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Tag [新作レビュー] 2010.07.18
1102940636.jpg西形まい「花の騎士」(1)


つらい時ぐらい
つらいって言ってもいいんじゃねぇの



■財閥・大鳥家の次期当主・セイ。学業、振る舞い、容姿、全てにおいて秀でており、その家柄に相応しい者として、華麗に育っている。そんな彼女に仕え守るのが、第一騎士(ファーストナイト)と呼ばれる誉れ高き存在。現在その座に就くランは、セイと同じ高校に通いながら、日々彼女のガードにあたっている。そんなファーストナイトは、大鳥家に仕える他の騎士の挑戦を受け、勝ち続けなければならないという、過酷な試練が課されており…!?

 西形まい先生の新作です。前作は、イケメンに変身したものの、かつての地味時代の性格が抜けきらず、なかなか新しい環境に適応できない男子高校生を描いたコメディでしたが、今回は一風変わった設定で送る、シリアスロマンスとなっています。物語の舞台となるのは、名門私立・聖ログルス学園。そこに通うのは、財閥・大鳥家の次期当主・セイ。そんな彼女に仕え守る、第一騎士(ファーストナイト)と呼ばれる役職に就いている、黒野ランがこの物語の主人公となります。主人の側に付きっきりで、その身を守るのが、ファーストナイトの務め。そのポジションに就くのは、非常に困難な道のりであり、同時に大鳥家につとめる騎士達の挑戦を受け、その座を守らなくてはいけないという、非常に過酷な運命の待ち受ける位置だと言えます。そんなファーストナイトの黒野ランは、実は女の子。そのことを隠してまで、ファーストナイトにこだわるランと、そんな彼女を見守るセイ、そしてその秘密を知りやたらと関わってくるようになる、セイのフィアン・天王イバラたちの関係を中心に、彼らを取り巻く過酷な運命を、華やかに描き出していきます。


花の騎士
ファーストナイトの座を懸けて、選りすぐりの挑戦者達が挑んでくる。もちろん命を落とすことさえある、極限のステージ。


 前作が、非常に爽快でおバカなコメディであったので、今回もそうくるのかと期待していたのですが、まさかの完全シリアス。しかもかなり特殊な設定の、学園ロマンスを描いてきました。本来はこういう路線でいきたかったのでしょうか?その雰囲気の違いに、かなり驚きました。さて、本題の内容のほうなのですが、独自の設定をかなり投入して物語を展開した生花、序盤がかなり説明的な内容になってしまっています。特に主人公のランの台詞が、ほぼ説明的なものとなっており、主人公への感情移入への手伝いが、若干疎かになってしまっているような。その分、主人公および次期当主・セイの過酷な運命と、強い絆が確認できるのですが、説明だけだとシチュエーションで萌えろってのは、あまり美味しくないんじゃないのかなぁ、と。
 
 セイとランの信頼関係は、はじめから強固なものになっており、そこに困難が降りかかることで物語が盛り上がり…という定番パターンが軸。ただそれだけでは終わらず、そこにセイのフィアンセで、どちらかというと自由に動くタイプのキャラクターが参戦し、その二人の関係性に変化を与えるようになってきます。彼とランの関係がどうなってくるのかが、今後の物語の鍵を握りそう。毎回のように、ファーストナイトに挑戦する騎士達(12人いるらしい)が現れ、戦いを繰り広げ、話のネタはそれなりにありそうです。
 
 個人的には、前作のようなおバカコメディみたいな作品のほうが好みなのですが、こちらの方が読者受けしそうな気もします。コミナビ(コミックスに入っている白泉社の小冊子)でもトップでプッシュされていますし、出版社の期待も高いのかもしれません。


【男性へのガイド】
→男性受けする要素はあるのでしょうか。このシチュを好むのは、やはり女性が多いような気がします。
【私的お薦め度:☆☆   】
→少々ややこしい設定で、序盤説明に終始した割に、新キャラ投入で状況的に落ち着かないなど、シチュエーションを気に入れないと物語が美味しく感じられないような作り。ちょっと期待していたのと異なっていたので、拍子抜けしたってのもありますけど…。


作品DATA
■著者:西形まい
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:花とゆめ
■既刊1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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Tag [続刊レビュー] 2010.07.18
作品紹介→*新作レビュー*モリエサトシ「白磁」
関連作品紹介→モリエサトシ「ラブ シック」



1102940625.jpgモリエサトシ「白磁」(2)


そうだった
ぼくが好きになったのは
あの純粋で健やかな君



■2巻発売、完結しました。
 病気で光を失った生花の、彷徨って焦点を結ばない瞳…。明春に全てを委ねるようになった生花の白い肌に、全てをぶつけられる快感は、明春の感情の発露であった絵への執着を失わせてしまう。変化する環境。掴んだと思った幸せ。買われると思った自我。人はどうしてこんなに弱いのか、人はどうしてこんなに苦しいのか。運命は、あまりに残酷で…!?


~完結。素晴らしかったです~
 1年以上続刊を待ちわびていた「白磁」が、2巻の発売をもって完結いたしました。完結自体は結構前にしていたことは、モリエ先生のブログで存じていたのですが、単行本発売まで時間がかかった!しかし2巻も素晴らしい内容。読んだときに受けた衝撃を、どのような言葉で表そうか、色々と思案したものの、これはちょっと難しいかな、という結論に。もうね、だれかに伝えようなんて考えず、纏まらない気持ちのワルい文章をダラダラと並べようと思ったわけですよ。


~エロいけど、それだけじゃない~
 そもそも万人受けするような内容ではないですし、物語は終始二人だけの世界で完結しています。それはあまりにも不健全で、少女漫画的にもいかがなものかと思わせるのですが、あまりに無垢で純粋で幼い二人が構築するその世界は、同時にとても美しく、言いようのない力を持って自分を取り込んでくるのです。どちらの視点にも、共感という意味での介入の余地があまりないにも関わらず、その二人の作り出す世界にのめり込んでしまうというのは、あまりない経験で、だからこそこんなに興奮するわけで…。エロティック…だけどああいうエロとは違うのさ!エロい目じゃないほうの目で見たエロってのを、二人の関係の中に、なんとなく垣間見たような気がしました。


白磁2
 こんな、男性向けエロ漫画にありそうなシチュエーション&台詞回しでも、なんだかとても美しく純粋であるように映るから、不思議。


~内面・魅力を象徴する格好~
 物語の終盤にて明春が、「やっぱりぼくの好きな彼女はこれ(セーラー服姿)なんだ」と言っているのですが、これには本当に納得。彼にとっては、セーラーを着た生花こそが、最も彼女の魅力を映し出している姿なのです。
 明春が生花の外見でこだわっている部分といえば、その美しい白い肌。彼女の内面を映し出すようであり、彼女との繋がりを確信できる部分です。そんな白い肌を、最も美しく映えさせることができるのは、やはり他でもないセーラー服。学生という、穢れなき純粋さと若さの象徴(現実とは別として)。濃紺と、透き通るような白の対比。この美しさは、ブレザーなどでは表せません。また、彼女の髪は黒髪ロングで、その肌の白さを映えさせるにはうってつけ。このことは、1巻の冒頭にて語られているのですが、最後にこういった形で反映させてくるとは思っていなかったので、出てきたときは「おお…」と思わず唸ってしまいました。そしてラストも、その姿で締める。さすが、モリエ先生わかってる。


モリエサトシ「白磁」2巻
なーんて、私服姿の生花もかわいらしいわけですが。こちらはこちらで、色みを持った柔らかな印象を与えてくれて素敵です。


 またその純粋さを格好で表しているのは、何も生花だけではありません。明春は、一貫して白シャツを身にまとい、創作活動を行っています。白いシャツもまた、彼の純粋さないし、純粋さに憧れる気持ちを表しているようで、良いですよね。汚してダメになるので、量産型で安い白シャツを…ってことなのかもしれませんけど(笑)


~締め方も、ベタながら素敵でした~
 最後は実にベタでしたが、感動できたので良し。二人だけの世界に固執していた明春が、生花のために恐怖に打ち勝ち外の世界へと足を踏み入れる姿は、更なる物語の広がり(ふたりのこれからが、明るいものになること)を示しているようで、本当に素敵だったと思います。とりあえず、今年の作品の中でも、個人的に5本の指に入るくらいお気に入りの新刊となりました。と言っても、決して万人受けするとは思えないのですが。それでも好きなのだから、私はそれを素直につたえるだけです、はい。
  

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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