
えらく
楽しいな
おい
■ひとりランチ、ひとり焼き肉、ひとり映画、ひとりお花見、ひとりバッティングセンター、ひとりカラオケ…ふたりもいいけど、ひとりは最高!やばい、ひとりって超絶楽しい!!「ワカコ酒」の新久千映が、「ぼっち遊び」の極意、教えます!
おひとり様女子が居酒屋を楽しむマンガ「ワカコ酒」が巷で静かに話題になっていますが、その作者さん・新久千映さんの「おひとり様行動」にスポットを当てた作品でございます。ひとり映画、ひとり旅といった定番のおひとり様イベントから、ひとり焼き肉、ひとりカラオケというややハードル高めの定番おひとり様イベント、さらにはひとりバッティングセンターや、ひとり牛丼屋など、女子にとっては馴染みの少ないあれこれにも挑戦。勇気が出なくて敬遠しがちな、様々なおひとり様スポットの素晴らしさを、体を張って伝えます!
みなさんはどのレベルまでのおひとり様を経験したことがあるでしょうか?私はひとり映画、ひとりランチ程度で、ひとり焼き肉やひとりディズニーといった上位レベルにはなかなか行けずにいます。とりあえず今狙っているのは、ひとりフリークライミングなんですが…。さて、本作では作者さんが、難しいものから簡単なものまで、計10個のおひとり様イベントに挑戦しています。個人的に一番すげえな、と思ったのはひとり回転寿しでしょうか。自分には到底行ける気がしないです。

周りの目は気にしつつ気にしない。完全に気にしなくなったらダメなのです。恥ずかしさもスパイスなのです。
誰もが避けるようなお一人様イベントを体験して精神修行するルポータージュかというと、実はそんな内容ではございません。あくまでおひとり様行動は、「楽しみ」であって「苦行」ではないのです。周囲の目が気になるドキドキも、時には楽しむためのスパイスにすらなる。そういったドキドキを乗り越えた時に得られる感動というものは、誰かと一緒に得たものよりも案外大きかったりするのです。男性が少女漫画を買うのだって、そういう部分はあるかもですよ?ちなみに前者(敢えて苦行をするルポ)は、マンガではありませんが北尾トロさんの「キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか 」という本がオススメです。バカらしいけどメチャクチャ頑張っているので、なんだかとっても勇気が出るという。
どのイベントもおひとり様ならではの楽しみ方をしているのですが、いわゆる「一人でやったからこそ楽しい!感動!」というような大きな煽動があるような内容ではありません。感情に訴えかけてくるというよりは、おひとり様ならではの利点をちゃんと書いてくれている、ガイド本的な側面が強い印象です。ひとり焼き肉などは、大いなる納得感でちょっと行ってみたくさせてくれました。

そんな中唯一、ひとり酒については「すごい思い入れがあるんだろうなぁ」と感じさせる趣深さというか、語りの丁寧さがありました。これについては「ワカコ酒」を読んでいると納得で、恐らくこれらのテーマの中で唯一作者さんが能動的かつ日常的に行っているイベントだからなのでしょう。こうなるとどうしても「ワカコ酒」の良さが際立つのですが、こちらについても「おひとり様」を肯定的に、かつおひとり様ならではの気まずさ的なものを包み隠さず描く面白さみたいなものがあり、充分楽しく読むことができました。何より、おひとり様行動をする、勇気みたいなものを貰えたのが良かったです。さっそく、フリークライミング申し込んでくるか…。
【男性へのガイド】
→イベントの範疇は違えど、おひとり様の辛さは男女共通…。きになるおひとり様行動があった方へ。
【感想まとめ】
→あくまで前向きにイベントに赴く作者さんはすごいな、と思いました。何事も、楽しむ気持ちが大切なんですね。
作品DATA
■著者:新久千映
■出版社:朝日新聞社
■レーベル:ASAHI COMICS
■掲載誌:不明
■全1巻
■価格:720円+税
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