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Tag [新作レビュー] 2009.03.22
07217848.jpg中村理恵「ASURA」 (1)


ずっと探してた
おまえを
オレの子を産むのはおまえだ
   ハルカ



■田舎から東京に越してきた、天涯孤独の女子高生・晴夏は、人ごみに混じる「人のようで人でないもの」の姿が見えるようになってしまった。そして、それらはさらに晴夏を襲ってくるように。思わぬ事態に助けを求めて叫ぶ晴夏だったが、どこからともなく男が現れ、助けてくれた。彼の名は那智。彼は自らを妖魔だと言い、さらにオレの子を産めと言う。彼曰く、晴夏は魔族と番う(子供を産める)ことができる人間で、繁殖期が300年に一度しかない魔族にとって、彼女は喉から手が出るほど欲しい存在なのだと言う。突然のことに戸惑う晴夏だったが、妖魔は他にも彼女の前に現れて…!?

 母親の形見の指輪の力で、体を狙ってきた那智を従えることに成功。しかし彼女を狙う輩は那智だけでなく、次々と美しき妖魔が彼女の前に現れます(と裏表紙に書いてあります)。1巻時点で登場した妖魔は、風を操る那智と、水を操る灰斗。どうやら自然の要素に対応した妖魔がそれぞれいるようで、今後も登場してくるのでしょう。話としては、イケメンの妖魔達に取り合いをされるヒロインというハーレムもののファンタジー。その中の一人、那智を従え(犬夜叉的な関係ですね)自分を守ってもらいます。ゆくゆくはこの二人がくっつくのでしょうが、すぐくっつけることはせず、様々な妖魔達を投入して話を展開していきます。


asura.jpg
1巻で登場した二人の妖魔。妖魔は皆美形。

 
 この手の話としては「BLACK BIRD」という人気作があるわけですが、さてどうやって差別化を図っていくのか。現時点ではこれといった目新しさはありませんが、こういう作品は一定の需要があると思われるので、それなりに人気は出そう。このレーベルらしく、男達は軒並み妖艶です。それと使い魔の狐火・栗麻呂がカワイイです。しかし語尾が「プニョってのは…」。


【オトコ向け度:☆    】
→女子のための、奪い合いもの。男性が読むのはどうだろう。
【私的お薦め度:☆☆   】
→現時点ではこれといって目新しさはなし。この手の話が好きな方は。


作品DATA
■著者:中村理恵
■出版社:秋田書店
■レーベル:ボニータCOMICS
■既刊1巻
■価格:400円+税

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