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Tag [オススメ] [名作ライブラリ] 2010.07.11
07195881.jpg高宮智「フルムーンジョーカー」


だから
伝わってるからわかるじゃなくて
ちゃんと声に出して聞かなきゃ



■雪原睦月は満月学園に通う高校1年生。勉強が苦手で、遅刻の常習犯の睦月が持つのは、「人の心がわかってしまう」という変わった能力。そんな彼女がある日出会ったのは、電車で隣に座った男の子。寝顔のかわいらしさに一目で心奪われた睦月は、その後学校で思わぬ形でその男の子と再会することに。これってもしや運命の出会い…!?いやいや、現実はそう自分に優しく出来ていません。気がつけば、ワケの分からないことに巻き込まれていて…!?

 高宮先生の9冊目の作品。今はなき「ちゅちゅ」での連載作でございます。ヒロインは、ちょっとバカで勉強ができない、残念な女子高生の雪原睦月。先生から怒られてばかりの彼女ですが、ちょっと他の人には無い能力が。それが、「人の心がわかってしまう」というもの。その能力を、彼女は決して好意的に捉えてはいませんでしたが、その能力を持つが故に、とある出来事に巻き込まれることになります。電車で一度隣になり、以来気になっていた生徒会長・望月栄と放課後の校舎内で偶然再会、その時に彼女のその能力が必要になったのです。生徒会長を筆頭に生徒会をあげて取り組んでいたのは、「カード」の回収。心の弱っている者につくというその「カード」は、見かけはただのトランプのジョーカーだけれど、持ち主の精神を崩壊し乗っ取ってしまうという恐ろしいもの。そのカードの持ち主と、カードの在り処を突き止めるのに、睦月のその能力は役に立つのです。


高宮智「フルムーンジョーカー」
猫耳が生えた状況で、「自動コスプレ装置?」という発想。基本的におバカで、緊張感がない。


 表紙にてメインの二人が動物耳(猫耳に見えますが、狼の耳)になっているのは、カードの回収において、特に重要となる者に与えられる道具の副作用みたいなもの。生徒会長の栄は、カードを持ち主から離れさせる「狼の爪」を、睦月には、カードの在り処を突き止める「狼の耳」をそれぞれ持ちます。そんな設定を軸に、傍若無人で素直じゃない会長と、アホで要領の悪い睦月がの凸凹コンビが、学園をところ狭しと駆け回ります。
 
 カードの正体は何なのかなどは一切語られないなど、設定の甘さはご愛嬌。他の作品もそうですが、高宮作品の魅力は、そのキャラクターたちにあります。今回のヒロインは、高宮作品のヒロインの中でも鉄板な、アホ子。ただし気の強さや行動力の高さはそれほどなく、どちらかというと抜けた感じの性格。ゆえに癒し効果はは抜群で、核は同じであるもまた他の作品のヒロインとは違った魅力を見せてくれています。高宮作品のアホ子は、基本的にアホな部分がブラスに働いているから良いですよね。思わぬハプニングを持ち込み、どん底にまで落ち込むレベルにまで思い悩む思考回路を持っていないという。また相手役もまた、鉄板である俺様タイプ。つまり鉄板同士の組み合わせなわけで、どう考えても崩れるなんてありえないってことですよ。
 
 設定は甘めも、ストーリー自体はなかなか。破綻の方向に向かうことはなく、ヒロインの能力を出発点に、まとめもそこに絡めて、ヒロイン自身の成長を描くという、1巻完結のものとしては実にキレイなまとめ方。恋愛は低年齢向けのちゅちゅということで、微笑ましくどちらかというとライトなかけ合いが多め。移籍先でもぜひこのような作風の作品を生み出し続けてほしいものです。
 

【男性へのガイド】
→キャラの可愛さは折り紙付き。ちょっとアホな子がスキな方は、ぜひぜひ。物語の設定は甘めなので、その辺は覚悟の上でお願いします。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→鉄板の組み合わせ。かわいらしさに加え、ストーリー的にもキレイにまとめてあって、読みやすいです。設定が設定だけに、ちょっと物語としては薄めですが、そもそもそこを期待したらいかんわけで。


■作者他作品レビュー
ちゅちゅでの最後の作品を収録した、高宮智ファンには堪らない一冊:高宮智「S×M」
高宮智「ソラオト」
高宮智「わたしのおくすり」
高宮智「今宵音降る空の下」
高宮智「HEAVEN’SWILL」

作品DATA
■著者:高宮智
■出版社:小学館
■レーベル:ちゅちゅコミックス
■掲載誌:ChuChui(年月号~)
■全1巻
■価格:390円+税


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Tag [続刊レビュー] 2010.04.10
作品紹介→ *新作レビュー*中嶋ゆか「わらってヒミコさん」
2巻レビュー→かわいいライバルの登場と、素敵な脇役・深司について少々…《続刊レビュー》「わらってヒミコさん」2巻



中嶋ゆか中嶋ゆか「わらってヒミコさん」(3)


今度はオレががんばるって決めたから
もー逃げない!



■3巻発売、完結しました。
 悠に想いを告げたものの、フラレてしまったヒミコさん。けれどそう簡単に「スキ」という気持ちは消すことができず、未だに気持ちを引きずったままでいた。そんな傷心の彼女を励ましたのは、友達の深司。そして、もう一度恋をがんばろうと決めたヒミコさんだったけど、ライバルの風香は相変わらず手強く、悠ともギクシャクしたまま…。果たしてヒミコさんの恋の行く末は…!?


~完結しました~
 完結です。ちゅちゅ休刊とともに完結に至りましたが、もっと見たかったような気も。しかしラストは本当に良かった。最後まで読んで、「このタイミングでのラストが一番だったんだろうな」という想いに包まれました。


~ヒミコさんだからこそ許される告白~
 3巻で特に印象に残ったのは、好きだという気持ちを自覚し、それぞれ想いを伝えようと決意したあとのこのシーン…


わらってヒミコさん私のこと好きなの…!?

 
 ヒミコさんからの告白。最近の少女漫画はヒロインから告白するというパターンが定着してきていますが(「自分の想いを伝えてこそ」という部分があるのだと勝手に解釈しています)、こういう形での告白は珍しいな、と。「私のこと好きなの?」ですよ。普通だったら、たとえそれが本当だとしても「何言ってんだお前」みたいな空気になりかねません。風香がやったらとんでもなく鼻につきますよ。また普通の子がやったとしても、恥ずかしいし不格好だし、どこか滑稽ですらあります。けれどこの告白、ヒミコさんがやるとなんだかとってもしっくりくるというか、素敵に映りませんかね?これ以上ないってくらい、ヒミコさんらしいというか。これは、はじめから特異な存在として認知されているからこそ成立する、至高の告白なんじゃないでしょうか。すなわり、不器用で色モノの彼女だけに許された特権。色モノキャラだからこそ許される告白というものの良さを、この作品を通して改めて知ることができたように思います。


~しっかりと将来を提示してくれるラスト~ 
 ラストについても語りたいのですが、ここまでいくと完全なネタバレになってしまうので我慢します。とりあえず、先を各々に想像させる終わりかたももちろん素敵なのですが、二人の将来を一つの形として提示してくれるというのは、前者にはない安心感のようなものが感じられて大好きなんです…ということですよ。最初から最後まで、少女漫画として駆け抜けたこの作品に拍手をおくりたいですね。本当に素敵な作品をありがとうございました!


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Tag [続刊レビュー] 2010.04.06
作品紹介→やぶうち優「初恋指南」



hatsukoisinan.jpgやぶうち優「初恋指南」(4)


油断したらうっかり言っちゃいそうだから
心の中でだけ言わせて
「好き」ー…



■4巻発売、完結しました。
 賢人のことを忘れられず、新見に別れを切り出した南央。新見はみんなにそれを言わないという条件で受け入れてくれた。一方賢人は南央への気持ちを断ち切れず、ついに美柚との決別を決意、彼女の元を離れる。これからは恋ではなく、仕事一本に決めた南央だけど、どうしても賢人のことが頭から離れない。さらに彼女の前には、新たなライバルが!?


~漫画家漫画だけでなく、少女漫画としてもしっかり完結~
 完結しました。全4巻。連載誌の休刊ということでやむなく終えたはずなのですが、そんな様子は微塵も感じさせず、しっかりと形にしてきました。3巻まではどちらかというと、漫画家漫画としての魅力が勝っていたように思えたのですが、4巻に関して言えばむしろ恋愛漫画。漫画家漫画と恋愛漫画、この二つをしっかりと両立し、改めて先生のレベルの高さを思い知らされました。恐らくですが、3巻までは恋愛面での成長よりも、漫画家としての成長が勝っていたのかな、と。ゆえにそちらの印象が強く残っていたのかもしれません。また最後は少女漫画として恋愛を完成。それに対して漫画家としては成長途上で終わっているので、最後の印象は恋愛が勝るといった感じ。特に最後は反則でしょ。ああいう妄想は誰だってしますが、まさか本当に使ってくるとは思ってもみませんでした(笑)


~4巻の金言~
 様々な金言を残しているこの作品ですが、今回印象に残ったのは玉敷さんが残したこの言葉。
 
 大賞とって華々しくデビューした人ほど、その後あまり変化がない感じ
 逆に銀賞とかで地味にデビューした人のほうが、後々息の長い連載作家になることが多い

  この真偽のほどはわかりませんが、確かに一理あるような気がします。そんなやぶうち優先生は、ちゃおまんがスクールのホープ賞…。ってどのくらいの位置なんですか?今はホープ賞というのはないので、その位置がわかりません。これがわかれば本田南央=やぶうち優説が立証されたのに…なんて、これ以外にもそこかしこに、やぶうち先生がヒロインに投影されている証を見つけることができます。


~ヒロイン・本田南央に映し出されるやぶうち優の姿~
 まずは南央の初連載作品のタイトルから…

初恋指南4-1君はストレート
「君はストレート」とありますが、やぶうち先生の初連載作のタイトルは「君にストレート」。いやあ、分かりやすいです。
 

 また物語のエピローグに当たる部分で、彼女は連載2作目がアニメ化されたと書いてあるこのシーン…

初恋指南4-2表紙


ちらっと表紙が描かれているのですが、構図が先生の代表作の一つ「水色時代」に似ています。分かりにくいかもしれませんが、確かに似てるはず。

水色時代水色時代1巻
もちろん連載二作目でアニメ化もされました。

 
 また第54回超楽館漫画賞を受賞するシーンが描かれますが、やぶうち先生は「ないしょのつぼみ」で第54回小学館漫画賞を受賞しています。
 
 やっぱり本田南央はやぶうち優だった!なんて思っていたら、ブログにてやぶうち先生は、登場人物すべてに漫画家としての自分が投影されているということを書いておられました。そう、南央だけじゃなく、すべてのキャラクターに、やぶうち先生像が投影されていたのです。それが一番分かりやすい形として出ていたのが、南央だった、と。そういえば、すべてがバラバラに見えるそれぞれのキャラクターですが、ひとつだけみんなに共通していることが。それは、みんな漫画が大好きで、いつも漫画のことを考えているということ。そう、この作品は、深い漫画愛によって作られている物語だったのです。
 
 
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Tag [新作レビュー] 2009.12.25
oujisama.jpgしがの夷織「王子様の言うとおりっ」(1)



こいつの婚約者だから



■「王室」と呼ばれる生徒会。会長の渉は財閥の御曹司で、女子の憧れの的。そんな彼に夢中で、日々彼を追い回し、「ストーカー」と呼ばれる少女が一人。補欠合格で一派な家庭に育ったちょいとおバカな女の子・美結。告白できずにつけ回していたら、ついにストーカーあつかいされてしまった美結だったけど、ひょんなことがきっかけで、渉のお祖父ちゃんに気に入られ、王室に入ることに。しかも渉の許嫁として…。けれど渉は、「俺は認めたわけじゃない」と冷たく言い放ち…!?

 しがの先生の新連載です。ヒロインは、「王室」と呼ばれる生徒会の会長に憧れる少女・美結。生徒会が王室と呼ばれる所以は、生徒会長を務める渉が財閥の御曹司であり、その権限も非常に大きいということから。同じ学校に通っているといっても、その距離は遠く、一般家庭に育ち、成績も最下位を争うようなヒロインは、普通に生活していてもなかなか近づくことはできません。そのため遠くから見守る形で、ヒロインはしつこく彼を追い回していたわけですが、そんなことしたら迷惑がられるのも当然。「気持ち悪いんだよ、ストーカー」とまで言い放たれ、完全にフラレてしまいます。しかしその後まさかの起死回生。帰り道にて手助けをしたご老人が渉の祖父で財閥の最高権力者であり、その彼に気に入られたヒロインは、まさかの許嫁として指名されるのでした。結果生徒会に入り、果ては一緒に暮らすようにまでなるという、「ありえない」を売りにしたラブコメとなっております。


王子様の言うとおりっ
ペースはヒロインが握っているので、ストーリーがある程度淀みなく流れてくれる。いいテンポです。


 この作品はちゅちゅ連載なのですが、レーベルはSho-Comi。しがの先生はもともとSho-Comiとのダブル在籍だったので、コチラのほうが都合が良いのでしょう。深く考えられないちょっとおバカなヒロインが、勢いのままに行動。そして巻き込まれる困った事態を、許嫁である相手役がなんだかんだで助けてくれる…という展開が基本パターン。口では嫌がってるけど、なんだかんだで愛されているよね!っていう、彼の素直じゃない部分を楽しむ作品かと。帯に「ありえなすぎッ!なミラクルLOVE」と書かれているように、基本的にはそのありえなさを売りにした内容で、「ありえねーよこんなの(笑)」などと言い放ってしまうのは実にナンセンス。ありえないならば、とことんありえない方向に…!と、生徒会にお金持ちに、さらに同居ものまで1作でカバーするというはじけっぷりは、なかなか爽快です。しかしどうして財閥の息子で成績優秀な相手役と、一般家庭に育ち勉強も全然できないヒロインが同じ学校にいるのでしょうか…という不思議さはあったりします。その辺含めて非日常を演出しているのか。


【男性へのガイド】
→「王子様」と付く作品は、男性に読みにくい作品が多いのが常。
【私的お薦め度:☆☆   】
→ちゅちゅ連載だということを考えると、こういう展開も納得ですが、このブログを見ていらっしゃる方々のことを考えるとちょっとズレるのかな。


作品DATA
■著者:しがの夷織
■出版社:小学館
■レーベル:Sho-Comiフラワーコミックス
■掲載誌:ちゅちゅ('09年3・4月号合併後~)
■既刊1巻
■価格:400円+税

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Tag [新作レビュー] 2009.12.03
07230539.jpgこはく那音「包帯少女哀話」(1)


ふふ…
彼女は
どんな運命をたどるのかしらね…



■闇のように黒い蝶、瞳が世界が闇に染まる   そして目の前に現れる神社   。昔、不幸な死に方をした少女が、願いを叶えてくれる神社があるという都市伝説。悩みを抱える少女たちの前に、その神社は現れる。そこにある包帯に、願いを書いて結ぶと、その願いを叶える道具が…。願いとひきかえに、少女たちが手にいれるのは、幸か不幸か…

 こはく那音先生の新作でございます。少女たちの心の闇を描く問題提起ホラーで、1話読み切り形式で話が進行していきます。各話で主人公になるのは、何かしら悩みを抱えた少女たち。例えば好きな相手に想いを伝えようとしたら、友達に出し抜かれてしまった子であるとか、母親の監視の目が厳しすぎて友達と遊べない子であるとか、いじめられっ子であるとか。その子たちが自分の不幸を嘆き悲しんだ時、この神社が出現、彼女たちの願いを叶えます。前提として彼女たちはこの神社のことを噂で知っいるということがあり、神社につくとすぐに状況を理解、包帯に願いを書くという行動に移ります。そんな神社で、悩める少女たちを誘い、様子を監察して楽しんでいるのが、表紙に出てくる包帯少女というわけ。


こはく那音「包帯少女哀話」
少女たちには願いを叶えるアイテムが渡される。いつか壊れるものとして与えられるので、不思議な力の終りがはっきりと分かって良い。


 簡単に言ってしまえば、ちゅちゅ版の「地獄少女」みたいなもの。ヒロインたちは願いを成就させると同時に、その力に溺れ身を滅ぼしてしまうというのが定番の流れになります。しかしヒロインたちはその力に溺れてしまったとはいえ、不幸から開放された後のたった一度の過ちで、永遠の苦しみを味わうことになるってのは、ちょっと残酷すぎやしないかい?というのが個人的な感想。でも問題提起ではなく、ホラーとして捉えるのならこれもありなのか…。問題は提起するけど、解決するとは言ってないもんね。この突きはなし具合が、「強欲になると痛い目みるよ」ではなく「結局は自分の力で解決しろよ」というラインにまで感じてしまうわけで、ある意味怖かったです。2巻では包帯少女に関する話が展開されるようなのですが、確かに気になりますね、いろいろな意味で。

 作者のこはく那音先生はちゅちゅ生え抜きの作家さんで、ちゅちゅ休刊後の去就が注目される先生のひとり。まだ発表はありませんが、すでにちゃおDXにて読み切りを発表しているので、やはりちゃおが移籍先として濃厚なのでしょうか。このままの路線を維持するのだったら、なかよしで「新・地獄少女」(→レビュー)、りぼんで「絶叫学級」(→レビュー)あたりとホラーで三つ巴になって面白そうですね。 


【男性へのガイド】
→女子同士のいざこざからの展開なので、まずそこをクリア出来るか。性別よりも対象年齢の問題かな。
【私的お薦め度:☆☆   】
→結末がワンパターンなので、余計救いようがない感じに。それを怖くて良いと取るか、残酷すぎると取るか、良い教訓になるととるか…。


作品DATA
■著者:こはく那音
■出版社:小学館
■レーベル:ちゅちゅコミックス
■掲載誌:ちゅちゅ(2009年4月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税

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レビュー
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レビュー
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レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
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レビュー
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