
センパイって…
なんだかんだ
センパイですよね
■別所たまき(20)、お菓子のパッケージ会社「アマイ企画」入社2年目。社員平均年齢50歳、歳上だらけのこの会社で、制作室のエースとして常にやる気満々。そんな中、営業部に新入社員が。原田智哉(22)、敬語もままならないやや生意気な歳上の新入社員に飛ぶのは、歳下の先輩であるたまきからの愛のムチ!?仕事に恋に気になる2人のオフィスバトル!!
歳上の新人×歳下の先輩。平均年齢50歳という、お菓子のパッケージ会社「アマイ企画」の若手社員2人の、なんとも不思議で、なんとも微妙で、なんとも素敵な関係を描き出したオフィス4コマです。主人公は2人。高校を卒業してすぐに入社した、制作室のエース・別所たまき(20)。甘味を糧に仕事をバリバリこなす彼女は、憧れの人などはいるものの、恋愛経験はほぼゼロ。そしてもう1人は、営業部に配属された新人・原田智哉(22)。イマドキの若者という感じの彼は、歳下の先輩にも物怖じせずに接する。最初はいがみ合っていたふたりだったけど、気がつけばなんとも不思議な関係になっていて…という流れ。この関係がなんとも言えない。

歳下でも、先輩だからため口。でも頼りないところはあって、そういう時に原田くんがフォローする。ああ、なんて素敵な…!
あるある、こういう絶妙で微妙な関係。たまきには、その都度憧れの存在を用意し、原田くんが気になって…という流れにはなりません。また原田くんにも入社当時彼女がおり、その後すぐに別れるものの、しばらくその子のことを引きずります。やがてくっつく方向に行くのでしょうが、現時点ではそういった気配はなく、あくまで先輩と後輩の関係を保ち続けているという状況。しかも変に気構えせずに、あくまで自然に接するから、その距離感がなんとももどかしく、同時に心地よい。どちらも変に気遣いをするような性格でなく、あくまで先輩後輩というスタンスで接するので、こういう関係が築かれるのでしょう。そしてふとした瞬間に、歳上と歳下という関係が出てくる。このバランス感が本当に絶妙、たまりません。
2人だけの関係にフォーカスした作品ですが、毎回しっかりオチをつけて、4コマとしてしっかり機能。4コマとしての流れを無視した仙石寛子先生の『背伸びして情熱』みたいな作品も素敵ですが、やっぱりこういう4コマのおいしさを味わいながら楽しめる物語ってのは、イイですねぇ。ツボに入っただけかもしれませんが、かなり楽しめたのでオススメで。面白いというか、とにかく好き。
【男性へのガイド】
→このもどかしさは男女共通。ま、芳文社4コマですし。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→雰囲気、設定、がっつりツボに入りました。恋愛未満のムズかゆい関係を、心行くまで楽しみたいと言う方に、心からオススメ。
作品DATA
■著者:曙はる
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイムスペシャル「2008年5月号~2009年10月号」
■既刊1巻
■価格:619円+税
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