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Tag [続刊レビュー] 2011.03.07
作品紹介→残念な女の子は好きですか?:風都ノリ「祓魔師な嫁ですが。」1巻



1102998766.jpg風都ノリ「祓魔師な嫁ですが。」第2巻


か~
マジ可愛い
○○したい



■2巻発売しました。
 月一回、夫婦の営みをしないと魂を吸い取られるという呪いにかかってしまった、ド変態な祓魔師・鈴音と、ド貧乏な高校生・皐月。タイムリミットはあと24日。けれどもなかなか手がかりは見つからない。そんな中、一筋の光が…。普段はガードバリ堅の白皐月なのだけど、時々出てくる黒皐月は、超積極的に鈴音を誘惑。そんな黒皐月にときめく鈴音だけど、どうやらそれが、付帯のかかっている「婚姻の呪術」と関係があるらしく…!?
 
~「このマンガが~」に入れようか本気で迷っていた~ 
 前作オススメしようか迷っていたこの作品。正直「このマンガがすごい!2011」のラインナップに入れようか本気で迷っていて、結局断念したという経緯がございます。今思えば、「ひとつくらいこういう作品入れといても良かったかなぁ」などと思っているのですが、入れられなかった悔しさをこのエントリで晴らしましょう!


~秀でているのは、ヒロインの変態っぷりの一点~
 さて、そこまでプッシュしようとしているこの作品。貧乏なイケメン高校生の家に、祓魔師の女の子が転がり込んできて、呪いをかけられてしまうというストーリー。物語設定は目新しいものではなく、物語は壮大というよりはむしろ小さい世界で展開されます。そんな物語の何がすごいかというと、ヒロイン・鈴音が変態由来の“残念さ”というカテゴリにおいて、他を寄せ付けないほどに圧倒的強さを誇っているというところにあります。本当に、それだけ。それでもこの作品に魅力を感じざるを得ないほどに、鈴音が残念に素敵なんです!ちなみに鈴音はこんな感じのキャラ…
 

祓魔師な嫁ですが2-1
呪術と称してせまったり…



祓魔師な嫁ですが4-3
誰彼構わず勝手に変な呼称をつけたり…



祓魔師な嫁ですが4-2
煩悩が多すぎて、祓魔師として悪いものを祓う側であるにも関わらず、むしろ自分が苦しんでしまうという、役立たずっぷりを発揮したり…。


 他にも毎夜寝ている皐月の匂いを嗅いでいたり、ゴミをことあるごとに拾ってきたり、五月のパンツを盗んだり、お風呂上がりを待機していたりと、危ない行動は枚挙に暇がありません。基本的には煩悩の固まり。とにかく欲を隠せないという。とはいえデフォルトの彼女、ものすごくかわいいんですよ。普通にされたらドン引きであろう行動の数々も、鈴音のそのビジュアルが中和…している気がしなくもありません。それに丁寧語デフォなところも好きですねー。
 

祓魔師な嫁ですが2-4
普通の鈴音
かわいいのに残念というそのギャップがむしろ、魅力的に感じさせてくれたり。
 
 
~何気に物語も進んでいる気がしないでもない~
 通して変態成分多めで、かつハイテンションで、ネタはオタク系ないしバカ系。その作風は、まさに「好き放題」という感じで、見ていて気持ちが良いものがあります。それでもちゃんとしたストーリーというものがあり、それに沿って物語は進行。そちらも何気にちゃんと進行していたりします。月に一回夫婦の営みをしないといけないという呪いを解くために奔走するのですが、皐月大好きな鈴音にとってはむしろ呪われたままの方が好都合なんじゃね?という気がしなくもなかったり。それでもおバカな鈴音は、それに気づかず皐月のために頑張るという、その姿もまた遇われっぽくて良し。呪いの発動にはカウントダウンがあり、物語は放っておいても進行せざるを得ません。暴走の果てに脱線しそうなテンションですが、そのカウントダウンがしっかりと本筋に戻す働きをしており、意外としっかりと完結しそうな気配もあります。
 
 また男性向けにオススメするとしたら、ヒロインの鈴音以外の女の子たちも軒並みかわいいというところもちょっとしたポイントになるかも。何はともあれ、続きが楽しみな作品でございます。展開次第では、今年の年末お声がかかったらむにゃむにゃ。。。


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Tag [新作レビュー] 2010.08.29
1102939706.jpg秋月カイネ「パラ★ラボ」第1巻


だから僕は
皆の望みが叶う場所を
創りたいって思ってるんだ



■それは、学園長による新年度の挨拶から始まった。七良成学園生徒会、会長、副会長、書記、会計、庶務の5名を、一か月ごとに投票で決めていく。候補者は生徒、教師誰でもOKで、月に一度会長のみ、絶対服従の「会長命令」を発令する事が出来る…そんな新規則を定めた生徒会訓が、発令されたのだった。そんなところに送られてきた、ハイテンションな転校生・立浪伊吹は、その話を聞いてすぐさま立候補!自分の野望を満たすため、血で血を洗う白熱の生徒会選挙戦の行方は…!?

 ハイテンション、生徒会コメディー作品。ということで、のっけからかなりの勢いで突っ走る、キャラクター&勢い重視の作風となっています。話の舞台となるのは、私立七良成学園。その学園長が気まぐれに発令した、生徒会運営に関する方針により、物語は大きく動き出す事になります。その方針とは、生徒会長はじめ生徒会役員を月に一回生徒達の投票によって決め、生徒会長は一つだけ絶対服従の会長命令を発令することができるというもの。しかも生徒会役員になれるのは生徒だけでなく、教師もOKというから、ここぞとばかりに生徒・教師の中から野心家達が立候補してきます。そんなところに立候補した一人が、立浪伊吹。突然学校に送られてきた彼は、どうにも謎の多い能天気ボーイ。立候補してちょっとしたパフォーマンスをしたところ、驚きの得票率で生徒会長に選ばれることになります。しかしそれで安心できないのが、この学校。数週間経てば、また生徒会長選が開かれ、様々な欲望・野望を実現せんとする野心家達が活動を開始してくるのです。超個性派達が繰り広げる、白熱の選挙選を楽しみましょうと、そんなお話。


pararabo
せっかく生徒会長になっても、こんなアホな命令を下してしまう能天気な主人公・伊吹。でもそんなところが愛される要因でもある。


 表紙を見てもわかるように、たくさんの個性的なキャラクターが出てきて、そのかけ合いを楽しむという方向の作品。ゆえにストーリー性はあまりありません。というか、ストーリー以前に、話の流れが急すぎる&設定がむちゃくちゃすぎる&説明がされなくて不親切すぎるなど、かなり読みにくい作品となってしまっています。キャラを楽しめなければ、ちょいと楽しむのは難しそうなこの作品、その一番の売りとなっているのは、Webラジオにて人気声優とコラボするという企画。この作品をGoogleで検索をかけてみると、AmazonよりもまずWebラジオの番組がトップに現れます。パーソナリティーを務めるのは、小野坂昌也さんと安元洋貴さんで、なかなか好評のようです。もしかしたらこの番組である程度、作品の説明されない部分が補完されるのかもしれません。それでも目玉を外部コンテンツに置いてしまうってのはどうなのだろうという気はするのですが。そういったものとは切り離して、これ単体で読むのだとしたら、ちょっと厳しいか。ストーリー展開が唐突で、楽しめない以前に、話が全くわからないという状況でございます。楽しめる人もいるのでしょうが、万人ウケするものであるとは到底思えず。
 
 
【男性へのガイド】
→これは厳しいのではないのだろうか。男の子達がキャッキャウフフするからといって、感情の機微を描くわけでもなく、かといってストーリーで魅せるわけでもなく。
【私的お薦め度:☆    】
→上に書いた通りです。よくわからない作品でした。


作品DATA
■著者:秋月カイネ
■出版社:角川書店
■レーベル:Asuka
■掲載誌:Asuka
■既刊1巻
■価格:560円+税


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Tag [新作レビュー] 2010.08.28
1102939705.jpg風都ノリ「祓魔師な嫁ですが。」第1巻


何がエクソシストだ悪魔祓いだ!!
お前そのものが悪じゃねーか!



■超ド貧乏な高校生・比良園皐月は、父親の借金返済と日々の生活費学費捻出のため、連日バイトに明け暮れている。そんなある日、ゴミ捨て場で行き倒れていた少女を見つけ、なぜだか拾って介抱してしまう。元気を取り戻したその女の子は、自称・祓魔師の鈴音。やたらと皐月に懐いてくるその子は、どうやら過去に皐月と会った事があるらしい。けれども今の皐月には関係のない話。一度きりの面倒だからと、そのまま別れ鈴音を突き放すが、ちょっとした拍子に婚姻の呪術がかかってしまい…!?「月に一回夫婦の営みを行わなければ、魂を吸い取られる」というとんでもない呪術の前に、皐月は!?

 風都ノリ先生の初オリジナル単行本だそうです。おめでとうございます。帯には「変態な嫁拾いました。」という文字が。あれ、少女漫画なのに嫁を拾うってなんだろう…?なんて思われるかもしれませんが、このお話、ちょいと少女漫画っぽくない。主人公が男の子っていうのもあるのですが、何よりヒロインがとっても変わっているという。その前に、とりあえずはあらすじなどを。主人公は、父親の借金返済や生活費をバイトで工面する貧乏学生・皐月。そんな彼が、ある日込み捨て場で行き倒れていた少女を気まぐれに助けてしまいます。助けた彼女は自称祓魔師。そんな彼女に気に入られてしまった皐月は、以来突き放しても追ってくる彼女に、様々なトラブルに巻き込まれていく事になります。そしてついに、取り返しのつかないアクシデントが。それが、ちょっとした拍子に発動してしまった、婚姻の呪術。その呪術は、月に一回夫婦の営みを行わないと、魂が取られてしまうというもので、さーて困った…というストーリー。


祓魔師な嫁ですが。
感極まって抱きつくも、その後流れるようにケツを揉む。とかく残念なヒロインである。


 少女漫画でありながら、なんとも少女漫画らしくないわけですが、その一番の要因は間違いなくヒロインのそのキャラクター。表紙からもわかる通り、非常にかわいらしいルックスをしていて、さらに敬語デフォというツボを押さえたキャラなのですが、とにかく中身がネタっぽく残念な子。アホというかエロいというか下世話というか、とっても変態的なヒロインなのです。欲望に忠実な彼女は、惚れ込んだ相手・皐月を押し倒したり、ストーキングしたり、匂ったり、妄想で汚したり、下着を拝借したりなんてことは、日常的に行ってしまいます。そんでもってアクションがいちいち大げさで、かつデフォルメが加わってネタっぽさ倍増。なんだか少女漫画のヒロインというよりは、ハチャメチャな男性向け萌え漫画に出てくる女キャラみたいな印象があります。というか、変態な美少女が押し掛けてきて居候→愛されるなんてシチュエーションは、男性得な状況であり、正直主人公がイケメンメガネでなく、また男同士の絡みが抑えめになれば、完全に男性向け作品に生まれかわる気がします。正直どの変の層を狙っているのか、謎でございます。え、私はこういう変なヒロイン大好きですから、ごちそうさまに決まってるじゃないですか。
 
 ストーリーはあってないようなものだと思ってもらえば良いかと思います。あくまでコメディで、ストーリーはやりたいことを好き放題やるという感じ。一応伏線張ったりもしているのですが、そんなの余裕でぶち壊しても問題無いような、荒っぽさとパワフルさがあるので、果たして回収したところでどれだけのインパクトがあるのか、と。そんな中、軸となるのは婚姻の呪術で、実際に夫婦の営みをするのかどうかという所に焦点があたっていきそう。リィネはいつだって臨戦態勢なので、あとは皐月の心次第なのですが、そうそう一筋縄ではいかなそうです。なかなかおすすめはしづらい一作ではありますが、私は絶対次も買います。だってこのヒロイン、気に入っちゃたんだもの…。別に変態が好きってわけではないのですが…。


【男性へのガイド】
→突っ走りタイプの変態バカな女の子が好きという方(どんな方だ…)は。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→おすすめしづらい内容ではあるのですが、私は買います。気に入りました。でもやっぱりおすすめはしづらいです。でも私は(以下くり返し


作品DATA
■著者:風都ノリ
■出版社:角川書店
■レーベル:AsukaコミックスDX
■掲載誌:Asuka(2010年4月号~)
■既刊1巻
■価格:560円+税


■購入する→Amazon

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Tag [新作レビュー] 2010.05.30
1102907805.jpg湖住ふじこ「サムライドライブ」第1巻


俺達だ
俺達で明かすんだ



■明治維新後、「廃刀令」は施行されず、時の流れた現代・東京。今もなお帯刀の文化は続き、士族の末裔達にのみ帯刀が許されている。そんな士族の末裔が通う、名門男子高校「至誠館」。人に慣れない一年最強の剣士・九重晴馬と、晴馬のクラスに転入してきた貧乏剣士・高原伊吹。この運命的な出会いが、冷たく心を閉ざし孤立しがちだった晴馬を少しずつ変化させていき…!?

 湖住ふじこ先生の初オリジナル連載作でございます。帯刀令が施行されず、未だ帯刀の文化が続いている世界が舞台の、疾走系剣士ストーリー。帯刀文化が続いていると言っても、帯刀が許されるのは士族の末裔のみ。彼らは若い頃からサムライとしての心と技術を学ぶため、剣士高校に集い切磋琢磨しているのでした。舞台となるのは、都内でも有数の名門男子高校・至誠館。そこに転入してきた貧乏剣士・高原伊吹は、ある日町中でケンカをする少年に遭遇。後日その姿を、同じクラスの中に発見します。その子の名前は、九重晴馬。周囲とコミュニケーションを取らず、孤立気味の彼は、剣の腕前は学年トップ。伊吹は興味を持って、彼に近づこうとするのですが…というストーリー。


サムライドライブ
ひっぱるのは伊吹。実力が高いのは九重。お互いに足りないところを補い合い、さらに新たな部分を引き出し合うという関係。バトルもの少年漫画っぽい!


 表紙を見たときは一体どんなお話なのかと思ったのですが、帯刀令が施行されずに現在まで帯刀の文化が残っているという舞台設定。これを最初の1ページで説明し、あとは当たり前のように物語が進められていきます。お調子者で単純な貧乏剣士と、言葉足らずで不器用な剣士が出会う事で始まる、学園剣士ストーリー。物語の軸となるのは、とある有名剣士の起こしたとされる事件。生ける伝説として皆から尊敬された剣士が、一般人を殺め、本人も何者かに殺されたと伝えられている事件で、その剣士を信奉する二人が、その真相を明らかにしていくことで、物語は進んでいきます。

 このレーベルらしく、イケメン達が多数登場。一つの謎を追いかけていくと、次々と鍵を握る人物達が登場してくるという、お約束な展開でございます。基本的には、伊吹と九重の、少年漫画的友情がメインディッシュで、そこに様々な美味しい男の子達の関係が散りばめられているという。個人的には、抜けたところのある九重が好きですが、人気があるのは誰なのでしょうか。また男の子以外では、中学生の女の子とメイドさんが登場。設定的に狙っている感バリバリで、さすが角川というところ。
 
 一つ気になったのは、先輩剣士が茶室を使っているところ。茶室というのはにじり口になっていて、刀が持ち込めないようになっているのですが、その辺意識した上で登場させたのか、よくわからないんですよね。もし狙って使っているのなら、ちょこっと説明してあげて「なるほど」と感心させればいいと思うのですが、もしそうでないのなら、ちょっとよろしくないな、と。なんてさすがにないか。


【男性へのガイド】
→ノリ自体は少年マンガ的ですが、怒濤のイケメンパラダイスに耐えられるのかどうか。腐臭がしますします。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→ワンパンチ足りない印象はあるものの、ライトに親しみやすい内容で一定数ファンはつきそう。


■作者他作品レビュー
*新作レビュー* 湖住ふじこ/墨染蓮「DANGEROUSシェア」


作品DATA
■著者:湖住ふじこ
■出版社:角川書店
■レーベル:角川ASUKA
■掲載誌:ASUKA(2009年9月号~)
■既刊1巻
■価格:560円+税


■購入する→Amazon

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Tag [新作レビュー] 2010.02.27
1102830523.jpgカトーナオ/榎田ユウリ「宮廷神官物語」第1巻


ふたりなら
ふたりで村を出られるなら…
…いいかもしれない



■美貌の宮廷神官・鶏冠は、護衛を引き連れてとある山奥の村を目指していた。王命を受けて次の大神官の決定に必要な「奇跡の目:慧眼」をもつ少年を捜しており、その少年が山奥にあるハシバミの村というところにいるというのだ。その少年は人の悪しき心を見抜くと言われており、鶏冠はさぞ聡明な少年だろうと想像するも、現れたのは聡明さを感じさせないヤンチャな少年で…!?美貌の神官・鶏冠、奇跡の目を持つ少年・青天、そして青天を守る剣の達人・曹鉄の、王都への旅が始まった!

 人気アジアン・ファンタジー小説のコミカライズ作品でございます。主人公は、女性顔負けの美貌を持つ宮廷神官・鶏冠。王命により、次期大新官の決定に必要な「奇跡の目」を持つ少年を探し、その少年がいるとされる山奥の村・ハシバミ村にやってきます。奇跡の目:慧眼とは、人の悪しき心魂を看破する眼であり、その眼を持つ者:慧眼児は、三百年にひとりの奇跡といわれる存在。さぞ聡明な少年であろうと想像していると、出てきたのは活発で猿のように駆け回るヤンチャな少年。どうにもその少年・青天が慧眼児であるとは信用できないものの、村の者たちの強い推しにより連れて帰ることに。そしてその夜、一緒にきた護衛が突如として鶏冠と青天の命を狙い襲ってきます。狙いは恐らく、慧眼の持ち主を連れて帰らせないこと。幸い命は、青天の保護者・曹鉄によって守られますが、命が狙われていると知ったらじっとしているわけにもいきません。鶏冠と青天、そして正当防衛とはいえ王仕えの人間を殺めてしまった曹鉄は、王都を目指して旅をしていくことになります。


宮廷神官物語
途中で仔虎も仲間になる。可愛げがあり、マスコット的存在に。


 最終的な目標がよくわからないのですが、これは王都についたらお終いなんでしょうか。1巻で、物語の進み方を見ていると、着いた後も物語は続きそう。とりあえず1巻までの流れを説明すると…次々にやってくる刺客と、それに立ち向かう3人。鶏冠は基本何も出来ませんが、それを青天のヤンチャさと曹鉄の剣技で切り抜けていきます。青天は確かに不思議な力を持つ証(額に石がある)はありますが、不思議な力に関しては自覚は出来ておらず、都に向かうことを決めたのも、村では奇異の目で見られているため抜け出したかったという想いから。その後のことはあまり考えてはいません。そして一緒についてくることになった曹鉄も、途中までは彼らについていきながら、どこかで隙を見て逃げ出そうと考えています。それぞれに想いを抱えながら、都を目指す一行は、やがて様々な人に出会い、想いとは裏腹にその絆を深めていくことになります。

 RPGってこんな感じだよね。というのが最初の印象。目的地が設定され、行き当たりばったりでイベントが発生し、その都度切り抜けていく。故に出会いも豊富で、キャラガたくさんみたいような人にはうってつけの内容。いっそ水滸伝みたいに108人仲間に…なんて思いましたが、さすがにそこまですると誰が誰だかわからなくなっちゃうのか。キャラが多く登場する割に、描き分けはしっかりできており、そのへんで困ることはないと思います。ただ場面の切り替えと、見所の強調に拙さがみられるのか、読んでいてあまりに引っ掛かりがなく流れていってしまう印象だったのがちょっと残念なところ。とはいえ初連載ですから、そのへんを考えるとご愛嬌とというところなのでしょうか。


【男性へのガイド】
→キャラ重視だとすると、やっぱり女性の方が楽しめるのかな、という印象。
【私的お薦め度:☆☆   】
→原作はまた違うのかもしれませんが、あまり引っ掛からなかったというか。ただ物語的な齟齬があるわけではないので、十分楽しめる内容にはなっていると思います。


作品DATA
■著者:カトーナオ/榎田ユウリ
■出版社:角川書店
■レーベル:ASUKAコミックスDX
■掲載誌:Asuka(2009年5月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:560円+税

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。