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Tag [新作レビュー] 2015.02.24
1106442683.jpgシナガワ「俺の作ったゲ―ム、クソだってよ。」



デートしたければ投獄に気を付けてください
投獄に気を付けてください




■あっ、これクソゲーだ。
 ゲーム業界で彼らの名を知らないものはいなかった。天才ディレクター率いる彼ら最強開発チーム「チームナイン」。彼らが世に送り出す作品は……筋金入りのクソゲーばかりだった!!

 ゼロサムオンラインで連載されていた、シナガワ先生の作品です。私もゲームはやるのですが、比較的メジャーな作品をちょっとかじるくらいで、たぶん習熟度的には矢口真里さんぐらいのレベルだと思います。とはいえクソゲーの情報を見るのは好きで、毎年ネットを賑やかすクソゲーオブザイヤーの発表は楽しみだったり。すっかり「クソゲー」という存在も言葉もメジャーになっていますが、本作はそんな「クソゲー」の制作についてスポットを当てた作品となっています。

 舞台となるのは「チームナイン」という制作会社。ドラクエや妖怪ウォッチなどを手がけているレベルファイブを意識したネーミングでしょうか。優柔不断でアホなディレクターを筆頭に、残念な面々が送り出すのは、間違いのないクソゲーたち。しかも男だらけの制作陣で、BLゲーという領域で勝負をしています。今日も今日とて売れるゲームを作るために奮闘するスタッフたちなのですが…というお話。


俺の作ったゲーム、クソだってよ。0001
残念な要素は枚挙に暇がなく、作画にストーリー、システムに至るまで様々。


 作中では度々、世に送りだされたゲームを購入者がプレーしてツッコミを入れるという話が挿入されてくるのですが、個人的にはそちらがお気に入り。恐らくインスパイア元にもなっているんでしょうが、同人ゲーム的にありそうなネタが多々。BLゲーでツッコミどころ満載という所で言えば「学園ハンサム」が有名ですが、おそらくインスパイア元の一つとなっていると思われます。

 メインはゲーム制作日誌的な所にあるのですが、変なキャラが変に動いているだけでゲームは全く作っている感が見えないという。キャラ達がそれぞれ個性的でぶっ飛んでいたり、各ストーリーに一貫性がなくとっちらかった印象を受けるのですが、それはある意味でこの作品自体が狙った同人クソゲー的な作りとなっているからで、どこかメタ的な風合いを感じることができます。


俺の作ったゲーム、クソだってよ。0002
どのキャラもいまいちピンとこなかったのですが、事務兼カスタマーサポートのマリさんは素敵です。チームナイン制作のゲームに登場する不知火というキャラに相当に入れ込んでおり、同人活動までしているのですが、興味のない人に対しての冷たさが本当に素敵でした。彼女のネタだけ同人方面に飛ぶのも面白いところ。


【男性へのガイド】
→ネタ的にはBLゲーと言えど大丈夫かと思うのですが、いわゆる「狙ってやってるクソゲー」を楽しめるかってのがポイントになるかもです。
【感想まとめ】
→作品としてのまとまりは一切ないんですが、ところどころツボになるネタがあり、結構けらけら笑いながら読んでいました。


作品DATA
■著者:シナガワ
■出版社:一迅社
■レーベル:ゼロサム
■掲載誌:ゼロサム
■全1巻
■価格:600円+税


■試し読み:第1話(pixiv)

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2015.02.05
1106482003.jpg冬芽沙也「最果てのアオ」(1)



約束だよ
必ずまた
会いに行くよ




■サイハテと呼ばれた地にある調査機関「スフィア」。そこには養成学校があり、ブルーチルドレンと呼ばれる子供たちを育成していた。彼らは、特殊能力を植え付けられた子供たち……。しかし、その施設は3年前、爆発事故を起こし、その姿を失った……。

 冬芽沙也先生の2冊目の単行本です。「最果てのアオ」ってタイトル、なんか聞き覚えがあるなと思って考えていたら、「死にぞこないの青」が出てきました。全然似てなかったです。さてそんな話はさておき、内容をご紹介しましょう。主人公のハルは、3年前に事故によって記憶を無くし、今は元警察官の青年・霧生に引き取られ日々を送っている学生。楽しい友達たちに囲まれ、思い出せない過去は気になりつつも楽しく生きていました。そんな彼の日常が変わったのは、社会科見学で“サイハテ”と呼ばれる地を訪れてから。サイハテにある特殊調査機関「スフィア」の跡地に既視感を覚えたハルは、その夜得体の知れない何かに襲われ、見知らぬ少年に助けられる。混乱している中ハルは、自分がスフィアで秘密裏に育成された子供であり、死なない身体の持ち主であることを聞かされる……というあらまし。


最果てのアオ0002
突如襲われ、わからぬままに守られたハル。この夜を境に、一気にハルの日常は変わっていくことになる。


 ゼロサム(本作はWARDですが)らしいファンタジー作品です。物語背景をざっくりとまとめると、調査機関「スフィア」という怪しげな組織が秘密裏に優れた資質(特殊能力:ブルー)を持つ子供たちを生み出し育成していたものの、3年前に証拠隠滅(?)のために建物もろとも組織は解体。主人公であるハルはその子供で、何やら大きな秘密を握っている模様。当然そんな彼は様々な者から狙われるワケですが、一方彼を守ろうとする者たちもいます。それが彼の保護者である霧生であり、クラスメイトに扮して彼を見守る、スフィアで育った子供であり。またこの世界は厳密に区域分けされ、ハルたちが暮らしているのはいわゆる富裕階層。その近くには貧困層が住む地域があるものの、決して出入りは出来ないようになっているのですが、その辺りもスフィアの設立背景と絡みがあるようで、おいおい明らかになって来そうです。こうした舞台背景からもわかる通り、いわゆるディストピアものの要素を多分に含んだ物語設定で、個人的には大好物の部類。コミカライズ作品ではありますが「No.6」(→レビュー)が完結してしまった中で、本作が登場してきたのはまさに日照りに雨とでも言いましょうか。

 先述したハルを守ってくれる同級生は2人。一人はぶっきらぼうでいかにも不器用という感じの男の子・冬馬。もう一人は女の子で、独特の性格の持ち主である螢。男子の友情的なパートは冬馬との絡みで補給し、男女のアレコレは螢との絡みから、と少ないながらも抜かりない配置。螢に関しては物語途中から同居することになるので、これは色々とイベントを期待できそうです。


最果てのアオ0001
 この螢がなかなかの変わり者で、ハルへの思いの強さは人一倍。ただそれが恋愛感情かというとそうではなく、執着とか信奉とか、そういう類の感情のような印象が強いです。


 ゼロサムに限らずこの手のファンタジー作品でありがちなのが、序盤にあれこれ登場人物や特殊設定を投入しすぎた結果、読者に不親切な内容になり振り落とされてしまうというパターン。そんな中で本作は、比較的一般的(細かい説明不要)な中二要素・ワードで背景を構成しているからか、無理なく物語を説明・展開できている感があり、読者がついていきやすい部類に入るのではないかと思っています。あくまでゼロサム比ですけれども。あとは広げた風呂敷を無理なくたためるか(=ある程度連載が続くか)が鍵となりそうですが、そこは祈るのみ…と。

 
【男性へのガイド】
→絵的には女性向けの耽美な風合いは少なからずあるため、そこが一つハードルになるでしょうか。物語自体は中二好きしそうなファンタジー作品ですので、男女というよりもむしろそういうのが好きか否かかな、と。
【感想まとめ】
→非常に好きな設定の作品なので、是非とも続いてほしいところです。面白かったです。



作品DATA
■著者:冬芽沙也
■出版社:一迅社
■レーベル:ゼロサム
■掲載誌:ゼロサムWARD
■既刊1巻
■価格:580円+税


■試し読み:第1話(Pixiv)

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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2014.02.23
1106359444.jpg君塚祥「ホムンクルスの娘」1巻


しっかり守ってくれたまえ


■震災からの復興も進まず、景気は悪い。食うにも困る人々は宗教にも縋る。そんな昭和初期の日本。ごろつきの青年・九二郎は、ひょんなことから第11帝国陸軍技術部研究所特務・洩矢機関所属の軍人として召し上げられる。そして、無理矢理宗教施設へ潜入捜査を命じられ、神秘的な美少女、月子と出会い……。昭和初期の帝都を駆け抜ける超能力×オカルトサスペンス、堂々開幕!!

 君塚祥先生の、これは初単行本ですかね?ゼロサムオンラインにて連載されているファンタジー作品になります。物語の舞台は、昭和初期の日本。震災の後、復興もままならない日本の帝都で、親も無くごろつきをしている二十歳の青年・九二郎がこの物語の主人公になります。徴兵検査でひと暴れして、もちろん不合格だろうと思っていたら、何やら怪しげな場所へと連行され、軍人として登用されることを告げられます。彼が所属することになったのは、第11帝国陸軍技術部研究所特務・洩矢機関…国内の“呪物”と呼ばれるオカルト的なものを集め軍需利用を目指す、一風変わった部隊。彼の任務は、国中から呪物を探し出し、回収すること。手始めに、新興宗教への潜入捜査をすることになった九二郎ですが…というお話。
 

ホムンクルスの娘1-1
ここまでのあらすじ紹介だとあまりファンタジックな要素は少なそうに見えるかもしれませんが、結構盛りだくさんですから。それがあらわになるのは、初っぱなの宗教施設への潜入で超能力者の人造人間である美少女・月子を助け出すことから。以降、この超能力者の月子を守るという命が課せられ、彼女とコンビで呪物を探すことに。


 部隊の仲間には、超能力者や異形のものもおり、さらに敵もそういった類いの人間が多数と、中盤以降一気に超人祭りの様相を呈してきます。昭和初期と、文献的にも文化的にも怪しげなものがまだまだ残っていた混沌の時代背景もあり、そういったものと雰囲気的にも上手くマッチするのですよ。超人類的な能力者たちのバトルというところで、イメージ的に一番近いのはドラマの「SPEC」あたりでしょうか。


ホムンクルスの娘1-2
能力者たちが多くいる中で、主人公は実に普通の人間。月子といることで超能力が発現することもありますが、それは稀。気さくなキャラクターで非常に親しみやすいです。また見ため的には軍服ということから、そういった要素がお好きな方にはたまらないのでは。またパートナーの月子も猫耳チックな髪の毛に僕っ子となかなかツボを押さえているキャラでございます。


 物語は基本的に呪物の回収をベースに進む、数話完結型の進行ではあるのですが、どうもその先に国家転覆を目論むような大きな組織がいるようで、物語の進行とともに物語の枠組みは広がりを見せていきます。一応こちら側も国家の後ろ盾がありますから、拡げようと思えばいくらでもスケールを拡げられそうな設定。とはいえ、ゼロサムオンラインで長期連載…ということもあまり考え難く、人知れず戦い人知れず平和が訪れるような、あるべき枠に落ち着くんじゃないかな、という予感もあります。
 
 物語の進行とともに枠・人物を拡げていくサイジング調整は絶妙。また物語も割と整然として一本筋が通っており、読みやすいです。絵も綺麗でキャラも立っているため、本当にデビュー単行本なのかと思ってしまうような出来映え。ちょいと良い掘り出し物を見つけた感覚がありました。この作品自身がウケるかはわかりませんが、なんとか定着して欲しいですね。


【男性へのガイド】
→主人公は男性で、つれない僕っ子を相手にした物語と、そこそこ取っつきやすい下地はあるのではないかと思っています。
【感想まとめ】
→絵柄、ストーリー、設定、それぞれ手堅く、デビュー単行本っぽくない感じが。作品共々、ちょっと覚えておきたい漫画家さんです。


作品DATA
■著者:君塚祥
■出版社:一迅社
■レーベル:ゼロサムコミックス
■掲載誌:ゼロサムオンライン
■既刊1巻
■価格:590円+税


■試し読み:第1話【PC】スマホ/タブレット

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Tag [続刊レビュー] 2013.09.04
作品紹介→まったりゆるやかな平安コメディ!:D.キッサン「千歳ヲチコチ」1巻
3巻レビュー→ゆったりまったり面白い:D・キッサン「千歳ヲチコチ」3巻



1106306832.jpgD.キッサン「千歳ヲチコチ」4巻


あ 変態か!


■4巻発売しました。
 時は千の昔、平安時代。強い気持ちや強い想いは、世界を動かすこともある、と言う。亨とチコ、未だ出会わぬ二人だが、過去最高に近づく出来事が…。陰陽道が日常的な平安の世で、色々巻き込まれ気味の二人の日々、覗いて見ましょう!
 

〜4巻ですが、こんなお話でした。〜
 4巻発売しております。今回はちょっと今までとは違って、真面目…いや、真剣なお話が多かったかなという印象。悪ふざけ成分が抑えられ、シリアスなバトルシーンが大増量でした。段々と物語の核心に迫り、緊迫感が増しているのでしょうか…って実はお話的には対して進んでおらず。ただ真剣だったってのは本当。ちなみにどんな感じのお話だったかというと…


千歳ヲチコチ4−1
要約


 盛りまくりでございます。イケメンながらドMでマザコンで陰陽師で、挙げ句愛が強すぎて対象(典待様)を年末に拉致るという暴走っぷり(ヤンデレ)。そんでもって少年ってんですから、変態っぷりが際立ちます。この彼が、暴走に暴走を重ねて終わった4巻。一人の変態のために丸々使ってしまう、この読み終わりの疲労感といったらなかったです(笑)

 今回バトルフィールドになったのは、なんとチコの屋敷。当然、屋敷の面々も戦いに加わるわけでございます。そしてそんな非常事態にも、案外みんな冷静という。そして何よりブレなかったのが、長山さんです。イケメン相手ということで、ちょいと苦戦するのかと思いきや…
 

千歳ヲチコチ4-1
この清々しさ


 さすがです、この清々しさ。典侍もブレない方ですが、やはり長山さんと比べると、俄然長山さんがすごい。今回も最後しっかり少年達に夢中になるというオチもつけてくだすって、最高です。


〜踏み込み切らないギリギリ感が良い〜
 さて、今回は変態に振り回されるだけの巻と相成ってしまったわけですが、そんな中ちょっとだけ、チコと亨の間に進展がありました。この変態(そういえばキャラ名すら言ってないな。まあいいか。)がチコの屋敷に乗り込んだおかげで、亨たち一行が止めに入るわけですね。そこでニアミス、と。しかもガッツリ会うんじゃなくて、御簾越しってのが憎い。前回もそうでしたが、お互い意識させつつも、顔は合わせないのが良いです。何気に文をやりとりして、御簾越しに出会うって、平安貴族の恋愛様式そのまんまなんですよね。どちらもハプニング的ではあるものの、結果的にちゃんとステップを踏んでいるっていう。良い演出です。さてさて、そろそろもう一歩進展があっても良さそうなもの。作中では新年を迎えましたが、これを機に、何か一つ大きく状況が動くようなイベントが起きて欲しいものです。


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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2013.08.06
1106299198.jpg乙ひより「お友達からはじめましょう。」1巻



好きな人…
なのかな〜?



■美少女だが他人と触れあうことが苦手な明。中学時代もささいなトラブルから、友達と疎遠になってしまい、高校生にもなってうまく周囲に溶け込めない。そんな時、のびのびと自分らしく生きている少女・千鶴に出会って…!?一緒に笑って、一緒に泣けるともだちがほしい、まったり青春グラフィティ、開幕です。

 乙ひより先生が描く、友達づくりに悩むゆったり青春グラフィティでございます。乙ひより先生は、主に百合姫で百合を描かれていた先生。そして今回、同じ一迅社であるゼロサムWARDにて、ノーマル(なのか?)作品を描いたものが本作になります。
 
 物語の主人公は、美少女でありながら人付き合いが苦手な女の子・明。その可愛らしさが仇となったのか、恋愛のいざこざに巻き込まれ、以来人と触れあうのに若干の恐怖感を覚えるようになっていたのでした。心機一転、高校に入学し友達を作ろうとしても、友達の作り方がわからない。そんな戸惑いの中、歯に衣着せぬ言動でのびのびと生きているクラスメイト・千鶴に出会い、友達づくりのきっかけを得るのですが…。というお話。


お友達からはじめましょう1−1
一瞬止まる、このペース。結構真面目に悩んでいるのに、シリアスになりきらずゆったりしているのは、こういう転がし方をするからなのでしょう。


 一迅社ゼロサムでは非常に珍しい、非ファンタジー作品。一迅社で非ファンタジーというと、どうしてもギャグ枠の印象が強いのですが、本作はコメディにはカテゴライズされることはあれど、決してギャグになどカテゴライズされない、ゆったり日常系のお話でございます。端的に言えば、異色です。たとえばたし先生などは非ファンタジーの真面目系になるのですが、あちらは描きおろしなので、普通に連載だった本作は、本誌で結構浮いていたのでは、と予想。ま、単行本ではそんなこと関係ないので、全然気にならないのですが。
 
 さて物語ですが、とにかく日常が続いていく内容。ただ、同じ時間がループしているような類いではなくて、ちゃんと主人公たちは悩んでいて、友達付き合いを通して人間関係を醸成し、絆を深め成長しているという、ゆったりとした中にも動きはあります。というか、主人公はかなり真剣に友達付き合いのことを考えていて、それとは裏腹に驚くほどゆるい空気感なのがかわいそうでもあり、ツボでもあります。友達と一緒に帰る、友達を遊びに誘う、友達と遊ぶ、その一つ一つがチャレンジであり、新鮮な出来事。一つ一つクリアし、気がつけば仲が深まっているその様子は、非常に微笑ましい光景で、都度ほっこりしてしまいます。恋愛要素は今のところほぼなく、友情に絞った展開。元々百合系のお話を描いておられたので、そこでも強みをしっかりと活かせているのかもしれません。
 

お友達からはじめましょう1−2
 また明のお話と同時並行的に、彼女の双子の弟であるハルの物語も描かれます。こちらは明とは打って変わって社交性に溢れるキャラクターなのですが、怪我によりサッカーを断念したという過去があり、新たな“熱中出来るもの”作りに向けた試みが、物語の軸となります。そしてその過程で、友達達が大きく関わってくるという。二人は通う高校は全く別ではあるのですが、仲よくなるメンバー同士が付き合っているため、ゆくゆくは絡みもあるかも。
 

 ゆったりとした日常的な空気感を味わいつつも、物語が進行し各人が成長する様子も楽しめるという、一度で二度美味しい物語なっています。良いところで外してくる感覚もツボで、面白かったです。オススメで。



【男性へのガイド】
→日常系なので、ゼロサムで言えばかなり読みやすい部類かと思います。友情ベースのまったり青春グラフィティ、そんな作品がお好きな方は是非。
【感想まとめ】
→独特の風合いをどう形容したら良いものか、説明し辛いのですが、面白かったのですよ。読み疲れないし、それでいてちゃんと残るものもあるしで、癒されました。


作品DATA
■著者:乙ひより
■出版社:一迅社
■レーベル:ゼロサムコミクス
■掲載誌:ZEROSUM WARD
■既刊1巻
■価格:552円+税


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