんの活躍は、読んでいる人に勇気と感動を与えてくれたはず。カッコ良かったです。




8.瀬川藤子「VIVO!」1巻
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…アヴァルスから、「flat」の系譜を継ぐ作品が…なんてその実不良教師が無気力にのさばるという、ベクトルは真逆の日常系コメディ。こういう教育もありなんじゃないかと思えてしまう、独特の空気感がたまらない一作。




9.池谷理香子「シックス ハーフ」4巻
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…行き当たりばったりなんじゃないかと思いつつも、よくよく見返すとしっかり計算だったりするから抜け目がない。色々な意味で、物語の転換点が落とし込まれた4巻は、要注目の1冊だったかと。




10.友藤結「幾星霜の夜を越え」
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…ヒロインの時乃のかわいさに尽きます。もうそれだけでご飯何杯もいけるってくらいに。歴史を交えた現代和風ファンタジー。1巻完結で、かつ恋愛にもそれなりにウェイトが割かれているため、とても楽しめました。



 11月はとなりの怪物くんにつきます。あとは「うどんの女」は色々と話題になりそうなので、ちょっと抑えておいて欲しい1作。物語のインパクトという点では、完結した「シトラス」が抜けていましたが、それすら消し飛ばしてしまいそうな程に「360°マテリアル」の茜ちゃんがかわいかったです。その他新作がちらほら入っていますので、表紙見て気になったらレビューを見てみてくださいませ。どれも面白い作品です。
 
 
■その他オススメタグを付けた作品&オススメ続刊
藤間麗「黎明のアルカナ」8巻
あさのあつこ/木乃ひのき「No.6」2巻



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2011.11.04
■10月はあれやこれやと予定が詰まっていたために、レビュー数が少なめ。というわけで、5作品に絞りました。来月からは再び10作品になってくれる・・・はずです。



1.紺野キタ「つづきはまた明日」3巻
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…1年に1冊のスローペースでの刊行ですが、毎度毎度あたたかい、そして優しい。大人とこどもの温度のある繋がりが本当に素敵。今回はちょっと泣かせる演出もあり、本当に大満足の一冊でした。




2.やまもり三香「ひるなかの流星」1巻
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…ここ最近オーソドックスな学園青春ものが出て来ていなかったのですが、ここにきて突如彗星が。田舎出身のヒロインが作り出す独特の空気感がなんとも心地よい、コメディベースのゆるめ学園ラブコメ。これはきっと来るはず!




3.つばな「見かけの二重星」
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…天才科学者の好奇心によって自分が分裂して二人になってしまうという、ちょいSFチックな物語。なんともへんてこなお話なのですが、つばな先生のメッセージと共に意外と泣かせるんです。




4.びっけ「あめのちはれ」5巻
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…相変わらずびっけ先生は安定して面白いです。女の子の世界に触れることで芽生えるのは、女の子への失望ではなくただただ「すごい」という感覚。女性向け作品ですが、これはまさしく女性礼賛の作品なのだと思うのですよ!



5.D.キッサン「千歳ヲチコチ」1巻
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…脱力系平安コメディ。平安時代と独特の味付けで、なんとも味わいやすくアレンジ。なんとも親しみやすいホームコメディへと仕上っています。



+α.さよならポニーテール「きみのことば」
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…謎のユニット「さよならポニーテール」のマンガ作品。是非CDとセットで楽しんで欲しい作品。もうここ最近ハマりすぎててダメです。不思議な世界観と、優しげな絵柄。決して上手くはないのだけれど、ハマってしまえばもう全てが素敵に…!


 なんだか全体的に色ものが多くなった気がするのですが、そんな中王道路線で人気出そうな予感バリバリの「ひるなかの流星」。こちらは是非ともチェックしていただきたい一作です。他の作品も実績ある作家さんたちの安定の良作。まだ未チェックの場合は、ちょっとチェックしてみてはいかがでしょうか?あ、さよならポニーテールについては、好きなので特別枠ということで。。。

 
■その他オススメタグを付けた作品&オススメ続刊
藤原ヒロ「会長はメイド様!」13巻
宇佐美真紀「ココロ・ボタン」6巻
中河友里「群青プリン」
南波あつこ「隣のあたし」8巻
遠山えま「わたしに××しなさい!」7巻
ヤマザキマリ「地球恋愛」1巻



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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。