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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2015.02.11
1106491075.jpg田中相「その娘、武蔵」(1)



でっかい波だ
見たこともないでっかい波




■中学女子バレーボール界の頂点に立ち、名を馳せた巻田中学校のエース・兼子武蔵。全中優勝インタビューでバレーを辞めると公言した彼女は、心機一転、大仙高校で自由な日々を謳歌しようとしていた。しかし、身長184センチメートルと目立つ彼女はバレー部主将・律から目をつけられ……!?

 「千年万年りんごの子」の田中相先生の新連載です。なかなかインパクトのある表紙だと思いませんか?見ての通り、バレーボールマンガです。主人公は表紙に描かれ、タイトルにもなっている兼子武蔵。飛びぬけた身長と身体能力で中学バレー界を席巻し、難なく全国制覇を成し遂げます。バレー界を背負う至宝だと、その進路に注目が集まる中、彼女が放ったのは「バレー辞めます。部活なんて必死にやっても意味ない。」という言葉。兄が通っているバレー部のない高校・大仙高校へと進学をするのですが、そこには無いと思っていたバレー部が。部員は4人で同好会への格下げギリギリという状態の中、主将の律に目をつけられ、バレー部へ入ってくれと勝負を挑まれるのですが……という話。


その娘、武蔵0001
バレー部ということでキャラクターはたくさん登場してくるのですが、メインとなるのは2人に絞られてくるかと思います。まずは主人公の武蔵。184cmという高い身長の持ち主で、それに対する男子のからかいも全く気にしない、心も体も大きい女の子。類まれなバレーの才能はあるものの、中学時代にバレーをすることに違和感を覚え、以来頑なにバレーをするのを拒否してきました。そんな彼女に狙いをつけて、バレー部再建を目論むのがバレー部主将の律。イギリスとのハーフという変わり種ですが、そのきれいな見た目とは裏腹に、かなり気が強いご様子。バレーに前向きでない武蔵の気を引くために、わざと逆上させるような言い回しをしたりと、目的を達成させるためにはなんだってしてやるというような、意志の強さを感じさせる選手です。なおバレーの実力もなかなかのもの。実は大仙高校、元々バレー部は競合で春高にも出場するぐらいだったのですが、顧問の体罰問題が明るみに出てバレー部は解体、顧問は辞任し、選手たちの大半はバレーが出来る高校へと転校してしまったという背景があるのです。


 もうびっくりするくらいにスポーツもの。バレーものといえば「少女ファイト」なんかが最近だと目立つところですが、女性向けというところでいうと別冊マーガレットで連載されていた「紅色HERO」が記憶に新しいところですね。最近めっきり少なくなったスポーツものということで、それだけで無条件で応援したくなりますね。

 部員数は新人交えてギリギリの状態ではあるものの、部員達の実力はそこそこあるという背景があるため、1からチームを作って長期計画で頂点を狙うというアプローチはしないと思われます。3年生が卒業する前までにチームを作って、春高を目指すという比較的短期の計画。とはいえ順調にレベルアップが図れる環境かというとそうではなく、体罰問題の影響は尾を引いており、周囲からの風当たりは強く、また練習時間もある程度限られてきているようです。

 通常バレー部と言えば、目標に向かって一丸となって進んでいくという印象ですが、本作はちょっと変わっています。律はその行動からもわかるように、残り1年に懸けて本気で春高を狙っています。他の部員はそこまでの熱量かというと少し疑問で、それぞれの思惑を持って部に残っているという感じ。武蔵も一度は嫌になりやめたバレーをもう一度始めるのですが、上を目指して…というよりは、自分にとってバレーとは何かを見出す試行錯誤のアプローチを見せます。最終的に各人の思惑がどういったところに着地するのか、またその結果チームはどこまで勝ち進めるのか、大小2つのアプローチで少女たちの青春を鮮やかに描き出していきます。


その娘、武蔵0002
田中相先生の絵柄でスポーツってあまり結びつかなかったのですが(割とかっちりと収まったコマ割りとか、キャラ造形なので)、バレーのシーンでは変則コマで動きを表現。ダイナミックさにはやや欠けるかもしれませんが、スローモーションを連想させる描き方で、手に汗握るシーンを描き出します。


 そうそう、あと気になったのが新たに顧問になってくれた先生が完全に宮史郎なところ。これ偶然宮史郎的になってるんですかね?不祥事後ということでなかなか顧問になってくれる人がいない中、素人ながらバレーファンである彼が奮闘する姿も、今後見られそうで楽しみ。1巻時点ではバレー部が動き出したというところで終了。2巻以降、いよいよ活動が加速してきそうで、非常に楽しみです。

 
【男性へのガイド】
→スポーツものなので、やはり他作品比で読みやすいんじゃないかと思います。どうして部活をやるのか…という所があるぶん、動き出しは遅くなっているのですが、2巻以降で取り戻すんじゃないかと。
【感想まとめ】
→スポーツものであるってだけで応援したいのですが、それを差し引いても普通に面白いです。オススメです。



作品DATA
■著者:田中相
■出版社:講談社
■レーベル:KC ITAN
■掲載誌:ITAN
■既刊1巻


■試し読み:第1話

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2015.01.28
1106481684.jpgカム「キラキラ光る嘘の粒」



嘘をつきすぎて
弥次郎が本当のことわからなくなったら
私が見つけてあげるから




■嘘つきの言葉から本当の言葉を探すにはどうしたらいいの?
 嘘をつかずに生きてきた「占い姫」と嘘をつき続けて生きてきた「弥次郎」。
 相反する二人が傷つけ、支え合い、その先に見つけたものとは?
 異彩・カムが描く、輝く嘘の物語。

 短編集「山響呼」(→レビュー)で単行本デビューしたカム先生の連載作です。それでは物語を紹介しましょう。メインキャラは2人。1人は何でも未来を見通せる力を持つ「占い姫」。彼女は自分の占い結果を信じてもらうため、生まれてからたったの一度も嘘をつかずに生きてきました。時には相手の死すら隠すことなく伝えてしまうため、周囲の人間は少しでも嘘をついてトラブルを招かぬようにしてほしいと望んでいます。もう一人は嘘ばかりついて生きてきた弥次郎。各地を回り商売をしている飛行艇に乗って旅をしている男で、非常に口が上手い世渡り上手。ひょんなことから弥次郎は占い姫の嘘の先生となり、飛行艇に乗って世界を回ることになるのですが・・・というお話。


 物語は2層構造。行く先々で出会う人々は何かしらの問題を抱えていて、それらに占い姫や弥次郎が介入し、その問題を解決することで、1話あたりの物語が転がっていきます。もう一つ、1巻通しての流れとしては、それらの問題を通して「人はなぜ嘘をつくのか」と占い姫が感じ学び、段々と変化していく様子が描かれます。


きらきら光る嘘の粒
変化は見せつつも真っ直ぐな性格は相変わらずで、占い師の割に後先考えずに行動して度々危険な目に遭うことも。そんな暴走しがちな彼女を守り支えるのが、嘘つきの弥次郎というわけです。


 占い姫は当初、とにかく真実を伝えてあげることこそすべてであり、人が嘘をつくことへの理解は薄いところがありました。それでも弥次郎と出会ったことで、人がどうして嘘をつくのか、そして嘘をつく人をどう信じれば良いのかということについて、自分なりの答えを見出すようになっていきます。

 「嘘をつくのが良いのか悪いのか」という所に答えはなく、双方の落としどころとしては、あくまで自分なりの嘘との付き合い方を固めるというところ。それぞれに嘘のつき方にポリシーがあるわけですから、相手ごとに自分の姿勢・考え方というものを変えなければいけません。そのため物語的には、誰かのつく“嘘”を見据えるというよりは、嘘をつく“弥次郎”や嘘をつかない“占い姫”という、個別の人間関係に帰結していくことになります。「嘘と真実をめぐる…」なんて言うと大きな物語に聞こえるかもしれませんが、割とこじんまりした世界を優しく描いたお話なのだと個人的には感じています。


【男性へのガイド】
→男女での壁というよりは、こういう独特の作風を好くか否かという気がします。
【感想まとめ】
→カム先生ということで、絵柄も世界観も独特。割と好き嫌いが分かれるんじゃないかとも思うのですが、好きな方はドハマりしそう。テーマ自体は誰しもに通じる普遍的なものだと思いますので、とっつきやすさはあると思います。私は好きなクチですので、もちろんオススメ。どういう話なのかは、まずためし読みをチェックしてもらえればよいかと。


作品DATA
■著者:カム
■出版社:講談社
■レーベル:KC ITAN
■掲載誌:ITAN
■全1巻
■価格:702円


■試し読み:第1話

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Tag [新作レビュー] 2014.09.12
1106442397.jpg雨宮もえ「オルガの心臓」(1)



姉さんのものだ



■人口臓器の開発が進んだ世界で、世間から身を隠すように暮らすシャルトー姉弟。美しい姉・オルガが作る人工心臓は、革新的なものだった。移植手術を秘密裏に行うオルガとニトだったが、偽の人工心臓の噂が立ち上り始めたことで、二人の背後に見知らぬ影が迫り―――!?愛と命、犠牲とエゴ。秘められた心臓をめぐる物語!

 雨宮もえ先生のITAN連載作です。これが初単行本になるんでしょうか?それでは物語をご紹介しましょう。あらましは冒頭の通り、人工臓器の開発が進んだ近未来的な世界です。そんな世界で、ひっそりと秘密裏に人工心臓の開発・移植を行っているのが、シャルトー姉弟。元々姉のオルガは、都市で人工臓器の研究機関にいたのですが、諸事情によりその立場を奪われ、逃げるようにして今の田舎町で暮らしているのでした。そしてそんな姉にベッタリなのが、弟のニト。過保護とも言えるほどにオルガに依存・溺愛し、二人だけの閉じた世界で日々を送ろうとするきらいがある青年です。そんな日々に変化が訪れたのは、町で偽の人工心臓の噂が出始めたあたりから。警察たちは、その噂の真相を確かめるべく捜査に乗り出すのですが、やがてその手はオルガ達の元にも届こうとします。そんなさなか、ある男が彼らの元を訪ねてくるのですが…というお話。


オルガの心臓
ちょっと異常に仲が良い姉弟。愛し合ってるというよりは、お互いがお互いに極端に心配し合っているというような関係。こんな二人の関係に、だんだんと変化が見られていきます。


 この物語を「○○というジャンルです」と一言で説明するのは少々難しいところ。ファンタジーでもあり、医療ものの側面も持っていたり、姉弟愛を描いた物語でもあり。色々な要素が混じりつつのストーリーとなっている上、明らかにされていない背景があり、そこを隠したままに物語が進むため、どこか掴みきれないままに1巻が終わってしまった感が。全容を明らかにせずに進める場合、それでも読者を引きつけるだけの何かしらの魅力が必要なのですが、インパクトある物語設定・展開ではないので、キャラであり雰囲気であり絵柄でありで推す形となり、割と人を選ぶところがあるかもしれません。個人的な感覚では、やや理屈っぽいやりとりが続くことに加え、この美麗なタッチの絵柄から、初期のあき先生の作品(「オリンポス」やら「アルオスメンテ」やら)を読んだ時の印象に近いものがありました。

 非公式ながら革新的な人工心臓の製造と、それを阻もうとする世界ということで、大きな物語になりそうな舞台設定があると同時に、それと二軸で描かれるのが依存状態にある姉弟の関係という小さな器。どちらも密接に絡みつつの物語展開となるため、最終的には両方とも料理しての着地となりそう。それを初単行本でやろうというのはなかなかチャレンジングではあるのですが、今のところ綻びも見えず凄いです。

 背景が見えない分、オルガもニトもちょいと不気味に映るのですが、そんな中登場するオッサン(意外と若いのでしょうか?)のシマが一番のお気に入りキャラです。あふれるいい人オーラというか。暗くなりがちな物語の中で一人陽気なところとか、いいですよね。恋愛的な絡みも見せてくれたりすると更に良いのですが、、、なんてそこはあまり期待せずにいましょう。

 
【男性へのガイド】
→オルガはいるものの、全体的に女性キャラ成分薄めではあります(いるにはいるものの割と薄幸感漂う)。ITANなのであまり男女という垣根は意識しなくても大丈夫で、設定や絵柄が気に入ったのであれば手に取ってみてはいかがでしょうか。
【感想まとめ】
→1巻時点では掴みきれずではあるのですが、どういう結末になるのかは気になるところで、きっと2巻も購入すると思います、はい。


作品DATA
■著者:雨宮もえ
■出版社:講談社
■レーベル:KC ITAN
■掲載誌:ITAN
■既刊1巻
■価格:


■試し読み:第1話

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Tag [続刊レビュー] 2014.09.11
1106422127.jpg祀木円「トウキョウ・D」(2)<完> (KCx(ITAN))



探しものの中に詰まっているのは
悲しみではないかもしれないな




■2巻発売、完結しました。
 都内に潜伏する戦闘用兵器ロボット“ドール“を回収する任務に就いた、警視庁“D班"所属の篠。最初に造られた特別なドール・アゲハと思いがけなく出会った彼は、ドールと人間のお互いが納得できる道を模索し始めるのだが!?シマ模様がプリティーな警備用ロボットSHIMAと、人間型ロボット・クロハに守られながら、厳しいD班で職務遂行!!


~完結しました~
 予告通り、2巻で完結しましたよ。1巻終わりの時点でさほど物語に進捗がなかったので、本当に2巻で終われるのかと疑問に思っていたのですが、意外にも読み終わっての感想は、腑に落ちるものでした。詰め込むこともなく、また投げっぱなしにすることもなく、誰もが幸せになる100点の結末ではなかったかもしれませんが、少しの苦みを残しつつも納得できるラストで、良かったと思います。もともと物語の器がかなり大きく見えていたのですが、フィールドは東京都内に限られていたし、政治的な部分での大いなる意思は不変で、詰まる所当事者たちの納得感さえ担保できれば普通に物語は終わりを迎えられる状況であった、ということなのでしょう。

 なんて、フォーカスはアゲハと篠に当たっていたので、少しは気にかけられつつも、たとえばクロハの自意識や、結木の過去との折り合いについてはやや投げられた感もあるのですが。

 しかし最後まで緩かったですねー。それが良いところ。緊迫のラストシーンでは、一刻一秒を争う中、老人の昔語りが始まってしまったり、そんなの知らんとばかりに庭でくつろぐシマがいたり。。。


~とにかくシマが可愛いのです~
 さてさて、2巻も相変わらずシマが可愛かったです。もう欲しい。シマが欲しい。本当にロボットかと思うぐらい感情豊かで、自分の欲望に素直なんですよね。


トウキョウD2-11
BB弾に夢中なシマさん



トウキョウD2-2
イルミネーションを見たがるシマさん



トウキョウD2-3
勝手にお菓子を買うシマさん



トウキョウD2-4
新幹線に興奮するシマさん



 いやー、かわいいなぁ。でもよくよく見るとこれ、子供と基本一緒っていう。シマは無理だけど、子供ならなんとかなるでしょうか。。。がんばれ、自分。

 そういえば「しゅんにゃん」ではここまで感情豊かなロボットたちは登場しなかったのですよね。コンセプトというかベースは似つつも、作品の表情は全く別物で、こういうロボットたちもまた可愛らしいですね。疲れた時にふと読み返したい、癒し系な作品でございました。


【関連エントリ】
ロボット達がカワイイゆるシリアスな近未来SF:祀木円「トウキョウ・D」1巻

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2014.08.17
1106433471.jpg夏目ココロ「わたしと繁殖いたしましょう」





■ハレンチ美女・乙姫、降臨!!
 合コンで出会った美女は、地球人の繁殖相手を捜しにきた地球外生命体だった!そんな乙姫のモーレツ♥な求婚に、カズキの男心はぐらつきまくる。だが、乙姫と恋愛成就しSEXすればなんと、もれなく「地球滅亡」になるらしく!?それっていったいどういうこと!!?
 
 夏目ココロ先生のITAN連載作になります。「平安女子部!」(→レビュー)は平安時代に女子高生がタイムスリップしてファッション革命を起こすというもので、「黒鉄ガール」(→レビュー)は女子高生と巨大ロボットを描いたお話。どれもSFチックな要素が強いのですが、今回もファンタジックな要素を絡めたお話となっています。
 
 なんというか、ダイタンな表紙ですこと。ただ中身も負けず劣らずという感じです(エロいってワケじゃないんですが)。主人公は女の子よりも見た目がカワイイのがちょっとしたコンプレックスの大学生高校生・カズキ(高校生だったようです申し訳ありません)。そんな彼が合コンで出会ったのは、フェロモンムンムンな美女・乙姫。合コンから抜け出してなんとなくいい雰囲気になったと思ったら、彼女からまさかの「繁殖しましょう」との言葉が。そして気がつけばUFOっぽいものに吸い込まれてしまうではありませんか。ワケが分からないままに話を聞いてみると、どうやら乙姫は地球外生命体で、地球には繁殖相手を求めてやってきているらしいとのこと。ただし繁殖したが最後、その地球外生命体は地球を乗っ取り、人類は死滅してしまうというのだ。絶対にHはしちゃいけない…けれども乙姫は実に魅力的。。。時折暴走しがちなアツい乙姫からのアタックを、カズキは躱しきることができるのか…というコメディ。
 

わたしと繁殖いたしましょう
色恋的な感情はあまり持ち合わせておらず、とにかく繁殖が第一。なのでかなり大胆な迫り方になります。そこに主人公は戸惑いまくり。ちなみにおっぱいはたびたび登場します。表紙でも脱いでますしね。ただシチュエーション的にエロい形での露出ではないので、そこはご了承頂きたく(何が?)。


 地球侵略を目論むセクシーな宇宙人から熱烈アタックを受けるというシチュエーションは、「うる星やつら」を彷彿とさせるものがあります。そこに浦島太郎の要素をミックスして昇華させたストーリーです。熱烈アタックの方法は地球外生命体ということもあってどこかズレがちというのもお約束。それに主人公のカズキは振り回されるのですが、そう言いつつもなんだか気になってしまうというジレンマを抱えています。それに何より、結ばれたら地球滅亡ですから、本当は気にしちゃった時点でアウトなんですけれども。


わたしと繁殖いたしましょう1
 ヒロインの乙姫は可愛いのですが、無条件で可愛いかというとそんな感じではなく、物語が進むに連れて、その背景と共に魅力が補強されていく感じです。そんな乙姫に対して、無条件でかわいいのが、女装したカズキ。もう反則ってレベルで可愛くて、そしてそれを本人も自覚しているという。ズルいですわ。


 SFの匂いを強く感じさせる物語設定ではあるのですが、SFとしての緻密さよりも、大まかに整合性を合わせてあとはパワープレイでつっきるというような印象。悪く言えば粗いのかもしれませんが、この物語の魅力はだからこそ生まれているのだと思います。最初の設定を受けて、「アタックを躱す日々を繰り返すニヤニヤ&ドタバタコメディかな」とか思っていたのですが、中盤から後半に思わぬ物語展開を見せ、良い意味で期待を裏切られることに。めちゃくちゃ展開早いので、人によっては忙しない印象を受けてしまうかもしれませんが私はもうこの流れに乗れてしまったので、もうひたすらに流され楽しみたいところです。もう何でも来いです。

 目まぐるしく物語は移ろっていきますが、どれも少年漫画とかで馴染みのあるような展開で、男性も比較的親しみやすいのではないかと思います。そういうものがあるから、これだけ忙しく物語が動いてもすんなりとついていけるのかも。しかしこのペースだと、そんなに長く続かなそうなんですが、先々どうなるのでしょ。正直結末が想像できないので、2巻は迷わず買ってしまうと思います、はい。


【男性へのガイド】
→先述の通り、割と親しみやすいエッセンスが落し込まれているかと思います。おっぱいあるし(結局そこ)
【感想まとめ】
→夏目ココロ先生の作品は設定がどれも奇抜で注目しているのですが、本作がこれまで読んだ中で一番好きかも。面白いと思います。


作品DATA
■著者:夏目ココロ
■出版社:講談社
■レーベル:KC ITAN
■掲載誌:ITAN
■既刊1巻
■価格:円+税


■試し読み:第1話

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