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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2010.10.31
1102969574.jpg斉藤倫「僕の部屋へおいでよ」(1)


とりあえず
一緒にご飯
食べましょう



■超天然女子高生の京は、両親が海外赴任になり、マンションで一人暮らしを始めたばかり。幼い見ために、不思議な言動から、恋愛話とは無縁の彼女が、最近もっぱら気になっているのは、空き地で見つけた子猫3匹。いつものように、子猫にエサをやりに空き地に行くと、そこで行き倒れている大学生・鳴沢を発見。京はそのまま彼を家へ連れて帰って…!?気がつけば、子猫3匹、大学生1人との、奇妙な共同生活がスタート!!

 斉藤倫先生の連載作品でございます。今度のお話は、超天然お嬢様女子高生×イケメン極貧獣医学生×懐かない子猫3匹により、奇妙でゆるゆるで、そして温かな共同生活。お話は、ド天然女子高生・京がマンションで一人暮らしをすることから始まります。一人暮らしを言っても、連れ込む恋人がいるわけでもなく、もっぱらの興味は生き物たち。最近は、空き地で見つけた子猫3匹に、餌やりをしにいくのが日課。今日も今日とて空き地に餌やりをしにいったところ、そこには行き倒れた若い男の人が。様子を見るに、どうも行き倒れているらしい。その日はそのまま別れた二人でしたが、後日台風が近づいた時に、一緒に子猫を保護。家賃滞納で行き場のない鳴沢もついでに保護する形で、以来なんとも奇妙な共同生活が始まることになります。


僕の家へおいでよ
ほわほわとした雰囲気を作り出す、やさしくゆっくりとした語り口。いつもニコニコしているところも、とってもかわいらしいです。


 斉藤倫先生のお話はすごく好きなのですが、こういうタイプのヒロインは珍しいような。女子高生なのですが、ド天然でふわふわな彼女は、パッと見中学生に見えてしまうような容姿の京。無防備でありながら、あまりの天然っぷりに、逆に虫がつかないみたいな感じです。そんな彼女と共同生活をすることになるのが、極貧獣医学生の鳴沢。はじめは共同生活などするつもりは全くなかったものの、彼女の懐きっぷりに流され、結局共同生活をすることに。彼はどちらかというと、どこまでもまともな性格の男の子です。シチュエーションとしてはかなりドキドキの状況ですが、恋愛なんぞ知らない天然の京と、ぎゃーぎゃーウルサい子猫3匹のおかげで、そんな空気は序盤は全くなし。むしろ「家族が増えた」と喜ぶ京の感情がダイレクトに伝わってきて、ドキドキよりも温かさが先行して伝わってきます。
 
 しかしいつまでも家族愛的なところで足踏みしているわけではありません。子猫を飼うことで発生する様々なトラブルから、獣医志望の鳴沢の頼りがいが発揮。また頻繁に大学に訪れるようになることから見えてくる、鳴沢の人間関係。はじめは2人と3匹で完結していた世界は、望まずして広がりを見せていきます。そして生まれる、今までに感じることのなかった感情。愛しさ、切なさ、温かさ、そして嫉妬。想いが恋に変わる瞬間、自分の気持ちが恋だと気づく瞬間を、他の作品と同じよう、瑞々しく切り取ります。ヒロインの性格は変わっていますが、その辺の良さは不変。子猫3匹が生み出す新たな展開も楽しみで、これは結構期待したい作品です。とりあえずオススメで。


【男性へのガイド】
→このヒロインといい、男の子の普通っぷりといい、読める余地は結構あるのでは。恋愛だけでなく、ほわほわ温かいお話です。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→これは楽しみ。恋愛展開、同居というシチュ、そして猫。ワクワクするファクターがいくつもあってワクワクです。


■作者他作品レビュー
*新作レビュー*斉藤倫「誓いの言葉」
*新作レビュー*斉藤倫「宙返りヘヴン」
恋に芸術に悩む美大生:斉藤倫「Juicy」


作品DATA
■著者:斉藤倫
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックスCookie
■掲載誌:Cookie(連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税 


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Tag [続刊レビュー] 2010.10.31
作品紹介→*新作レビュー*やまもり三香「シュガーズ」
2巻レビュー→オムニバス少女漫画の可能性を、そのキャラ配置に見た《続刊レビュー》「シュガーズ」2巻
3巻レビュー→ひとつの恋を、異なる視点・異なる時間で見る《続刊レビュー》やまもり三香「シュガーズ」3巻
4巻レビュー→男の子のひざまくらに顔を赤らめる女の子って最高じゃないですか:やまもり三香「シュガーズ」4巻



1102969567.jpgやまもり三香「シュガーズ」(5)


たいして好きじゃないキャラメルクランチを
毎日持って行ったのは桜と話すためで



■5巻発売です。
 新しい関係、芽生える感情、移ろう想い。。。日々その形を変えていく、人それぞれの恋を、甘味を添えて、あなたにお届け。時に甘くて、時に苦い、恋のオムニバス集、第5巻の登場です。


~まさかここまで続くとは~
 1巻が発売された時はここまで続くなんて想像してませんでした。5巻の発売でございます。登場人物もさすがに多くなり、「誰だっけこれ?」現象が多発するようになってきましたが、基本的には1話のみ単発でも楽しめるように作られているので、そこまで苦にはなりません。ただやっぱり、ある程度前後関係を把握していた方が、より楽しめるのかな、という気はします。さて、広がりを見せつづける一方で、終わりも見えなくなっていたのですが、やまもり先生から「ラストスパート」という言葉が。物語は文化祭の季節。ここで一つ二つキセキを起こし、気持ち良いまとめとなるのでしょうか。さてさて、ラストを飾るのは、一体誰なのか、俄然気になるところです。


~甘みのない物語~
 5巻は今までとはちょっと違い、苦みのみで構成されたお話がありました。1話目に収録されていた、「クリリンの憂鬱」。主人公は、SWEET18で登場したヤンキー岡野くんの仲良し、栗林くん。彼が想うのは、SWEET12のヒロインであった、三島桜ちゃんです。彼女に告白をするもフラレてしまった彼は、以来どうにも彼女とギクシャクした関係が続いていました。そんな状態を気まずく思っている彼の、その後の彼女との対峙を描いたのが、こちらなのですが、とにかく動きが乏しいのです。何か大きなときめきがあるわけではなく、また新たな可能性が生まれる感じでもない。ただ彼女のことを引きづり、改めて振り向いてくれないことを実感させられてもなお、諦めることができないという、哀しい姿が描かれているだけでした。ただ個人的に、その様子がどこまでも切なく心に残りました。毎朝学校に持っていくキャラメルクランチは、自分が食べたいわけではなく、大好きな彼女にあげるため。実に回りくどく、そして彼の純情っぷりが伝わってくるエピソードです。結局2度目の告白をして、そのまま逃げてきてしまう彼なのですが、諦めたということではなく、決意の告白。「あいつにとってオレにしかなれないものになる」と決意するなど、なかなか男らしく、そしてどこか諦めの悪い一面を見せてくれました。


シュガーズ
オレが頑張ればいいんだし
彼女に言っているとも、自分に言っているとも取れるその言葉。


物語はそれで終了。大きなオチもなく、ただ切なさと余韻を残して幕を閉じたこのお話ですが、後々思わぬ形で続きを知ることになります。それが、先に書いた文化祭。あー、やっぱりこの話は「シュガーズ」なんだなぁ、と思わされたお話でした。


~情けない男たち~
 元々このお話は、男の子が情けない感じ・弱さを出す印象があるのですが、5巻はそれが特に顕著であったように感じました。1話目の「クリリンの憂鬱」の栗林くんも、なんとなく弱さが出ていましたし、2話目「マチュドニアランデブー」の紺野も、恋愛シミュレーションゲームで予習してくるとかいうちょっとカッコ悪いところを見せていましたし。その中でも特にヒドかったのが、「sweetest goodbye」の小豆原。いやぁ、ここまで情けない男の子を主人公に据えるかと、驚きました。瑠璃ちゃんが救ってくれたから良いけども、少しぐらいはカッコいいとこ見せて欲しいなぁ、なんて思ったのでした。だって腐っても、少女漫画のヒーローなんですから。ねぇ?
 

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Tag [新作レビュー] 2010.10.31
1102969573.jpg中島つばさ「拝啓 伊達政宗様」(1)


上等です
どんな壁だって乗り越えてみせます!
全ては覚悟の上ですから!



■高校1年生の愛姫は、戦国時代の武将達に憧れるお嬢様。ある日、町で不良に絡まれた愛姫は、右目に眼帯、胸にロザリオをした男・羽柴に助けられる。その姿に伝説の武将・伊達政宗を重ねた愛姫は、それ以来羽柴のことが気になりっぱなし。放課後彼のことを追いかけては、心をときめかせているのだった。しかし彼は、周りに敵だらけの危険な番長。やがて巻き込まれるように、愛姫にも危険が迫って…!?

 歴史好きの女性は「歴女」なんていって、立派にカテゴライズされるようになってきましたが、この作品はそんな「歴女」な女子高生の物語。地元でも有数のお嬢様学校に通う愛姫は、戦国武将に憧れる、歴女な高校1年生。ある日町で不良に絡まれた彼女は、右目に眼帯をし、胸にロザリオをしている学ランの男の子・羽柴に助けられる。その姿に、伊達政宗を重ねた愛姫は、羽柴に一目惚れ。以来、積極的に彼の後を追いかけるようになります。一方的に好いてくる愛姫を、最初は嫌がっていた羽柴ですが、あまりの空気を読まない強引さに折れ、そこまで突き放すことはしなくなるように。しかしだからといって、彼の側に平穏を保ったまま居れるわけではありません。彼は地元でも有名な、番長的存在。喧嘩っ早いその性格も災いして、いつもトラブルに巻き込まれっぱなし。側に居る愛姫も、当然のようにそのトラブルに巻き込まれ、危険な目に遭うのですが…というようなお話。


拝啓伊達政宗様
毎回空から降ってくる元気っぷり。敬語デフォで、「彼女」ではなく「正室」「側室」みたいな言い回し。「キス」ではなく、「接吻」。愛されるではなく、「寵愛」です。とりあえず、空気読めなくて鬱陶しい時もありますが、基本かわいらしいヒロインです。お嬢様という設定だからこそ、このキャラも成り立つわけで、上手いですね。


 これマーガレットかと思ったら、レーベル的には別冊マーガレットになるのですね。積極的で、若干空気の読めない天然系お嬢様と、見ため・行動はステレオタイプな不良の、純情系な男の子という組み合わせの、異色ラブコメ。ヒロインが空気読めないというか、キャラガ立ちすぎていて感情移入しづらいのではないかという感じは、同じマーガレットの「お嬢様はお嫁様」(→レビュー)のヒロインを彷彿とさせます。そういえばあちらも、お嬢様設定でしたね。そもそもお嬢様という設定からして、環境的な感情移入の余地を減らしてしまっていることから、そもそもそういう視点で展開させようとは思っていないのかもしれません。あくまで自由に動き回る、自由闊達なヒロインと、そんな彼女に振り回されつつも惹かれていく、そんな二人を第三者的に楽しむという。また人物設定のみならず、物語展開も豪快というか、フィクション色を強く打ち出した、マーガレットっぽい系統。だからこそ逆に、このキャラこの設定を、無理なく受け入れられて、素直に楽しむことができるのだと思います。
 
 ヒロインが天然系で積極的であり、またヒーローも番長格で喧嘩っ早いということから、かなり物語は動きます。クルクルと渡っていくストーリーの中を、軽快に翔けていく二人の姿は、見ていてとても気持ちが良く、面白さやトキメキといったところよりも、爽快さが先立つ読感でした。二人の関係は、ほぼほぼ完成。しかし本当の意味での歩み寄りはまだまだで、そこからどう展開させていこうかという感じになっていきそうです。とりあえず、どちらも「普通」からはかなり外れてしまった、変な人たち。けれども変で不器用だからこそ、好相性。もしどちらかが普通の感性を持った子ならば、イライラを溜め込み関係は続かないことが容易に想像できます。だからこそ、「この二人じゃないと」「この二人だから良いよね」という感覚を享受でき、良い気持ちになれるのですよ。これから先、イザコザに巻き込まれて…というパターンが定型化していきそうで、巻が重なるとマンネリ化していきそうなきらいもありますが、そこまでダラダラと延ばすということもないでしょう。オフビート感溢れる、とても楽しい作品でした。


【男性へのガイド】
→これは男性でも結構楽しめるのではないでしょうか。ヒロインはかわいらしく、男の子のステレオタイプな不良感に耐えられさえすれば。とりあえず不器用なのだと寛大な心で見つめましょう。ほら、かわいく見えてきた。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→どれだけ続くのかわからないのと、読切り収録で十分に読めなかったということで、このくらいで。とりあえず2巻は買おうかな、と思います。


作品DATA
■著者:中島つばさ
■出版社:集英社
■レーベル:別冊マーガレット
■掲載誌:ザマーガレット
■既刊1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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Tag [続刊レビュー] 2010.10.27
作品紹介→藤宮あゆ「僕らはいつも」
4巻レビュー→青春しまくってる京ちゃんに思わず赤面《続刊レビュー》「僕らはいつも」4巻
5巻レビュー→全てを背負う中学生、何も背負わぬ高校生:藤宮あゆ「僕らはいつも」5巻



1102969565.jpg藤宮あゆ「僕らはいつも」(6)


誰の上にも
同じ星が光っていて
同じように夜が来る
でもきっと
その長さはみんな違う



■6巻発売です。
 京ちゃんの冴花への想いを知り、モヤモヤする典。このモヤモヤの要因はなんなのか、悩んでも答えは出ないままに、榛名と付き合う自分に疑問を感じ始める。とりあえず今は、何か答えを出そう…そんな時に、榛名とバッタリ道で会って…!?さらにそこに京ちゃんも登場。一体どうなる!?一方冴花は、想いを抑えきれずに、柳津先生の所に泊まりにいくが…。それぞれが、それぞれの想いで動き戸惑う、白熱の6巻、登場です。
 

~京ちゃんのターン!~
 今回は完全に京ちゃん巻でした。最初はプリンスポジションであった京ちゃんですが、いつしか情けない超絶ヘタレアホお坊ちゃんキャラに(言い過ぎ)。段々とそのヘタレ具合を加速させていったわけですが、同時に私の心を掴んでいったのも事実。5巻にて一世一代の告白をするというハイライトを作り出した彼ですが、6巻でもまたやってくれました!5巻は6巻への繋ぎでしかなかったのではないかと思えるような、見せ場。(良い意味で)カッコわるい方と、カッコいい方、両面を存分に発揮してくれました。いや、でも五分五分というわけではなく、8割方カッコわるいのですが。
 

~完全に三枚目です~
 5巻のレビューの時に取り上げたのですが、次巻予告の時点でアホ丸出しであった京ちゃん。今回もやってくれてます。ほんとにアホ。愛らしいアホです。
 

僕らはいつも6-1
誰だお前


 えーと、王子キャラはどこへ…。完全に三枚目ですよ、兄さん。この昔の少年誌の表紙ばりに意味のないウインクとピースサイン。だせえ。。。てか「7回ぶりにオレのターン」とか言って、メタ発言するとか、完全にお笑い担当じゃないですか。しかもその後のアホっぷりがまた素敵。完全にというわけではないですが、とりあえずフラれた身でありながら…
 
来ている
流れは今
俺に来ているような気がちょっとする!!

 えー…。まず、小物・ヘタレ組の男は、やたらと「流れ」というものを気にするのですが、京ちゃんもしっかり。何かにかこつけて「流れ・ツキ」を重視するあまりに、良いタイミングを見逃して、悪いタイミングで突っ込んでしまったりということが多々あります。今回もここまで盛り上がった直後に、冴花の柳津さん家お泊まり事件が発覚してどん底に突き落とされるというね。このタイミングの悪さが、なんとも素敵ではないですか。そういえば6巻に彼のことを「プリンス」と言うシーンがあるのですが、完全に脳内で「プリンス(笑)」に変換されていました。プリンスとか、もはやお笑いでしかないですよね(笑)
 

~冴花と京ちゃんの、素敵な関係~
 それでも彼は、そこらへんのヘタレくんとは違います。ちゃんとやるときはやる、少女漫画の男の子です。きっかけは早とちりからという、ちょっとカッコわるいものではありましたが、全力で彼女の元に駆けつけたのは事実。手がかりなしでありながら、しっかりと彼女を見つけることのできる、“ツキ”も持っていました。見つけた後は、「近づかないで」と言われしっかりそれに従うように、完全に冴花のペースに持ち込まれるわけですが、黙ってそれに付き合う(従う)のが、ヘタレキャラの良さでもあるわけで。その後のシーンでは、もう大感動でしたよ…


僕らはいつも6-2 
「そのままそこに立ってて
 泣き終わるまで」
「わかりました」 

 
 
 「わかりました」という、京ちゃんの丁寧語での返答。そしてしっかりと彼を、一番役に立てる形に誘導する、冴花。見開き2ページに集約された、二人の関係。これ以上、何もいらない。本当に素敵なシーンでした。
 
 
~見せ場は7巻?~
 なんてこんな素敵な時間も、あっという間に崩される、そこがまたヘタレ君の悲しき運命なわけですが、まだまだ見せ場はありますよ。そう、見せ場は5巻でも6巻でもなく、7巻なのです!(きっと)。大の大人を相手に、高校生がいっちょまえに対峙しようとするその姿は、なんだか見ていてとてもムズかゆいのですが、それもまた青春。彼が一歩先に踏み出すには、何かしらの大きなきっかけがないとだめなのです。柳津先生、多分本気ではあるけど、それは冴花に対してだけでなく、皆に対してなのだろうなぁ、と。もし冴花にマジだったら、ドン引きですよ。榛名の過去どころじゃなく引きますよ。ってそういえば前回匂わせていた榛名の暗い過去って、どうなったんですか?てか今回も京ちゃんと冴花の話しかしてないですね。あれあれ。。。


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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2010.10.26
1102969583.jpgきら「僕らはみんな死んでいる♪」(1)


ユーたち
みんな
生き返りたいかー!?



■ふと目覚めたら、そこは知らない場所。周囲には知らない人々。不可解なことばかりで、混乱するのは、女子高生・凛をはじめとした、男女8人。一体誰が、何のために彼ら彼女らを集めたのか。戸惑う8人の前に現れたのは、人語を喋り“神”と名乗る謎の生物。その口から語られたのは、己の死と、生き残りならぬ、「生き返り」を賭けたラブゲームの開催だった。生き返りたければ、この8人の中でラブゲームに勝ち抜け…そう告げられた8人は…!?

 きら先生の新連載です。「パティスリーMON」とかはまだ完結していないので、同時並行での連載ということになるんですかね。今度の新作は、生き返りを賭けた、8人の男女のラブゲーム。物語の主人公となるのは、クールな女子高生の凛。ふと目覚めたら、そこは知らない場所、知らない面々、そしてなんとも不可思議な空間。そこに居る面々も、どうやら今の状況をわかっていないようで、集まった8人は戸惑うばかり。そんな彼らの前に現れたのは、妙に高いテンションで煽ってくる、人語を操る謎の生物。そいつは自分のことを「神」だと名乗り、8人に君たちはすでに亡くなっているということを告げます。あまりに突拍子もない内容に、最初は全く信じない8人でしたが、凛を皮切りに、皆自分たちの死の瞬間を思い出していきます。そしてやっと信じはじめたその時、神はこんなことを8人に告げます。「生き返りたかったら、8人でラブゲームをして、勝ち抜け」。要は、この異空間で共同生活をしながら、最初に結ばれた二人が生き返れるということ。目的も、意味もわからないこのゲームに、突然投げ込まれた8人の運命は、果たして…というお話。


僕らはみんな死んでいる
この手のゲームには欠かせない、(あえて)空気の読まない、参加者とテンションの異なる不気味な主催者。神ということで、都度その姿は変化する。テンション一定だから、どれでもちょいと不気味なのですが。


 なんとも奇妙な設定の物語。単純にこの設定だけで、勝ちなのですが、上手い人が描くとなると、さらに期待できそうで俄然ワクワク感は高まります。単純にラブゲームを繰り広げるだけではなく、それぞれのキャラに様々な要素を持たせることで、物語はより複雑に姿を変えていきます。まずヒロインの凛は、自殺を経てこのゲームに参加することになりました。生き返りを賭けたこのゲームにおいて、生き返りたいという意思を持たない彼女は、ある意味異質な存在。また勝ち上がりの条件が、「二人くっつくこと」であり、それは生き返った後も関係が続くことになります。しかし参加者の中には、恋人や配偶者を持つ者も多く、生き返った後どうなるか(正確には、生き返ったあとどうなるか考えて苦悩するその様子)が楽しみとして出てきます。その他変わり種としては、言葉の通じない外国人や、大人気の芸能人などがおり、また素性の明かされないキャラなどもおり、これからの展開は様々予想されます。それを全て転がしきることができるのか、そこは作者の腕にかかってくるわけですが、きら先生なら大丈夫でしょう。
 
 男女が共同生活をするとか、一緒に行動するとかいうのは、人気バラエティ番組の「あいのり」や、その他ドラマやマンガでも様々ありましたが、イメージとして近いのは、昔やっていた賞金を賭けてサバイバルをするというバラエティ番組「サバイバー」とか。一応賞金は欲しいんだけど、外国人ほどあからさまに狙うわけでなく、参加。みたいなテンションが、なんとも。とりあえず1巻は、現在の状況と、舞台作り、そして各キャラの情報出しという程度で、本格的に物語が転がってくるのは2巻以降かと思います。たぶんもう転がりだしているのだろうけど、設定が設定だけに、まだあまり実感がないというか。多分2~3巻もしたら慣れるのでしょう。とりあえず、期待しつつ2巻を待ちたいと思います。


【男性へのガイド】
→きら先生の作品は、男性も好きな方多い印象が。ラブゲームとか言ってますが、一応人間関係の延長線上としてのラブゲームであるので、地に足ついている印象(天国だから地に足とか言わんかもですが)。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→1巻では盛り上がりに欠けるも、たぶんこれから面白くなりそうなので。設定的にも一筋縄では行かなそうで、楽しみです。


■作者他作品レビュー
美しい手の持ち主は、癒すことのできない心の傷の持ち主だった:きら「心臓より高く」


作品DATA
■著者:きら
■出版社:集英社
■レーベル:クイーンズコミックスYOU
■掲載誌:YOU(連載中)
■既刊1巻
■価格:419円+税


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Tag [続刊レビュー] 2010.10.25
作品紹介→*新作レビュー*南マキ「声優かっ!」
2巻レビュー→アニメ化へ着々…?:南マキ「声優かっ!」2巻
3巻レビュー→瑞希の回想がとても印象に残った:南マキ「声優かっ」3巻



1102969027.jpg南マキ「声優かっ!」(4)


もう自分に
がっかりなんかしたくないんだ!



■地獄の合宿を通し、瑞希のメガネのおかげで理想の王子声を出せるようになった姫。そして満を持して、シロとしての初仕事に向かうことになった。ところが山田プロデューサーのごり押しでゲットした役であるために、現場スタッフたちからは、期待どころが邪魔者扱いされ、姫はまたも大きな壁にぶつかってしまう。さらに、アフレコ当日に、リテイクの嵐。単なる嫌がらせかと想いきや、姫にはある、決定的なダメな部分があって…!?


~4巻です~
 4巻ですが、特記事項なし。というか、南マキ先生の作品て、基本そんな感じだと思うんです。語らずとも、なんだか読んでしまっていて、楽しい、みたいな。今回も順調にまっすぐにステップアップしていくシロ。そこに、何か大きなきっかけや特筆事項はないわけですが、そのスムーズさと、切れることのない一定のテンションには感服。今回も、クオリティそのままに読みつづけることができました。
 

~月乃の出番が相変わらず少ない~
 以前書いた黒髪ロング記事で月乃を推したわけですが、相変わらず出番少ないです。それでも登場すれば、無駄な百合感を演出。衣替えに伴い、お互いに「新しい制服似合うよ。かわいいね。」なんて言い合う姿には、思わずにんまり。シーンとしては、まったく必要ないわけですが、それでもいいんです。あるだけで、私は嬉しい。今回も、作品自体は長引くことが予想されるわけですから、前作同様、脇役たちの恋も盛り上げて欲しいものです。なんてね月乃が誰とくっつくかなんて想像もつかないわけですが。とりあえず、今はこんなシーンが本編にあって欲しい。
 

声優かっ4巻
 …いや、たぶんないと思いますけど。男の子ばっかりでも、あまり楽しくないですしね。てかなんて無駄な話を…。
 

~本命は千里◎~
 さて、今回は瑞希のメガネによって王子声を出せるようになったという、一つ姫の恋愛戦線のポイントになりそうな事象が起こりました。しかし、その後千里との関係の中で、猫が声優活動でプラスに働くアイテムとして機能。二人揃って、姫にプラス効果を生み出すことになりました。基本的に少女漫画ってわかりやすく、本線の相手が一番大きなプラス効果をヒロインに生み出すのですが、この二人の場合はなかなかわかりません。メガネと猫、どちらかというと、肌に直接触れるメガネのほうが優勢な気がしますが、猫は家に行ってという条件があるので、よりポイントは高いような気がします。え、高柳?誰それ。てか彼はかませ犬にすらなれない程度に、存在感が薄くなってしまいましたね。1巻あたりの登場シーンの多さとかなんだったのでしょうか。使い捨てキャラだったなんてオチはやめてください。一応巻末オマケ漫画に登場しているので、大丈夫だとは思いますけど。
 
 個人的には瑞希の方が好きですが、きっと彼はこれから、3巻レビュー時にご紹介した紗奈ちゃんと再会をするのではないかな、という気が。4巻でも何気に回想に登場していましたし(姫の回想ですが)。そう考えると、千里一本。そもそも彼の母親が、姫の憧れの初代ラブリーブレザーだという時点で、確定的ではあるのですが。ラブリーブレザーというのは、大事なんですよ。だからさっき制服(ブレザー)でかわいいとかラブリーだとか言ってキャッキャするというシーンを取り上げたのも、無駄じゃなかったのです。…いや、やっぱり無駄ですかね。てか今さらですけど、記事のタイトルひどすぎませんか?自分で付けておいてなんですが。


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Tag [続刊レビュー] 2010.10.24
作品紹介→*新作レビュー*榎本ナリコ「時間の歩き方」




1102972215.jpg榎本ナリコ「時間の歩き方」(2)


オレは
君の心を
傷つけた
ごめんよ



■時間の行き来をくり返し、とあるきっかけから時間に弾かれて、時空を彷徨うことになった果子と未来人の遇太。元の世界に戻る方法を探すため、遇太が訪れたのは、時間の流れぬ亜空間にある、時間刑務所。そこには、時間旅行で禁止時効を犯した時間犯罪者たちが、数多く収容されている。「刑務所」という響きからくるイメージとは異なり、内部は静寂に満ちている。そこで出会った、看守の男の話を聞いた二人は…


~1年半ぶりの新刊~
 実に1年半ぶりの新刊、「時間の歩き方」の2巻が発売になりました。榎本ナリコ先生が体調を崩されていたということもあり、これだけ新刊の発売が遅れてしまったようです。相変わらず時間のルール、移り変わりなど、状況の整理は読んでいて非常に大変ではあるのですが、イコールでそこまで詳細に作り込まれているということでもあるわけで、読んでいて同時に非常に楽しい作品でもあります。今回遇太たちが訪れたのは、時間の流れることのない「亜空間」にある、時間刑務所。何かしらの時間ペナルティを受けた者(時間によるものではなく、ルール違反による人為的なペナルティ)が収容されるこの場所に、遇太の父親がいるのではないかという思惑から、訪れたのでした。しかし、突入早々に問題発生。そこの看守と偶然はち合わせてしまい、展開は思わぬ方向に。彼の企みを黙っていることと引き換えに、自分たちの突入を見逃してもらうという交渉を経た後に、彼のとある計画とその背景が明らかになってきます。2巻は果子と遇太の物語ではなく、その看守と、とある一人の作家の人生を巡る物語が描かれていきます。


~時間軸が違う者同士が交わること~
 いつの時代も、人と人が交われば、そこに少なからず、「想い」が生まれる。しかし時間軸が違うもの同士が交わることは、後々に大きな影響を与えかねないということから、それは人の手によって強く禁止されています。未来のとある時点までを「確定事項」とするのであれば、その過程を変化させてしまうのは、あまりに影響が大きい…とかいう理由だと思います。でもその「未来のとある時点」を最後の最後まで伸ばし続けていったら、はじまりから終わりまで、全てが決まっているという風に考えることもできます。自分たちが生きている今は、未来人からみたら確定事項であり、ある意味全ては決まっている…なんて運命論的なお話を。。。ってあれ、なんの話でしたっけ?
 

~時間に囚われるのか、想いに囚われるのか~
 そうそう、タラベルのお話です。100年前にタラベルし、そこで出会った女性と、深く関わるではないにせよ、顔なじみのようになってしまった。これ以上の深入りは危険と、タラベルする時を、5年後に指定して飛ぶのですが、それが思わぬ結果を呼び込む形に。



時間の歩き方2
5年も覚えていてくれた

 
 彼女・月乃の時間では5年、しかし作家・長雨の時間では1日も経っていませんでした。万事を期して、5年後に設定したものの、それが結果として彼女の想いを加速させてしまった。中途半端に同じ場所を指定してしまったのが運の尽き。期待はしていなくとも、場所まで変えることができなかったのが、男のなさけなさとだらしなさを表しているようで、なんとも切ない。罪悪感は、きっと計り知れないものであったでしょう。読んでいるこちらまでツラく、切なくなってしまいました。そして時間管制局に捕まってしまうのですが、その時の彼の台詞がなんとも
 
オレは
キミの心を傷つけた


 いかにも作家らしい、キザな台詞。しかし、彼女の心はその時点でそこまで傷ついているわけではありません。それでもこう、言わざるを得なかった。それは、彼がどこまでも罪悪感を抱いていたからなのではないかなぁ、と思うのです。その後彼は、50年間もの間を、刑務所で眠ったまま過ごすことになります。犯した罪に比べて、余りに重い刑期。それは、あれから50年もの間、月乃が長雨のことを覚えていたからでした。それはむしろ、時間に囚われているというよりも、想いに囚われているという状況。なんとも素敵で、そしてなんとも残酷でありました。
 

~相手の命に自分の人生を託す~
 刑期は、月乃が長雨のことを忘れるまでということだったのですが、現大女将の回想を見る限りでは、月乃は死ぬまで長雨のことを忘れていませんでした。結果的に刑期は、彼女が死ぬまでと同じ期間ということになり、彼女の想いを捉え続けている時間を、長雨は刑務所で体感(と言っても寝てるだけ)することになります。しかしこの刑期、どうやって算出しているのだろうか、と思うわけですよ。ただ覚えているだけであれば、それは犯罪にはなりません。だって再会したらば、月乃は途端に長雨のことを思い出したのですから。今回彼が捕まったのは、月乃に想いを寄せられてしまったから。そしてその刑期は、月乃が死ぬまでの間でした。ということから考えられるのは、月乃が50年間も彼のことを思い続けていたという可能性…は薄くて、多分本線は、何か重大な関わりを持ってしまって以降の記憶の保持期間は刑務所入りというもの。しかしながら、記憶消去しても残るほどに強烈な記憶は、絶対に死ぬまで忘れないわけで、つまりこの手の犯罪の刑期は、干渉した相手の余命に関わってくるということになります。そう考えると、なんだか不思議。自分の人生のその後を、相手の人生に託すわけですから。


 そうそう、ちなみに昨日今日と、舞台になっている伊香保温泉に行ってきたのですが、いい感じに萎びた温泉街でなかなか楽しかったです。茶色が濃い、鉄っぽいお湯でしたが、よく温まれました。なんだかタイムリーで、温泉街の思い出がいい感じに脚色されました。まぁあんな若くて可愛い女将はいなかったわけですが(笑)



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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2010.10.23
1102969071.jpg西炯子「ふわふわポリス」


では好きになった方がいいですよ
同じ職場に嫌いな人がいるとつまらないですから
そうでしょう?



■JR中央線、荻窪駅と阿佐ヶ谷駅の間にある、小さな駅・比留ケ谷。その駅前にある、平和でヒマな小さな交番に勤務するのは、熱血女性警察官・佐倉エリ。恋人もおらず、仕事にも今までのような情熱を見出せなくなりつつあり、色々と崖っぷち。そんなある日、新しく赴任してきた同僚は、22歳のなんとも頼りないふわふわな女の子。エリートとの前評判とは180°違うその同僚は、子どもみたいな見ためで、ちょっと…いや、かなり変わった性格の持ち主で…。凸凹女性警察官コンビが贈る、痛快ポリスアクションコメディー!!

 「娚の一生」(→レビュー)、「ひらひらひゅ~ん」(→レビュー)の西炯子先生の新作単行本でございます。西炯子フェアとやらで、4作同時刊行という固めうち。その中でも、なんとなく「大丈夫かな…?」という感じであって表紙とタイトルの本作でしたが、読んでみてビックリ。良い意味で完全に予想を裏切られましたよ。タイトル・表紙はまさに内容を体現しているのですが、多分皆さんが想像してる以上に良い出来。最近仕事で疲れていたのですが、いい具合に癒されました。なんて前置きが長くなりましたが、内容紹介に移りましょう。ヒロインは、表紙向かって左側の婦警さん。平和で小さな町の交番に勤務する、独り身28歳の崖っぷち女・佐倉エリは、日々失われていく仕事への情熱と、独り身への焦りに心を削られる毎日を送っていました。そんなところに、ある日赴任してきたのは、なんとも子どもっぽい見ためで、中身もかなりの変わり者という、倭漢道荒田井芙蓉子(やまとのあやのあたえあらたいふよこ)、22歳。そんな凸凹コンビが、平和な町で起こる、ちょっとした事件の数々を、マイペースに解決していくという、ポリスコメディでございます。


ふわふわポリス
ふわふわで頼りないですが、言う事は何かと理にかなっている。ただ理にかないすぎていて、取っつきにくかったり。空気読まないのが、その要因かと。「丁度良く」ができないんですよね。


 婦警もののマンガは数あれど、個人的には「逮捕しちゃうぞ」なんかが真っ先に思い浮かびますが、このお話の雰囲気が似ているのは、むしろ麻生みことの「そこをなんとか」(→レビュー)だったり。とりあえず、脱力しつつも面白いという感じです。ヒロインの佐倉エリは、ちょいと疲れめのだけども地は熱血な不器用独身女子。そんな彼女の相手となるのが、一切の常識は通用しないような、とことんマイペースでゴーイングマイウェイな倭漢道荒田井芙蓉子。別に性格が悪いとか、話が通じないとか、致命的な欠点はないのですが、なんとも異質である彼女は、存在しているだけでエリの目と気を引きます。やる気があるのかわからない、ふわふわな振る舞い。お昼はスイーツを食べて、恋愛には一切興味なし。唯一興味があるのは、記憶をすること。辞書から指名手配犯から、地図に至るまで、様々。でも変なところでもっともな事を言う。そんな芙蓉子も、一応先輩と良好な関係を築こうとするのですが、いかんせん不思議ちゃんであるため、空回り。なんとも噛み合わない、不思議な関係を築き上げていきます。ちなみに倭漢道荒田井芙蓉子とか、名字最後まで覚えられませんでした。でも覚えなくても全然OK。だってエリですら覚えてないですから。
 
 ふわふわポリスといいつつも、物語自体はそこまでふわふわしているというわけではなく、ちゃんと地に足ついたお話となっています。何か一貫性があるわけではないのですが、話ごとに起こる事件を通して、人情くさい温かなエピソードを交えつつ、笑いに変換する、その緩くも温かい雰囲気が、心地良し。ちょっと変なキャラ達が、「変」の一線を越えないでいられるのは、私達に通じる情けなさや弱さ、面白さをそれぞれが抱えているから。人間同士の繋がりや温かさ、優しさを描きつつも、それぞれに主体性みたいなものがない分、説教臭さは微塵もなし。だからこそ、気楽に、そして楽しく読めるのかな、という気がします。コメディとしての、話の転がし方も上手で、スイスイと読み進めることができます。最後は驚くほどサラッと終わるのですが、「娚の一生」みたいなトンデモ展開でないぶん、印象は良いですね。気がつけば前向きになっているエリと、どうにも情けない男達の、変化のしなさが、良き後味となって引いていきます。また芙蓉子を最後まで、わけのわからない存在として置いておいたのも良かった。わからないなりに、気がつけば連携とれていたりする様子は、なんだか非常に滑稽でありながら、とても微笑ましくもあり。とにかく、ふわふわに、ゆるゆるに、あたたかに癒された、楽しい一冊でした。


【男性へのガイド】
→コメディとして、なかなか面白いかと。何か大きなイベントがあるわけではないですが、その起伏のなさがまた良いかと思います。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→ちょっとした休みの間に、だらりと読む。そんな楽しみ方がオススメなコメディ。オススメでございます。


■作者他作品レビュー
西炯子「うすあじ」


作品DATA
■著者:西炯子
■出版社:小学館
■レーベル:sho-comiフラワーコミックス
■掲載誌:flowers
■全1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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Tag [新作レビュー] 2010.10.22
1102969002.jpg藤田麻貴「バロック騎士団」(1)


アンタはこれからアタシに
尽くして尽くして尽くしまくる義務があるわ



■各界のエリートを養成するという名門・斎華王学園。初等部からの持ち上がりが殆どで、中等部・高等部での編入は珍しいこの学園に、暴言女王と呼ばれる都は入学してくる。親の会社はこんな学園には似合わないような規模で、入学案内が送られてきた理由は全く不明。全寮制で、外出はおろか退学もできないというこの学園で、都はこの学園の謎に迫る。入学初日に一方的に成敗した男子・上総を従えて、都が行きつく先は…。いびつな真珠達のファンタジック学園ストーリー、開幕!!

 「楽園のトリル」(→レビュー)の藤田麻貴先生の新作のヒロインは、今までにないくらいに暴君な美女でした。突然届いた入学案内によって、導かれるように名門・斎華王学園に編入することになった、都。真っ直ぐ過ぎる性格で、自分の意思はどこまででも通す。口も早いが手を出すのも早い。そんな彼女は、編入早々にこの学園の不可解さに気がつきます。全寮制で外出はおろか退学も禁止。上には「特別寮」という特定の生徒のみが入寮できる施設とクラスがあり、そこに入ると外出できるらしい。それより何より、自分がこの学園に入学することになった経緯がわからない。そんな謎だらけの学園で、編入初日に成敗した、同じ編入組の男子・上総を従え、彼女はこの学園の謎に迫っていくことになります。そして同時に、彼女の体にも思わぬ変化が訪れ…というお話。


バロック騎士団
「駄犬!」は口癖。暴君っぷりを象徴する言い回しです。そんな彼女に、文句を言いつつもなんだかんだで付き合ってやる上総くん、あんたいい男やで。。。


 暴君ヒロインに、何かと面倒を見させられる料理上手の長身男…という組み合わせから、「とらドラ!」を彷彿とさせるのですが、こちらはあちらのように青春ラブコメを送るなんてことはなく、あくまでシリアスにランブルスクールデイズを送っていきます。特別な学園で、ヒロインが巻き込まれつつもなんやかんや…というのは「楽園のトリル」でも同じ。設定は違えど、藤田先生お得意のパターンとも言えるわけで、物語は特殊な設定を持ち込みつつもかなり安定している印象を与えてきます。結構謎が多い(というかそれが売りの一つなのですが)のに、そこが良い意味で気にならないというか。少々ファンタジックな要素を折り込みつつも、完全なファンタジー作品の領域には足を踏み入れないと思われ、親しみやすさもプラスされているのかな、という感じがします。
 
 メインは当然のことながら、学園の謎に迫るということなのですが、1巻時点でむしろ目を引いたのは、ヒロイン・都と上総のかけ合い。物語の中で唯一と言っていいほど、笑いを生み出すポイントとなっているのですが、基本は暴君・都が一方的に上総を困らせるというだけのワンパターン。けれども変化の激しい物語の移り変わりの中で、変わることなくくり返されるそのかけあいが、良きガス抜きとしての役割を果たしており、個人的にお気に入りとなりました。しかしながら、もったいないと思うのが、都の性格描写。「とらドラ!」の大河とは、基本的に外面的な対人行動は全く同じであるのですが、なまじ主人公である分、その異質っぷりを多少なりとも自分側の視点に置かねばならず、ややとっつきにくい感じに。主人公であるから思考が当然流れ込んでくるのですが、どうしてそのような結論に至るのか、変わりすぎていて理解しきれない部分が多々あるという状況になっています。これがもし、主人公でなく視点の交わりがないキャラクターであれば、単に「変な子」で済んだのかもしれないと思うと、もったいないなぁ、と。せめてどうしてこのような性格になったのか、軽くヒントでも与えておけばいいのにとか思ってしまいました。なんてゆくゆくは明らかになってきたりするのかもしれませんが。


【男性へのガイド】
→ヒロインのノリに、男の子の献身っぷり。「とらドラ!」をどことなく彷彿とさせますが、あくまで少女漫画仕様。設定から受け取る印象ほど読みやすくはないかと。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→ヒロインのあの性格は、なかなかとっつきづらい。それが話を動かす原動力になるのですが、もう少しフォローしてあげてもよさそうな。物語自体はよく動いて楽しいです。


■作者他作品レビュー


作品DATA
■著者:藤田麻貴
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:プリンセス(連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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Tag [続刊レビュー] 2010.10.21
作品紹介→ *新作レビュー*こうち楓「LOVESOLIFE」
2巻レビュー→詩春が魅力的すぎてDHCのCM状態になっている《続刊レビュー》「LOVE SO LIFE」2巻
3巻レビュー→子供と過ごす、季節の行事 《続刊レビュー》こうち楓「LOVE SO LIFE」3巻
4巻レビュー→友情よりも、子供よりも、恋愛が見たいんです!:こうち楓「LOVE SO LIFE」4巻



1102969026.jpgこうち楓「LOVE SO LIFE」(5)


マフラーから
嗅ぎ慣れた洗剤と
微かに
松永さんの匂い   



■5巻発売しました。
 春になり、高校2年生に進級した詩春は、今日も楽しくベビーシッター中。すくすくと育った葵と茜も、気がつけば3歳になり、段々と成長が目に見えるようになってきた。一方の松永さんはというと、詩春へのホワイトデーのお返しをどうするか、悩みに悩んでいた…。さらに迎えた詩春の誕生日でも、松永さんから嬉しい提案が。さらに、詩春の高校の親友・梨生にも恋の予感が…!?ますますハートフルな、ベビーシッターデイズ、第5巻の登場です!
 
 
~マフラーの季節です~
 気がつけば5巻になっていました。巻数から考えると、全然進展していない二人ですが、そのゆっくり度合いが良い良い。今回も、進みそうで進まない、けれども外面上に現れないだけで、心は確実に変化している、甘々でニヤニヤな展開が多分に含まれておりましたよ。それではその中の一つ、ホワイトデーのお返しから。
 

lovesolife5.jpg
マフラーしてもらう


 送ってもらって、さらにホワイトデーのお返しを貰って、さらにさらにマフラーという3段コンボ。そんなことされたらむちゃくちゃ意識しちゃうでしょうが!そしてその後の、詩春の台詞がまた初々しいというか、微笑ましいというか、ニヤニヤしいというか…
 
マフラーから
嗅ぎ慣れた洗剤と
微かに
松永さんの匂い

 なんかの歌詞みたいなこのフレーズ。好きですねー。好きな相手でなくとも、異性の匂いってなんとなく印象に残ったりするものですが、マフラーともなると、相手の匂いを直に感じることができるわけで、それだけでドキドキしてしまいます。顔埋めてするわけですから、下手したら間接キス的な要素も含まれるわけで。マフラーって結構ポイント(何の?)高いですよね。そういえば、もうすぐマフラーの季節ですね。今年は何色のマフラーを買いましょうか…。松永さんを見習って黒にしようかしら。

 ちなみに5巻に関して言えば、詩春よりも松永さんの方が圧倒的に相手のことを意識していました。友人から「ドストライクだよね」などと指摘されたのもあり、イベントがあるごとに、意識しまくり。普段こそ無意識でいられますが、この先イベントが訪れるたびに、意識するのだと思うと、今からニヤニヤがとまりませんな。下心とも言えないような、微かな想いをたたえる10歳歳下の女子高生に翻弄される、糞真面目なイケメンアナウンサーとか、それだけで美味しいですよね。しかし詩春はいつ恋心を自覚するのでしょうか。今はまだ、双葉にすらなっていないような、生まれたばかりの若芽。何かきっかけがあれば良さそうな気はするのですが、親友の梨生あたりがトリガーとなったり…してくれないかなぁ。
 

~確実に成長している双子ちゃん~
 今回は松永さんと詩春もさることながら、双子の二人の成長が印象に残りました。当初は詩春と松永さんにばかり目が行っていて、正直なところどちらが葵でどちらが茜かわかっていなかったのですが、4巻~5巻あたりでやっと見分けがつくようになってきました。今回は、同じことをするという双子らしさではなく、双子の中にも違いがあるという部分が強調されおり、葵くんはより男の子らしく、茜ちゃんはより女の子らしくなってきている所が描かれていましたね。その最たる話が、葵くんが乗り物にハマるという一幕。男の子って乗り物好きのパターンが多くて、自分も電車と自動車にハマっていた頃がありました。そんな乗り物にお熱な葵くんをよそ目に、茜ちゃんはあまり興味を示しません。


lovesolife5-2.jpg
 今までは、双子揃って楽しむという印象が強かったので、こういうパターンは意外だったというか、確実に成長しているのだなぁと思わされたとい言いますか。また狙ったかのように、このときは葵くんと茜ちゃんで、服装に違いが。茜ちゃんの方が、より女の子っぽい服装をしております。なんて趣味は異なりつつある二人ですが、一番好きなのは詩春で一緒というあたり、まだまだ双子らしさを見せ続けてくれるのでしょう。6巻では、双子の成長もより楽しみですね。
 
 

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Tag [新作レビュー] 2010.10.20
1102969480.jpg霜月かよ子「彼はディアボロ!」(1)


さぁて
“悪魔”とのエンカウント率と
“素敵なカレシ”とのエンカウント率…
果たしてどちらの方が高いかな…?



■憧れのセンパイへの想いが、叶いますように…。女子高生・めい子の密やかな想いは、占いやおまじないといった可愛らしいものから、やがてエスカレートして陰陽五行や黒魔術へと形を変えていった。その結果呼び出したのは、恋を叶える天使…ではなく、傲慢・冷酷・けれどイケメンな悪魔王・ルシファーだった!しかもそのルシファー、めい子の担任として赴任してきたと思ったら、さらに思わぬ要求をしてきて…!?思わぬ形で魔女ッ子デビュー!恋するオトメの運命やいかに!?

 傲慢・冷酷・あくまでイケメンな彼との、新感覚魔女ッ子ラブコメです…ラブコメ?というのも、笑いの方向性としてはコメディというよりも、シュールなギャグ寄りで、少女漫画的ラブコメという字面から受け取るような印象とは、かなり異なるということを、予めお伝えしておきます。それでは内容のご紹介を。ヒロインは、部活のセンパイに恋する高校生・めい子。好きという気持ちが、やがて黒魔術といったオカルトチックな方向に走り出してしまったという、なんだか少しイタい女の子です。そんな彼女が、術中に何かを召還。恋を叶える天使かと思いきや、その正体は悪魔王でした。しかもめい子のクラスの担任としてやってきた彼。最初は「お前の願いを叶えてやる」なんて甘い言葉をかけてきたものの、結局それは、彼のとある要求を通す布石でしかなく、めい子はまんまとその手に乗り、彼の願いを叶えることに。それは、彼専属の魔女となること。魔女ッ子と言えば聞こえは良いが、やることは基本的に身の回りの世話。そんな魔女修行に追われる中、彼女の周りにはなぜだかどんどん悪魔が増えてきて…というお話。


彼はディアボロ!
ダウジングでカレシ探しというわけのわからなさ。これはあくまでジャブで、そこから一気に変な方向へと突き進んでいく。ちなみに魔女化したために魔力はあるものの、めい子の場合「あんぱんを食べた直後に怪力になる」という、どちらかというと「魔女」というよりは「魔人」みたいな能力しかない。


 ヒロインのリアクションが、キラキラ輝く少女漫画のヒロインのそれではなく、なんていうか情けなさとか残念感とか、そういう雰囲気を強く出す、青年誌とかでしばしば見られるような印象を残します。というか変顔、アホ顔、アホリアクション…相手役のルシファー以外はみんな備え持っており、ヒロインのみならず、全員でそういった空気感を作り出しているという感じでしょうか。ファンタジックな要素があまり見られないのが、掲載誌・別冊フレンドの特徴なのですが、これはノリから何から完全に別枠という印象で、良い意味で浮いています。とりあえず楽な気持ちでページをめくっていけるのが、良いですね。個人的にはこういうノリ、嫌いじゃないです。むしろ好きです。
 
 シュールとか言いつつ、種を明かせば結局のところアホが集合してるというだけ。とはいえ「バカとハサミは使いよう」とはよく言ったもので、この作品、アホをちゃんと使って話を展開しているので、一本調子に単調な笑いをくり返すということにはなっておらず、短時間で飽きさせるなんてことはありません。わけわかんないけど、とりあえずクスリと笑える。そんな感じですかね。ヒロインのバカっぽさもさることながら、まったく意味もなく派手で、まったく使えないジュローデル先輩が、個人的にはお気に入りです。正直オススメしずらいような系統の作品ではあるのですが、多分買ったなりに楽しめると思いますし、気になる方は手に取ってみてはどうでしょうか。あ、間違っても表紙からの印象で購入を決めてはだめです。「騙された!」となりますから。それが良い意味での「騙された!」なのか、はたまた反対なのかは、読んだ人の嗜好次第。 
 

【男性へのガイド】
→男性でも読めると思いますよ。別フレのエッセンスは多分に含んでおり、そこが壁となりそうな気はしますが、それを補って余りあるバカさ加減。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→様子見の3つ。これ以上展開があるとも思えないのですが、現状不満足かと言われるとそうでもないわけで、だとしたら十分じゃん?という気もします。


作品DATA
■著者:霜月かよ子
■出版社:講談社
■レーベル:KC別フレ
■掲載誌:別冊フレンド(連載中)
■既刊1巻
■価格:419円+税


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Tag [続刊レビュー] 2010.10.18
作品紹介→*新作レビュー*久米田夏緒「ボクラノキセキ」
2巻レビュー→ますます白熱!《続刊レビュー》 久米田夏緒「ボクラノキセキ」2巻
関連作品紹介→ニュースが繋ぐ、僕らの青春狂想曲:久米田夏緒「NEWS PARADE」


1102957856.jpg久米田夏緒「ボクラノキセキ」(3)


でもそうしたらだめなんだと
思うこの部分が
皆見晴澄だ



■3巻発売しました。
 王女・ベロニカであったという前世の記憶を持つ皆見晴澄と同じように、かつての記憶を取り戻しはじめたクラスメイトたち。しかし、前世での因縁に囚われた彼らは、現実世界と前世の世界を混同しはじめ、やがて混乱・争いをもたらし始める。そんな中迎えた、クラスマッチ。せめてこの時間だけはと、晴澄はクラスマッチに集中させようとするけれど…?息もつかせぬ第3巻、登場です。
 

~誰が誰だか…~
 2巻から爆発的に広がりを見せはじめた、前世の記憶を持つ生徒達。とりあえず、もはや誰が誰だかわからない…(´・ω・`) さすがにメインキャラやクセの強いキャラ、可愛らしい女の子たちは覚えられるのですが、基本的に残念でない「普通の男の子」にはサッパリ興味のない自分にとって、男キャラが増えていくのはしんどい…。いや、良いんですよ瀬々とか大友とか手嶋野とか、その辺は。でも巻頭のキャラクター表を見ても、「え、七浦って誰?てか目黒なんてヤツいた?」みたいな。新刊発売のペースが遅いこともそうなのですが、思っていた以上に広がりを見せる物語に、今までの歩様ではついていけなくなったということを強く実感させられているのでした。とりあえず西園さんかわいいですよね!
 
 
~考察とかしてみたいですよね…~
 考察のしがいがありそうな本作ですが、個人的にはそこまでの気力がないのでパス(すみません)。多分リンク先の誰かがやってくれるでしょう。さて、そんな中何を書こうかというと、やっぱり皆見は異質なんじゃなかろうかという、漠然とした自分の中での印象について。別に今まで彼のことを「異質だ」などと言ったわけではないのですが、巻を重ねるにつれて、自分の中ではその印象が強くなっていました。


~冷静に世界を見つめる皆見~
 前世に翻弄されるクラスメイト達と異なり、非常に冷静な視点で状況を捉えている彼は、ぱっと見非常に頼りがいのある、ある意味主人公然とした男の子に映ります。物語の世界を俯瞰で眺めるようなその視点・立ち位置は、読んでいて非常に心地よいですし、ヘンな暑苦しさがないところが、クールで良い。しかし、物語の世界からさらに離れて見てみたときに、彼の冷静さはなんとも変な感じがするのです。それは、突如として蘇った前世の記憶に翻弄されるクラスメイト達と比較した時に、特に。もちろん皆見は元々前世の記憶があり、その分今の状況を冷静に捉えることができるという考えもあります。でももし自分が皆見の立場にいたら、絶対に逆のベクトルがはたらくだろうなぁ、と。


~前世があるって、結構特別に感じるんじゃなかろうか~
 前世の記憶に支配され、現実世界に混乱をもたらすようになった生徒達が、皆見の視点からは「よからぬ存在」として映るわけですが、この生徒達の反応って、絶対に自然だと思うんですよ。その発露が3巻で特に顕著であったのが、矢沼なのですが、別に現世がつまらないと思っていなくても、前世ってやっぱり特別なのではないのかなぁ、と。この世の中、「輪廻転生」や「前世」なんてものを信じている人がどれだけいるかは知りませんが、「自分には前世があって、こんな存在で、今の世の中ではこんな使命を背負って生きている!」なんてトンデモないことを、なんの根拠もなく信じている人も少なからずいるわけで。そういう人たちに比べたら、彼らの置かれている状況は、多数での共通認識という現実味と、目的が明確という入れ込みやすさから、その思考を支配するには十分過ぎる状況とも言えるわけで。そりゃあそっちに傾くよなぁ、と。


ボクラノキセキ3
結構バカやろう的に描かれていた矢沼ですが、その気持ちはわからんでもないし、多分こう思う人間は結構いると思う。


 もし自分に前世があって、そこそこの身分で色々と強い想いがあったとしたら、そりゃあテンション上がってそっちメインの生活になりますよね?それこそ「自分はこのために生まれてきたんだ!」じゃないですが。それに対しての、皆見の冷静さ。確かに前世王女ですし、前世の記憶ずっとありましたし、色々と振る舞いを考えることができるのかもしれないですが、自分の記憶が正しいと証明されて(半ば自分の存在が証明されたようなもの)、しかも自分は一番の権力者であるという状況に、突き動かされない男などいようものか。不自然過ぎる転生状況の中、自分だけが前世王女で、しかも記憶は前からあったという特別感。これを敢えて抑えようとする彼は、やっぱり何だか変だなぁと。なんてそういえば彼、ベロニカの記憶を持っていたことはあっても、決してベロニカ自身になって行動したことってなかったような。周囲が一気に前世に飲み込まれていく中、自分がベロニカということを明かした時点で、皆見は「ベロニカの記憶を持つ皆見晴澄」ではなく、どこまでも「ベロニカ」として認識されてしまう、いわば自分が周囲の認識から消えてしまうということを、恐れているのかもしれませんね。いや、たぶん挙げだしたらキリがないのでしょうけど。そして、彼がベロニカとしてのスイッチが入った時点で、この物語は破綻を迎えてしまうのではないか、と思います。「前世の記憶を持つ」という視点だからこそ楽しいのであって、前世に支配された世界に、もはや面白みは何もありません。どこまでも、知らず知らずのうちに作品のために働いている、皆見なのでした。
 


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Tag [続刊レビュー] 2010.10.13
作品紹介→岩本ナオ「町でうわさの天狗の子」
4巻レビュー→《気まぐれ続刊レビュー》岩本ナオ「町でうわさの天狗の子」4巻
5巻レビュー→やっぱり赤沢さんが気になる《続刊レビュー》「町でうわさの天狗の子」5巻
6巻レビュー→スケートといったらスカートですよね:岩本ナオ「町でうわさの天狗の子」6巻



1102969072.jpg岩本ナオ「町でうわさの天狗の子」(7)


あたしはダメだよ
自分のことそんなに好きじゃないし
だからマディみたいになりたいんだと思うし
まだ
手の届かない将来のことなんて
上手く考えられないんだ



■7巻発売です。
 バレンタインのために、みんなでチョコクッキーを作った秋姫。でも、誰にあげるか決められないままに、バレンタイン当日を迎えてしまう。結局誰にもあげられないまま、下校した秋姫は、その途中で瞬ちゃんに会う。そのまま一緒に帰ることになった二人は、チョコクッキーを巡って一悶着。翌月、ホワイトデーを前に、秋姫は気がかりなことがあり、力が不安定になる。そんななか、石鎚山の栄介が、秋姫達の学校に現れて…!?
 

~瀬戸内の温暖な気候がよくわかる~
 7巻発売です。ゆっくりめの連載なので、作中ではバレンタインデーまっただ中。しかし雨無村の風景には、雪はありません。天狗の子の舞台となっているのは、岡山県。瀬戸内に面したこの県は、地中海性気候に似ており、比較的温暖で、雪も滅多に降ることがありません(と中学の時の社会で習った気がする)。冬なのですが、どこか季節感を感じることがないのは、真冬の下校でも、みんなコートなど着ずに、カーディガンにマフラー一枚で済んでしまっているところにあるのかもしれません。誰も着ていないですし、多分本当に温かい土地なのだろうな、と思わされます。しかし季節の移り変わりは伝わりにくくとも、7巻は心の移り変わりはわかりやすかった!(←上手いこと言ったつもり)いよいよ秋姫と瞬に、良い意味で微妙な空気が流れてきております。
 

~お互いにハイライトを作る→もう付き合っちゃえよ…~
 いつしか秋姫から、何かしらのモーションをかけるのではと思っていたのですが、まさかこんなにも早く、目に見える形で動くことになるとは、まったく思っていませんでした。バレンタインデーにて、結局誰にもあげることなく終わった秋姫は、帰り道一緒になった瞬ちゃんと電車に乗り込みます。そこで「誰にもあげないのなら自分によこせ」と言う瞬ちゃんに対し…
 

町でウワサの天狗の子7-1 
瞬ちゃんがほかのチョコ
食べないならあげる



 これは反則。こんなこと言われたら、そりゃあ瞬ちゃんも驚いて「わかった」とか言ってしまうでしょう。いつも手のかかる幼なじみとして、そして同い年の女の子として、秋姫を改めて強く意識した瞬間だったのかも知れません。この電車で向かい合いながらというシチュエーションがまた良いですよね。実は秋姫が、タケルくんに告白をしたのも、偶然帰り道で一緒になり乗った電車の中。その時も、半ば勢いで言ってしまったわけですが、再び。もう秋姫誰かと電車乗らない方が良いんじゃないですか?いや、それがなければ何も動かなかったのだから、むしろ乗るべきなのか…。
 
 さて、その一件以降は、どうも瞬の調子は狂い気味。しかし魅せるところは魅せます。その一番の見せ場はホワイトデー。そもそもホワイトデーが何なのか知らなかった瞬ちゃんは、秋姫にその内容を説明してもらい、今までもらってきた分のお返しをしようとします。その数なんと、19個。その数に驚き、そんなに貰ったの!?と問いつめる秋姫に対し、瞬ちゃんは
 

町でウワサの天狗の子7-2
お前の分が14個だ

 
 これは恥ずかしいけどカッコイイ。ここ読んだとき、「ひゃあぁぁー!!(赤面)」とか言いながらソファの上ごろごろして壁をばんばんはたいてしまいましたよ、はい。てか2月14日に貰うチョコレートを特別なものだと自覚し、しっかりと記憶しておきながら、ホワイトデーがわからないとかなんなんだお前。てかお前ら付き合っちゃえYO!!しかし、残りの5個(19個-14個)の内訳が地味に気になるわけですが(笑)とにかくこのシーンには、めちゃくちゃトキメキました。そりゃあ人気出るわけだ。
 

~秋姫の進路は…?~
 そんな(どんな?)秋姫ですが、天狗としての能力も、意志に反して段々と強くなっていっています。7巻では、その暴走っぷりがすごかった。なんか髪の毛ぶわっとなるし、宙にどーんと飛んでくし。何やら彼女、普通の天狗以上の何かを持っているらしいのですが、周囲の人間はそれを秋姫には積極的には言おうとしません。しかしながら、ラストの引きは、修学旅行あたりをきっかけに何か一山ありそうな気配。手の届かない将来のことは考えられず、「今はまだここにいさせて」と願う秋姫に、少しずつ運命の波が押し寄せつつあります。そんな彼女を、瞬が、仲間たちがどう支え、秋姫は将来をどう選択していくのか。今から続きが気になって仕方ありません。


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Tag [続刊レビュー] 2010.10.12
1102969066.jpg吉原由起「チョコレートガール」(1)


乳なら間に合っておる
押しつけんな
暑苦しい



■熱意はあるものの、超ネガティブでミスばかりの芸能マネージャー・今日子。売り込みたい、仕事を成功させたいと思うばかりに空回り。今日も今日とて、新人の売り出しに失敗した今日子は、担当を外され、とある劇団俳優のスカウトに任命される。その男・陸をスカウトしてこれなければクビ…背水の陣で臨んだスカウトだったが、平気で手を上げる・笑わない・テレビ業界を毛嫌いしているなど、強烈な個性を持つ陸に、今日子はドン引きしてしまい…!?

 「蝶よ花よ」(→レビュー)などを描いている吉原由起先生の新連載でございます。今度の舞台は芸能界。といってヒロインは芸能活動をするわけではありません。ヒロインの職業は、芸能事務所のマネージャー。ネガティブ思考で失敗ばかりの彼女は、ある日社長に呼び出され、「担当は全て外れて、ある劇団俳優をスカウトして欲しい。もし失敗したらクビ。」と告げられます。早速その男・陸のスカウトに向かった今日子でしたが、芸能界嫌いの彼は、当然のことながら門前払い。しかし、これで諦めるわけにはいかない今日子は、その後も熱心に彼の元に通い続けます。手を上げられたり、無視されたり、暴言を吐かれたり…それでもめげない彼女を前に、ついに折れた陸は、最終的に事務所に入ることになったのでした。クビを免れて一安心…だったのも束の間、あろうことか陸のマネージャーに任命されてしまった今日子は、その後も気難しい陸相手に、お仕事を続けていくことになるのでした。


チョコレートガール
「貧乳」と書いて「マネージャー」と読む。これはネガティブとは、ちょっと違う気が。


 吉原先生といえば、ハイテンションでおくるコメディが売りですが、今回もコメディ成分強めに出ております。ヒロインはネガティブといっても、言う事は言う、割とハッキリとした性格の女性。一方の陸も、俺様とは違うものの、自分の信念は曲げず、頑固に自分の意見を主張するタイプ。そんな二人が一緒になるわけですから、当然のことながらぶつかり合いが発生します。そこから生まれる勢いの良い笑いと、トキメキ。普通だったら考えられないような展開も、勢いがあってこそ、読んでいると、意外とすんなり受け入れられてしまいます。多分あまりにコメディ然としているから、ある程度のことが起こっても「コメディだしね」てな感じに許されてしまうのかな、と。それも含めて、また上手さなのだと思います。
 
 吉原先生の作品に登場するヒーローがまた個人的に好きなのですが、今回のヒーローもまた味があっていいですね。主張は強いが、俺サマではないし、とにかくストイックに高みを目指すその姿がカッコ良いです。それでもって、恋愛…というか人付き合いがかなり下手で、過去のトラウマからベッドシーンは大の苦手というあたりもなかなかかわいらしいです。ハイテンションにテンポよく進むので、恋愛方面でも多少進みが早い印象があるのですが、比較的早い段階で完結するのかな、という気がします。5巻完結が目標くらいで、長過ぎず短すぎず、今のままのバランスを保ったままに進んでほしいところですね。今回も安心して楽しむことができる一作となっていました。


【男性へのガイド】
→吉原先生の作品は、プチコミ比較でいうとかなり男性にも読みやすい部類には入ると思います。まぁあくまでプチコミ比較なのですけれど。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→安定感良く、期待通りに楽しむことができました。これからどう展開するのか、動機付けやタネが弱い気がするので、オススメ手前くらいで。


■作者他作品レビュー
吉原由起「ヴィーナスにあらず」


作品DATA
■著者:吉原由起
■出版社:小学館
■レーベル:プチコミフラワーコミックス
■掲載誌:プチコミック(連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon
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Tag [新作レビュー] 2010.10.12
1102975274.jpg李英有「SiESTA」(1)


家族って
そういうものだから…



■幼い頃に、両親と共に列車事故に巻き込まれ、唯一生き残ったディアは、親切な父の友人に引き取られ、家族として育てられてきた。ひとつ屋根の下で暮らすノエに、密かに恋心を抱いていたディアだったが、ある日親友のマリアから、「ノエとつき合うことになった」と衝撃の告白をされる。傷心のディアは、あてどもなく祭りで賑わう街中を歩いている中出逢ったのは、超最悪な性格で、S級の異能力を持つ少年・シド。後日、巨大企業の御曹司である彼のボディーガードを頼まれたディアは、育ててくれた親元を離れ、全寮制の名門・パルコ学園へと通うことになったのだが…!?
 
 物語の舞台となるのは、普通の人間と、異能力者が共存する世界。異能力者というのは、なにかしらの特殊な力を持っている人間のことで、瞬間移動やら電撃やら疾走やら、その種類は様々。その能力の強さ(=得てして普通の人間への影響力)によって等級分けされ、等級が高いほどに、日常生活での使用が制限されています。また人間によって、異能力者は忌み嫌われていたという過去があり、その遺恨は未だ残る形に。物語は、そんな異能力者の女の子・ディアが、密かに失恋をするところから始まります。幼くして両親を亡くした彼女は、父の友人に引き取られ、家族同然に育てられました。そんな彼女が想いを寄せていたのは、一緒に暮らすノエ。しかしある日、彼に恋人ができたことを知ってしまいます。傷心のまま街に出た彼女は、そこでS級の異能力者・シド(性格:傍若無人で子どもっぽい)と出くわし、一悶着。後日、彼が巨大企業の御曹司であることを彼の祖母から聞かされ、さらに彼のボディーガードとして一緒に学校に通って欲しいと頼まれます。最初は行く気のなかったディアですが、家族との関係を考慮し、結局承諾。全寮制の名門・パルコ学園へと入学します…。


シエスタ
異能力者としての力も持たず、また普通の家庭を持っていないこともコンプレックスとなっており、普段は非常に弱気。自分を責めるというか、そもそも期待すらしていないという精神状態にある。


 S級能力者のシドに、ボディーガードなんて普通なら必要ないはず。しかもディアは、疾走と跳躍という、最低ランクの異能力しか持ち合わせていません。それに対し、シドは電撃という最高ランクの能力の持ち主。普通であれば、隔離されて生活する程に、強烈な能力です。言ってみれば、普通のマリオとフラワーとったマリオくらい能力の差があるわけです。しかし、その裏には、シドの祖母のある企みが。実はディアには、何やら大きな秘密が秘められているらしいのです。その秘密については、これから明らかになっていくわけで、現状は、スタイリッシュな学園ファンタジーという枠に収まっての展開となっています。シエスタって、スペイン語でお昼寝みたいな意味だったと思うのですが、能力が眠っているから、みたいな安直な発想はだめですかそうですか。

 作者の名前は李英有さん。韓国の作品を、日本語訳して発刊された作品でございます。韓国ものとうと、ウチでも以前「シエル」(→レビュー)をご紹介しましたが、あちらのマンガは日本とは綴じが逆。左から右へと読み進めていくスタイルとなります。しかし絵柄は日本のそれと、なんら変わりないですね。ヒロインのディアは、非常にかわいらしい容姿をしていますし、ヒーローのシドも、オタク系雑誌のヒーロー然として、なかなかキマっています。序盤の説明不足は、読み手を絞ってしまう可能性があるものの、この手の掲載誌ではある意味スタンダードであり、絵柄も作風も、良くマッチしていると思われます。スケール感もビーズログならば丁度良し。テンポよく、クルクルと変わる場面はなかなか見応えがありますし、この輸入は賢いな、と感じさせられるのでした。って、この先生の日本語訳の作品、これだけじゃなくて、すでにあるみたいですね。「月曜日少年」という作品だそうです。これもまた、キャッチーな表紙です。


【男性へのガイド】
→ディアかわいいよ、ディア。なかなか可愛らしいキャラも登場しますし、オタク臭はするものの、ある程度読める内容にはなっていると思います。異能力とか、学園ファンタジーとか、そう言うの好きなら。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→読み方が逆という点以外は、スタンダードなジャンル誌向け学園ファンタジー。この手のレーベルの作品が好きだという方は、読んでみても損はないと思います。


作品DATA
■著者:李英有
■出版社:エンターブレイン
■レーベル:B's-LOG
■掲載誌:ビーズログ(連載中)
■既刊1巻
■価格:620円+税


■購入する→Amazon

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Tag [続刊レビュー] 2010.10.10
作品紹介→*新作レビュー* 遠山えま「わたしに××しなさい!」
2巻レビュー→三角関係突入!《続刊レビュー》遠山えま「わたしに××しなさい!」2巻
関連作品レビュー→遠山えま「ココにいるよ!」
3巻レビュー→これはただの恋愛ではない、覇権を懸けた熱き闘いなのだ:遠山えま「わたしに××しなさい!」3巻



1102969501.jpg遠山えま「わたしに××しなさい!」(4)


ミッション12は
私の首すじを
かみなさい



■4巻発売です。
 雪菜達の前に現れた、男にも女にも一目置かれる、病弱&可憐な美少女・マミ。雪菜に対し、興味を持って積極的に近づいてくるマミに対し、冷たい言葉で突き放す雪菜だったが、マミは全く堪えずに、相変わらずの調子。さらには「時雨のことが好きなら応援する」と、一層急接近してきたが…彼女の狙いは一体!?本当の恋も知らなければ、女同士の牽制も理解不能な雪菜。このままじゃ、マミに時雨を取られちゃう……!!


~表紙から淫微な…~
 1巻の時から、表紙で狙ったエロさを醸し出していた本作ですが、4巻の表紙はなんですかこれという感じ。時雨の胸元が、何の意味もなくはだけていますし、白いはずのシャツが、全体的にピンクっぽくなっております。肩を細め寄せられた腕によって強調される、雪菜の胸も、ネクタイを挟んで見えなくするというあざといエロさ。てか雪菜は表紙になるといつにも増して巨乳になるというよくわからない法則があったりします。とまぁ表紙からなかなかすごいことになっっているのですが、本編もまたエロかったです。低年齢向けの「なかよし」でこれかよという感じですが、りぼんにまゆたんいるし、ちゃお系統にもやぶうち先生がいるし、少コミにも池山田先生がいるわけですから、さして特筆すべきことでもないのかもしれませんね。いや、でもやっぱりエロイよ!(喜びと悲しみ半分ずつの感情で)
 

~「なかよし」でこれはセーフなんですか?~
 4巻では、数回に渡って衝撃を受けたわけですが、最初の衝撃は、雪菜によるミッションから。マミに邪魔され、なかなかミッションを考えられなかった雪菜は、時雨と共にマミを撒いて、更衣室に二人きり。時間のなさに焦ったのか、その場でミッションを考えた雪菜が時雨に告げたのは、「首筋を噛みなさい」というものでした。
 

わたしに××しなさい!4-1
鍵がかかった男子更衣室で、「首筋をかみなさい」とか言って自らシャツのボタンを外し始める女の子を目の前にするとか、どんなエロ漫画のシチュエーションだよ、と。ここまで極端なシチュエーションの場合、男の方は開き直ってつっこむか、逆にビビってヘタるの二択だと思うのですが、時雨はヘタレに見せかけてしっかりと前者でおりました。ちなみに雪菜がこのミッションを出した意図に、エロさを求めるという発想は全くなく、ヴァンパイアに血を吸われるというファンタジックな発想から生み出されたものなのでした。そのため、後日晶から、同じことをしてもよいかと問いつめられた時に、すんなりとOKを出してしまったり。無自覚ってのは怖いです。


~それだけじゃなかった~
 さて、そんなわけで、首筋にキスという見せ場が、4巻の目玉となったわけですが、最後にもう一つ、大きな衝撃が。今度は雪菜の命令ではなく、時雨から動いたもの。諸事情で口をきいてくれなくなった雪菜に対し、我慢の限界が越えた時雨は、強く迫り…
 

わたしに××しなさい!4-2
指フ○ラ


 これは…アウト…じゃないんですか…?どうなんですか、講談社さん。まさかこんな展開がとビックリ。しかしあれもこれも、大元の原因を作ったのはマミ。二人の邪魔をするつもりが、結果的に二人の想いを加速させる形になっています。ええ、こういう報われないキャラ、大好きです。少しだけ見せた涙が、なかなか切なかったわけですが、まだここでめげるようなキャラには見えません。5巻で決定的に負けて、号泣する姿がみたいものです(負けは確定という前提の変態発言)。そういえば、時雨は、上のシーンに入る前に、右手でマミの頭をポンポンしてましたね。衛生的に…


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Tag [続刊レビュー] 2010.10.10
作品紹介→宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」
6巻レビュー→恋愛のスタンスに見る、ダイキチとコウキの強い繋がり的なもの 《続刊レビュー》宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」6巻
7巻レビュー→りんに感じた違和感と、それをも超える確かな信頼感について 《続刊レビュー》宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」7巻



1102969678.jpg宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」(8)


私がこれ以上のことを望まなければ
こんなに楽しい暮らしもないな…
望めば全部
無くなっちゃうけど…



■りんを引き取り、早10年。独身ながらも初の子育てに奮闘し、りんと二人三脚で、いつしかりんも高校生になった。そしてついにりんは、没交渉だった実母と再会。そこでりんは、母親が妊娠しており、近く妹が生まれることを知る。思い出せないほどに会っていなかった、実母との再会、そして新たな命が生まれること…そして、以降のダイキチとの生活。少しずつ、動き出す、りんの心。そして自覚する、一つの気持ちとは…


~再び盛り上がってきてます!~
 りんが大きくなってから、評判が今ひとつであった「うさぎドロップ」ですが、ここにきて再び盛り上がりを見せようとしていますよ!(私の中で)。前回まさかの、「ダイキチとの恋愛」という可能性を匂わせてきたわけですが、8巻ではそれが確実になりつつあります。果たしてこれからどう進んで行くのか、楽しみで仕方ありません。さて8巻なのですが、りんとダイキチに限らず、作品の中で家族役割について触れられる場面が多かったという印象がありました。元々、叔母と甥という血縁関係でありながら、実生活では親子のような関係をとる二人を描くこの作品は、家族関係というものは、一つの大きなファクターとなっています。それが今回は、目に見える形で良く出てきたな、と。
 

~親としての母と、女としての母~
 以前にもその情報は出ていたのですが、コウキのお母さんの再婚が決定。そのことが、コウキにも伝えられました。そのことに、コウキは高校生ながらショックを受けます。そのときコウキは、こんな印象的な言葉を残します…
 
オレにとってはもう絶対的に母ちゃんだからさあ
女としては見れねーわけ
けどダメなんだ“女の母ちゃん”は
なんかちゃんと見れなかった

 これに対し、ダイキチも「わかる!」という言うわけですが、私ももの凄くこれには同意でして。もちろん母親も一人の女だということは、頭ではわかっているのです。けれども、子どもからしてみれば、母親は生まれたときから母親であるわけで、女としての一面というのはほぼ目にする機会はないわけですよ。それがある日ドンと目の前に提示されるんですから、そりゃあショックを受けますとも。「裏切り」とまではいきませんが、自分へ向けられるものとは違う”愛情“が知らぬ他人に向けられる気持ち悪さというのは、多くの人が持つ感覚ではないのかな、と。
 自分も両親が双方に浮気して、別居していた時期があったのですが、それが発覚したときの心持ちにすごく似ていて、思わず同意してしまったという(笑)今でこそ、その歳になってまで恋愛できてた両親すごいなとか、思えるのですが、当時はやっぱりショックでしたねぇ。
 
 
~りんにとっての、ダイキチの存在の変化~ 
 さて、またダイキチも、その関係・感情をどのような関係性の上で認識しているのかという問いを、りんにかけます。
 
それって赤ちゃんだからかわいいのか?
それが妹だからか?

 これは、生まれてくるりんの妹のことを「かわいい」とはしゃいで話すりんに対して向けられたもの。それに対しりんは「わからない」と返すのですが、そこから話は、妹ではなく自分自身の存在と、彼女のダイキチおよび母親に対する認識に関するものへと移っていきます。
 

うさぎドロップ8
自分が今まで何者なのかよくわかんなくて
なんていうか…糸がついていない風船を
ダイキチが持っててくれる感じだったんだけど
あの人がお母さんって実感があってから
ああ
糸が付いてたんだなーっ思った…
でもやっぱり
今それを持ってるのはダイキチなの


 彼女は自分の存在について、風船と糸という形でダイキチに話をしています。この糸とは、家族役割ないし精神的存在としての「保護者・親」を表しているものだということは、ほぼ明白。今まではダイキチがその役割を代わりに務めていたけれど、その役割に納まるのは、正子さんである、と。そして面白いのは、けれども“今”それを持っているのはダイキチであると、りんが言っていること。ということは、いつかは持つ人が変わると暗に言っているようなもので、やはり恋愛路線へと進んでいくということで間違いないのかな、と。家族的な形式をとって同居している中で、一人に対し家族的な役割を複数持つというのはやはり良くないというか、無理が生じるもの。ダイキチが親・保護者としての立場を持ち続けている以上は、恋愛関係に発展することはありません。(そもそも、3親等という時点でアウトなのですが…まぁこの際は成就するしないは気にしないでおきましょうか…)。それが正子さんの再登場によって、ダイキチの親という役割からの解放という可能性が出てきた。彼女が正子さんの所に通い、親子関係を強めようとしているのは、無意識にダイキチとの関係の変化を望んでいるからなのかもしれませんね。


~この展開は、既定路線だった?~
 正直なところ、ダイキチはコウキのお母さんと結婚するものだとばかり思っていたので、最近のこの展開には驚いているのですが、色々考えると、このルートは既定路線だったのかもしれません。ダイキチがりんをひきとった直後の流れとして、例えば正子さんと連絡をとらないとかって選択肢もあったと思うんですよ。でもちゃんと今まで連絡が取れるようになっているし、最初は悪い印象ばかりの彼女が、今やりんにとってはかけがえの無い存在になりつつあり、また心証もかなり良くなってきています。そもそもダイキチが、りんを養子として迎えていれば、今のこの展開はまずありえなかったと思うのですが、それをりんは6歳のときに拒否。あのやりとりは、このためにあったのだろうか…なんて今だと思ってしまったり(そもそも、3親等という時点で~以下略)。正子さんは、りんとダイキチなんてレベルじゃないほどに歳の離れたお爺さんと恋に落ちたわけですから、りんがダイキチのことを好きになるなんてのは、ありえないどころか、むしろ自然ですらあるわけで。この親にしてこの子あり…なのかもしれません。ダイキチ、お祖父ちゃんにすごく似てますしね(笑)


■購入する→Amazon

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2010.10.06
■先月も何とか30エントリを越えることが出来ました。なんて、今月はちょっと厳しいかもしれません。部署内で、担当分野の編成があり、バタバタとしている所に加え、資格試験が迫っているということで、結構時間カツカツです。一応中旬過ぎれば通常運転に戻ると思いますので、よろしくお願いします。更新しないわけではなく、かなりスローになるかと思います。


9月オススメまとめてあります→今月のオススメ 厳選 10タイトル 【'10年09月】
映画「君に届け」を観に行った感想→映画「君に届け」を観てきました。


Thanks
ちっちこちっちものがたり
…ご紹介ありがとうございました。Twitterでもお世話になっております。


良キ漫画求ム!
…リンクありがとうございます!

ヤマカムさんブログ化
…リンクして頂いているヤマカムさんが、ブログ化されました。違和感すごい。




ピックアップ
NEWS
種村有菜の初連載作「イ・オ・ン」りぼんファンタジーで復活
…このタイミングで復活というのには、何か理由があるのでしょうか。


中嶋ゆか、失恋少女の痛み描く新連載ちゃおでスタート
いくえみ綾、Cookieで巨弾新連載「プリンシパル」始動
…注目新連載情報。どちらも好きな先生なので、期待大です。


ARIAで男性マンガ家が少女マンガに挑戦、第1弾は日向武史
…そもそもARIAって知ってます?講談社が創刊した、女性向け新マンガ雑誌です。


峰倉かずや、体調不良のためマンガ連載を無期限で休筆
…「最遊記」の峰倉先生ダウン。先生の体調が回復することを祈るのはもちろんですが、同時に主軸を失ったゼロサムがどうなるのか、心配。


衝撃のマツコポスター公開!「ガラスの仮面」新刊連続刊行
…東京駅で見ましたが、すごかったです(笑)


レビュー
今年の夏も何もなかったけど『STAY』は出るきなこ餅コミック
…西炯子先生の代表作の一つだそうで。未読なので、ぜひ読んでみたいところ。


平凡?特別?大切な言葉と、大切な存在。 『flat』1巻正直どうでもいい
…「flat」のレビューです。やっぱり秋くんに目が行くんですよねー。


いつもより『ただいま』と『おかえり』が言いたくなる「ただいまのうた」マンガのおかげでした
…「たいようのいえ」と間違えて買ったらしいです(笑)いや、私もよく混同するんですよ。



ネタ
「その綺麗な顔を~」で有名な新條まゆ先生、満を持して「けいおん!」ヒロインのコスプレ写真を披露[togetter]
…連続して表示されるまゆたんのコスプレ姿に、ゲシュタルト崩壊を起こしそうに…。


漫画家の新條まゆさんスナイパーライフルを手に入れる→とりあえず担ぐニュー速クオリティ)[2ch]
…もういっちょまゆたんネタ。こういう楽しませようという姿勢があるから、愛されるのでしょうね。


そろそろ平成の少女マンガ界の四天王を決めようかアルファルファモザイク)[2ch]
…吉住渉先生、種村有菜先生あたりは当然出ていると思ったら、意外と出ていなかったです。矢沢あい先生は鉄板。てか自分挙げてるのりぼん系ばっかりやないですか…。


ニーソはダサくて少女漫画には出てこないよねArgent Step)[2ch]
…ニーソにはさほど興味がありません。ふくらはぎが好きなので、それが隠れてしまうのは…。


妹がラップにひどいことした。ゴルゴ31
…かわいらしい(笑)


☆★この人と結婚してよかったなと思うとき★☆にくろぐ。)[2ch]
…友達との飲み会でも、段々と結婚の話題が増えてきました。いつか自分も、できればいいですねぇ。




■Twitter再び非公開です。ちょっとまたヘマをしまして。今度はアカウント移行とかもありえるかもしれません。しかし今年もあと3か月ですか…時の流れの早さを思い知らされます。




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Tag [オススメ] 2010.10.05
■先月に引き続き、今月も良作多め。かなり選び出すのに苦労しました。というわけで、どこをとってもオススメの10作品をどうぞ。順位はあくまで目安です。リンクをクリックすると、レビューに飛びます。



1.いくえみ綾「潔く柔く」13巻
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…堂々の完結。本当に、カンナが幸せになれてよかった。素晴らしい作品の、素晴らしいラストを、全力で讃えたいと思います。



2.よしながふみ「大奥」6巻
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…8月の刊行だったのですが、レビュー遅れで9月分に計上。年老いながらも、ついに二人が結ばれた時の幸福感と、それがすぐに終わってしまった時の空虚感は、強烈な印象を残してくれました。



3.高屋奈月「星は歌う」9巻
1102957383.jpg
…前巻ほどのインパクトはなくとも、未だに良い流れをキープ。いよいよクライマックスへ向かって、一段一段怪談を昇って行っています。改めて高屋先生すごいよ、と。



4.羽柴麻央「宵待ちブルー」
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…羽柴麻央先生ってのは、どうしてこんなにも素敵な読切りを描けるのでしょうか。思わず涙の表題作はじめ、珠玉の短編たちが収録されています。



5.タカハシマコ「青年のための読書クラブ」2巻
1102957016.jpg
…学園創立までの過程を描いた話で、まるまる一冊使われた形になりましたが、それが素敵なストーリーでした。なぜ自分は1巻の時点でこの作品をオススメにしていなかったのか。。。



6.河内遙「夏雪ランデブー」2巻
1102958693.jpg
…1巻で抱いた期待感は、2巻によって確信に変わりました。この作品、やっぱり今年の新作の中ではダントツで面白い。早めチェックをオススメします。



7.仲野えみこ「帝の至宝」2巻
1102957378.jpg
…2巻でニヤニヤ感はさらに増幅。18歳の幼女の魅力が、如何なく発揮されております。



8.御徒町鳩「みどりのまきば」2巻
1102967100.jpg
…2巻で完結。子供を大事に思う人たちで作られる、温かい環境・関係に、とても温かい気持ちにさせてもらいました。



9.あきづき空太「青春攻略本」2巻
1102957379.jpg
…こちらも2巻完結。残り時間の少ない青春を、2巻という枠の中で表したのは立派。どこまでも青春していて、羨ましさと爽やかさ、二つの感情に支配される格好になりました。



10.たし「かきかけとけしいん」
1102957859.jpg
…新鋭作家による、かきおろし長編。かわいくないこどもとおとなが、田舎町に暮らすというお話なのですが、こどもが少し成長するその瞬間が瑞々しく描かれ、非常に読後感良い一作となっていました。



 なんだかやたらと2巻が多いのは気のせいでしょうか。どれもオススメなのですが、完結作はこれを機にぜひともチェックして頂きたいなと思います。完結したのは「潔く柔く」「青春攻略本」「みどりのまきば」。どれも違った魅力に溢れていて、楽しませてもらいました。
 
 また1巻完結ものからは、「宵待ちブルー」と「かきかけとけしいん」を。どちらも刊行レーベルっぽくない作風なのですが、それがいい方向に出ているので、結果オーライ。
 
 映像化作品としては「君に届け」よりも「大奥」の新刊の方が断然面白かったかな、というのが個人的な印象です。映画は「君に届け」見てきましたけど、なかなか良かったです。ただちょっと長かったかな。上映時間長くするのだったら、爽子のスカートを長くして欲しかった…。



■その他オススメタグをつけた作品
八寿子「椿ちゃんの悩みごと」
水野美波「青春トリッカーズ」
車谷晴子「お子様ぱーんち!」
大岡さおり「モバイルガールめもり」
えばんふみ「ブルーフレンド」1巻
タアモ「たいようのいえ」1巻
やまがたさとみ「砂漠を泳ぐ、眠る」



■その他オススメ続刊
水城せとな「黒薔薇アリス」4巻
椎名軽穂「君に届け」12巻
末次由紀「ちはやふる」10巻
鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」7巻
海野つなみ「小煌女」2巻
青桐ナツ「flat」4巻
麻生みこと「そこをなんとか」4巻
有川浩/弓きいろ「図書館戦争 LOVE&WAR」6巻


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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2010.10.04
1102958340.jpg八寿子「椿ちゃんの悩みごと」


あたしたち
付き合い始めて一か月半
今日ようやくの告白です



■同じクラスの豊に告白をされて、つき合うことになった椿。付き合いはじめて1か月半経つけれど、早くも失敗ムード満点。無口だし、メールも全然くれないし、部活が忙しくて週一でしか一緒に帰れないし、帰れても無言で歩くだけ。けれども彼の家に、夕食を作りに行った日を境に、椿の豊に対する印象に変化が。無口だけど、信じられないほどピュアな一面を持つ彼の魅力に、だんだん惹かれていって…!?

 八寿子先生の新作2冊同時刊行のうちの一冊。近所の書店ではこちらしか売っていなかったので、とりあえずこちらだけ購入してご紹介。今回もまた、八寿子節たっぷりに、心のテンション高めに、初々しく嬉し恥ずかしな恋模様を描いております。ヒロインは、今の彼氏が3人目という、料理が得意な女子高生・椿。一か月半前に、同じクラスで柔道部の豊に告白をされて付き合うことになったのですが、今ではその彼氏が、椿の悩みの種なのでした。元々そこまで親しかったわけでもなく、告白の言葉と見ためで付き合いを始めただけ。いざ付き合ってみると、無口だし、メールも全然くれないし、一緒にかえっても終始無言で重苦しいという状況に、早くも失敗ムードが漂っていたのでした。しかし、突然彼から「家にきて夕食とか作ってくれない?」というお誘いが。いきなり「下心丸出し!?」とげんなりする椿だったのですが、いざ行ってみると、見えてくるのは、ピュアで不器用でそしてどこまでも椿に対して誠実な、豊の姿だったのでした…


椿ちゃんの悩み事
肝心なところでも、微妙に噛み合ない。その歯痒さが、とっても微笑ましくて、素敵。当人たちは、結構気にしているのですけどね。


 メール一つも満足に送れない、そんなコミュニケーション能力の低い男の子との、すれ違いラブを描いた作品。豊は一生懸命想ってくれているのですが、それがなかなか伝わりにくく、椿は不安に。一方の椿も、お弁当を作っていったら「重い」とフラれた過去がトラウマとなっており、なかなか積極的に豊と付き合えないという状況に陥っています。お互いに、相手のことをもっと知りたい、もっと一緒にいたい…とは思っているものの、出過ぎた真似をして嫌われたくはないという臆病な心と、想い通りに振る舞えないという不器用さに阻まれて、なかなか噛み合ない。そんな状況の歯がゆさを、笑いに変換したり、逆に切なさに変換して、物語を展開。最後はなんだかんだで心が通じ合う形になるのですが、そのお互いの下心の出し方とか、ピュアさが、どこまでも微笑ましく、非常に親しみのある物語に仕上っています。八寿子先生の作品は何作か読んでいるのですが、これが一番好きかもしれないです。
 
 豊は一人暮らしという、少女漫画のヒーローとしてはなかなかの条件をお持ちの男子なのですが、いかんせん草食系不器用男子の彼には、そんな条件を活かす流れになど持っていけるわけもなく。もちろん下心がないわけではありません。お互いに、興味はあります。けれども、噛み合ずに流れる。その噛み合なさが、面白いし、切なさを誘ってトキメキに変える。どこかおせっかいで、母性の強いヒロインだからこそ、こんな彼でも成り立つのでしょうが、そもそも彼女自身も、こんな彼だからこそ自分が自分らしくいられるとも思ってるはずで、いやはや実に素敵なカップルだな、と。一旦幸せになってしまえば、あとは突っ走っていくだけの組み合わせだというのは一目瞭然。だからこそ、付き合っていながらも、恋愛の段階は全く踏めていないという所からスタートさせるというのは、上手なアイデア。幸せいっぱいの恋愛模様が見たいという方に、オススメの一冊ですよ。


【男性へのガイド】
→このノリは、男性でも楽しめる余地は十分にあると思います。恋愛ものですが、そこまで甘々というわけではないですし。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→八寿子先生の魅力とはこれだったのかと、改めて実感。面白かったです。そろそろ本誌連載で定着して欲しいですね。


■作者他作品レビュー
*新作レビュー* 八寿子「チェリーなぼくら」


作品DATA
■著者:八寿子
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ(連載中)
■全1巻
■価格:400円+税


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2010.10.04
img_lineup.jpg映画「君に届け」公式HP



■全く観る予定などなかったのですが、なんだか色々あって、映画版「君に届け」を観てきました。しかも男二人という、わけのわからない組み合わせで、カップルの溢れる新宿ピカデリーで。完全にアウェーで、居心地が悪かったわけですが、必死に主演の多部未華子ちゃんのファンを装って、なんとかカモフラージュ。「多部ちゃん多部ちゃん…」などと呟きながらシートを探す私は、端から見たらかなり気持ち悪かったに違いありません。

 さて、話はそれましたが、本題に入りましょう。まず端的に感想を述べるのならば、「想像よりは悪くなかった。」という感じ。マンガ原作のシネマライズって、何かにつけて評判悪かったりするじゃないですか。「君に届け」も、キャスティングをはじめとして、色々と原作ファンから文句があったりしたみたいです。正直自分も、風早くん役を三浦春馬くんがやるというのは、どうなのだろうと思っていましたが、意外や意外、彼はかなり頑張って、しっかりと映画「君に届け」の魅力に寄与していました。さすがに風早くんほどの爽やかさはないものの、それ以外の部分で、しっかりと魅力を発揮。好青年っぷりが際立っていました。これはかなり褒められて良いのではないでしょうか。少なくとも私の目には、与えられた大変な役を、全うしたように映りました。一方の多部未華子ちゃんも、それなりに役にハマっており、さほど違和感を感じることもなく、観ることができました。色々と話題になったキャスティングでしたが、結果的には正解だったのではないでしょうか。
 
 ストーリー的には、原作に準拠しつつも、最後はまとめるために、原作にないパターンで展開。その唐突さに一瞬面食らったものの、映画という短い時間の中で、何かしらの形を残さねばならない以上は、仕方のない展開だったのかもしれません。目に見えた形で進展しないラストというのは、スクリーンで観ていたとき、少し味気なく感じられるかもしれませんしね。私はどっちでも良いのですが。
 
 また恋愛だけでなく、友情に関してもしっかりと描かれていたのは、好印象。その分、詰め込みすぎたのか、途中間延びしたような感じになり、「長い」と感じてしまったのは事実ですが。とりあえず、くるみちゃんのくだり要らなかったんじゃないかなぁ、と。くるみちゃんが大きく関わるイベントは、クラスマッチでのあの出来事なのですが、あれが友情フェーズと恋愛フェーズの双方に、中途半端に脚を踏み入れた形になり、どっちつかずの気持ち悪さが残ったというか。友情フェーズに関して言えば、直前のトイレでの一幕でOKですし、恋愛に関しては、ターニングポイントとなったのは風早のバス停での一件と、ちずの一言であったわけですから、結局のところくるみちゃんは何をしたのだろう…と。また、彼女に関しては、原作のようなフォローが所々欠けていて、風早にお似合いであるルックス・雰囲気の良さであるとか、一途に想う純粋さが今ひとつ描ききれておらず、なんとなく生意気でイヤなやつという印象が残ってしまった気もします。そもそもくるみちゃんが、コンプレックスである名前の「梅」を連想させる、梅干し色のカーディガンなんか着ないだろ、と。すみません、くるみちゃん好きなので、どうしても気に入らない点ががががが…。あと服装に関して言えば、爽子のスカート短すぎじゃないでしょうか。爽子というキャラを出すのに、あのひざ上10センチは余計だったような気がします。目、行っちゃいます。
 
 この映画で、一番良かったのは何かと言うと、個人的には圧倒的に「龍とちづ」。特にちずが、本当に魅力的に映りました。元々感情豊かで、元気に動き回る彼女ですが、実写となるとそのアクティブさがダイレクトに映し出され、非常に活き活きとしていると言いますか。また、ポイントポイントで、爽子に良い影響を与えるのです。友達として、恋する女の子として、大車輪の活躍でした。正直、長い時間かけて成就したメイン二人の恋よりも、短時間で描かれた、ちづの恋の方が、個人的には良かったと思えるくらい。そしてそんな彼女を優しく見守る、龍がまたカッコいいんだ。 
 
 気がつけば長々と書いていましたが、こんな感じです。1800円払ってまで観る価値があるかはわかりませんが、個人的には可もなく不可もなく、ただちょっと長いかな、と。単行本4巻分の価値があるのか…とか考えちゃうからいけないんでしょうか。
 
 
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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2010.10.03
1102957859.jpgたし「かきかけとけしいん」


大事にされるって
照れくさいけど嬉しい
じわじわあったかくて
はじめて気づいた



■都会に暮らす生意気な少年“いの”は、親戚をたらい回しにされた挙げ句、田舎町に住む親戚の青年“ろく”に預けられる。「私は子供が嫌いです。特に君みたいな子供が。」と仏頂面で、いきなり宣言するろくと、対決姿勢を見せるいの。子供に本気で怒ってくれる人がいるとか、ご飯の前には必ず手を洗うとか、トマトは農協で買うのが安いとか、胸がじわじわするあったかい気持ちとか、一つずつ、怪談を登るみたいに知っていく、あたたかい日々の始まり。こどもがほんのちょっとだけ、おとなになる、その日だけのきらめきを、あなたに…

 気鋭に新人作家たし先生の、かきおろしコミックスでございます。レーベルは一迅社のゼロサムです。元々購入予定ではなかったのですが、表紙や装丁に惹かれ、思わず購入。いやはや、これはなかなかの当たりでしたよ。
 
 生意気な子供・いのが、田舎に一人で住む親戚の青年・ろくの元に預けられることから、物語ははじまります。幼い頃に母親に捨てられ、以来親戚の間をたらい回しにされている、いの。どこか人を見下したようなところのある彼は、非常に生意気で、親戚の手をいつも焼かせていたのでした。しかしそのやり方が、新しい預かり先・ろくには通用しません。いきなり「私は子供が嫌いです。」と宣言した彼は、その後もいのを甘やかすことなく、厳しく接していきます。働かざるもの食うべからず、やることをやって、居場所を確保しよう。仏頂面で、子供に対して放つ言葉にしては、やや厳しい。けれども筋は通っているし、愛がある。はじめはろくを「嫌なヤツ」だと思っていたいのも、日々を重ねることで、そこでの暮らしが楽しくなってきます。そんなかわいくないこどもと、かわいくないおとなが、一緒に暮らす、田舎の古い家で、こどもがほんのちょっとだけ大人になる、そんな過程と瞬間を、瑞々しく切り取っていきます。


かきかけとけしいん
生意気さは、直ることはない。けれど上手く相手とやる方法を段々と身に付け、また相手の頼みを受け入れる柔軟さが生まれるていく。こんなやりとりですら、いつしかいのには、かけがえのない時間となるのでした。


 田舎町といっても、何もお店がないというわけではなく、コンビニや商店などはある町。ただ、道路の脇には田んぼが広がり、ご近所付き合いも盛んという、そんな町が舞台となっています。そんな町に、築50年の一軒家に一人でで暮らす青年・ろくは、在宅の仕事をしているのですが、その仕事の内容は明らかにならず。そんな彼と暮らすことになるいのは、登校拒否なので、結果一日中一緒に過ごすことになります。何かと口うるさいろくは、いのに様々な物事を頼んだり、命じたり。庭に水まきさせたり、買い物を頼んだり、郵便を届けてもらったり。しかもただ単に命じるのではなく、きちんと意味・理由を付けて相手を諭すので、いのも反論できません。家に来た当初は、口ばかりが達者で、自分では何も出来なかったいのが、気がつけばその歳の割にかなり生活力のある男の子になっていきます。その過程を見るだけでも、「子供の成長」という意味で、なかなか微笑ましいのですが、その後の人としての成長を描く過程が、本当に素敵。「ありがとう」も「ごめんなさい」も言えなかった子供が、最後に温もりを知って放つ「ごめんなさい」は、本当に嬉しい気持ちになれました。
 
 ある意味説教臭い内容になってはいるのですが、ご近所付き合い(ある種のムラ社会)があるという田舎町という設定なので、それこそがむしろ狙いということなのかもしれません。また数年後の様子が、最後に描かれるのですが、その際は視点が、いのの同級生のものになっています。教訓や成長を、本人の視点で描くと、なんだかときに胡散臭く感じられるのですが、外部に視点を置くことで、それを緩和。人間としての成長と、いのとろくの良好な関係を、客観的に眺めることができるというのは、良い描き方だと思います。一冊丸々、一気に通して読むのが良し。全1巻という分量も、丁度良いものでした。人間のイヤな部分はしっかりと描かれるので、爽やかさはないし、同時に派手さもないけれど、最後はほんのり温かい。そんな「かきかけとけしいん」オススメでございます。


【男性へのガイド】
→子供の成長物語が好きだという方は。基本的に読みやすい作品に仕上っていると思います。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→キツい部分・いたい部分もしっかりと描くので、序盤は決して楽しく読めるわけではありません。それでも最後は、素敵な読後感を提供。凝った装丁も納得の、おすすめの一冊です。


作品DATA
■著者:たし
■出版社:一迅社
■レーベル:ZERO-SUMコミックス
■掲載誌:かきおろし
■善1巻
■価格:657円+税


■購入する→Amazon

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Tag [新作レビュー] [オススメ] [読み切り/短編] 2010.10.03
1102960192.jpg羽柴麻央「宵待ちブルー 羽柴麻央選集」


君と歩く夜は
いつもよりずっとふわふわしてて
なんだか
夢の中を歩いているような気分です



■読切り5篇を収録。それでは表題作をご紹介。
 「14歳の夏、私は夜が好きで、君が好きでした」…中学2年の野上亜由子は、同じクラスの松岡に想いをよせるも、素直になれずにいた。そんな彼女の最近の楽しみは、夜中に家の前を通る、ジョギング中の松岡を窓から眺めること。気持ち良さそうに走る彼を見て、自分も夜に散歩をしてみた亜由子は、野原で偶然松岡と出くわす。以来夏休みの間、毎晩一緒に散歩するようになった二人は、夏祭りで「願いを叶える夕顔」を見つけ…
 
 「イロドリミドリ」(→レビュー)「私日和」(→レビュー)など、珠玉の読切りを多数発表している、羽柴麻央先生の新刊です。今回も短編集ですが、新作というわけではなく、過去に発表していた作品を収録、ないし既に発表されている作品の再録となっています。いわば、厳選された作品たちの詰め合わせというわけで、今回もまたとても素晴らしい一冊に仕上っておりますよ!



 それぞれのストーリーを、少しずつご紹介していくと…
「ネバーランド」…小さい頃から好きだった男の子・圭太郎に、彼女ができて傷心のつかさは、同じく幼なじみの男の子・善に告白をされて…
「マブタノヒト」…高校時代、想いを告げることもないままに、突然終わりを迎えた一つの恋。4年たった今でも、あの日々を未だ引きずり続けていた今井だったが…
「宵待ちブルー」…夏休み、毎晩散歩をして過ごす野上と松岡。そんな二人が持つ想いと秘密とは…?
「ソラミミ」…双子の弟を病気で失ったアサキと、そんな彼を見守る、能天気なちーちゃんのお話
「光のテーマ」…記憶を失った光が偶然転がり込んだのは、昔の片想いの相手・岳の家で…

というラインナップに。伝わりにくいとは思いますが、その多くが別れや死の影が潜む、落ち着いた後ろ暗さを内在させた物語たちとなっております。

 個人的に胸のど真ん中を打ち抜かれたのが、2作ほど。それが、高校時代から4年の時を経て、再び想いを動かし始める「マブタノヒト」と、表題作となっている「宵待ちブルー」。とにかくこの2作は必見。このためだけに単行本買っても良いレベルだと思います。


宵待ちブルー1
「宵待ちブルー」より。好きな人と二人だけで歩く夜の道は、街灯りと月明かりに照らされているだけなのに、妙に明るく見えたり。


 まずは「マブタノヒト」。高校のとき、少しいい感じだったクラスメイトの女子のことが、4年経った今も忘れられず、未だに引きずっているという男の視点で始まる本話。この「そのときの特別感」に縛られ続け、そこから逃れられずにいるダメな感じが、良く出ているのですよ。男ってのはやたらと引きずりがちだと思うのですが、目の前にとっても素敵な女の子がいるにも関わらず、わかりつつも見向きもしない感じとか、本当にダメで素敵だ!、と。またお話は、思っていた相手の視点に切り替わるのですが、そこからラストに至るまでの過程が本当にすごい。とりあえず、それは読んでからのお楽しみ。恋愛ものに於いて、男女双方の心情を描き出すのは、非常にリスキーなのですが、この話ではそれを完全にプラスに持っていっています。ゴールの設定の仕方だとは思うのですが、ここまでキレイにカチっとピースがハマっていくのかと、久々にぶわっと鳥肌が立ちました。話自体は、地味なのですけど、メンタリティが理解できるものであったというか。


宵待ちブルー2
「マブタノヒト」より。なんでもないと言い聞かせつつも、離れることが出来ない、彼女のこと。その姿の情けないこと、そして共感具合といったらもう…!


 また表題作「宵待ちブルー」は、表題作に相応しい、多くの人に受けそうな、感動のお話。恋も覚え立ての、今ある時間が全ての中学2年生。そんな年頃の男女が過ごす、夜の時間。そりゃあもう、世界にいるのは自分たち二人だけなのではと、錯覚してしまうような、そんな年頃・世界観ですよ。そして、単なる中学2年生の恋物語かと思わせておきながら、終盤に物語は一気に動き、思わぬ展開に。そして自然と切り替わる、視点。この話運びと、雰囲気の転換が、あまりにも秀逸。こちらもまた、何かにすがらずにはいられない、男の子の弱さみたいなものが描かれていて、とても心に響いたのでした。何かにすがるというのは、決して悪いことでもなんでもなく、大切なのは、強く想うことができるかということ。14歳という年齢設定故に、よりその感覚が増長された、想うことの楽しさと、切なさ、そして想われることの嬉しさや心強さを、1話で全て味わうことが出来るという。とにもかくにも、素晴らしかった!
 
 その他の話も、テンション低めで展開されるものの、最終的には読後感良く、「読んで良かったな」と思わせる作品が多いです。ライトに恋物語を楽しむことができるものから、ちょっと変わった世界観を味わうことができるものまで、様々。発表時期が、大体平成16年頃ということなのですが、元々絵柄が独特なので、そこまで古くささは感じさせません。今も色褪せず、その魅力を発揮する。必見の一冊です。ああ、ちょっとプッシュしすぎですかね。でも、買って後悔はさせませんよ、きっと。


【男性へのガイド】
→男性視点の話もありますが、それを無視しても、やはり読みやすい作品であると思います。
【私的お薦め度:☆☆☆☆☆】
→今年の短編集では、個人的にかなり上位。これはチェックしておくべき一冊だと思います。他のマーガレットコミックスに比べ、お値段お高めですが、これはお買い得だと思います。


■作者他作品レビュー
羽柴麻央「月と太陽が出逢う日」


作品DATA
■著者:羽柴麻央
■出版社:集英社
■レーベル:別冊マーガレットコミックス
■掲載誌:ザマーガレットほか
■全1巻
■価格:438円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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