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Tag [新作レビュー] 2012.08.11
kyokuto.jpg野奇夜「極東プリズン」(1)


理不尽だよ…
もうわけが分からない



■普通の女子中学生だった藤本ひなた。しかしクラスメイトとの諍いがあった夜、何者かに誘拐される。眠っている間に連れて来られた場所は、誰の助けも得られない無人島。そこには計12人の少年少女が集められていた。人間としての点数をつけられた彼らは、とある資格を懸けた恐ろしい非日常を送ることになる…!

 野奇夜先生の新作単行本でございます。原作付きの作品を描いているイメージの強い野奇夜なのですが、こちらはオリジナルの単行本になります。なんだか怪しげな表紙とタイトルの本作、なかなかインパクトのある作品となっていますよ。
 
 物語の主人公は、ごくごく普通の女子中学生・藤本ひなた。ある日クラスメイトをイジメめいた諍いに巻き込んでしまったその夜、何者かに拉致されてしまいます。気づいた時に自分がいたのは、見知らぬ体育館と、見知らぬ11人の男女。顔も見知らぬ彼らは皆、拉致されこの場に集められたらしい。ワケも分からぬまま、スクリーン越しに語られたのは、自分達は生きる資格がない社会のクズであること、そして最後のチャンスとして、学校での共同生活を通して社会で生きていく能力があるかテストされるということ。生徒達はそれぞれ点数がつけられ、100点に到達した者は元の生活に、逆に0点になった者は大人になる資格を剥奪されるという。学校があるのは、逃げ場のない無人島。果たしてひなたは、この壮絶な非日常を生き抜く事ができるのか…というお話。

 
極東プリズン
学校に集められた(拉致された)のは計12人。それぞれ拉致される前の日常生活での態度が点数化されており、上は85点から、下は10点まで。ルールに従ってちゃんと行動出来た場合は持ち点が加算され、逆に諍いを起こしたりルールに反する行動を起こした場合は減点。100点に達すればシャバに戻れて、逆に0点になれば…。


 序盤に見せしめ的に一人が犠牲になり、物語の緊張感は一気に上がります。ヒロインの最初の持ち点は50点。そんな彼女が結果的に一番仲良くなったのは、最初の持ち点が10点という少年なのですが、これが実に食えないキャラ。非常に切れるけれど、内面が全く見えない恐ろしさがあります。以前人を殺したのでは…と噂される男の子が最初の持ち点35点ですから、10点てもはや…となかなか気になる設定です。
 
 ルール化された中で動くのであれば、余りに退屈な物語で終わってしまいますが、こちらはそうは行かない要素が二つ落とし込まれています。まずはルールは明文化されていないということ。加点・減点は主催者側の裁量で決定しますし、秩序を生み出そうと自分達で決めた内輪のルールすらもトリガーとなりえる不安定さがあります。また、ルールを守らなくてはいけないのは7時〜17時までの間で、それ以外は何をしてもOKという設定があるため、場は荒れやすいです。この二つを落とし込めたため、割と物語のアクティブさについては、作者さん側で調整可能なのかな、と。これは結構上手い設定だと想いました。


極東プリズン1−2
結局のところ点数でのせめぎあいになる。個人同士の点数比較が直接物語を動かす要素には今のところなっていないが、これから段々とそういう部分も出てくるのでしょう。


 中学生が島に拉致監禁されて、サバイバル…というと「バトルロワイヤル」なんかを思い出します。こういう理不尽系のお話は男性向けの雑誌などでしばしば見られるのですが、女性向けでは珍しい。なかよしでの「ミリオンガール」(→レビュー)などと同じく、ネタや雰囲気的に二番煎じ的なものであったとしても、そのインパクトだけでもう勝ちなんですよね。本作も、そんな印象のある一作です。ただ女性向け作品で共通して不安になるのは、どこまで物語の器を拡げるのかというところ。設定的にはかなり壮大な物語に仕上げることも出来るかと思うのですが、この掲載誌でしかもオリジナル連載はそこまでやっていないということを考えると、結局思いの外小さい枠に収まる物語になってしまうのではないかな、という懸念もあります。集められた理由も、結局の所判然としませんし。何かクズっぷりで共通点でもあればまたあれなのですが。しかし1巻時点ではそのへん判別付かず。物語の展開含め、色々と続きが気になるお話でございます。


【男性へのガイド】
→こういう話を好む男性の期待に耐えうる物語になるかは、まだわかりません。ただネタとしては結構読ませる内容だと思いますよ。
【感想まとめ】
→こういうインパクトのある作品は好きです。色々粗いというか、気になる点はありますが、ちょっと追いかけてみたいですねー。


作品DATA
■著者:野奇夜
■出版社:角川書店
■レーベル:ASUKAコミックス
■掲載誌:ASUKA
■既刊1巻
■価格:560円+税


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Tag [新作レビュー] 2012.02.12
1106091925.jpgサマミヤアカザ/岩城広海「王子はただいま出稼ぎ中」第1巻


塵も積もれば借金完済


■21億5千22万グランという、気絶寸前の借金を背負う小国・フォーレの武芸に秀でる王子・ユートは、あの手この手で借金返済に駆け回る日々。身分詐称してバイトするなんてもちろんのこと、もっと大きな儲け話はないかとアンテナを張り巡らせています。そんなある日、懸賞金5千万グランの凶悪盗賊団の存在を知ったユートの脳内で、算盤が弾かれる…。それもこれも全て、借金返済のため、今日も王子は稼ぎます!

 角川書店ではおなじみの、ライトノベル原作のコミカライズになります。タイトルは、「王子はただいま出稼ぎ中」。正直全く聞いたことがなかったのですが(そもそもラノベに疎い)、シリーズ6作が刊行されている人気シリーズのようです。物語の主人公は、とある世界にある莫大な借金を背負った小国・フォーレの王子・ユート。金銭意識と危機感の高いユートは、その地位に溺れることなく、日々どのようにして借金を返済するかを考えて生きています。しかしこれといった収入もなく、また日々の生活費すら危ないと言う状況で、借金返済にまで回すお金を捻出するのは難しいもの。そこで自ら稼ぎに出て、なんとかお金を返すという考えに至ります。時には身分詐称で危険な仕事を請け負うことすら。頼りない部下に、頼りがいがあるけれどどこか変わっている他国の王子などのサポートを受けつつ、今日もまた一つ美味しい仕事を見つけてきた王子ですが…というストーリー。


王子はたた#12441;いま出稼き#12441;中
金第一主義。とにかく儲け話があれば危険であろうとなんであろうと出向く。


 冒険ものかと思いきや、借金返済に美麗な顔をしたかわいい王子が駆け回るというややホームコメディよりの内容。こういう軽いお話、大好きです。国が抱える借金は21億5千22万グランということですが、“グラン”を“円”で置き換えて見ればおおよそイメージ通りになるはずです。日本の借金に比べれば屁でもないような額ではありますが、これといった強みもない小国からすれば大借金であることに変わりはありません。この危機を打開するために、税収云々…なんて発想になれば良いのかもしれませんが、いかんせん王子は顔と運動神経は良くとも、頭の方にそれが回らないようで、自ら働きに出るという選択を選んでしまいます。要するに正義感とエネルギーを持て余した筋肉バカということになるのですが、見ためも相まってその様子が実に可愛らしい。

 今回コミカライズを手がけているサマミヤアカザ先生は、原作の挿絵もご担当なさっていたということで、原作とのイメージギャップに苦しむことはそんなになさそうですね。女性向け作品でかつ角川ですから、登場人物皆々見目麗しい容姿をしているのですが、それでも主人公の女性っぽい見ためは作中でもきっちり描き出されていて、さすがです。なおホームコメディに終始するのではなく、とある金稼ぎに首を突っ込むことをきっかけに、より大きな物語の枠に引きずり込まれるという展開を用意。決してこじんまりした印象は与えません。しかし原作6作出てるってことは、そうそう簡単に借金返せないんだな、、、と。参謀に恵まれなかった主人公が不憫で不憫で…でも窮地に陥って困るその表情もまた可愛いんだな(変態とかじゃなく、みんな絶対そう思ってる)。


【男性へのガイド】
→女子キャラゼロも、主人公がかわいいのでそういうの好きな人(どんな人だよ)は。中日の浅尾選手を見守るような気持ちで読みましょう。
【感想まとめ】
→このくらいの軽さのあるお話の方が、個人的には読みやすいです。ストーリーも単純明快でわかりやすいですし。テンポも良く、親しみやすい仕上がりに。



作品DATA
■著者:サマミヤアカザ/岩城広海
■出版社:角川書店
■レーベル:ASUKA
■掲載誌:ASUKA
■既刊1巻
■価格:560円+税


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Tag [新作レビュー] 2011.09.25
1106059158.jpg神田はるか「オオカミさんと!」第1巻


男はオオカミなのよ
気をつけなさい



■男嫌いな中学生・陽菜子がやってきたのは、男ばっかりの孤島の学園。そこにいる、会ったことのない“おばあちゃん”に会うために、春休みを利用して一人で乗り込んできたのだ!けれども着いて早々出迎えてくれたのは、女に飢えた男達。やっとの思いで逃げ切ったその先にいたのは、眼鏡の毒舌研究家・大神さん。ドSな彼に保護…というか拉致されてしまい、陽菜子絶対絶命!?

 「カポーん。」(→レビュー)などを描かれている神田はるか先生のASUKAでの新作になります。おばあちゃんに会うために、とある孤島にやって来た女の子が巻き込まれる、ドタバタな毎日を描いたお話。ヒロインは、男嫌いの中学生・陽菜子。春休みを利用して、おばあちゃんに会いに来たけれど、島に着いた途端男どもに追いかけられるという非常事態に。何もわからず逃げ惑う陽菜子は、なんとも怪しげな風貌の男・大神にその身を保護され、なぜかそのまま拉致監禁されてしまいます。祖母が学園長を務める大学の講師だというその男は、「そのうちおばあちゃんに会わせてやる」「外に出たら危ない」などと言い、体よく陽菜子を閉じこめるのだけれど…という、ここまで紹介すると明らかに犯罪臭のする内容ですね、これ。


オオカミさんと!
ヒロイン・陽菜子。もう神田先生ずるい!泣き顔困り顔の可愛さの破壊力と来たら、どうですか皆さん!?



 この紹介だけだとだいぶ犯罪の匂いがするお話になってますが、多分序盤はかなり法に触れてると思います(笑)中学生の女の子が単身孤島に乗り込むという時点でかなりぶっ飛んでいますが、着いて早々「女だ」と追いかけ回されると言うトンデモ状態。そしてそんな彼女を華麗に助けてくれた表紙の男・大神がまたクセ者。部屋の中にきた狐と陽菜子の取り合いになり、その中でしびれ薬を散布。巻き添えを食らって陽菜子もダウンしてしまいます。そして目が覚めたら脅されて拉致状態に。一応祖母が学園長を務める大学の講師という素性明かしがあるため、安心とは言えるのですが、それでも外はアブナイからと特に何も説明せずに中学生の女の子を閉じこめちゃうあなたも相当危なぞ、と。後日逃げないように首輪つけたり、なかなか行動も強烈です。あと中学生の女の子を、女に飢えた大学生達が追っかけるっていうシチュエーションもなかなかに犯罪的(笑)
 
 そういった不可解は、物語中盤に現れる祖母によって解消されるのですが、やりたい放題感はそのままに物語は進行します。物語のベースはお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、「赤ずきんちゃん」ですが、キャラクターイメージに継承されてるだけで、他は自由です。作者さんがやりたいことを先行させて作られている系統の作品だと思うのですが、それゆえに設定は緩めです。一応日本が舞台らしいですが、別に日本じゃなくても問題ないと思いますし、その辺は読み手の自由で。「カポーん。」でもそうでしたが、ヒロインの泣き顔(悲し泣き/うれし泣きどちらも)の可愛らしさは圧巻。小さな女の子ということで、その辺に訴求してくる面もあるかとは思います。とはいえ基本的には守ってくれる大神さん、腹黒そうな狐くん素敵というお話だと思いますので、そこは納得の上お手にしてください。


【男性へのガイド】
→陽菜子ちゃんのかわいさ一択。ほんとかわいいです。追いかけたくなる大学生の気持ちがわかる(←
【感想まとめ】
→神田先生はASUKAの方が自由にやってる感があるのは気のせいでしょうか?地に足ついていないのがむしろ売りな、ドタバタラブコメ赤ずきんちゃんです。


■作者他作品レビュー
*新作レビュー* 神田はるか「スウィートガール」


作品DATA
■著者:神田はるか
■出版社:角川書店
■レーベル: ASUKAコミックス
■掲載誌:(連載中)
■既刊1巻
■価格:560円+税


■購入する→Amazon

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Tag [続刊レビュー] 2011.09.01
作品紹介→残念な女の子は好きですか?:風都ノリ「祓魔師な嫁ですが。」1巻
2巻レビュー→こんなに残念かわいいヒロイン見たことない!:風都ノリ「祓魔師な嫁ですが」2巻




1106046202.jpg風都ノリ「祓魔師な嫁ですが。」第3巻


こんなことなら
パンツの一枚や二枚調達してくるんだったぜ…!



■3巻発売、完結しました。
 皐月ちゃんと一緒の学校に通い始めた鈴音。大好きな皐月ちゃんと共に、楽しい学園生活を送るはずが、突然鈴音が修道院に引き戻され、そこで衝撃の事実を告げられる…。それに加えて「婚姻の呪術」の期限も近づき大ピンチ!!「切り札はある…夜の営みだ!」おかしなカップルの運命の恋、ここに堂々完結!


~完結してしまいました(涙)~
 完結してしまいました…。何気に続刊が楽しみな作品の筆頭であっただけに、3巻での完結は非常に残念です。もっと鈴音の残念さを堪能したかった。。。しかし終わってしまうのは仕方のないところ。それならば最後らしく、鈴音ちゃんの魅力を存分に伝えるだけですよ!(って1巻レビューも2巻レビューも鈴音の残念さフィーチャーで終わったのに何言ってんだ自分は)ということで、今回も鈴音メインでレビューをお送り致します。


~のっけからこの変態である~
 表紙を取ってみると、いきなり「皐月ちゃんのパンツを懐で温めておきました!」の一言がドーンと描かれており、期待感を高めてくれたのですが(なんで表紙取ったところを最初に見るんだという話は置いておいて…)、表紙折り返しの部分にある作者さんのコメントには「鈴音の暴れ成分が足りないかもしれませんが…」の言葉が…。え、ちょ暴れないの…と思ったのも束の間、ごめんなさい低め見積もりでもこんな感じなのですね…
 


祓魔師な嫁て#12441;すか#12441;。3-1
なんで殴らない!?
(殴られたい)





祓魔師な嫁て#12441;すか#12441;。2-2
このオッパイ眼鏡…
(ひどいあだ名付けも健在)




 わーい、変態だ!普通にひどいわけですが、それでもやっぱり1巻~2巻からするとトーンダウンは否めません。というのも、3巻はラストへ向かうにしたがって、シリアス成分が増加。意外なほどにしっかりと終わったので驚きました。いや、結構強引というかハチャメチャな展開だったのですが、伏線はしっかり回収しつつ、感動路線として納得のできる締めであったので。変態に全て潰されるかと思いきや、予想外にもハートウォームで「やられた…」という感じでした。さて、もうひとつ「やられた…」といえば


祓魔師な嫁て#12441;すか#12441;。3-3
ショタ時代(邪悪)


 鈴音の幼少期はイノシシだけじゃなくて、なぜか男装でショタっ気満載。ええ、「赤ずきんチャチャ」のシイネちゃん以来、「少年メイド」(→レビュー)の千尋しかり、黒髪さら毛ショタ大好きです。まさかこういった形で、この作品でショタ充できるとは思っていなかったので、大満足すぎて辛いです。というか全く不要な気もするこの男の子時代。しっかりと伏線というか、皐月ちゃんとの関係を描き出す上で意味を持ってくるという。本当であればずっとこの態度のままだったはずが、皐月ちゃんと仲良くなるために女の子らしくしたという裏が隠されていました。無駄に見えて、意外と無駄じゃない。そういうの、好きです。


~「皐月ちゃん」という呼び方~
 それに関連して、皐月ちゃんという呼び方についても。これずっと無意識での自然な呼び方だと思っていたのですが、こちらにもちゃんと意味があって、最後にズドンと来るという。「皐月ちゃん」というのは、女の子の格好をしている時の皐月としての意識が残っているから。だからこそ、レストランバイトを始めたときも鈴音は女子の制服を皐月に強引に着せようとしていたわけで。それは即ち、皐月ちゃんを男として見ていないということの現れ。親近感のある呼び方と思っていたら、そのベクトルは余りに違う方向を向いていたということなんですね。そして最後に、「皐月くん」の一言。くん付けってなんだか鈴音の呼び方にない感じがしてすごく新鮮なのですが、確実に二人の仲は深まったということで、めでたしめでたし。この先も相変わらず鈴音が変態っぷりを発揮してくれると思うと、その後のエピソードとかも見てみたいわけですが、それが叶う日はくるのだろうか。
 
 
祓魔師な嫁て#12441;すか#12441;。3-4
修道院の妹が、次回作フラグを立ててくれたと見て(強引すぎるこじつけ)、待ちたいと思います。



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Tag [新作レビュー] 2011.07.24
1106027451.jpg如月弘鷹「声優一年生」第1巻


なんとなく
こいつとは
一緒に走っていけそうな気がしたから



■投稿動画に吹き込んだ“声”が元で、声優にスカウトされたのは、神絵師志望のオタク高校生・伊勢一海。声優になるなんて、まったくの予定外。けれども憧れの女性声優に会えるというその一言で快諾。声優デビューすることに。だが、元アイドル子役の同い年の共演者・黒江劉生に書くの違いを見せつけられ、さらに、上手くできたと思った演技に「人まねだ」とNGを出され…!?キャラの心を現実へ伝えるのが、声優の役目…養成所・アフレコ・イベント…等身大のガムシャラ声優ストーリー!!

 角川書店からの新刊は、いかにも“らしい”、声優ものとなっております。声優を描いたお話はここ最近多い気がするのですが、こちらの作品はデビューまでの道筋が特異。主人公である伊勢くんは、声優志望ではなく絵師として成功したいと願っている動画投稿者の高校生です。そんな彼が自分でアテレコをした動画を、とある業界関係者が見かけ、声優としてスカウトされ、いきなりデビューという過程を踏む事になります。ということで、中心として描かれるのは、デビュー後の苦悩。トントン拍子でデビューすることになるのですが、同い年の子役上がりのパートナーに実力の差を見せつけられ、また原作者からは演技へのダメ出しが。早速幾多の壁にぶちあたる主人公でしたが、持ち前の前向きさと情熱で、作品と声優という仕事に向き合い、前へと進んでいく…というお話になっています。


声優1年生
二人とも声優は初経験。わからない事だらけの中、自分たちなりの答えを出し、声優という仕事に向き合っていく。


 こんな簡単にデビューできるかよ、という突っ込みはありそうですが、そこはご愛嬌。お仕事マンガという側面は薄く、何かに真剣に向き合い、壁にぶつかりながらも努力と情熱と仲間の支えによって前に進んでいくという、少年達の成長譚となっています。“少年達”ということで、メインで描かれるのは伊勢一海一人ではありません。主人公と同じタイミングで声優デビューと相成った、元アイドル子役の黒江劉生が、ライバル&戦友という立ち位置で、主人公とともに歩んでいきます。オタクということで、作品への情熱は人一倍あるけれどど素人という主人公に対して、劉生は演技力はあるけれど作品や声優への情熱はやや欠けるという欠点があり、お互いの足りない部分を切磋琢磨し合いながら埋めていくという関係が築かれます。一見いやみなライバルな感じなのですが、早々に弱みを見せて、異様に萌えるキャラになるあたり、美味しいです。
 
 ベースとなるのは、メイン二人の漫才でしょうか。勢いよくボケる主人公に対して、冷静に突っ込む劉生は相性抜群。今のところ、というかこれから先も多分恋愛方面に転がっていく様子はないところからも、この二人の関係にによによするという感じなのではないでしょうか。ザ・脇役の域を越える女性キャラが登場しないのが、男性的視点では残念なところではあるのですが、余計なものは入れず、純度たっぷりに1対1の関係を堪能するという意味では、この人物配置がベストなのでしょう。個人的には過去の実績と現状の差に苦悩する、劉生くんの方が俄然好みですかね。恵まれてる環境にいるはずなのにそう感じず、必要以上に自分を追い込んでしまうその姿が、とても素敵です。


【男性へのガイド】
→これはキレイに女性向けの造りになってると個人的には感じました。勢いに任せた熱い成長譚がお好きな方は良いんじゃないでしょうか。
【感想まとめ】
→この二人に萌えられるかが鍵となるのかな、と。見たまんまのキャラクターですので、ビビっと来た方は是非ともチェックを。


作品DATA
■著者:如月弘鷹
■出版社:角川書店
■レーベル:角川ASUKAコミックス
■掲載誌:ASUKA(連載中)
■既刊1巻
■価格:560円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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