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Tag [新作レビュー] [4コマ] 2009.03.10
ひかるファンファーレ2田川ちょこ「ひかるファンファーレ」


山田ひかる16歳
吹奏楽部でチューバを
吹いています!



■小動物系でミニサイズのひかるは吹奏楽部所属。そんな彼女の担当楽器は金管楽器最大級のチューバ。低音で演奏を支え、決して表に出ることはない縁の下の力持ち。可愛さゼロで、普通は男の子が担当する楽器。そんな彼女以外にも、個性派が揃う吹奏楽部。基本ふざけあい、時々支えあい、毎日楽しく活動しています♪

 ミニサイズなのにチューバを担当しているヒロイン・ひかるの、吹奏楽部での毎日を描いた4コマです。彼女の他にも、お気楽なスイーツ(笑)系でトランペット担当の真紀、元子役で怪力小悪魔系美少女のアルトサックス担当・結衣、クールで才能あふれるトロンボーン担当の圭吾など、個性豊かな面々でお話を展開させます。序盤はチューバあるあるみたいなネタが中心でしたが、話が進むに連れてキャラメインに。それでも軸はあくまでチューバ。
 

ひかるファンファーレ伝説のエアチューバ。


 音楽ネタの芳文社4コマといえば最近「けいおん!」(→別館レビュー)が話題ですが、こちらはより純粋なネタに走っています。あっちはどちらかというと萌え方向のネタが中心ですよね。基本はほのぼのなので、「放課後ウインド・オーケストラ」みたいな真剣部活モードにもなりません。キャラ重視になりがちな4コマですが、こちらは題材を上手く使っている模様。特にチューバネタは、意外と言っては失礼ですが結構笑えます。個人的には部長の登場回数が増えてくれないものかな、と。黒髪キャラが足りんのですよ。


【オトコ向け度:☆☆☆☆ 】
→読みやすさはあるんじゃないでしょうか?かわいらしいし。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→今後どういう展開になるのかな、恋愛方面に話が進むのか?チューバという題材を上手く生かした良作だと思います。


作品DATA
■著者:田川ちょこ 作者サイト→「チョコチ
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイムジャンボ(2007年4月号~連載中)
■既刊1巻
■定価:619円+税

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Tag [オススメ] [4コマ] 2009.02.10
花と泳ぐ口八丁ぐりぐら「花と泳ぐ」


もしも時間に限りがあるなら
その時間が終わるときに私は
幸せだって笑ってられるかしら?



■3巻発売。完結いたしました。
 笹川幸太は最近一人暮らしを始めたばかりの大学生。ある日、道ばたで女の幽霊に遭遇。一目散に家に逃げ帰るが、幽霊についてこられてしまう。しかも何故か霊媒師見習いまで。見ためがとってもかわいらしいその幽霊、名前は菊子というのだが、何故自分が幽霊になったのか、覚えていないのだという。そこで、自分の姿が見える幸太に、なにか思い出せるよう手伝ってもいたいというのだ。その日から、料理上手な幽霊と、お隣さんの女子高生の霊媒師見習い、さらには親友の梅ちゃんに猫まで巻き込んだ、なんとも奇妙な毎日がはじまった。
 
 普通の大学生・幸太と、美人で料理上手な幽霊・菊子との出会ってからを描いた、楽しさと切なさがつまった4コマです。最初の目的は、菊子の記憶を取り戻すことでしたが、幸太との生活をつ続けるうちに、しばらくはこのままでいようと考えるように。また、一緒に過ごすうちに、菊子が特殊な霊であることがわかってきます。菊子は実は死んだのではなく、魂のみが体から抜けた「生霊」だったというのが答えなのですが、このことを知っているのはお隣の霊媒師・ふみだけ。幸太や菊子は知らずに日々を過ごす。
 
 物語は、過去を回顧する形で進行され、この生活にタイムリミットがあることを暗示。だからなのか、なんでもない日常風景が、とても愛おしく感じられます。やがて時間軸は回顧している地点に辿り着き、物語はクライマックスへ。
 
 終盤のファンタスティックな展開や、ラストのベタなやりとりは、4コマだからこそ許されるんじゃないですかね?予想はしていたのに、それでも感動してしまいました。楽しさだけでなく、切なさやほっこり感、そして最後には感動と、4コマの魅力を改めて認識させてくれる良作だったと思います。


【オトコ向け度:☆☆☆☆☆】
→表紙がすべてを物語っている気がしないでもないんですが。「お!?」っと思った方は、読んで正解だと思います。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→最後は思わず感動。4コマっていいなって思わせてくれる良作。優しい気持ちになりたいアナタに。オススメです。


作品DATA
■著者:口八丁ぐりぐら 作者(口八丁ぐり)ブログ→「つれづれ口八丁
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイムジャンボ(2004年10月号~2008年12月号)
■全3巻

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Tag [新作レビュー] [4コマ] 2009.02.08
ダマされて巫女 1 (まんがタイムコミックス) (まんがタイムコミックス)真田ぽーりん「ダマされて巫女」


こんな恥ずかしい神社もうイヤ!!
出ていきたい……



■ヒロイン・晴風は現在華の女子高生。町から徒歩90分の山奥にある平明神社の娘で、巫女をやっている。この平明神社、平安時代から続く由緒ある神社…だったはずが、変わり者の祖父・定明と、彼に心酔する父・広のおかげで、なにやらおかしな方向に。オリジナルグッズやイベント…気がつけば、由緒ある神社はなにやら「変」な神社に。それに加え、女装趣味のある兄に、おみくじ付きの首輪をつけた飼い犬。そんな変わり者揃いの家族に、今日も晴風は頭を悩ませる…。

 巫女萌えマンガではないと思います。どちらかというと、巻き込まれ型のホームコメディ4コマ。とにかく変わり者揃いの神社なため、自分がそこの巫女であることを、仲の良いクラスメイトの松島くんと花田さんにしか明かしていない晴風。メインで登場するのはこの2人と晴風の家族。神社を発展させるため、そして、溺愛する晴風を守るために起こす、祖父と父の奇行に、晴風が振り回されるというのがひとつのパターン。また、女装した兄に松島くんが、普段の兄に花田さんが惚れてしまうという展開が用意され、ネタのバリエーションを増やす形に。この二人は、これがきっかけで継続してこの家族に関わるようになり、頻繁に話に絡んでくるようになります。
 
 終始巫女でいくというワケではなく、学校生活と神社が半々くらいの割合で展開。ヒロインをはじめとして、基本的に明るいキャラクターたち。4コマらしく笑いだけに走るわけではなく、ほのぼの展開やほっこり展開もあり。


【オトコ向け度:☆☆   】
→男性が好む要素も嫌う要素も無い感じ。4コマが好きかどうかなんじゃないでしょうか。
【私的お薦め度:☆☆   】
→単純に、笑いのツボのズレかな。明るいホームコメディが好きな方は。


作品DATA
■著者:真田ぽーりん (作者サイトあります。)
■出版社:ダマされて巫女
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイムジャンボ(2006年6月号~連載中)
■既刊1巻
■定価:619円+税

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東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
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レビュー
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レビュー
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トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




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レビュー
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かみのすまうところ。
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レビュー
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