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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2010.06.20
1102916190.jpg山田圭子「戦国美姫伝花修羅」(1)


それでも皆
ここで
生きておるのじゃ



■時は戦国時代   「北の京」と呼ばれ、栄華を誇る越前雪代谷の姫・六花。そのあまりのヤンチャっぷりに、彼女の世話役は一日と持たずその役目を降りてしまう。そんな彼女のもとに、新たな世話役が。“斑羽連”の忍びの少年・琥珀。異国の者のような風貌の彼は、その力強さと奔放さで、六花の相手を見事に務め上げる。やがて信頼関係を深めていく二人だったが、時代の波に引き裂かれ…!?

 山田圭子先生の新作でございます。一人の姫と、忍の少年を描いた、情熱の戦国ストーリー。ヒロインは、北の京と呼ばれ栄華を誇る越前雪代谷の佐倉家の姫・六花。元気を持て余しヤンチャに駆け回る彼女の相手役としてある日、“斑羽連”の子供である少年・琥珀がやってきます。いつしか二人は絆を深めていくのですが、とある事件によって二人の間は引き裂かれてしまいます。上洛の出兵の意思を見せない佐倉家を、足利家は実限り、佐倉家は尾張の織田信長のもとへ行くことに。さらに六花の母は流産の繰り返しで、子の生めない体になり、また側室に男児が生まれたことが決定打となり、父と離縁、親子二人で京に下る事になります。その際に六花は、当然琥珀もついてくるものだと思っていたのですが、斑羽連の意思により、それが不可能に。お互いに厳しい環境の中、戦乱の荒波に揉まれ、逞しく成長。そして…という流れ。


花修羅
六花と琥珀、二人の仲が盤石であるということが、ある程度わかっているので、離れていて物語が進展してもやきもき感はない。破天荒な二人ではあるが、相性は抜群。


 栄華を誇る将軍家の血筋の娘と、異国の血の混ざる忍との禁断の恋…というオーソドックスな方向に進むのかと思いきや、そう安易な方向には流れません。姫は母親の離縁によって、その後ろ盾を失い、紆余曲折あって京にて遊里の下働きとして仕える事に。一方の琥珀は、異色の戦闘集団“斑羽連”の一員として、闘いを重ねていきます。「今縛られているところから逃げ出し、一緒に遠くへ行く」。お互いに同じ想いを持っていたものの、時代と生まれ育った場所によってソレが阻まれる。あまりに厳しい状況が、二人の前には横たわっているわけですが、だからこそ面白いし、盛り上がります。
 
 現時点では、まだまだ出会えそうな気配はありません。それどころか、さらなる厳しさが待ち受けているような気すらしてきます。この時代ならではの不条理さを、上手く物語に落とし込み、しっかりとスパイスとして機能させているのは、さすが。安易な方向にいかないけれど、わかりやすいので、振り落とされる事もありません。一緒に闘い、成長していくのではなく、双方別々の場所で荒波に揉まれ、逞しくなっていくという方向性も、個人的には好き。もう少し、物語を追ってみたいと思いました。てか山田先生の書くヒロインは、真っ直ぐで気丈だから、見ていてとても気持ちが良いのですよ。


【男性へのガイド】
→戦国ラブロマンスではありますが、恋愛一色で安易な方向に…ということはないので、ご安心を。人間としての成長、傷つきを絡めつつ展開は、読みやすさにプラスになるのかも。気の強いヒロインと、強いイケメンを絵に描いたような相手役をどう捉えるか。戦国ものとしてどうかは、あまり知識がないのでどうこう言えませんが。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→山田先生の作品は、個人的に結構ツボだったりします。思っていたよりもストーリーが面白くて、これは続き読みたいです。


■作者他作品レビュー
山田圭子「狐隠れの君」


作品DATA
■著者:山田圭子
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:プリンセスGOLD(2010年2月号~)
■既刊1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazonbk1

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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2010.04.19
1102894331.jpg滝口琳々「新☆再生縁-明王朝宮廷物語」(1)


逃げていたら
何も解決しませんものね



■舞台は中国・明王朝時代。30代で合格するのが普通、20代ならば余程運のいい方であり、10代で合格すれば神童と言われる、難関中の難関試験・科挙にこの年トップ合格を果たしたのは、わずか17才の青年・君玉。早くも将来が嘱望される中、当の本人は出世には全く興味のない様子。というのも、彼が宮廷に入ったのは、無実の罪で投獄された父を救うため。そのためだけに、勉強を重ね科挙にトップ合格したのだった。しかも君玉には、とある大きな秘密があって…!?

 私は知らなかったのですが「再生縁」というのは有名な物語で、中国を中心にドラマ化や舞台化が何度もされているようです。そんな物語を、少女漫画で描いたのがこちら。主人公は、宮廷で医者をしていた父を持つ少女・孟麗君。父に勉強を教わり、日々のびやかに楽しく暮らしていたのですが、ある日突然父が無実の罪で投獄されてしまいます。またその手は娘である麗君のところにまで伸び、麗君は命からがら逃亡。途中で川に飛び込み、死にかけますが身麗しい良家の若君に助け出されます。その後彼女は無実の罪を着せられた父を助けるため、宮廷に入り込むことを決意。その手段として取ったのが、男装して科挙に合格し、父を貶めたと思しき皇帝の貴妃に近づくというものでした。元々父から勉強を教わっていたこともあり、麗君は余裕で合格。しかもトップ合格というオマケつきで、早くも皇帝に近い場所からそのキャリアをスタートさせます…

 投獄されている父を助けるために、男装して科挙に合格し、宮廷内に潜入しつつ父を助ける道を探っていくというドラマ。もう設定の段階で勝ちという感じで、盛り上がらないわけがありません。また単に宮廷内に潜り込むというだけでなく、さまざまな人間関係の糸を物語内に張り巡らせ盛り上げてきます。例えば追っ手から逃げたところを助けてくれた命の恩人が、皇帝の貴妃から忌み嫌われる心優しき皇太子であったり、皇太子の命を狙う刺客が麗君の許嫁であったり、様々。また何やらあやしげな占い師なども配置して、どこからでも物語を展開していけそうな気配があります。


新☆再生縁
皇太子と思わぬ形での再会。しかも相思相愛だったりする。ただしヒロインは身分を明かすことができないので、恋物語は容易には進まない。


 キャラ配置に、男装という設定、人間関係から権力配分など、どれをとっても安心の内容。描くのも、実績十分の滝口琳々先生(姉妹)ということもあり、抜群の安定感を誇っています。元々の物語が、少し懐かしさを感じさせる少女漫画チックなストーリーなのだろうと思うのですが、そこに被せてくるように滝口先生の描き方もちょっと古めな少女漫画風。今ではあまり見かけることのなくなった、語尾に♡(ハートマーク)や♪などが当たり前のように描かれています。他だとちょっと違和感あるかもしれませんが、少女漫画自然保護区の秋田書店で、このストーリーとのコンボとなると、抜群のハーモニーを奏でてくるから不思議。そういったものが苦手でないのであれば、楽しむことができると思います。


【男性へのガイド】
→話自体は良く出来ているとは思いますが、わざわざこれをチョイスして読むインセンティブはないような気がします。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→手堅く面白いです。2010年になってもこういう雰囲気の作品を読めるってのはありがたいことなのかもしれません。雰囲気的には「彩雲国物語」(→レビュー)みたいな感じ。というかそっくり。


作品DATA
■著者:滝口琳々
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:プリンセスGOLD(2009年11月+12月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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2009.12.24
07077699.jpg氷栗優「カンタレラ」(1)


甘くて…痺れるような…
まさにあんたのことだな
カンタレラ



■11巻発売しました。
 1475年のローマ。結婚を禁じられたロドリゴ枢機卿の息子として生を受けたチェーザレ・ボルジアは、異腹の弟・ホアン、妹のルクレツィアとともに美しく優しい未亡人ヴァノッツァ・カタネイに育てられる。弟や妹と違いなぜか父から疎まれて育った彼は、神学校へ入れられると共に、自分の中に潜む魔の気配に気づいてゆく。そんなある日、弟であるホアンから、父・ロドリゴが法王の座と引き換えに自分を悪魔に売ったことを知らされる。自分に潜む魔の気配、そして父親が自分を怖れる理由…その全てを理解したチェーザレは、生きることに絶望し死の淵をさまようが、彼の命を狙う暗殺者・ミケロットにその命を助けられ…!?
 
 しばらく休載していましたが、この度連載再開しました。氷栗優先生が描く、史実を元にした闇の歴史ロマンでございます。お話の舞台となっているのは、ルネサンス初期のイタリア。そしてお話の主人公となっているのは、毒薬・カンタレラを駆使して政敵を次々に毒殺し、繁栄の一途を辿ったボルジア家の代表的な存在・チェーザレ・ボルジア。史実を元にしているということで、登場人物のほとんどが実在するモデルを起用。そこにファンタジックな要素を絡めることで、オリジナルの物語を描き出しています。そのオリジナルの要素とは、チェーザレの父・ロドリゴが教皇の座と引き換えに子供を悪魔に売るという契約を結んだことにより、チェーザレが呪われて生まれてきたというもの。そのことを知ったチェーザレは、生きることに絶望し、自ら命を絶とうとしますが、彼をそれまで狙っていた暗殺者・キアロの介抱と、彼を生まれながら取り巻いていた悪魔との交合のよって生き延びます。自らを飲み込もうとする魔と、溢れ出る野心、そして残り続けるやさしい心と、それをつなぎ止める存在・キアロ。血塗られた運命に解き放たれた彼の人生を、美しい絵と共に描き出していきます。


カンタレラ
信頼感。こうしたキャラ同士の美しい繋がりを楽しむことができるのも、この作品の特徴のひとつ。

 
 チェーザレ・ボルジアというのは歴史上の人物の中でも、物語として描かれやすい人物で、最近では惣領冬実先生が「チェーザレ 破壊の創造者」という作品がモーニングで連載されています。そうすると、当然ガチンコで質の高い骨太の物語を描くか、もしくはオリジナルの要素を用いて変化球勝負で行くしかなくなるわけですが、氷栗先生は後者を選びました。そして用いられたのが、悪魔との契約というファンタジックなものなのですが、これが宗教(キリスト教)が多大に絡む元の史実に上手くフィットしています。そのせいもあってか、余計に悲運な運命を背負った男というイメージが彼に付随することになるのですが、これはこれでプリンセス(レーベル)的ではあるな、という印象。また彼の右腕となって活躍する腹心・ミケロットは、暗殺者→寝返って腹心という岐路を辿りますが、史実では彼の幼なじみだったなんて話があります。チェーザレを飲み込もうとする悪魔の手から、不思議な力で払いのけてくれるのがミケロット。ちょっとBL的な雰囲気も含みつつおくるので、そういったエッセンスが苦手な方は、回避した方がいいかもしれません。


【男性へのガイド】
→男性は惣領先生の作品読んでればOKだと思いますよ。あくまでこのデフォルメはファンタジー好きの女性へ向けたものだという認識。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→実績のある人気作家さんらしく、自分色を出しつつしっかりとまとめあげる。ただちょっと読みにくいかも。


作品DATA
■著者:氷栗優
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:プリンセスGOLD('00年7+8月号~連載中)
■既刊11巻

■購入する→AmazonbK1

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Tag [オススメ] 2009.12.23
07146491.jpg山下友美「薬師アルジャン」(1)


毒は使い方しだいでは人を生かす薬にもなるというし、いいんじゃない?
お前にはぴったりの仕事だと思うわ



■11巻発売しました。
 大陸の片隅にある小国、ペアゾル王国。その国の姫・プリムラは、年頃にも関わらず剣技の鍛錬に明け暮れる毎日で、巷では「鋼の姫」と呼ばれている。そんなある日、体調に異変をきたしたプリムラ姫の元に、いつもとは違う若い薬師が呼ばれる。あらゆる毒と薬に精通し、どんな病をも治してしまう天才薬師・アルジャン。彼の登場に、プリムラ姫は少なからず驚いた様子だった。それもそのはず、二人はかつて…

 秋田書店のロングヒット作品です。主人公はタイトルにもなっているように、若い凄腕薬師・アルジャン。あらゆる毒や薬に精通し、患者の様子を見れば立ち所に処方箋を取り出し、回復に向かわせる。そんな彼と知り合いなのが、王国の姫・プリムラ。「鋼の姫」などと揶揄(?)される彼女は、その呼び名が示す通りわんぱくで元気いっぱい。王が不在なのに、公務はほったらかしで到底姫などとは呼べないような女の子。そんな一見なんの接点もないような二人ですが、実は過去に繋がりがあり、この度数年ぶりに再会したのでした。その繋がりとは、かつてアルジャンがプリムラの食事の毒味役をしていたというもの。幼い頃しばらくの間毒味役をしていたのですが、彼が猛毒に当たり倒れた様子を見て、プリムラはいても立ってもいられずに彼を逃がしたのでした。それ以来の再会ですから、二人の中に走った衝撃は大きなものだったでしょう。以来何かにつけてアルジャンを呼びつけるようになったプリムラでしたが、アルジャンはあまり乗り気ではないようで…という設定。


薬師アルジャン
「お前さえいれば、私は天下無敵だもの」無条件で自分を信頼してくれる相手がいる。それだけでこんなにも幸せな気持ちになれるとは。


 というのもアルジャンはとある特殊な体質の持ち主で、それがプリムラと出会わせ、また二人を離す要因となっているのでした。その体質とは、彼自身が毒であり、触れるものをみな毒で侵してしまうというもの。彼は元々人間兵器として育てられ、体内に毒を有するようになったのですが、紆余曲折あり人売りに出され、そこをプリムラの父である王が、毒味役に適任(特異な体質なので毒が効きにくい)ということで買い連れられてきたのでした。この体内に毒を持っているというのが大きなポイントで、お互いに相手のことを想っている(恋愛感情かは別として)のに、触れることさえ叶わないという悲劇を演出。ヨーロッパを思わせる舞台に、薬師と姫を中心としたヒューマンドラマという、かなりオーソドックスな物語を展開するこの作品に、こういう悲劇性のある設定はおそろしいほどマッチします。言い方によっては古くさい、けれども言い方を変えれば、素朴でどこか懐かしい。往年の少女漫画や、少女漫画的なアニメなどがお好きだった方は、是非一度手に取ってみて貰いたい作品です。
 
 ちなみに主人公が毒を持つ体質という意外は、極めて現実に即した設定となっております。薬学の知識などもしっかりしたものですし、そちらでもひとつ楽しむことができるというオマケ付き。


【男性へのガイド】
→女性の方が好みそうなキャラ・舞台・物語設定ですが、これだけ安定してれば余裕で楽しめるんじゃないかなぁ、と思います。ラブストーリー一辺倒というわけでもないし。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→秋田書店はこういう作品を送り込んでくるからやめられない。この作品を悪く言う人はまずいないと思われ。インパクトには欠けますが、そんなものいくらでも補える素敵さがこの作品には詰まってるのです。


作品DATA
■著者:山下友美
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:プリンセスGOLD('04年10月号~)
■既刊11巻


■購入する→Amazonbk1

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2009.08.17
竜の姫君中山星香「花冠の竜の姫君」(1)


昼の光をうつす真青の瞳に
銀糸の髪をして
金色花冠竜と共にいる…



■3巻発売しました。
 何の前触れもなく、突如として氷の都からの攻撃を受けた星の都。星の都の姫君・リリフロラは、捕らえられた両親を取り戻すため、そして国を救うため、花の都の王子のもとへと旅立った。真青な瞳に銀糸の髪を持ち、金色花冠竜に乗るその王子の名は、イルギス。一目見ただけで彼と分かる、華やかで凛々しい風貌。「恋はするな」との母の忠告が、彼の前では吹き飛びそうになるが、とりあえずは出発だ。無事に両親を取り戻すため、二人は変装をして氷の都へと潜入した…!!

 「花冠の竜の国」の次世代編です。とはいえ私は中山星香作品はこれが初めて。「妖精国の騎士」で実績を残すベテラン先生ですが、独特の絵柄はなかなかハードルが高くて…。っていうかこの先生の絵って、遠目にも一発で分かりますよね。これがネックになって手を出せずにいるって方も結構居るんじゃなかろうかと思います。目の描き方が本当に特徴的なので。

 さて、内容のほうですが、前作(?)を読んでいなくてもこれといって問題はありませんでした。少し分かりづらいところや、ここはどうなんだって場面もあったのですが、それは前作を読んでいなかったからというよりも、この作品の作りの甘さによるものなんじゃないかなって気がします。
 ヒロインは、星の都の姫君・リリフロラ。氷の都の突然の攻撃の中、なんとか逃げ切りイルギス王子のもとにたどり着きます。ここからイルギスと共に、家族の奪還&国を守るために行動に移るのですが、このリリフロラがとにかく厄介な性格。一言で言うなら「感情的すぎる」というか。作者さんはツンデレ的なものを狙っているのですかね?とはいえこれだけ感情のみで短絡的に行動されたら、かわいさのかけらもありゃしないです。こんな女の子を上手いこといなして、掌中に収めているイルギスは本当にスゲーな、と。私だったらキレている(笑)とはいえこの性格だからこそ、物語がめくるめく展開していくとう面も少なからずあると思うので、頭ごなしにダメ出ししちゃいけないんでしょうけど。

 「めくるめく展開」という言葉を使いましたが、本当に展開が早い…というか急です。そこにヒロインの性格も相まってドタバタ感も出ています。これが良いと思うか悪いと思うかは、読み手次第。個人的にはもうちょっと落ち着いてもいいと思ったのですが、それだとキャラが活きないのかな。


【男性へのガイド】
→ファンタジー好きには薦められるかもしれないですが、基本的には男女関係なく、中山星香ファンが購入してればいいんじゃない?という作品。
【私的お薦め度:☆☆   】
→物語の作りやキャラの造詣、ドタバタ感や世界観など、どう見ても読者の新規獲得には向かない(というか想定してない?)と思うんですが。秋田書店系のハイファンタジーが個人的に苦手だということを差し引いても、オススメ度はこのぐらいになってしまうかな。



作品DATA
■著者:中山星香
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:プリンセスGOLD
■既刊3巻


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。