
さーて帰りましょうかね
わが家に
■松苗なぎさは、恋も学校生活も順調な高校2年生。マネージャーを務めているバスケ部のキャプテンで、みんなから頼りにされている同級生の近藤春汰と付き合いたてで、毎日ときめき幸せ。男らしくて優しい春汰が大好きで、いつも一緒にいたいけれど、一つだけ、どーうしても知られたくないことが!!なぎさの家族は、他の家庭と少しだけで違うようで…?
電子書籍である「ゲートアッシュ」の連載作が、この度紙媒体となって登場です。ゲートアッシュって全く知らなかったのですが、電子書籍にももっと注目して行かないとだめですね…。見落としが結構…。というわけで、桜庭ゆい先生の「なぎさ@ホーム」のご紹介です。こちら桜庭先生にとっては初連載かつ初単行本(と思われる)ということで、実におめでたい作品。事前知識ゼロでしたが、この鮮やかな色合いの表紙に惹かれ、即購入を決意しました。
さて本作のあらすじをご紹介しましょう。主人公はごくごく普通の女子高生・松苗なぎさ。バスケ部のマネージャーで、信頼厚い同級生のキャプテンと付き合いたてという、青春の匂いたっぷりの十代女子でございます。普通に見ていれば順風満帆の彼女ですが、一つだけ彼に言えない悩みが。彼の「松苗の家族にも会ってみたい」という言葉に思わず顔を引きつらせた彼女の秘密とは、実父が乙女系(オネエ系)のラブリー主夫であるということ。「こんなパパ、絶対に紹介できない…」なんて思っていたら、タイミングよく蜂合わせてしまうわけで…というストーリー。

こんなパパ。おヒゲがチャーミングですよね。主夫というだけあって、家事はほぼ完璧にこなします。稼ぎ頭はお母さん。娘の男女交際に関しては、やっぱりお父さんらしく反対の姿勢です。
桜庭ゆい先生ですが、帯に描かれている通り東村アキコ先生のお弟子さんだそうで。ベースはオーソドックスな少女漫画であるにも関わらず、乙女系パパという濃いキャラを投入してきて場をかき回すというあたり、東村先生の匂いを少し感じます。そんなインパクト大なパパなんですが、あくまで物語はヒロインと相手役の恋愛が軸。このパパは、結果的にそんな二人(というかヒロイン)をサポートする役目を果たします。一発キャラ的な人をメインに持ってくると、出オチで後半ダレてくることが多いのですが、こうして名目上脇役に据えることによってそれを防ぐというのは賢いなぁ、と。ただあまりに自然に溶け込みすぎて、最後の方は普通に家族の一人って感じになっていたのは、良かったのだろうか(笑)
恋愛ベースで進んで行くのですが、タイトルにもある通り、中盤以降はホームコメディとしての要素も多分に含まれてきます。恋愛も家庭も、どちらも安定した関係で、ほのぼの幸せという同じベクトルでバランス感良し。ただ一方で、どっちつかずでやきもきする方もいるかも。決め打ちで「恋愛もの」「ホームコメディ」という先入観を持っていかずに、緩い気持ちで読みはじめてもらえればと思います。
【男性へのガイド】
→文法は完全な少女漫画です。免疫というか、そういった作品を読みなれていない人は若干つまづくかもしれません。とはいえ安定したほのぼの恋愛ものなので、入ってからの抵抗感は少ないと思いますよー。
【感想まとめ】
→個性派キャラがいながらも、とっちらかった物語にならずきっちりまとめる。非常に読みやすい安心感のあるお話でした。
作品DATA
■著者:桜庭ゆい
■出版社:角川書店
■レーベル:ゲートアッシュ
■掲載誌:ゲートアッシュ
■全1巻
■価格:660円+税
■購入する→Amazon
スポンサーサイト