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2011.04.03
原作のご紹介はこちら→小畑友紀「僕等がいた」
14巻レビュー→作品読んで、思ったことをうだうだと…:小畑友紀「僕等がいた」14巻




1400097110.jpg僕等がいた スペシャル・エディション1 (初回限定特別版) [DVD]



■マンガレビューサイトを運営している人は、大抵アニメ好きだということを、実際に管理人の方々にお会いするようになって分かったのですが、自分はアニメを殆ど見なかったりします。上京してからかれこれ6年が過ぎようとしているのですが、その間にしっかりと最初から最後まで観た作品は、本当に数える程度。そんな中、かなり熱中して観た作品が、この「僕等がいた」でした。もちろん原作が大好きだったというのもあるのですが、同時にこのアニメの出来が非常に良く(他アニメはあまり観ないので、あくまで原作好きとして「良かった」という話)、また原作の現状があんな感じであるので、誰かにオススメする際は、「とりあえずマンガ読むのアレだったらアニメ観た方が良いよ」的に紹介していたりします。



~物語の終わりのタイミング~
 アニメ版の良さというのは幾つかあるのですが、個人的には「終わり方の良さ」が際立っていたな、と。原作は未だ続き、また切なさを売りとした構成の物語である以上、切りどころが非常に難しいと思うのですが、これ以外ないだろうというタイミングで、監督の大地丙太郎先生はラストを持ってきました。その場面とは、原作では8巻にあたる、矢野が東京行きを決め七美と離ればなれとなるシーン。原作ではそれ以降、上京編(とでもいうのでしょうか)として、第2部的に物語は進行していくのですが、言ってみればそのシーンの位置付けは、「ヒロインと相手役の別れ」であって、最も悲しみが大きくなる場面。料理マンガでは大抵、料理を食べて感動すれば全てが解決するように(偏見)、恋愛をテーマとした少女漫画は、言ってみれば二人が結ばれることで全てが解決するという法則が強くはたらいています。そんな少女漫画をベースとして、チョイスしたラストが、別れ。ラストシーン、アニメは原作にはない、こんなモノローグで締められています。
 

たくさんのはじめてと
数えきれない気持ちをもらって
強さも 弱さも知って

確かに
確かに
わたしたちは
ここにいたのです


 原作と切り離して考えたとき、このモノローグが単独で二人の未来を表す「答え」となってしまうわけで。それが暗示するものは、二人の復縁がない=この別れが永遠の別れでありり、一つの恋の終焉を想起させます。もう、一つも甘さとかないわけですよ。元々甘さ控えめな作品ではありますが、この終わり方は。。。離ればなれになっても、あれやこれやで再び結ばれ、めでたしめでたし…みたいな形がままある少女漫画に慣れている中、真逆にそのままフェードアウトというパターンを想起させる今回のようなラストは、結構な衝撃でして。こうある種の「秒速5センチメートル」的な、切なさややるせなさを感じます。
 
 七美一人の物語として観たとき、このラストというのは一つの青春の思い出として、少しでも希望を見出せることができるわけですが、逆に二人の物語として観るのであれば、誰得だよっていう。色々な見方が出来るお話という意味でも、このアニメ版は面白いなぁ、と。というか現状原作の方がグダグダであり、ちょっとした不満がたまった中での放送ということもあったので、このある意味キレイな締め方というそれだけで、もう十分満足してしまったのかもしれませんけど。



~原作との違いと、七美のかわいさ~
 さて、最終回が先のようなラストになったのは、あくまで原作に忠実に作り、落としどころを探った結果あそこになったという印象が強いわけですが、実はそんな中、原作とちょいと違ったパートがあります。それが離ればなれになる前の最後のデート。原作では二人は温泉旅行に行くのですが、アニメ版では七美がそれを拒否。いつも通りに過ごしたいと、日帰りクリスマスデートへと切り替えます。お泊まり温泉旅行がカットされた要因としては、七美がワインをガバガバ空けて酔いつぶれるという描写があるからだと思うのですが、このアニメオリジナルの七美がもの凄く可愛いのですよ!というか、アニメ版の七美は全編通して可愛さ高め安定。
 
 この高橋七美というキャラは、比較的恋人に対してわがままで、しかもその甘え方が愛されているという前提の元巧妙に無意識に仕組まれることが多く、どちらかというと女性読者から嫌われそうな印象すらあるキャラクターなのですが、これが男からすれば非常にかわいいわけで。またその甘え方が、声優のささきのぞみさんの声とすごくマッチしていて、なかなかの破壊力が。原作では正直フツーのヒロインという印象でしかなかった七美ですが、このアニメを観て以来、すごい好きなヒロインへと変わりました(笑)
 

~こんな記事を書いたきっかけ~
 うだうだと語ってきたわけですが、なんで突然こんなこと書こうかと思ったのは、ふと「僕等がいた」のヴォーカルサントラを買おうと思ったからでした。この作品、エンディングテーマが毎回変わり、場面場面に合った曲が流れるのですよ。その中の一人に、アーティストの加藤いづみさんがいるのですが、すごい好きでして。で、Amazonで調べてみたら…
 
 
 
screen-capture-3.png
え、9600円…?
 
 
 もう発売されてからだいぶ経っていますし、生産数なんてたかが知れています…が、まさかこの作品でこんなことが起こるとは。「いつか買おう」「いつか買おう」と思っていながら、こんなに時間が経っていて、そしてこんなに値段が上がっていたという。ちなみにDVDの2巻は叩き売り状態で、新品の初回限定版が1400円。今度からは、欲しいと思ったらすぐ買うようにします、はい。

 そういえば、このタイミングで実写映画化するそうで。こちらはどんなラストになるのか、気になります。個人的には実写はアレなんですが。。。


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2011.01.27
1102989288.jpg「このマンガがすごい! 2011」



■昨年12月の初旬に発売されました、「このマンガがすごい!2011」。以前にもお伝えした通り、私も参加させて頂いているのですが、これについてアレコレ書くと言っておいて、完全に放置していたので、そろそろ書かねばな、と。既にネット各所で順位などが掲載されていますが、なるべくネタバレない方が良いかな、と微妙な線引きで、とりあえずオンナ編10位まで…


1.ヤマシタトモコ「HER」(→レビュー
2.ヤマシタトモコ「ドントクライ、ガール」(→レビュー
3.東村アキコ「海月姫」(→レビュー
4.末次由紀「ちはやふる」(→レビュー
4.河内遙「夏雪ランデブー」(→レビュー
6.よしながふみ「大奥」(→レビュー
7.中村明日美子「ウツボラ」
8.いくえみ綾「潔く柔く」(→レビュー
9.椎名軽穂「君に届け」(→レビュー
10.岩本ナオ「町でうわさの天狗の子」(→レビュー



~個人的な事前予想~
 結果は、ヤマシタトモコ先生のワンツーという結果になりました。以降、昨年もランクインしていた人気作が、今年も順位キープする形で軒を連ねる中、健闘したのが河内遙先生の「夏雪ランデブー」と中村明日美子先生の「ウツボラ」。新作旧作混じり合う、バランスの良い結果となったのではないでしょうか。
 
 参加しているという手前、順位予想すらも憚られる感があり、後だしでこんなことを書いているわけですが、個人的な予想では、河内遙先生の「夏雪ランデブー」が一位だと、半ば確信めいた想いがありました。インパクトのある作品が素直に上位に来るイメージのオトコ編に比べ、インパクトだけでは1位を獲得できないイメージのオンナ編。1位は設定奇抜も実に面白い「夏雪~」で鉄板だろう、と。その流れで2~3位にインパクト抜群のヤマシタトモコ先生の「ドントクライ、ガール」が入り、トップファイブに完結した「潔く柔く」、映画化の「大奥」あたりが突っ込むのかな、と。競馬の予想印でいうと
 
◎夏雪ランデブー
○ドントクライ、ガール
▲大奥
△潔く柔く

 てな感じ。そのため、1位には正直ビックリ。もちろんオススメにはしていたのですが、女性が読んでこそだろうという感覚が強く、男性選者の多い中でのトップ獲得には、本当に驚きました。個人的な所感で言えば、「HER」よりも「ドントクライ~」の方が俄然ウケそうで、表紙を見た時は「ええっ!?」っと。いや、でも改めて見直してみると、この作品が一位で良かったな、とも思うのです。
 

~20位以内ランクインの作品について~
 おかげさまで、昨年目標に掲げました、「20位以内のレビュー作品は全部オススメにする」という宣言を、なんとか達成することができました。レーベルの関係および長期連載の影響でのレビュー対象外は、4作品でした。昨年ランクインしていなかった作品をピックアップすると、
 
12.咲坂伊緒「ストロボ・エッジ」(→レビュー
18.水谷フーカ「GAME OVER」(→レビュー

また18.絹田村子「読経しちゃうぞ!」は、続編の「さんすくみ」(→レビュー)をご紹介しておりました。実はランクインに一番驚いたのは、この作品だったりします。とはいえランキングは、何度も申しておりますが、そこまで大きな意味はないと思っています。業界的なインパクトはあるかもしれませんが、自分たちが面白い作品を探す上で、大きな指標になるのは、ランキングよりも各選者のピックアップ作品。自分の趣味と合った作品を上げていらっしゃる方で、まだ未読のものがあったら、読んでみてはどうでしょうか。より自分好みである確率が上がると思いますよ。



~自分の投票について~ 
 えーと、別にもったいぶるわけではないですが、一応こちらで完全にバラしてしまうのもあれなので、私の投票を知って頂いているという前提で。
 
 今回5作品に票投じたわけですが、うち3作品に関しては、10位以内にランクインするというまさかの結末でした。こういったブログサイトを運営している身としては、こういった傾向は良いことなのですが、なんだか普通すぎて、マンガ好きとしてはどうなんだろうと、不安でもあったりします(笑)とはいえ、3作品については、ピックアップした時点でランクインするだろうとい思いはあったので、これでよし。残りの2作は、多分ランクインしないだろうなぁ、と思ってはいたものの、まさか自分以外に票を投じている方が一人もおられないとは考えもしませんでした(笑)ちなみにあの5作品をピックアップした際のスタンスとしては、誰かへのオススメ50:自分が大好き50という感じのバランス感で選びました。年末にお届けしたベスト記事とランキングが食い違うのは、選出時期が一つの原因ではあるのですが、それと同時に、ムック本であるために他所行きのスタイルを無意識にとらざるを得なかったという部分もあります。どちらも他意はなく、自分の意志で決めていますので、どっちが本物ということはないです。悪しからず。
 


~ちょっとだけ~
 オンナ編はヤマシタトモコ先生のワンツーという結果となったわけですが、実は過去に、盗作疑惑が浮かんだことがありました。奇しくも昨年オンナ編の一位であった、末次由紀先生も、トレース騒動によって活動休止をしていた時期があり、2年連続で過去に一悶着あった作者さんの作品がトップに輝くという結果に。そのことを、どう捉えるも各人の自由ではあるのですが、ちょっと面白いなぁ、と。個人的にはどちらも大好きな作品・作者さんですので、これからも面白い物語を描いて行って欲しいと思います。
 
 来年はお声かかるのでしょうか。。。わかりませんが、良い思い出となりました。実はマンガ好きの同期がこのムック本を持っていて、非常に嫌な汗をかいたということが先日起こったという。絶対に気づかれまいと思いつつも、気づかれたらどうしようというドキドキ感がすごかったです。
 
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2010.12.24
1102969615.jpg谷本和弘/井上紀良「華と修羅」(1)


■えーと、今まで一貫して女性向けの作品をレビューしてきた当ブログですが、今回はヤングジャンプ連載の、完全な青年向けマンガのレビューでございます。事の運びを簡単に説明すると、レビューサイト界隈を行き交う不幸の手紙レビューバトンがうちに投げられたという。発端は、有名テキストサイトのLOGIC&MATRIXの遊星さん。そこからはじまり次々にレビューバトンが渡され、面識のある近代麻雀漫画生活のいのけんさんが、あろうことかうちに渡してきたというわけでございます(“さん”にリンクがかかってないのはたまたま)。ちなみに自分はマンガ雑誌を買う習慣が全くないのですが、このために単行本はもちろん、わざわざヤングジャンプをここ数週間購入しておりました。「華と修羅」を読むためにヤングジャンプ買ってる人はたくさんいると思うのですが、「華と修羅」を読むためだけにヤングジャンプを購入する輩は、そうそうおるまい。

 さて、こちらの作品の概要ですが、単行本帯に書いてある紹介文をそのまま拝借すると…
 
「『夜王』の美麗絵師が新人原作者と強力タッグで贈る大正ゴシック・サーガ」。えーと、なんだかよくわからい感じです。自分の言葉で説明するのであれば、大正の華族(それも名家中の名家)に生まれた青年の激動の半生を描いた物語。主人公の慎太郎は、妾の子で三男という生い立ちから、野心家の母(正妻)と長男、そして腰巾着精神全開の次男に疎まれ虐げられているという立場にあります。それでもめげずに、時に悩みつつも逞しく生きていく様子を描いたものなのですが、まぁ多分レビューバトンを遡って読んでいけば物語の流れはつかめると思います(最後に丸投げ)。


 というわけで、ようやく本編のレビューです。
 

~摩訶不思議なゴシック・サーガ~

花と修羅1 
 のっけから【微グロ注意】なこのシーン。新を刺そうとした真智子を身体を張って止めた慎太郎←柱コメまま。すぐに離せばよかったものの、話したために離せなくなり(くどい言い回し)、意を決して掴んだままになった包丁を抜いたのでした。その後怪我を負った手を、真智子さんに手当してもらうのですが…
 

花と修羅2
あれ、手当てしたとこ間違ってないか…?


 先の画像的に見て、患部は指の第二関節あたりかと思われるのですが、真智子さんが手当てしたのは、手のひらのあたり。血が出ていた手で真智子さんの頭を撫でていることから、止血は万全のようですね。のっけから摩訶不思議な現象を目の当たりにし、大正ゴシック・サーガの恐ろしさを少しだけ感じさせられたのでした。実はこの後にも、シャツについたハズの血が突如消えていたり、右手に巻いたはずのハンカチが消えていたりするのですが、その辺もまた大正ゴシック・サーガの恐ろしさということなのでしょう。ところで今更なんですが、ゴシック・サーガってどういう意味なんですか?


~ほっこり兄さんのポテンシャル~
 さて、この一件のあとは、ほっこり兄さんの独壇場でした。いきなり煙草を銜えながら、一物を銜えさせるというダイナミックな登場の仕方。下手したら上の煙草だけでなく、下のスティック状のものからも白いm(自重
 
 その後はかくれんぼに燃える子どもらしい一面を見せたり…
 
 

花と修羅3
子どもらしく飽きっぽく、すぐ機嫌を損ねるほっこり兄さんの図
 
 
 武闘派な一面を見せたり…
 
 
花と修羅4
圧倒的戦闘力。
 

 とにかくほっこり兄さんファン(希少種だと思う)は必見の回となっております。個人的に一番印象的だったのは、窓に近づいていくほっこり兄さんのその姿。この作品に登場する人物たち、なぜか走る姿が異様なまでに気合い入っており、スプリンターを彷彿とさせるものがあるのですが、窓越しに見るほっこり兄さんの歩く姿といったら、全然歩いているように見えないんですよ。コツコツという擬音を隠したら、悠然と立っているようにしか。あと1コマ目と2コマ目での、近づいてる感の無さ。むしろ近づいているのはカメラのような気もします。そんなほっこり兄さんのターン、この後もしばらく続きそうです。なんてったって、とんでもない火種(文字通り)を残していきましたから…次回以降、燃えるような展開になるはずです!

 そんなアツい展開になりそうな28話をレビューしてくださるのは、前々からお世話になっています、「水星さん家」の水星さんです。レビューバトンの件をお話したところ、快く引き受けて下さいました。ウチは出発点のロジマトさんとは全く関わりのない外様なので、このバトン引き継いでしまって申し訳ない気持ちなのですが、ロジマトさんに関わりのあるサイトさんに繫ぐことができて、ひとまず最低限の仕事はできたかな、という感じです。奇しくもほっこり兄さんはどちらかというと黒髪ロング(あくまで当社比)。これは期待できる…!それではよろしくお願い致しますっ!
 

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2010.11.04
■ブログに変わって、漫画家さんの間でもTwitterが大流行。ちょっと前までは、Twitterをやっている漫画家さんってすごく少なかったのですが、気がつけば追いかけきれないほど多くの方が始めているという状況になっています。Twitterをやっていると目がいくのはまずアイコン。それぞれ個性的なアイコンを使用しており、アイコンでその人を判別するため、突然変えられると誰が誰だかわからないなんて場合も度々あります。そして地味ながらもう一つ面白いのは、ページデザイン。実はTwitterのページは、配色や背景など各々で自由にデザインすることができるのです。大半の人はデフォルトの背景を使用するなどしているのですが、中にはかなりこだわった背景を使用している方も。同じレイアウトだからこそ、個性やセンスが出る。今回はそんなTwitterの背景に注目してみました。



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2010.10.04
img_lineup.jpg映画「君に届け」公式HP



■全く観る予定などなかったのですが、なんだか色々あって、映画版「君に届け」を観てきました。しかも男二人という、わけのわからない組み合わせで、カップルの溢れる新宿ピカデリーで。完全にアウェーで、居心地が悪かったわけですが、必死に主演の多部未華子ちゃんのファンを装って、なんとかカモフラージュ。「多部ちゃん多部ちゃん…」などと呟きながらシートを探す私は、端から見たらかなり気持ち悪かったに違いありません。

 さて、話はそれましたが、本題に入りましょう。まず端的に感想を述べるのならば、「想像よりは悪くなかった。」という感じ。マンガ原作のシネマライズって、何かにつけて評判悪かったりするじゃないですか。「君に届け」も、キャスティングをはじめとして、色々と原作ファンから文句があったりしたみたいです。正直自分も、風早くん役を三浦春馬くんがやるというのは、どうなのだろうと思っていましたが、意外や意外、彼はかなり頑張って、しっかりと映画「君に届け」の魅力に寄与していました。さすがに風早くんほどの爽やかさはないものの、それ以外の部分で、しっかりと魅力を発揮。好青年っぷりが際立っていました。これはかなり褒められて良いのではないでしょうか。少なくとも私の目には、与えられた大変な役を、全うしたように映りました。一方の多部未華子ちゃんも、それなりに役にハマっており、さほど違和感を感じることもなく、観ることができました。色々と話題になったキャスティングでしたが、結果的には正解だったのではないでしょうか。
 
 ストーリー的には、原作に準拠しつつも、最後はまとめるために、原作にないパターンで展開。その唐突さに一瞬面食らったものの、映画という短い時間の中で、何かしらの形を残さねばならない以上は、仕方のない展開だったのかもしれません。目に見えた形で進展しないラストというのは、スクリーンで観ていたとき、少し味気なく感じられるかもしれませんしね。私はどっちでも良いのですが。
 
 また恋愛だけでなく、友情に関してもしっかりと描かれていたのは、好印象。その分、詰め込みすぎたのか、途中間延びしたような感じになり、「長い」と感じてしまったのは事実ですが。とりあえず、くるみちゃんのくだり要らなかったんじゃないかなぁ、と。くるみちゃんが大きく関わるイベントは、クラスマッチでのあの出来事なのですが、あれが友情フェーズと恋愛フェーズの双方に、中途半端に脚を踏み入れた形になり、どっちつかずの気持ち悪さが残ったというか。友情フェーズに関して言えば、直前のトイレでの一幕でOKですし、恋愛に関しては、ターニングポイントとなったのは風早のバス停での一件と、ちずの一言であったわけですから、結局のところくるみちゃんは何をしたのだろう…と。また、彼女に関しては、原作のようなフォローが所々欠けていて、風早にお似合いであるルックス・雰囲気の良さであるとか、一途に想う純粋さが今ひとつ描ききれておらず、なんとなく生意気でイヤなやつという印象が残ってしまった気もします。そもそもくるみちゃんが、コンプレックスである名前の「梅」を連想させる、梅干し色のカーディガンなんか着ないだろ、と。すみません、くるみちゃん好きなので、どうしても気に入らない点ががががが…。あと服装に関して言えば、爽子のスカート短すぎじゃないでしょうか。爽子というキャラを出すのに、あのひざ上10センチは余計だったような気がします。目、行っちゃいます。
 
 この映画で、一番良かったのは何かと言うと、個人的には圧倒的に「龍とちづ」。特にちずが、本当に魅力的に映りました。元々感情豊かで、元気に動き回る彼女ですが、実写となるとそのアクティブさがダイレクトに映し出され、非常に活き活きとしていると言いますか。また、ポイントポイントで、爽子に良い影響を与えるのです。友達として、恋する女の子として、大車輪の活躍でした。正直、長い時間かけて成就したメイン二人の恋よりも、短時間で描かれた、ちづの恋の方が、個人的には良かったと思えるくらい。そしてそんな彼女を優しく見守る、龍がまたカッコいいんだ。 
 
 気がつけば長々と書いていましたが、こんな感じです。1800円払ってまで観る価値があるかはわかりませんが、個人的には可もなく不可もなく、ただちょっと長いかな、と。単行本4巻分の価値があるのか…とか考えちゃうからいけないんでしょうか。
 
 
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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。