
よし!
重要参考人として身柄を確保!!
■弥木圭は、なぜか死体を見つけてしまう体質の男性モデル。そのせいで、しばしば犯人だと疑われ、殺人事件の重要参考人に!?自らにかけられた容疑を晴らすため、推理オタクの周防斎、ナンパ好きのシモン・藤馬の2人のモデル仲間とともに、圭は今日も難事件に立ち向かう!本格推理コメディ、待望の第1巻!!
「さんすくみ」(→レビュー)の絹田村子先生の新連載です。今度はなんと、推理モノです。「名探偵コ○ン」が代表格とも言えるでしょうが、推理モノの主人公が出先で異常なほど殺人事件に遭遇するというあの現象、ありますよね。コナンなどは過去にどれくらい死んでいるかという数が集計されていたりと、こいつらが疫病神なんじゃないかっていう風潮すらあります。本作は、そんな推理モノの難点を逆手に取ったとも言うべき設定のキャラが主人公となっています。
主人公の弥木圭は、探偵……ではなく、モデル。彼は幼いころからある特異体質に悩まされています。それは、行く先々で死体と出会ってしまうというもの。それも必ず第一発見者で、死に方も様々。余りの遭遇率に死体を見ること自体には慣れてしまったものの、困っているのが犯人と間違えられてしまうということ。自らにかけられた容疑を晴らすために、必死になって真犯人探しをするのですが、、、というストーリー。

死体との出会いは日常。
どうしてそういう体質になったのか、どうやらきっかけはあるらしいのですがそれは1巻では明かされず。恐らく先々明らかになってくるのでしょう。当人ですが、この体質は嫌ではあるものの引きこもりになるわけにもいかないので「仕方ない」として片づけて普通にモデル業をこなしています。容姿は優れているものの、頭脳の方は良いのかよくわからず。ただ自分が無実の罪を着せられたらたまったもんじゃないと、火事場の馬鹿力的に集中力を発揮します。
探偵ではありませんから、当人だけで問題を解決するのは難しいです。そこで手を貸してくれるのが、同じモデルで度々現場に出くわす、推理マニア・周防とナンパ好きのシモン。結果性格バラバラの3人でどこか緩くトラブルを解決するという構図は、「さんすくみ」と同じですね。ただこちらはモデルなので、男としてのランクはグイっと上がっているわけですけれども。周防は推理マニアといえども洞察力はまるでなしで、あまり役に立つ印象はありません。シモンはナチュラルボーン・ナンパ野郎という感じで、そのテクを駆使して女性から様々な情報を引き出す役目を負います。

周りの仲間もそれを知っているので、比較的慣れている。周防に関しては、待ってましたと言わんばかりにノリノリ。
トリックはそんな突拍子もないものはありません。そこはあくまで、素人たちでも解決できるレベルのもの、という位置づけですから。難易度的には、「ぼくらの推理ノート」ぐらいでしょうか(恐らくほとんどの人には伝わらないであろう例え)。そう考えると、ミステリーという枠で捉えるよりかは、男3人のやり取りを楽しむコメディという方が正しいかもしれません。「さんすくみ」が好きだった方は、まず同じテンションで読んでもらって普通にそのまま楽しめるような感じだと思います。
【男性へのガイド】
→男子たちのゆるいやり取りは割ととっつきやすいとは思うのですが、モデルになったぶん「さんすくみ」よりかはハードル上がった感もあります。
【感想まとめ】
→表紙とタイトル見たときはものすごい方向転換だなと思っていたのですが、中身を読んで安心、これは「さんすくみ」の流れをくむ安心の絹田村子作品です。
作品DATA
■著者:絹田村子
■出版社:小学館
■レーベル:flowerコミックス
■掲載誌:flowers
■既刊1巻
■価格:429円+税
■試し読み:第1話
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