このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] 2015.03.16
indensanto.jpg小糸さよ「印伝さんと縁結び」(1)



君と居たら
俺は変わるかもしれん




■平凡な大学生・美山くくりは、ある日突然、京都・名家のカタブツ御曹司・印伝織之助と不思議なご縁で結ばれることに。だけど印伝さんの性格はかなり難があり、結婚や恋愛を仕事のように考えていて……。そんな印伝さんに振り回されっぱなしのくくり。しかし結婚に向けて一緒に過ごすうちに、印伝さんは人の気持ちがわからないのではなく、真面目すぎて不器用なだけだと気づいて……。ピュアな大人の初恋ラブコメ!

 NEXTコミックスをご紹介するのは初めてになりますかね。実は結構単行本も出ており、書店でも平積みされているところをよく見かけるようになりました。本日ご紹介するのは、小糸さよ先生の「印伝さんと縁結び」です。

 物語の舞台となるのは京都。普通の大学生だった彼女はある日、神の使いとかいう謎のウサギを連れた初対面のイケメンから、いきなり(嫌そうに)結婚してくれないかと言われます。いきなり何を言ってるんだと思ったくくりですが、話を聞くとうも彼は京都の名家・印伝家の御曹司とのこと。印伝家は代々縁結びの神を祀って栄えている関係から、ご縁結びの相手は神が選び認めなければならず、くくりがその相手として選ばれたという。突拍子もない話であることに加え、まるで恋愛のことをわかっていない織之助に、不信感ばかりが募るくくりでしたが、ひょんなことから彼の優しい心に触れ、結婚することを決意するのでした。結婚に向けて準備をする二人でしたが、恋愛オンチな織之助とは何かとぶつかり合う事ばかりで、その前途は多難……?というストーリー。


印伝さんと縁結び0001
このうさぎっぽいのが神の遣い。結構使い勝手よさそうなキャラなのですが、後半割といなくなりがちっていう。


 神の使いが認める、、、という設定からもわかる通り、ちょいとファンタジックな要素を織り込んだ世界観となっています。織之助はシャーマンの力を継いでおり、不思議な力を使うことも出来ます。ただそれらはあまり本編においては重要な要素ではなく、1巻読んだ感じでは、ラブイベント起動と二人を強引にくっつけるネタとして使われているぐらいという印象でした。

 では何がメインになるのかというと、恋愛もまともに知らない二人がいきなり結婚をして、後追いで恋を知っていくという初々しい恋愛模様になります。織之助は名家の跡取りで結婚というプレッシャーがあったからか、とにかく形式ばった結婚ありきで、恋愛なんて二の次。それゆえにこの歳までまともに恋愛らしい恋愛をしたことがなく、女性の想いを汲み取れない残念な男という感じになってしまっています。それがくくりと出会うことで、少しずつ変化が見られるわけですが、それがまあ初々しいという。

 くくりも恋愛経験は浅いようで、お互いが恋愛初心者。二人ともそれなりにいい歳なのですが、驚くほどにピュアでプラトニックです。婚約しているにも関わらず、1巻での一つの山場は手をつなぐとかそういうものですから。ちなみに1巻終わった時点でキスすらしてないです。素晴らしい。


印伝さんと縁結び0002
手をつなぎたいというだけでこれです。ピュアピュア。

 投入されるイベントは京都の名家らしい、ちょっと変わったものなのですが、正直あんまり深く語られることもなく、重苦しさがあるものでもなく。やはりどこまでもこの二人のウブさを楽しむ作品なのだな、と。で、全然それで持っちゃうのが良いところ。肩ひじ張らず、素直に楽しむことが出来る良ラブコメだと思います。


【男性へのガイド】
→女性向けのラブコメですが、このピュアっぷりはある意味とっつきやすいかと思います。
【感想まとめ】
→ラブコメ以上でも以下でもない、純度高めのラブコメだと思いました。


作品DATA
■著者:小糸さよ
■出版社:宙出版
■レーベル:NEXT COMICS F
■掲載誌:Next Comic ファースト
■既刊1巻
■価格:619円+税


■試し読み:第1話

スポンサーサイト



カテゴリその他のレーベルコメント (0)トラックバック(0)TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [続刊レビュー] 2015.02.26
1106491320.jpg高野苺「orange」(4)



10年後も待ってるよ
みんなで




■4巻発売しました。
 未来からの手紙は貴子・アズ・萩田にも届いていた。そして、手紙に書かれていた行動と別の選択をして翔と一緒に体育祭のリレーに出場することにした菜穂たち。この選択は翔を救うことにつながるのだろうか?菜穂と翔の距離も近づいていく第4巻―――。


~アクションの2冊目です~
 高野苺先生が集英社を離れて「もうOrangeの続きは読めないんだ……」とあきらめていたのですが、アクションでこうして続きを読める幸せ。アクション自体は女性向けの媒体ではないのですが、もともとの連載誌が女性向けだったので、本作については引き続きレビューをしたいと思います。このマンガがすごい!でもオトコ編としてランクインしているんですよね、これ。


~終わりなんてないという話~
 4巻では、実は全員に未来からの手紙が来ていたということが明らかになり、全員協力体制での翔救出作戦が敢行されます。とにかく翔のことを気にかけて優しく接するその様子は、少しばかり過保護にも映るのですが、これぐらいやらないと精神的に死の淵にいるであろう少年を救うことは出来ないということなのでしょうか。当人からしたら、ちょっと優しすぎる周囲の様子を変に思いそうなものですが、今のところそういった感じは見られず。もしかしたら先々で、何か変だと気づいて問い詰めるみたいなシーンがあるかもしれませんね。実はこの物語は明確なゴールというものがなくて、たとえ手紙に書かれている自殺した日を過ぎたとしても、精神的に病んでいる状況が続いていたとしたら、次の日にでも自殺してしまうかもしれない。未来を知っていたという秘密を守り通さなければならないと同時に、いつまでも気にかけ続けなければならないという大変さをはらんだ行動なのです。


~一番つらいのは須和だろうという話~
 4巻で最も印象に残っていたのは、須和の語りでしょうか。自分が菜穂と結婚した未来を知っていつつも、決してこの世界ではそこにつながる行動=告白はしないというもの。当人からしたら、やっぱりしたいと思うんですよね、告白だって結婚だって。でもそれはしてはいけないし、しないと決めた。で、こんなことを話すんです……

Orange4.jpg
この世界と、手紙を送ってきた世界は直接関係ない


 「未来を変えることはない」というのは、この世界で翔を生かす行動をとることを正当化する理由になるとともに、「菜穂と結婚して幸せな家庭を持っている」という自らの望みを未来の自分に託しているようにも見えるんですよね。諦めというわけではないですが、手紙が未来から過去に想いを託しているのとは逆に、須和だけは逆方向の矢印が飛んでいる感が。自分の想いを殺すか、友達を殺すかの二択ってのは、ちょっと想像するだけでも気が重くなります。


~本当につながっていないのか~
 須和はパラレルワールドの概念を説明し、両者間に直接的な影響はないと話していますが、実際のところはどうなのかわかりません。もし未来を変えることになったとしたら、菜穂と須和の間に生まれた子供がいなくなることになったりしそうなのですが、どうなのでしょう。仮に直接つながっていなかったとしても、生まれるべき命が生まれてこないことになるのですから、難しい問題です。そんな双方のつながりも意識しつつ、5巻を楽しみに待ちたいと思います。


■関連記事
作品紹介→16歳、10年後からの手紙がつなぐキセキ:高野苺「orange」1巻
2巻レビュー→二人分の自分の想いを背負って:高野苺「orange」2巻

カテゴリその他のレーベルコメント (1)トラックバック(0)TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] 2015.02.22
1106490022.jpgKANA「女の友情と筋肉」(1)



ちょっとマッスルだけど
とっても優しい女の子たち




■磨け!女子力と筋肉!
身長195cm握力97kg、身長189cm100M走10秒8、身長186cmソフトボール投げ85M……のちょっぴり?マッスルだけどとっても優しい女の子たち“イオリ、ユイ、マユ”の3人が繰り広げる、頑張るみんなを応援するキュートでファイトな4コマまんが。

 このマンガがすごい!Webの3月オンナ編で2位になっていたのですが、やっぱりこれ「女性向け」って括りになるのですね。星海社は最近頻繁に単行本を出しているのですが、ツイ4と言われるレーベル(?)で作品がたまってきているからですかね。本作「女の友情と筋肉」は書店でもかなり平積みされており、猛プッシュされているのを感じることができます。いや、なかなか衝撃ですからね、表紙から。

 冒頭のあらすじ紹介では、ちょっぴりマッスルだけど……と表現されていますが、読んだ印象としては全く「ちょっと」じゃありません。スポーティでムキムキな、吉田沙保里選手とかそういう系統の女子あるあるなのかと思っていたのですが、むしろイメージ的に近いのはスーパーサイヤ人だったりします。普通に空飛べるし、ビーム出るし。見た目からしてなかなか衝撃的なのですが、当人たちはそれに対して全くコンプレックスは持っておらず、また周囲の面々をそれをひとつの“個性”として受け入れております。繰り出されるネタはそういった世界を前提としたものとなります。


女の友情と筋肉
一番好きなのはユイさんとその彼氏のヒロユキ。安定感と、時折挟まれるオタクネタの使い方のうまさがツボ。


 3人とも社会人として立派に働いており、またいずれも彼氏がいるという。表紙に描かれているイオリはメーカー勤務で、彼氏は浮気っぽい軽めアホの関西人の営業マン。色々と問題を抱えており、揉めがちというカップル像です。一番かわいい系(と思われる)のマユは明るいアパレル店員で、彼氏はパティシエ見習いのマサノブ。マユが尽くすという関係性で、マユの明るさも手伝ってか比較的のろけがちな楽しいカップルというポジション。黒髪美人(と思われる)のユイは商社で事務をやっているっぽい女性で、彼氏はひょろひょろ系のSEさん。お互い自然体で物静かという感じで、いわゆる安定感のあるカップルというポジション。それぞれありがちなカップル像で、ネタの出発点はそういったカップルにありがちな出来事になります。で、最後に筋肉ネタで落とすという偉大なるワンパターン。

 正直出オチなんですけれども、その圧倒的なパワー(色々な意味で)で最後まで突っ走ります。ネタの起点が未婚社会人の日常って所なので、意外と話題に事欠くことはなく、オチにたどり着くまでは様々なアプローチが可能という強みももしかしたらあるのかもしれませんね。別に読んでいて爆笑するかとか、感動するかとかそういうこともないんですけれど、なんか読んでしまうっていう。でこのインパクトですから、すごい頭にこびりつくんですよね。ちょっと前に読んだ作品の内容すら思い出せないこともしばしばなのですが、おそらく本作のことは全然忘れることないんだろうなと思います。

 
【男性へのガイド】
→これがど真ん中って人はいるのか?ちょっと異質すぎて判断に困る所です。
【感想まとめ】
→先にも書いている通り爆笑するとかはないんですけど、読んでしまうし印象に残るし、やっぱりちょっと笑ってしまうという。サイトで色々読めるようですので、そちらをご覧になっては如何でしょうか?



作品DATA
■著者:KANA
■出版社:星海社
■レーベル:星海社COMICS
■掲載誌:ツイ4
■既刊1巻
■価格:640円+税


■試し読み:第1話

カテゴリその他のレーベルコメント (0)トラックバック(0)TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] [BL] 2015.02.14
1106492691.jpgチョコドーナツ「ネコにさよなら」



……だけど
いい人だ




■捨てられた白いネコと、振られたばかりのサラリーマン。気まぐれに拾ったら、なんと人間に変身!?美少年(ネコ)の飼い主探しに協力するため、2人暮らしが始まった。泣き笑い癒され傷つき、シーソーのように揺れる気持ちが、生物の壁をこえた絆を築いてゆく……。

 本作はライトなBL要素をふくんだ、猫と人間の絆を描いた感動もの。主人公はいつも外面を気にしつつも、それが仇となってか「いい人」認定されてよく女性にフラれてきたサラリーマン・赤井。今回も「いい人だけど…」とフラれ公園で落ち込んでいたところ、一匹の白い捨て猫を見つけます。弱った心に響くところがあったのか、拾って帰ったのですが、なんと翌日その猫が人間の姿に…!何が起こったかわからない中、その猫・シロの話を聞くと、飼い主を探しているとのこと。これも何かの縁と、少しの間飼い主さがしを手伝ってあげることに。一緒に暮らすことで、だんだんと自分の中でシロの存在が大きくなってくる赤井ですが…というお話。


ネコにさよなら
突然ネコになったり、BL要素絡みつつとか、色々と特殊要素はあるのですが、泣かし方はかなり真っ当。序盤こそ同居もののドタバタコメディという感じですが、物語が進むにつれ、ストレートに感動できるように。


 ネコのシロは姿こそ美青年/美少年ですが、中身はかなりのわがままな子供という感じ。人懐っこく甘えてくるのですが、その可愛さに赤井もやられ、なんだか妙にドキドキするようになります。ドキドキする対象は男である上に猫…種別も性別も越えた想いということで、かなり特殊でクセの強い作品のように思われるかもしれません。けれどもいわゆるBL要素は薄めで、強く描かれるのは飼い主と猫の信頼関係・絆といった、より根源的な感情です。イメージ的には子供向けのアニメとかに近いかな、と。根となっている所(感動の源泉となる部分)が比較的ベタであることに由来しているのかも。ラストのシロの語りなんか、なかなか泣かせるんですよ。

 主人公の赤井は「絵にかいたいい人」ではなく、時に自分の感情を優先させてしまう人間臭いところのある人物です。詰まるところ、フツーという。シロは逆に「ネコはあんまり手がかからない」というイメージとは遠く、めちゃくちゃ手のかかる子って感じ。ネコを買ったことがないのでわからないのですが、感覚的にはここで描かれている内容に近い感じなんでしょうか。

 バレンタインデーということで、何かチョコレート物件を…と思っていたのですが、「失恋ショコラティエ」でド定番で行くよりも、ちょっとひねってこんな作品をお届けしてみました。作者さんがチョコドーナツ先生なので、いいかな、と。本作はふゅーじょんぷろだくとのCOMIC Beという雑誌で連載されていた作品です。BL作品も多数含んだ女性向けの雑誌で一般的にはかなりマイナーなのですが、最近は「魔法少女 俺」がヒットし、書店で平積みされているところをよく見かけます。本作も書店いくつか回ってみたのですが、大型書店でようやく発見できる程度。もっと読まれてほしいなぁなんて思う一作でした。 


【男性へのガイド】
→BL要素がありますので、ややハードルは高めかと思います。BL比で言ったらかなりライトなので、とっつきやすいかとは思いますが。
【感想まとめ】
→割とド直球の感動もので、そういう作品を欲している方にはうってつけなんじゃないかと思います。2人の小さな世界で織りなす、優しい物語です。



作品DATA
■著者:チョコドーナツ
■出版社:ふゅーじょんぷろだくと
■レーベル:Be Comics
■掲載誌:Comic Be
■全1巻
■価格:675円+税


■試し読み:第1話~3話(pixiv)

カテゴリその他のレーベルコメント (0)トラックバック(0)TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] 2013.11.18
1106318687.jpg野崎ふみこ「ホテルはメイドでできている」(1)


今のあんたに必要なのって
「目標」なんじゃない?



■垣屋多恵、32歳。バツイチ、子供なし。寿退社後、2年で離婚し実家へ出戻り。親が働けとうるさいので、とりあえずアパートでホテルの客室係・ルームメイドとして働き出す。けれどもそこは、彼女が想像もしていなかった世界が…!迷惑なお客様、うるさい同僚のおばさん達に囲まれて、毎日大騒ぎ!目指すは掃除のスペシャリスト!ホテルの縁の下の力持ち!!

 「ホスピめし」(→レビュー)の野崎ふみこ先生の新連載になります。前作は病院食というテーマ性の強い作品となっていましたが、本作も変わったテーマのお仕事もの。今回スポットが当てられるのは、ホテルの部屋の掃除などをする、ルームメイドさんのお話です。確かにホテルを利用はするものの、その世界というのは良く知りません。チェックアウトの時間になると、リネン室あたりでおばさんたちがイソイソと動いているのを目にする程度です。彼女達がどのような勤務体系で、どのような仕事をして、どのようなことを考えているのか。32歳でこの世界に飛び込んだヒロイン・垣屋多恵の視点を通して、描き出して行きます。


ホテルはメイドでできている
ヒロインは32歳ではあるのですが、この世界ではかなり若い方。メインを構成するのは、還暦前後の叔母さん達。若い子は、入ってはくるもののなかなか定着しません。というのも非常にハードな職場であり、また試用期間が半年とやや長め。試用期間が終わってやっと歩合制(1部屋いくらという形)になるのですが、それはでは時給800円と、そこに辿り着くまでに多くが振り落とされます。またおばさん達のいじりにも耐えないといけないというのが、なかなか大変なよう。ヒロインはそんな中、持ち前の心の強さでおばさん達と対等に張り合い、段々とスキルを身につけて行きます。元々掃除も好きだったようで、慣れてくればキツいものの、辛くはないようです。


 ルームメイドの仕事だけではなかなか物語に変化は生まれません。物語を彩り動かすのは、ホテルに訪れる様々なお客さんたち。メイド達の働きぶりによって、泊まる客の満足度は変化しますが、同様に部屋をどのように使われたかで、ルームメイド達のモチベーションも変化、それに一喜一憂するという関係があります。ホテルには本当に様々な人が泊まり、そして時折問題を起こします。ホテルで自殺を図る者、受験生の息子について来た神経質な親、そして別れ話をする男とその愛人。そんなお客たちの問題を、ヒロインが様々な形で相対し心を溶かします。部屋の掃除だけでなく、対話を通した心の掃除・心の整理までするというのが、この物語のイメージといか、やり方。


ホテルはメイドで出来ている1−2
 ヒロインがこうも問題のあるお客さんの心をとらえてしまうのは、彼女自身が色々と経験をし、問題を抱えていたから。バツイチというのは珍しくもないですが、その背景にあるのは、最愛の子供を幼くして亡くしたことから。彼女自身、もちろん出来上がった完全な人間ではありません。けれども苦しみも悲しみも人一倍経験しているからこそわかる事というものもあり、時にそれらを包み隠さずぶつけ、時にその経験から優しく包みこむ。言葉にも説得力があります。

 
 お仕事ものではあるものの、そこには多種多様の人間ドラマが描かれており、タイトルから受けるほど一辺倒な展開とはなっていません。いや、ここまでするのがルームメイドかって言われたらそうではないのですが、でもこういうドラマがあった方が俄然読みやすいし面白いよねっていう。いや、想像していたよりも面白くてビックリでした。


【男性へのガイド】
→ヒロインの年齢層の女性が楽しむ感の強い作品ですが(当たり前ですが)、こういった人間ドラマがお好きな方も一定数いるのでは。ドロドロのないお仕事もの昼ドラ的な。
【感想まとめ】
→何気に良い話で読み込んでしまいました。ヒロインが魅力的というのが一つあるのですが、2巻に行っても全然だれなそうで、何気に続きが気になります。


作品DATA
■著者:野崎ふみこ
■出版社:双葉社
■レーベル:JOUR COMICS
■掲載誌:JOURすてきな主婦たち
■既刊1巻
■価格:619円+税


試し読み

カテゴリその他のレーベルコメント (0)トラックバック(0)TOP▲
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。