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Tag [続刊レビュー] 2013.12.29
作品紹介→よしながふみ「大奥」
6巻レビュー→これ以上ない愛の形に思わず涙:よしながふみ「大奥」6巻
7巻レビュー→よしながふみが彩る“江島生島事件”:よしながふみ「大奥」7巻
9巻レビュー→物語の大きな転換点となるか:よしながふみ「大奥」9巻




1106329484.jpgよしながふみ「大奥」(10)


あまりに理不尽ではないか!!


■10巻発売しました。
 悲恋の舞台であった男女逆転大奥。その大奥が、逆転世界の根源である赤面疱瘡を解明する研究所となる…。よしながふみのSF大河ロマン、待望の第十巻。
 

〜抜群に面白い10巻〜
 区切りの10巻、発売しています。「このマンガがすごい!2014」こそTOP20から久々に漏れてしまいましたが、この10巻が抜群に面白かった。こう来るか、と。史実をベースに作ってはいるものの、基本的には創作歴史。史実と創作、そのバランス感が非常に重要になるのですが、本作はそこが絶妙すぎる。先のランキングでは同じく歴史創作ものである某作品が1位になりましたが、その手腕はこちらの方が何枚も上手であると、最新巻を読んで改めて実感させられました。メディアミックスも一通り落ち着き、また巻数も重ねて来たとあってなかなか話題になることはありませんが、相変わらず面白いですので、引き続き注目を…。


〜表紙から明るい先を期待したのですが〜
 さて、10巻は表紙がこれまでと趣が異なり、登場人物たちが勢揃いで一様に笑顔。また帯には「人は、病に、勝てる。」の文字。9巻で赤面疱瘡を治す兆しが生まれたとあって、これは一気に赤面疱瘡を克服して、新たな歴史を作って行くのかと思わせるものがありました。実際に大奥では田沼意次と青沼の先導のもと、平賀源内の注力もあり、弱毒の患者を発見し人痘接種に成功。大奥勤めの若者たちは、次々と赤面疱瘡を克服することになるのでした。


大奥10
やがてその噂を聞きつけ、大名家の子息にも人痘接種をするように。


 あまりに順調すぎる道筋、将来は明るく思えましたが、同時に不気味さも漂わせていました。それは、どうしても存在する副作用での死亡者が、誰も出ていないこと。言わばロシアンルーレット的なそれが、何処で出るのか。出ないわけがない、そう思っていたところで、よしながふみ先生はそれを松平定信の甥にぶつけてきました。ここで出しますか。これにより一気に形成は逆転。この一件が直接の原因ではないものの、田沼意次は十代将軍・家治の死をきっかけに失脚。これにより人痘接種の種も途切れ、この試みは歴史から消え去ることになってしまいます。平賀源内の頑張りも、青沼の頑張りも全て流され消えてしまう、このあまりにも容赦のない仕打ちに呆然。ただ、時に歴史では残酷すぎる仕打ちが記録されていたりするものですが、これもそんな中の一つのようで、リアル感が溢れていたというか。また青沼という史実に存在しない人物に、そこまで大活躍はさせないぞ、とバランスを取った部分もあるのかもしれません。


〜それでも間接的に希望はつないだ〜
 ただ、完全にその存在は消されたものの、一つの確かな足跡…いや、爪痕のようなものを、青沼は残しました。全て解決はさせないけれど、これだけ描いた以上、ゼロにするのもおかしな話なわけで。最後の最後、こうつなげるのか、と。ある程度予見できた展開なのかもしれませんが、直前で呆然としていただけに、この展開には身震いでした。大きな流れの転換点に差し掛かったと言える10巻ラスト。11巻ではどのような物語が展開されるのか。そして赤面疱瘡も種が途絶えたと言えど、その方法論は死んでおらず、どこかでまた巻き返しがあるんじゃないかと密かに期待しております。人間ドラマというよりは、制度面からあれこれ面白い物語が描かれそうな11巻、よしながふみ先生がどう読者を納得させて、さらに感動・興奮させてくるのか、非常に楽しみです。

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Tag [続刊レビュー] 2013.01.10
作品紹介→よしながふみ「大奥」
6巻レビュー→これ以上ない愛の形に思わず涙:よしながふみ「大奥」6巻
7巻レビュー→よしながふみが彩る“江島生島事件”:よしながふみ「大奥」7巻




1106229009.jpgよしながふみ「大奥」第9巻


なあそれが
赤面疱瘡だったらどうでい!?



■9巻発売しています。
 八代将軍吉宗の遺志を継ぎ、
 長崎から来た青沼、そして田沼意次・平賀源内が、
 今なお猛威を振るう赤面疱瘡の解明に挑む   
 

〜メディアミックス絶好調〜
 9巻発売しております。年始にお届けしました総まとめランキングでも書いたのですが、昨年はドラマ化といい、映画化といい、単行本にしても2冊刊行ととにかく絶好調の1年でした。今度映画を見に行くのですが、今から楽しみです。…とのっけから自分の週末の予定など書いてしまいましたが、レビューしましょう、レビュー。8巻のレビューもできていないので、先にちょろっとそちらの感想を書きましょうか。


〜つなぎの8巻〜
 8巻は物語全体でみるとどこか「つなぎ」という印象が強い内容でした。というのも吉宗は一線を退き、将軍となったのは徳川家重。脳性麻痺の特徴が見受けられたという話もあるのですが、さすがに彼女で物語を描き出すのは難しかったか。家重は言葉が不自由でありながらも、人並みの恥じらいのようなものは持っていて、それに田沼が気づくという所がひとつドラマチックでした。とはいえこれって家重ではなく、あくまで田沼意次を飾り立てるためのエピソードなんですよね。そして田沼が本領を発揮しだすのは、8巻終盤から9巻にかけて。ということで、やはり「つなぎ」としての印象が…。
 
 そして物語は、将軍よりも、有能な家臣たちがフューチャーされる時代へと移って来ます。この頃って、徳川将軍が誰とか、歴史の授業で学んだ覚えがあまりないです。そして代わりに登場するのが、田沼意次、松平定信、水野忠邦といった人物たち。はい、そこで松平定信ですよ


〜松平定信が何気にかわいい〜
 まさか松平定信を「かわいい」なんて思う日が来ようとは…。
 

大奥9−1
将軍になることができなかった母の意思を継ぐその姿がまず素敵
 

 この意思の強そうな眉が良いですよね、眉が。さて、そんな決意をしてからというもの、幕府で実権を握りつつある田沼意次を公然と批判するなど、なかなか香ばしい感じに。この生意気な感じがたまらないです。さらにそれが祟って松平家に養子に出されてしまうというその不憫さ。この空回り感がなんとも。
 
 一番のハイライトは田沼意次と平賀源内とやり合ったときでしょうか。あれやこれやと攻め込まれ、思わず刃傷沙汰に発展してしまいそうに。この喧嘩っ早さといい、口で対抗できない所といい、いかにもプライドの高い「育ちの良い子」という感じがして好きですねー。それとこれだけ威勢が良いのですが、
 

大奥9−2
下ネタは苦手

 
 こんなところもいとをかし。しっかしこれ、男だったらあんまり好きじゃなかったんだろうなぁ、とも。男女逆転大奥の、また違った魅力を9巻にして新たに見出した感じがします。恐らくこれから彼女がどんどん活躍してくると思われるので、今から楽しみでございます。


〜ターニングポイントになりそうな展開が…〜
 さて、物語は9巻にて大きな動きを見せました。これまでの人間ドラマから一転、物語の前提、すなわち赤面疱瘡による男子減少に対して、策を打つような動きが生まれて来ています。その急先鋒となっているのが、日本のエジソンと呼ばれる平賀源内。本作では女性として描かれているのが特徴的で、将軍家の人間でないのにも関わらずこのような設定ということは、何かしてくれる予感がビンビンします。また青沼というキャラも実在しない人物ですから、「何かする」だけじゃなく「何かして成功」までしてくれるんじゃないかな、と思います。
 
 もう赤面疱瘡の原因がクマって所まで突き止めちゃってますからね。これを痘瘡と同じ要領で予防してしまおうってんだから面白い。杉田玄白なども登場し、にわかに「仁」のような医療漫画っぽさを匂わせて来ておりますが、この流れは10巻でも続くのでしょうか。
 
 そうすると俄然気になるのが、この物語の幕切れなのですが、やはり15代将軍慶喜まで描かれるのでしょうか。大奥の終焉は、江戸城の開城と共にあるので、そこが一番落としどころとしては都合が良さそうです(描き手的にも、読み手的にも)。はてさて10巻はどのような展開になるのか、今から楽しみです。



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Tag [続刊レビュー] 2012.03.25
作品紹介はこちら→麻生みこと「そこをなんとか」
3巻レビュー→菅原さんが極上の枯れセン要素を含んでいた件《続刊レビュー》「そこをなんとか」3巻
4巻レビュー→相変わらずゆるゆると楽しい:麻生みこと「そこをなんとか」4巻
5巻レビュー→ここにきての新展開!:麻生みこと「そこをなんとか」5巻



1106132942.jpg麻生みこと「そこをなんとか」(6)


待ってるって伝えてくんない?


■6巻発売しました。
 儲り案件が来ない弁護士・改世楽子。元々3人の零細事務所なのに、稼ぎ頭の兄弁・東海林が移籍!気持ち的にも、切れ者の東海林を頼っていた楽子は、心に穴がぽっかり…。と悲しむ間もなく、実務修習に来た研修生と大麻取締法違反の案件に臨むことに。「しっかりしなきゃ」と思う楽子に、その後も試練が…!?


~意外と東海林さん移籍について触れられない…~
 そうだ東海林さん、もういないんだった。きっと楽子も寂しさを噛むような日々を送るんだろうなぁ、、、なんて思ったら、そんなこと感じる暇もないくらい忙しい毎日のようで。そりゃあそうか、柱の弁護士が一人抜けてしまったら、回るものも回りません。大型案件等を東海林さんが任されていたのか分からないのですが、ボス弁・菅原先生の「今の状態でも数ヶ月なんとかなった」という言葉に驚きです。楽子が頑張っているのか、菅原さんが頑張っているのか。東海林さん分どこに消えたんだろうって。東海林さんが持ってっちゃったのかな…。結局6巻では研修生が一時的に籍を置いただけで、元通りのまま7巻へと突入。8巻で新キャラ登場はあるのでしょうか。何気に6巻でこの二人、一度も絡んでないんですよね(最後にちょっと絡んだけど)。6巻で我慢させてからの7巻か。だってもう、楽子の心は東海林さんでいっぱいですもの。


~自分の恋愛感情には自覚的でないのですね~
 絡んではいないけれど、漏れ出す東海林への想い。席を移動したシーンなんてもうニヤニヤが止まらなかったです。それにこうやって…
 
そこをなんとか6
 いちいち比較してしまうところとか、もうこの子東海林さん大好きだな、と(笑)恋愛もそれなりにしてきたであろう楽子ですが、意外と自分の恋心めいたものには無自覚なんですね。いや、たぶんそう感じさせないほどに、東海林さんという人が規格外の存在なのか。だからこそ、一回ハマったら抜けられなそうですよね。その好例が中道さんなわけで。ぶっちゃけた話、楽子よりも中道さんの方が幸せになって欲しい願望強かったりします(笑)あの疲れはじめた感じとか、素敵じゃないですか。


~「路地恋花」の匂いを感じた~
 そういえば今回は中道さんよりももっと疲れた感じのする方が登場していました。最後の案件として収録されていた、放火事件のお話。24歳のホストに入れ込んだ46歳の女性が彼のためにと放火事件を起こすお話なのですが、いつものコメディベースの案件と異なり、これはとにかく切なかった。導入は「あー、また厄介な人に振り回されるやつかな」なんて思ったら、まさかの感動的な展開。
 
 最初は何気ない入り方でも、徐々に徐々に真実を明らかにしていくって、2時間ドラマとか刑事物とかで多い気がするのですが、王道で素敵ですわ。ちゃんと恋愛の要素を落としこみ、トキメキににた感情を演出するのこの匂い、どこかで感じたことあると思ったら、そうだ同じ麻生みこと先生の「路地恋花」だ。あちらもどこか力の抜けた日常風景を描きつつ、最後に感動を持ってくるのですが、本作もまさにこれだったなぁ、と。本作をお読みになっている方はきっと「路地恋花」も読んでいると思うのですが、もし読んでおられない方がいらしたら、是非とも手に取ってみてください!本当に面白いですから!本当にキュンキュンしますから!あれ、これ「そこをなんとか」のレビューのはずなのに、なんか「路地恋花」を薦めるみたいな形に…


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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2011.09.24
1106069881.jpg西炯子「兄(アニ)さんと僕」


こんな感じで
間抜けと兄さんの修行は続くのでした



■これはある落語家んとこに弟子入りした、ある間抜けのお話。
 この男、中村正直(25)が弟子入りした先は、大名人・三々遊亭小正月の…孫の小いぬ。ご存知でしょうが落語の世界は、一分でも早く弟子入りした者が上なので、去年祖父である小正月に弟子入りしたこの小学生の小いぬは、わん子の師匠になるのです。落語家どころか、ふつうの生活すらあやうい間抜けな正直改めわん子の、騒々しくも楽しい日々を、お届け致します。
 
 8月より毎月発売の西炯子先生の新作でございます。表紙からもわかるように、落語の世界を描いた一作。落語というと、今年一番の新作と勝手に思っている雲田はるこ先生の「昭和元禄落語心中」(→レビュー)が記憶に新しいところですが、こちらもまた面白いですよー。とはいえ落語界に生きる人々の想いや業を描いた「昭和元禄~」に対して、こちらは完全にユルいコメディ。ポジション的にはむしろ、久米田康治先生が原作をつとめる女子落語コメディ「じょしらく」などに近いかもしれません。主人公となるのは、25歳にして大名人・三々遊亭小正月に弟子入りした中村正直。しかし一秒でも早く弟子入りすれば立場は上となる落語の世界、彼の兄弟子となったのは、小正月の孫で小学生の小いぬ。小いぬの弟子ということで、芸名はわん子になりましたとさ。なんとも頼りない、遊びたい盛りの兄さんですが、それでも芸の腕前は確か。アホウなわん子は、素直に愉快に日々を送るのですが、アホウすぎて…というお話。


兄さんと僕
落語の才能は、はっきり言って無い主人公。それでもマイペースに落語に向き合い、覚えようとする。


 その設定からもわかるように、その全てがコメディ。主人公の性格が能天気なアホウということで、全体的にユルい雰囲気が漂うコメディ作品となっております。1話の分量も比較的短め。その中で、ユルくもしっかり起承転結を用意して、落としきるところはさすが落語を題材にしているだけあるな、という感じ。落語についてはさほど明るくないので、全てが全て落語の噺がネタ元になっているのかはわかりませんが、明らかにこれが元ネタだな、とわかるエピソードもちらほらあり、思わずにんまりです。
 
 ベースとなるのは、主人公・わん子と、兄弟子となる小学生・小いぬのやりとり。なんとなく小学生に振り回される大人…という構図を想像されるかもしれませんが、むしろ逆。物語を残念に動かすのは、決まって主人公のわん子です。小いぬは小学生といえどさすがに大名人の孫、落語の腕は確かですし、兄弟子としての自覚もそれなり。もちろん遊びたい盛りではあるのですが、わん子があまりにアホなのでしっかりせざるを得ないという。また三々遊亭小正月に弟子入りしている小いぬ以外の兄弟子たちも、基本的には変人揃いなのですが、そんな彼らのリズムを崩しまくるわん子の前ではなす術なし。とにかくペースはわん子なのです。


兄さんと僕2
弟弟子ということで、兄弟子の生活圏にも踏み込む。ということは当然小学生の文化圏とも触れ合うわけで、小学生ネタは結構多い。


 西炯子先生のコメディというと、どうしても下ネタ先行なイメージがあったのですが、こちらは小いぬがいるということもあってか、下ネタはほぼなし。その辺も今までとイメージが異なり、すごく新鮮でした。コメディは一癖二癖あって、万人向けはせんのではないだろうかと思うところがあったのですが、こちらについては間違いなく万人に向けてオススメできる内容になっていると思います。「ちるちる!」(→レビュー)とも、「ふわふわポリス」(→レビュー)とも違う、また一味違った西炯子ワールドをご堪能ください。
 
 また巻末には、西炯子先生の落語家・柳家喬太郎さんのスペシャル対談が収録されており、これがまた結構なボリューム。1話1話が短いために、収録話数が多くこれだけでボリューミーな印象を受けるのですが、これがあることでさらに濃密に。価格は524円ということで、青年コミックなどと同価格帯で、これはお得だと思います。コスパを考えても、これはやはりオススメでございます。


【男性へのガイド】
→大人も子どももおねーさんも、そしておにーさんも。多くの人が楽しめる、ゆるゆるコメディになっていると思います。
【感想まとめ】
→複数発売される新作の中でも、こちらが一番楽しみだったのですが、その期待を裏切らない面白さでした。オススメですー。


■作者他作品レビュー
西炯子「うすあじ」
自分が幸せになれないと決め込んでいるあなたへ:西炯子「姉の結婚」1巻
オトナの情事×コドモの事情:西炯子「恋と軍艦」1巻
西炯子「娚の一生」
西炯子「ひらひらひゅ~ん」


作品DATA
■著者:西炯子
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめコミックススペシャル
■掲載誌:メロディ
■全1巻
■価格:542円+税


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Tag [続刊レビュー] 2011.05.19
作品紹介はこちら→麻生みこと「そこをなんとか」
3巻レビュー→菅原さんが極上の枯れセン要素を含んでいた件《続刊レビュー》「そこをなんとか」3巻
4巻レビュー→相変わらずゆるゆると楽しい:麻生みこと「そこをなんとか」4巻



1106025765.jpg麻生みこと「そこをなんとか」(5)


ああ
嬉しそうだな
嬉しいんだ
だったら私は



■5巻発売です。
 相変わらず貧乏まっただ中の弁護士・改世楽子。国選弁護で担当するのは、「詐欺事件」!…というとすごい感じがするけれど、その中身はなんともしょぼい「食い逃げ」。しかも被告人が扱いにくい…!そんな中、トラブった楽子が同期の赤星を呼ぶと、「呼ばれてやる」と抱きしめられ…!?一方、過去の誤解も解けた東海林は、元カノの弁護士・中道と連絡し合っている様子。二人が会うその理由とは…!?
 
 
~面目よりも食欲!なこの女子力!!~
 5巻ですが、相変わらず面白いですよー!恋の酸い甘いを堪能するならばアフタヌーン掲載の「路地恋花」に断然分がありますが、ゆるーい笑いを堪能するならば俄然こちら!ここ最近仕事に疲れていることもあり、こういう感覚で仕事をできる楽子が、そしてこういう人間関係が築けている楽子がとても羨ましかったり。少しは楽子を見習わないと…なんて思っているのですが、この子の豪快さはなかなか真似出来るものではなく、例えばこれとかすごくないですか…
 

そこをなんとか5
飲み屋の女子会セットを思わず一人でオーダー(その前の財布の中身を把握していない所とかも、彼女の性格を物語っていて素敵

 
 これは…どうなんだろう。。。しかもまったく動じていない!!この安定感が、彼女の魅力…でもあり、欠点でもあり…。しかもこの後まさかの無銭飲食の嫌疑までかけられるっていう。ええ、ドジッ子です。
 
 そんな彼女が、窮地に陥った末に助けを求めたのは、東海林さんではなく赤星くんでした。赤星くんはこの状況を思って、ちょっと嬉しかったみたいですが、その真相は、「あ行の赤星くんがアドレス帳的に先だった」という。なんてそもそも、多少なりとも好意のある人に、居酒屋の女子会セットを一人で堪能した後に無銭飲食容疑をかけられるっていう、その状況は絶対に知られたくないはず。むしろ意識していない、諸々頼みやすい人に連絡する気がします。楽子だから、そんなのあまり気にしないのでしょうけど、普通だったらむしろこの状況は憂うべきなんじゃないのかい?赤星くん!!そのあと思わず抱きしめちゃう赤星くんの、その勢いが色々とたまらんです。
 
  
~この新展開は…~
 さて、ゆるーく流れるお仕事マンガの本作ですが、5巻にきて意外な展開に!そう、東海林さんの移籍です。お話出ても、「どうせ残るんでしょ?」なんて思っていたので、移籍話が決定した時に「えええええええええええええええ!?」と。このまま同じ事務所にいて、じりじりと楽子とくっついていくかと思えただけに、この展開は驚きです。さて、6巻以降どのようになるのか、ちょっと予想がつかないですねー。普通に考えると、楽子にとってはだいぶ不利な気が。東海林の過去を知る中道さんに対して、楽子が有利であったのは、日常における距離感が近かったということ。今回はそのアドバンテージがなくなり、そのキャラクター一本で勝負しなくてはならなくなります。元カノであるということが、東海林さんの大きなブレーキとならない限りは、状況を俯瞰するならば、不利中の不利ですよ。なんて東海林さんと楽子がくっついてるところとか全く想像できないんですけど…というか東海林さんと恋愛ってところがまず結びつかないです。この距離置き作戦が、何かしらの起爆剤になるのか、ちょっと期待しつつ続きを待ちたいと思います。あ、赤星くんはたぶんそのままだと思うな、うん。



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