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Tag [新作レビュー] 2009.11.20
07230502.jpg藤原規代「お嫁にいけない!」(1)


…ああ
もう私
おヨメにいけないっ!!



■東大卒、才色兼備のキャリアウーマン・小田桐まどか、27歳。会社では何でもこなせる完璧な人。しかし家事となると、別人のようにからっきし。つい最近、それが原因で彼氏にフラれたばかり。一人暮らしで、仕事に疲れて、そんなことに気を回していられようか。稼ぎは結構あるのだから…と開き直った彼女が取った行動は、家事代行サービスの依頼。そしてやってきたのは…あれ、高校生の男の子!?しかもその彼・悠貴くんは、料理洗濯掃除何でもござれのスーパー家政婦高校生で!?

 「アラクレ」(→レビュー)の藤原規代先生の新連載作品です。花ゆめ連載にも関わらず、今度のヒロインは27歳のキャリアウーマン。これは大英断と言えるのではないでしょうか。メロディとかならまだわかるものの、バリバリの少女誌である別冊花とゆめで、27歳のヒロインですよ?いやぁ、驚いた。さてこちら、どんなお話かと言えば、仕事は完璧でも家事はまったくできないというヒロインが、彼氏にフラれたことがきっかけでハウスキーピングを依頼。そしてやってきたのが、家事全般が大得意の男子高校生・悠貴くん、17歳。パッと見優しい彼ですが、中身は結構なオレ様キャラ。お試し期間を経て彼のいる生活の素晴らしさを実感したヒロインは、契約延長してハウスキーピング兼花嫁修業の指導を仰ぐようになっていきます。


お嫁にいけない
ふおおおおおおおおお!なんだよこの可愛らしさは!「…かも」とかさぁっ!


 10歳歳下の男子高校生との疑似同居生活…しかもベイビーフェイスなのにオレ様キャラ…これにグッと来る女性は多いはず。ショタ分類ではないのかもしれませんが、それっぽい雰囲気を醸し出しつつ展開されるので、歳下好きは必見でございますよ。とにもかくにも彼がこの作品の全てなわけで、彼にハマれるかどうかで個々人のこの作品への評価は変わってくるでしょう。ヒロインは東大卒、歳下の男の子との生活(同居ではないけど)と恋愛、そしてイケメンで出世頭の同僚からのアプローチなど、シチュエーションの問題か、イメージとしては「きみはペット」みたいな感じ。ただあそこまでヒロインの生き様を深く描こうとはしていないので(掲載誌を考えればそうなる)、同じ類いの作品として見るのは早計というものでしょうか。やっぱりメインは、悠貴くんを愛でるところにあると思います。というか私はそう楽しむ。
 
 10歳差の恋愛が果たして成立するのか…というところがひとつのポイント。歳の差や身分の差など、2人を隔てる壁は幾つもあります。これは時間かかりそうですが、すでに想いあっているのにずっとやきもき…みたいなことは前作の「アラクレ」で描いているので、お手の物というところでしょう。
 
 まどかは、仕事・勉強が出来るエリート⇄家事が出来ないダメ女、悠貴は、家事が出来るオレ様キャラ⇆勉強ができない高校生(健気&弱気)というスイッチングがあり、その出し入れが面白いです。こういうキャラチェンジって、BL系の作品によく見られるような印象があるのですが、どうなのでしょうか。やっぱりそっち系というか、オタクッ気の強めなショタ好きな方のほうが、より好く感じはします。


【男性へのガイド】
→悠貴に萌えたら買うべし。当然のことながらまどか視点で話が進むので、27歳独身キャリアウーマンにある程度感情移入できないと、厳しいかも。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→これは難しいなぁ…。この強気の姿勢は素晴らしいと思いますが、万人にお勧めできるかというと、好みが別れそうなので微妙という。まぁ私は2巻買うと思いますけど。


作品DATA
■著者:藤原規代
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:別冊花とゆめ(平成19年11月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税

■購入する→Amazonbk1

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Tag [オススメ] 2009.09.24
07214826.jpg都戸利津「環状白馬線車掌の英さん」


ここにゃ何も生まれねぇが
俺たちが街や人をつないで
生まれる何かもあるだろうさ
俺もだぁれもそれを知らねぇだけでな



■大きく円を描いてシティを循環する環状白馬線には、車掌の英さんが乗っています。乗り合わせる様々なお客様と、英さんはほんの少しだけ一緒に時を過ごします。「英さんと同じ電車に乗った人は幸せになれる」…どこからともなく生まれた噂。今日もまた、誰も知らない物語を紡ぎながら、英さんは白馬線に乗っています…

 コミックホームズの斉藤さんにご紹介していただきました。とりあえず、この作品を今までスルーしていたことが、酷く悔やまれました。とにかくスゴいの一言。感動しました~。
 
 物語の舞台は、20世紀初頭のヨーロッパを匂わせる大きめの都市。その市内をぐるっと回る環状線・白馬線の車掌をしている英さんが、このお話のメインパーソンになります。多くを語らず、必要とされる車掌の仕事を、過不足無く淡々とこなす英さん。物言いは若干ぶっきらぼうではあるものの、その丁寧で気の行き届いた態度から、乗客からの評判は上々。さらに、彼に関わった人が後々幸せになることが多いらしく、どこからともなく「英さんと同じ電車に乗った人は幸せになれる」という噂が流れてくるようになりました。このお話は、そんな英さんと、彼が関わった人々との間にそっと横たわる、小さな奇跡の物語を紡いだものになっています。


車掌の英さん
多くは語らないが、その少ない言葉がやけに胸に響く。


 正直この作品の魅力を伝えきる自信がないです。なんて説明すれば良いのか非常に悩ましいのですが、一言で表すならば「美しい物語」という表現が一番でしょうか。1話ごとに、いくつかのストーリーが絡まりあい、楽章を構成し、さらに物語全体としても、各話が絡み合い、一つの美しい旋律となって協奏曲を奏でるような、そんな美しさがこの物語にはあります。3話構成で、1話目はお客様がメイン、2話目はお客様と鉄道員たちがメイン、そして3話目は彼自身がメインと、そのバランス感も絶妙。群像劇のお手本…と言っても過言ではないと思うんだよなぁ。
 
 路線だけでなく人と人の想いまでつないでしまう英さん。その人柄は、実直で不器用。あくまで「車掌」を貫く彼の生き方は、何も頑固だからというわけではなく、彼なりの考えと過去があってのこと。お客さんと言葉を交わすことは少ないものの、彼らの間には不思議な信頼感を感じとることが出来ます。そんな英さんに、なんとなく「鉄道員」の面影を見てしまいました。いや、結構似てると思うのよ。そりゃ見ためや根底に流れるものは違うし、作品の雰囲気も異なるけれど、その仕事に対する態度とかさ。とりあえず、一度読んでみて欲しい、そんな作品でございます。当然オススメ。今月は「君に届け」で鉄板かな、なんて思ってたのですが、ちょっと迷うな。あとこの作品を読んだのが、友人達と旅行した帰り、夕日が眩しい中ひとり鈍行列車で…という絶好のシチュだったので、その辺も影響しているのかも。


【男性へのガイド】
→男性でも全然OK。物語好きなら一度読むべし。
【私的お薦め度:☆☆☆☆☆】
→これはオススメせざるを得ないです。紹介してもらったからとか、そういったことは関係なしに。協奏曲って例えは、我ながら結構良いんじゃないかと今更ながら思ってきた。


作品DATA
■著者:都戸利津
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICSスペシャル
■掲載誌:別冊花とゆめ(平成18年11月号,平成20年8月号,11月号)
■全1巻
■価格:524円+税

■購入する→Amazonbk1

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Tag [続刊レビュー] 2009.09.20
作品紹介はこちら→菅野文「オトメン」



otomen.jpg菅野文「オトメン(乙男)」(9)


言いたくないことがあるのなら
俺は聞かないよ橘   
でもいつか…
教えてくれよな…



■ドラマも好調だったのかな?というわけで9巻発売です。ペース早いですよね。

 相変わらず横道に逸れまくりのストーリー。いや、そもそもどの道が本道だったのかすらよくわからないのですが、多分飛鳥と都塚さんの恋模様で合ってるはず。さて、その二人についてなのですが、9巻を読んでいて、もうこれで完成型でもいいんじゃないかな、という気がしてきました。
 
 この作品のテーマは、言うまでもなく「オトメン」なのですが、それはすなわち、「男らしさ」や「女らしさ」といった既存の枠組みから脱却して、「らしさ」に縛られない「自分らしさ」というものを追いかけていくこと、その大切さを説いているのだと思います。そんな中、「男らしさ」や「女らしさ」という概念に縛られ、苦しみ続けた飛鳥。彼にとって、何にも縛られること無く、ただひたすらに「自分らしさ」を貫く都塚さんの姿は、誰よりも輝いて映ったに違いありません。そんな、とことん「自分の道」を行く都塚さんと、晴れてお付き合いすることになった飛鳥ですが、その関係性は恋人というよりも、友達。読者としては、若干もの足りないという感じでしょうか。充太もそう思ってるよね、きっと。
 
 でもそれって結局、我々が既存の「恋人らしさ」という枠に、ふたりをはめ込もうとしているだけなんじゃないかな、と。実はもう、これでゴールなのかもしれないというか。実際7巻では、都塚さんは屈託のない笑顔で…


オトメン
お付き合い、させていただいてます


 と言っていますし。少なくとも都塚さんは、現状で満足していて、これ以上を求める道理はないわけで。それにこれはこれで、「二人らしさ」が出ていて、実にイイんじゃないかなぁ、と。さらに9巻では、こんなツーショットも…


オトメン2
もう、完璧じゃないですか!!これでいいじゃないですか!!
 

  …と言いたいところですが、飛鳥は純正オトメン。しかも、少女マンガ属性ということで、乙女チックでロマンチックなトキメキ展開を望んでいるに違いありません。今は充太に促されてそういった考えを持ったりしている状態ですが、放っておいても求めるようになるはずなのよ、これが。しかし、飛鳥が自ら動いていくとは到底思えません。そうなると、変化が必要になるのは、都塚さんのほう。現状に満足している人を動かすってのは至難のワザで、そうなった場合、ルートとして考えられるのは、ライバル出現による不満・嫉妬のセン。ラストに登場したオータン女史が、本気であろうとなかろうと、なにか都塚さんの心に嵐を起こしてくれないかなぁ、と。でも不満や嫉妬って、相手に多少なりとも執着していることが前提だから、その辺考えると、都塚さんて何に関しても執着とか無さそうだよなぁ。じゃあ別のライン?何にせよ、次の巻あたりで動きが出てくれないと、いい加減追いかけ続けるのはしんどいかも。

 9巻の見所は2つ。反オトメンの刺客として送りこまれた春日の手によって、充太=幸花ジュエルの正体がバレそうに!?という展開からの、友情描写。そして、反オトメンの刺客として送りこまれた春日の手によって迎え入れられた、異端教師4人組のうちの一人、ぶりっ子教師オータンによる、女子力アップ作戦という名の波乱。っていうか、また色モノキャラが4人も増えるという…大丈夫かな。あ、笑い成分は据え置きですので、その辺はご安心を~♪


■購入する→Amazonbk1

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Tag [新作レビュー] 2009.06.19
orangechocolate.jpg山田南平「オレンジチョコレート」(1)


「ちろ
 りっちゃんになりたい」
「じゃ おれも
 ちろになりたい」



■呼水千尋(ちろ)と、姫野律(りっちゃん)は、お隣さん同士の幼なじみ。ごくありふれた一般家庭に生まれ育ったちろとは違い、律は日舞の家元育ち。幼くしてその才能を見出された律は、まだ16歳という若さでありながら行谷流の名取になり、また天才女形として大ブレイク中。小さい時からずっと律に憧れてきたちろの願いはただひとつ「りっちゃんになりたい」。その願いが、まさかあんな事態を引き起こすなんて…!?

 幼なじみの純和風LOVEライフ♡なんて裏表紙に書いてありますが、説明不足っすよ。さて、ちろの“願い”が引き起こした出来事とは…なんとちろと律の入れ替わり。男女の体が入れ替わる話ってのは結構使い古された手法なんですが、まさかそれを使ってくるとは…完全に裏をかかれました。しかしこの機能、ずっと入れ替わっているというわけではなく、一定時間経つともとに戻ります。ではどうすると入れ替わるのか、それはちろと律のどちらかが「相手(ちろなら律、律ならちろ)になりたい」と願うことがきっかけとなります。ちろは中学生で、律は高校生。学校自体は同じでも、校舎は違います。ましてや律は売れっ子芸能人。度々起こる入れ替わりに何とか対応するため、今まで以上に一緒に行動するようになります。


オレンジチョコレート
この展開には度肝を抜かれた。


 結局落としたいのは入れ替わりを使ったラブコメってことなんですかね。ただ律視点での、売れっ子女形としての苦悩や意識の描写が丁寧だったので、ここでの展開にも注目。ちろを妹のように慕う律ですが、そこに恋愛感情があるのかは不明。ま、それはちろも同じですが…。ただ“憧れ”の感情があるのはお互いに確か。ちろは律を、お金持ちの家に育って売れっ子女形でなんでもできるスターのような存在として。一方律は、ちろを妹のように慕うと同時に、女形で踊る際の手本(イメージ)として捉えており、その延長で「ちろになりたい」という発言をしています。ここをきっかけに恋愛に発展していくのですが、脇を固める人物が結構多いので、話は長めに続きそう。『紅茶王子』(25巻)までとは言いませんが、『空色海岸』(6巻)ぐらいまでは余裕で続くんじゃないですか?


【オトコ向け度:☆☆   】
→男性向きって感じは受けないです。ただベテラン作家さんの作品は総じて読みやすいですから。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→果たしてこの「入れ替わり」の設定を上手く使いこなせるのか。別に律メインで「3月のライオン」のようなガチンコスタイルでも良かったと思うんですが、ラブコメ描いてこそ活きるって感じもあるし、良いのか。唐突に「3月のライオン」が出てきたのは、ちろが『ハチクロ』のはぐちゃんに似てたから、羽海野繋がりで。


作品DATA
■著者:山田南平
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:別冊花とゆめ(平成21年2月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税

■購入する→Amazonbk1

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Tag [オススメ] 2009.05.23
ainomotonitsudoe.jpgサカモトミク「愛のもとに集え」(1)


家族で暮らした家には
もう帰れないけれど
これからは
ここに帰ってこよう



■3巻発売です。
 母親が他界し、父親の工場は倒産、そして父親は借金を抱えたまま蒸発。新たに始まる大学生活に胸躍らせていた岩瀬勇気だったが、それどころではない。入学も取り消し…そう思っていたら、入学金と授業料は全て払われているという。払い戻しも出来ないということで、腹をくくって大学に通う事を決めた。そんな彼女が下宿先に選んだのが「愛☆永遠に…」。大家で小説家志望の愛と、同級生の夢路という、2人のイケメンとの奇妙で貧乏な共同生活が始まった!!

 同居モノラブコメです。格安の下宿先として浮上した「愛☆永遠に…」。なんでこんな変なネーミングなのかと言うと、大家の愛(男です)が、入居希望者が出ないようにするため。それにも臆せず、ヒロイン・勇気と同じく貧乏同級生・夢路は入居を希望。愛も二人の事情を汲んで、渋々入居を認めます。とにかく皆お金がなく、日々の生活もカツカツ。肉なんて夢の食材…。そんな状況が、彼らの絆をより強くさせる要因になっているのかもしれませんね。貧乏になれている大学生2人は、早々にこの環境に順応し、毎日を明るく楽しく過ごすように。また愛さんも、ブツブツ言いながらもなんだかんだでこの生活を楽しんでいる様子。そんな3人の、貧乏だけど楽しく明るい毎日を描いていきます。


愛のもとに集え
こたつって、“家族”の象徴みたいなモノだと思うんですよ。こういうシーンって、何にもしてなくても「良いな」って感じてしまいます。


 入居希望者出さなくしたいのであれば、家賃を高くすれば良いのでは…という指摘はダメですか、そうですか。いわゆる同居モノではあるのですが、ラブコメ要素は序盤は薄いです。夢路はものすごく勇気のことが好きで、かなり積極的にスキンシップをとっていくのですが、勇気はそれに気づきません(というか意識してない)。愛さんも徐々に勇気に惹かれていきますが、行動に移すには色々と心の準備が…。とまぁこんな感じ。そうならない最大の要因は、貧乏と勇気の性格でしょうか。まずは恋愛よりも暮らしなわけですよ。そして貧乏を乗り越えて生まれるのは、恋愛感情ではなく、仲間意識。恋愛展開は後半もちろん加速してくるとは思いますが、とりあえずはこの状況を楽しみましょう。3人の明るく楽しい共同生活は、見ているだけで温かい気持ちになれます。


【オトコ向け度:☆☆☆  】
→こんな設定でも、甘々展開やトキメキMAXな流れにならないのは、男性にとってプラスなんじゃないでしょうか。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→この明るい感じ、いいよね、と。特に何かあるってワケではないのですが、読んでいて非常に心地よいです。


作品DATA
■著者:サカモトミク
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:別冊花とゆめ(平成19年9月号~連載中)
■既刊3巻

■購入する→Amazonbk1

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かくかくしかじか
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レビュー
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びっけ「王国の子」(1)
レビュー
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レビュー
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レビュー
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レビュー
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