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2011.10.31
作品紹介→*新作レビュー*宇佐美真紀「ココロ・ボタン」
2巻レビュー→捨て台詞の「死ね」がこんなにもカワイイものだとは:宇佐美真紀「ココロ・ボタン」2巻
3巻レビュー→違った仕草を見せ始める古閑くんが良い良い:宇佐美真紀「ココロ・ボタン」3巻
4巻レビュー→彼女が掴み合いの喧嘩してるのに笑顔:宇佐美真紀「ココロボタン」4巻
5巻レビュー→あなたはどのヘアスタイルがお好み?:宇佐美真紀「ココロボタン」5巻
関連作品レビュー→宇佐美真紀「春行きバス」宇佐美真紀「恋*音」




1106069696.jpg宇佐美真紀「ココロ・ボタン」(6)


あーもー
なんでこんなに
この人が名前呼ぶだけで
胸ん中いっぱいになるんだろう



■6巻発売です。
 みんなでクリスマスパーティーをした後、古閑くんの家で二人っきりになっちゃって、緊張のあまり心臓が爆発しそうになっちゃった新奈。"イヤなら何もしないよ”って古閑くんは言ってくれたけれど、チューとかギューなら全然大丈夫なのに…?
 

~まさしくベツコミの癒し~
 シリアスな恋愛ものが多いベツコミ作品にあって、これはほのぼのふんわり系の恋模様で、本当に毎回癒されます。疲れているときに読むと、なんだかすごく心が柔らかくなるというか。今回も相変わらずの微笑ましいドタバタが…そんな中、一生懸命に真剣に動き回る新奈が可愛いのなんの。今までも、大したことのない出来事で殴り合いをしたりしましたが、今回も…
 
 

ココロホ#12441;タン6-1
ほこりまみれのほふく前進



 一体どういうことしてればこんなになれるのかって感じなのですが、それだけいつも一生懸命ってこと。男の子二人いて、別の方法もあったのかもしれないのに率先して自分から飛び込んでいくその姿は、頼もしいというか、逆に守ってあげたくなるというか…。どちらにせよこの飾らない前向きさは、確実に人の心を開かせるし、そんなところが古閑くんも好きなんでしょう。
 

~何気に弱る古閑くんもかわいかった~
 相変わらずの新奈もですが、今回は古閑くんが違った形でかわいかったです。いつもは余裕ありげでいたずらな笑顔見せてるその姿が、なんとも素敵なのですが、今回は余裕ではなくちょっと弱ってからの甘えた感じがまたいとをかしでございまして…
 

ココロホ#12441;タン6-2
熱を出して、一度は「帰っていい」と言ってからの「いてよ」


 新奈がふとこぼした「帰りたくなくなっちゃう」の一言に、素直に甘えるこの光景。「もう少しだけ」というちょっとの気遣いの言葉が、冗談じゃなく本気で言っているのだということを、強く感じさせます。普段だったら絶対についてこない言葉だと思うんですよね。熱が出て弱っているからこその、この言葉。もうこの先なかなか見れないかもしれないですよ!こんな風に弱さを見せてくれるから、余計に新奈は古閑くんに夢中になってしまうわけで。
 

~古閑くん隠れマザコン疑惑~
 さて、今回はなんと古閑くんのお母様のご登場ですよ。お金持ちの家で、お母さんは息子を放ったらかしという少女漫画にありがちなパターンかと思いきや、割と親子関係は良好のようで。しかもお母さんめっちゃ元気があって明るい!初めて出会う息子のガールフレンドにもニコニコしながら接してくれるし、勢い余って自分の話をして泣き出しちゃう…あれ、なんかこのキャラどっかで見たなと思ったら、他でもない新奈じゃないですか。容姿がそもそも似ている気がするのですが、そのキャラも。まぁ古閑くんのお母さんは女性社長なんで、普段の姿は似ても似つかないとは思いますが、でもすごく人間っぽいところが似てるなぁって。知らず知らずのうちに、なんとなく母親の姿を新奈の中に見出してる部分が、あるんじゃないのかななんて考えてしまったり。いや、単純に私が甘えてる古閑くんの姿が見たいだけなんですけども(もごもご


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Tag [続刊レビュー] 2011.10.30
作品紹介→*新作レビュー*新條まゆ「ハートのダイヤ」
関連作品レビュー→*新作レビュー* 新條まゆ「あやかし恋絵巻」



1106079584.jpg新條まゆ「ハートのダイヤ」(3)


お前のファーストキスを奪ったのは
俺なんだよっ



■3巻発売しました。
 すべての願いを叶える「ハートのダイヤ」を持つ主人公・姫乃。ダイヤのせいで世界中のオトコから狙われる姫乃を守る守護神・真守と影護。3人は高校生になり、それぞれの想いを膨らんでいき…
 

~やはり圧倒的すぎるまゆたん~
 どうも、まゆたんのマンガは好きですか?私は大好きです。もうこの人は本当にマンガじゃない、何かの神様に愛されまくってるな、と読む度に思うのですよ。そしてそれが一番顕現するのが、この「ハートのダイヤ」なんじゃなかろうか、と。
 
 『「君を守るためだよ…」とキリっとした顔で平然と女子更衣室に乗り込みながら、さりげなく手品をする』という衝撃のシーンを見せた2巻から実に1年以上。今回変わらずのインパクト。様々なインパクトある作品が、少女マンガ界にも多数登場していますが、やはりまゆたんの持つナチュラルな凄さの前には、みんな霞んでしまいます。「キレイな顔を~」もそうですが、ミステイクをインパクトある絵柄で目立たせてしまうというその手腕がさすが。3巻ものっけからやられました…

 

ハートのタ#12441;イヤ3-1
なにしてんだ…
こんなところで




 こっちの台詞だよ!無駄に後光が差しているところがさすがです。まず目がいくのはその馬のサイズ。めちゃくちゃデカイと思うんですが、さすが「行きたい場所:宇宙」と書くだけのビッグな男・影護、平然と馬を御しています。そしてさらに驚きなのが、なんと彼、鞍をしていない。普通鞍をしないとケツが痛い&滑るでまともに座っていられないはずなのですが、平然と座っているところに、その我慢強さとバランス感を感じさせます。鞍をしないのは騎馬民族ぐらいって話ですので、既にこの年で騎馬民族に匹敵する馬術をお持ちということですよ。その技術の高さは馬を御すところでも生かされていて、ハミ(馬の口にするくつわみたいなもの)もしていないという。もうこうなるとまともに馬を御すことはできないハズなのですので、騎馬民族レベルの騎乗技術のないみんなは真似しちゃだめですよ!
 

その後も圧倒的な存在感を醸し出します…
 


ハートのタ#12441;イヤ3-2
もはや鞍云々とかではなく、シュールすぎる絵面



ハートのタ#12441;イヤ3-3
そして颯爽と立ち去る…。跨がり方が神々しいです。この時点で姫乃を腕に抱いていますから、もう馬と接触してるのってお尻と内股ぐらいしかないわけですが、見事に意のままに操っています。ケツで馬を操る男・影護。もはや何をやっても勝てる気がしません。



2巻では完全に真守に持っていかれた感がありましたが、今回はさすがに影護に軍配が上がった感じでしょうか。手品と騎馬じゃ、やっぱり騎馬に行きますって。まぁ私はどちらにも勝てる気がしませんが…。



~総理大臣が夢でも一発キャラにしかなれない現実~
 もはや影護に勝てる男はいないのか…と思ったその刹那、颯爽と現れたのは「行きたい場所・宇宙」と語る影護にも勝るとも劣らない大きなスケールを持った青年でした。それが彼、佐山時宗くん。
 

ハートのタ#12441;イヤ3-4
 ゆくゆくは総理大臣とまで言われていた敏腕代議士の息子さん。しかしその父は、汚職の罪を着せられて、自殺に追い込まれてしまいました。その葬儀の最中、亡き父の意思を継いで彼はこんなことを決意するのでした。
 


今に見てろ父さんのカタキは俺が討つ!!
 父さんをだました連中をこの手で失脚させてやる
 そして…


 ハートのタ#12441;イヤ6-5この俺が総理大臣になる!!」



 でかい!夢は総理大臣の男の子ですよ!あいのりとかに出たらきっと「総理」とかいうニックネームで呼んでもらうのでしょう。しかも昔からの夢ではなく、明らかにこの瞬間に思い立ったという軽さがたまりません。そしてこの男の子が、姫乃争奪戦線に名乗りを上げるわけですよ。ご近所さん、親戚の方、誰が言ったかはわかりませんがどうにも評判が良くなく、しかも夢は総理大臣。一見大志を抱いたカッコいい青年に映りますが、その実「夢はミュージシャン」と言っているフリーターと特に変わらないっていう、その清々しいダメっぷりに心トキメキます。
 
 さて、総理大臣になると決めたからには早速行動しないと。彼はハートのダイヤを狙って、即座に姫乃にアプローチを仕掛けます。しかしそう易々と、彼女が自分になびかないのも分かっています。その結果、彼が選んだアプローチ方法は…
 
「ストックホルム症候群」

 ストックホルム症候群については、Wikipediaでも参照していただければと思うのですが、概要としては「犯罪被害者が、犯人と一時的に時間や場所を共有することによって、過度の同情さらには好意等の特別な依存感情を抱くこと」をいうもの。ちょっと危ない場所に行って吊り橋効果を狙っちゃうような、公務員志望の草食男子共とはそのレベルが違いすぎます。もう完全に法に触れているっていう。そして繰り返しになりますが、彼の将来の夢は総理大臣です。この夢のためならなんでもやる…という徹底っぷりはある意味政治家に向いているような気もしますが…。そしてその後、彼の発言により彼のスゴさが浮き彫りに…
 


ハートのタ#12441;イヤ3-6
世界を手に入れることができる   



 え、ちょ、夢変わった?当初「総理大臣」であった彼の夢は、いつの間にか「世界を手に入れる」という夢へと飛躍していました。いや、それとも総理大臣になれば世界を手に入れられると思っているのでしょうか?
 
 新世界の神になりたい系の発想を持って、自ら犯罪に手を染めるというのは、「DEATH NOTE」の夜神月くんも同じ。そう、彼は週刊少年ジャンプの人気連載で主役を張れるほどのポテンシャルを持っていると言っても過言ではないわけですよ。そんな彼が、この作品では一発キャラで終わっているという現実。いかにすごい奴らがしのぎを削っているかということが、おわかりになるでしょうか?そんなすごい奴らが登場する、ハートのダイヤ。全力でオススメします!
  

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Tag [新作レビュー] 2011.10.30
1106079576.jpg八田鮎子「オオカミ少女と黒王子」(1)


お前は俺の犬になれ


■篠原エリカは見栄っ張りな高校1年生。彼氏とのラブラブ話を自慢げに語るが、実は彼氏いない歴16年…。核心に迫られる前に、なんとか躱して来たけれど、そろそろ嘘も限界…。そんなある日、エリカは街で見かけたイケメンを隠し撮り。自分の彼氏と友達に紹介したが、なんと彼は同じ学校に通う佐田くんだった…!しかもクールな見ためからは想像もつかないほどに超腹黒!弱みを握られたエリカは、彼氏役を引き受けてもらう代わりに、佐田くんの“犬”を命じられて…!?

 八田鮎子先生の新作です。何気に八田先生の作品で巻数付くのって初めてじゃないでしょうか。掲載誌は別冊マーガレットということで、一気に定着するのか、色々な意味で注目のタイトルでございます。さてタイトルから「オオカミ少女と黒王子」ということで、何か一癖二癖ありそうな感じを受けます。加えて相手役、その表紙の人相の悪さがすごい。コナンとかに出て来たら真っ先に犯人に疑われる感じの人相してますよね(笑)とはいえこれはあくまで一時の顔。普段はすごく爽やかな、王子様ポジションのイケメン男子を演じています。そんな彼の外見を見てこれは良いと、ついつい写メに撮って「彼氏だ」と言ってしまったのが、見栄っ張りなヒロイン・エリカ。今まで散々彼氏がいると言って来て、なんとか取り繕おうと再び重ねた嘘。しかし下調べが甘かった。彼はなんと同じ学校で、しかもその過程までバレてしまい、弱みを握られることに。しかしおおっぴらにバラして困らせることはありませんでした。彼はいい人…だったわけではなく、彼氏を演じる引き換えに、「俺の犬になれ」と命令してきて…というお話。


オオカミ少女と黒王子
非常に口が悪い。普段は猫かぶっているだけに、こういう面を素直に見せられる相手がいるっていうそれだけで、割とありがたかったりするのかもしれません。


 彼氏がいると言っていたら、彼氏のフリをしてくれる人が登場して、彼氏のフリをしてもらっていたら、本当に彼氏に(まだなってないけど)…まさに「嘘から出た真」を地でいく物語。従順な下部的な存在が欲しいという相手役のドSっぷり、腹黒さ、歪みなどは既にある程度分かって頂けたかと思うのですが、ここまでヒロインのことはあんまり紹介していないような。ヒロインのエリカは、「オオカミ少女」なんて銘打たれてるわけですが、ぼっちを恐れるあまりについつい嘘を言ってしまったというだけで、割とピュアな子です。本当に中の中というルックスで、何かテクニックを持っているわけでもなし、常に慌てていて、割とガサツで気が利かない系の、悪くないんだけど多分モテないような…ってな感じの。八田鮎子先生の作品に登場する女の子って、この「色気はないけどすごく親しみやすい等身大さを持ってて応援したげたくなる」てな感じの子が多い気がするのですが、今回もまさに。
 
 力関係は完全に佐田君が上。そんな相手に一泡吹かせてやろうなんて展開にはもちろんなるはずもなく、ヒロインのエリカはその持ち前の前向きさと、若干の気の利かなさで状況を知らぬ間に変えていきます。佐田君がそこまで歪んでしまったのは、色々と事情があるためで、エリカはそこに無意識にフィットする自然さを持っていたという。とはいえお互いに意識するには時間がかかりそう。あくまで関係を保たせているのは、飼い主と犬という関係性。その関係に風穴をあけて別のものに変異させるには、ハプニングが必要不可欠です。結果ハプニングのよく起こる、非常に慌ただしい物語になっているのですが、その中でより光る、元気のあるヒロイン。動きがある分飽きとは無縁。後はここに恋愛のドキドキをどれだけ投入してくるかですが、1巻ラストでその萌芽があり、期待できそうですよ。


【男性へのガイド】
→この相手役は割とハードル高いのかもしれんですが、意外と弱いところあったりして、個人的には結構好感。
【感想まとめ】
→素直に応援したげたくなるヒロインと、そんな彼女を物語的に上手く使う相手役。既に良いコンビという感じを醸し出している二人ですが、ここからどう変わっていくのか注目です。


■作者他作品レビュー
天然少女めぐり、シスコン兄と押せ押せBOYがガチバトル:八田鮎子「ぐるぐるめぐる」


作品DATA
■著者:八田鮎子
■出版社:集英社
■レーベル:別冊マーガレットコミックス
■掲載誌:別冊マーガレット(連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税


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Tag [新作レビュー] [オススメ] [読み切り/短編] 2011.10.29
1106057559.jpg中河友里「群青プリン」



あなたがやさしいから
やさしくするんです



■読切り4編を収録。それでは表題作をご紹介。
 午前零時   …誕生日が来たけど、携帯に来たメールは0件…。ニセモノの友達関係に悩んでいる一香の前にある日、なぜか自分の誕生日を知っている男子が…!彼の名前は稲倉くん。暗い雰囲気で目立たない彼の通称は、稲倉にかけてネクラ。突然のことに驚いた一香だったけれど、彼の正体を聞いて納得、彼の正体は…
 
 中河友里先生のデビューコミックスでございます。集英社は毎年何人かキラリと光る新人さんが登場してきて、「底堅いなぁさすがだなぁ」と思わされるのですが、この中河先生もちょっと注目して頂きたい漫画家さんでございます。何はともあれまずは作品紹介ということで、収録されている4編についてそのあらすじを少しずつご紹介しましょう。

 表題作は冒頭でもご紹介した通り。見ためが良いのが原因で過去にイザコザに巻き込まれ、以来イジられ役として寂しい毎日を送っていた子が、クラスの地味な男の子とひょんなことから仲良くなるお話。2話目「純情プリン」は、相手役の男の子が主人公。クラスのヤンキーっぽい男子ととある出来事がきっかけで仲良くなり、なんとも凸凹な友情を築いていくというお話。3話目「ふたりのはなし」は、恋に恋する女の子と、恋にトラウマを持つ慎重な女の子のダブルヒロイン。どちらもそれなりに恋愛に願望を持ちつつも、なかなか上手くいかない様を軽快に描きます。そしてラストは「屋上バランス」。屋上に日がな通うクラスメイトの男子は、宇宙人とのコンタクトを試みる電波少年だった…はずが?というちょっと変わった感じのストーリー。


群青フ#12442;リン
表題作より。お相手ポジションの男子は、クラスでも地味グループで実際地味。キレイめのヒロイン仁は敬語です。


 いきなり驚かされたのは、表題作の相手役。表紙だとめっちゃイケメンっぽく描かれてるじゃないですか?いやいや、本編の彼のビジュアル、なかなか少女マンガの相手役らしからぬものなのです。とにかく三白眼で、少年漫画の脇役とかにいそう。ファーストインプレッションは、幽遊白書の飛影でした。しかもクラスでは地味グループに属し、非常に目立たない存在。ありがちな、磨いたら光る…路線にも乗ることができなそうな子です。そんな男の子が、クラスで不遇の扱いを受ける美少女と仲良くなっていくっていう。これなんて理想的な…!とはいえあくまで視点はヒロイン。友達がいないことに悩む彼女にとって、まさしく相手役の稲倉君はヒーローであって、すごく納得が行く形になっているのですよ。
 
 ここまで「恋」というワードを使わなかったのは、実際に恋仲になることはないから。とりあえず仲良くなって、逆に男の子の側がちょっと意識してしまったり…なんて所で終わるあたり、様々な未来を予感させつつの良いラスト。また最初に投げかけられた命題に対しての答えもしっかり出しつつ、1話完結の短いスパンの中でも無理なく収められているのも好印象で、恋愛なくて大受けはなさそうでも、さすがに面白さを感じさせる充実のお話になっていました。
 
 2話目もまた友情…しかも男の子同士のスマートでもなんでもない、ちょっと特殊な友達関係というこれまた少女マンガらしからぬ展開。そしてまたしても、三白眼の稲倉くんが主人公という。1話での相手役で驚いたのに、友情メインとはいえまたしてもメインパーソンという、その勇気。ほんとうにビックリでございますよ。集英社はどちらかというとあれこれ読切りで試行錯誤できる印象はあるのですが、だとしてもやっぱりなかなかのインパクトでした。そしてお笑いじゃなくてちゃんと青春ストーリーになってるあたりがニクい。
 
 さて、なんだか優等生というか割と教科書然とした良いお話が序盤に続いたと思ったら、今度は一転コミカルな恋愛要素を含んだコメディへと転調します。ダブルヒロインで転がす「ふたりのはなし」は、友情ベースで恋愛の話題を展開する、残念…というか惜しい女子二人の日常。こちらもまた、恋愛はあくまでダシで、メインは女の子同士のやりとりだったり。とにかくアウトコース、インコースと、ど真ん中には投げてきません。あ、こちらもまたテンポよく進む楽しいお話でした。


群青フ#12442;リン2
ラスト「屋上バランス」より。元気のよい男女のやりとりが楽しい1話。そして一気に物語は転調し、初恋の匂いたつ瑞々しい物語へ…。


 そしてラストは、いきなり宇宙人と交信を試みる男子が出て来ちゃったりと、「やばい…デビューコミックス恋愛なしで終わりや…」と思わせてから、一気にしっとり切ない恋愛ものへとその様子を変えてきます。最後これのためにここまで…と思えなくもない構成。恋愛ものとして見るのであれば、さほど珍しいことをしているわけでもないのですが、ちゃんとした恋愛も描けるという驚きに、好意的な印象はやっぱり持つよねっていう。ベースかコメディで、色気はなくとも真剣さとしっとりさは兼備。いやこれ、もしかしたらもしかするかも…。とりあえず、名前は覚えておいて損はない先生だと思います。満足度と、そしてこれからの期待感も高い一冊でした!


【男性へのガイド】
→恋愛要素薄めはある意味プラスなんじゃないかと。割と垢抜けない男の子が多いのも好感触。
【感想まとめ】
→またしても集英社は期待のルーキーを…。異色のラインナップで印象的、面白かったです。


作品DATA
■著者:中河友里
■出版社:集英社
■レーベル:別冊マーガレットコミックス
■掲載誌:別冊マーガレット等
■全1巻
■価格:400円+税


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2011.10.29
作品紹介→かのこ様が、女子高生になって帰ってきた!:辻田りり子「恋だの愛だの」1巻
2巻レビュー→自分と他人の関係性を育む過程をゆっくりと:辻田りり子「恋だの愛だの」2巻
関連作品紹介→「笑うかのこ様」



1106057229.jpg辻田りり子「恋だの愛だの」(3)


大事にしたい
一番はそれなのに



■3巻発売です。
 爽やかガールを目指すも、相変わらず傍観者ポジションでの人間観察を止められないかのこ。文化祭が近づく中、椿の大胆行動もエスカレート!?2人のとんでもない噂が流れる中、椿をミスコンに出場させるために近づく刺客とは!?波乱必死の宝高文化祭、開幕!!


~3巻です~
 3巻発売しました。って発売したの8月なんですけど。もう10月も終わろうとしてるよ!最近こんなんばっかでホントすみません。というわけで、「恋だの愛だの」3巻のご紹介です。かのこ様シリーズとしては通算で6冊目。LaLaDXメインということを考えるとなかなかの長寿作品になりつつあります。そして確実に変わりつつある、かのこ様。だいぶ印象がやわらかくなったと思いませんか?昔は完全に悪賢いまる子って感じだったのですが(ひどく勝手なイメージ)、今はなんか計算高い女の子って感じ。というのも高校に入ってからは、友達のために動くという、かつての彼女とはそもそもの行動起因が異なっているという。なんだかとっても前向きというか、爽やかさが出てきました。友達のため…友達のため…そんな彼女の意識的な行動が、けれども結果的に一番近くにいる人を苦しめているという…



恋た#12441;の愛た#12441;の3-1
友情ぎゅんぎゅん感じちゃってる




 わーい椿君まじかわいそう。あれやこれやと粉ふりかけてるのですが、全て受け流されるっていう。椿君が言うとおり、かのこはすこぶる自分に無頓着。傍観者として過ごしてきた過去に、身につけた処世術。あくまで主人公はかのこのメガネのレンズの向こう側にいる人たちであって、彼ら彼女らの瞳に映る自分自身ではありませんでした。彼女のタチが悪いところは、自分の存在を消す事もできれば、いざ矢面に立っても事なかれで片付けることのできる賢さを持っているところです。そしてそれが、彼女のスタンダード。自分のことなど顧みず、とにかく椿君を守るという発想で実際にそのまま行動してしまうその計画的である意味無鉄砲な行動も、自分を守るという感覚が全くないからこそなのでしょう。そしてその姿が、椿君にとってはすごくコワイ。
 
 なんだかとっても不憫な椿くん。ここ1~2巻の様子は単なる普通の恋する男の子やなぁ、と。あれやこれやとアプローチする様もかわいいのですが、やっぱりここ…
 

恋た#12441;の愛た#12441;の3-2
かのこの首の細さ、色の白さに気を取られる…


 かのこの容姿は作中でも語られているように、中の下。でも椿君には特別輝いて見えるようです。この気持ち、すごくわかります。一旦好きになっちゃうと、男の人ってのはその相手の良いところを見つける天才になります(それがホントだとしても的外れだとしても)。素敵だから好きになるんじゃないんだよ、好きだから素敵に見えるんだよって。初めて見せたその素肌とそのSEXYに夢中になったclassや、年齢住所趣味職業で合格ライン判定してから素顔が素敵なんて言っちゃう広瀬香美とは違うんです。首細いとか、色白いとか、好きでなければ絶対に意識などしなかった箇所。完全にやられてるなぁ、そしてだいぶ溜まってそう。。。大丈夫か、椿君!?


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Tag [続刊レビュー] 2011.10.28
作品紹介→*新作レビュー*紺野キタ「つづきはまた明日」
2巻レビュー→行き交う想いに優しく包まれて…:紺野キタ「つづきはまた明日」2巻
関連作品レビュー→「SALVA ME」「日曜日に生まれた子供」「夜の童話」




1106069788.jpg紺野キタ「つづきはまた明日」(3)


神様が私たちに与えてくれたもの   
“思い出”



■3巻発売しました。
 父子家庭に育つ杳と清は、父と叔母に見守られて少しずつ成長してゆく。杳は、夏祭りで友達と謎の仮面男を追いかけて、鮮やかな夏の思い出を作り…?ゆるやかに過ぎる日々を、丁寧な筆致で綴った日常ほのぼのストーリー、決定版!

 

~3巻ですが相変わらず癒される~
 1年に1冊のペースですが、やっぱり発売が楽しみな一冊。これころ万人にお薦めしたい良作だと思うんですよね。というわけで、「つづきはまた明日」3巻です。相も変わらず、杳と清の二人をベースに、父と叔母、そして仲良し一家にお友達と、非常に優しく暖かい関係が繋がっています。何か特別なことをしているわけではないのに、それがとても鮮やかに、温度を持って包みこむんです。こんなにも鮮やかな日常を、きっと自分も送っていたはずなのですが、なぜだろうあんまり思い出せないのは。なんだか最近日々が流れるように過ぎて行きますが、なるべく噛み締めるように日々を過ごしたいなぁ、なんて思ったりしています。
 

~母を思う子の気持ち~
 さて、今回もリカコの自由っぷりを中心に物語は賑やかに、楽しげな雰囲気のまま物語は進んでいくのですが、その中にもしっとりと落とし込まれる感傷的なシーンがまた涙腺を刺激して困りました。
 
 この物語でひとつ影を落としているのは、杳と清の母が1年前に亡くなっているということ。2巻3巻と経て、その設定が敢えて語られることは少なくなってきていますが、意外と最近親を亡くしたばかりなのです。今回母親の話題が出て来たのは、七夕でのこと。とてもとても仲良しだったけれど、神様によってその仲を引き離されてしまった織姫と彦星の話を聞いて、清はこんなことを言うのでした…
 

つつ#12441;きはまた明日3-1
お母さんとお父さんも
とってもとっても仲良しだったから
神様がいじわるしちゃったのかなぁ



 自分のお父さんとお母さんを、織姫と彦星になぞらえる。そしてきっと会えるようにと、お天気になることを願うのでした。そして迎えた七夕当日。そこにいたのは…
 
 
つつ#12441;きはまた明日3-2
原田さん


 1巻冒頭にて彼女と出会ったとき清は彼女を、「お母さんの生まれ変わり」と信じ込む程、母とその姿を重ねていました。その容姿は非常に似ていて、以降も時折彼女に母親の面影を感じるシーンが度々描かれてきました。この瞬間、彼女に何かしらの感動を与えたのは、その表情を見ても明らか。七夕の日に、お母さんが現れたのです。けれどもそんな幻想は一瞬だけ。すぐに現実に引き戻され、しかも空模様はあいにくの雨。その時の清の哀しげで寂しげな表情が、本当に切なくて。幼いとはいえ、しっかりと物心ついた頃に亡くした母。その存在はしっかりと彼女の中に残っていますし、まだまだ甘え足りない。母親に似た面影を持つ原田さんは、清にとっては亡き母を思い出すかけがえのない存在でもあり、同時に母親にはもう会えないということを改めて思い知らされる辛い存在でもあるのかもしれません。兄の杳は書道教室がひとつの鬼門となっていましたが、意外と清にとっては原田さんがそれにあたるのかも。
 
 さて、その後は団欒のコーナー。このお話、今回に限らず家族揃っての食事の様子が描かれます。リカコに対してのちゃぶ台返しが多いのも、それ故。食卓というのはまさに家族を表す鏡になっているんですよね。人と人の繋がりを、家族の絆を描くこの物語にとって、食事のシーンは絶対に欠かす事のできない場面なのです。そして七夕のメニューはそうめん。普段から割と凝った料理を作る杳ですが、今回もそうめんと言えどこだわります。それがニンジンを星形にくりぬくというもの。清と一緒にくりぬいた星を、そうめんの上に散りばめて、ほらそこに天の川が。そのそうめんは、みんなで一緒にいただきます。もちろん、亡き母の写真にもお供えして…
  
  
つつ#12441;きはまた明日3-3
 さて、何気なく描かれているこのシーン。さらっと「お供えするよね、うん」って感じで読み進めても良いのですが、ここでも再び1巻の冒頭に戻ってみましょう。そこで出てくるのはこんなシーン…



つつ#12441;きはまた明日3-4
そうめんはお母さんの好物


 そう、そうめんはお母さんとの思い出を手繰り寄せる、思い出のメニューだったのです。単純に夏場の定番メニューってわけではなく、1年に一度会えるこの日に敢えてのそうめん。お盆とかでも良いのですが、七夕で星を絡めながらってのが素敵じゃないですか。さらっと描かれているシーンも、ちゃんとつながっていて、理由がある。その深さに感動。
 
 そしてもう一度、そうめんと母親のくだりが登場するんですよね。それが物語のラスト付近。そこで再び清は落ち込むのですが、その時の台詞がまた泣かせるのですよ…!加えてそんな彼女にやさしい言葉をかけて、ちゃんとフォローするお父さんさすが。このお話を読んでいてつくづく感心するのは、お父さんもリカコさんもその他の登場人物の大人たちも、みんなこどもとの距離の取り方、接し方が上手。多分自分はこんなに上手く気の利いた事言えなそうです。あーでも、もしかしたらそういう言葉は、大人が発しているのではなく、子供が引き出しているのかも。そんな言葉を引き出してくれるような魅力がまた、子供たちにはあるんですよね。


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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2011.10.27
1106069862.jpgD.キッサン「千歳ヲチコチ」1巻


ああ、本当に助かったよ
お前の性癖のおかげで



■時は千の年の昔、平安時代。少々風変わりなセンスを持った貴族の女子と、若い割には世を悟ったような貴族の男子…。二人が偶然交わした「文」が、物語を奏で始める   。雅なる平安文化と風土の中、彼らの日々は「まったり」と進んでいく…模様?

 「共鳴せよ!私立轟高校図書委員会!」(→レビュー)のD.キッサン先生の連載作でございます。短編集や作品集を発表しつつ、お待ちかねの巻数付き。前回は図書委員会の日常的な非日常を描いたギャグ4コマでしたが、今度のお話の舞台は平安時代。紫式部に清少納言、授業で誰もが学んだけれど、なんとなくしか覚えていないあの時代を、持ち前の脱力感で鮮やかに、そしてゆるやかに描き出します。物語の主人公となるのは、表紙に描かれている二人。髪の毛が茶色で、性格もなんだか風変わりな貴族の女子・チコと、真面目ながらその年らしからぬ落ち着きを持ってしまった貴族の男子・亨。なんの接点もなかった二人が、ひょんなことから手紙のやりとりをするようになるのですが…というところから、物語ははじまります。
 

 平安時代ということで、荘厳だったり華やかだったりというイメージが先行するのですが、こちらのお話はあくまでユルく。華やかさはあるにはあるものの、それを前面に押し出す事はなく、どちらかというと日常的なホームコメディに仕上げております。当時の生活やしきたりをベースに、コメディならではのネタを落としこみ。ノンキャリだ3Dメガネだなんだっていう言葉が飛び交っていて、しかもそれが割と自然なのは、キッサン先生がそういう雰囲気を作り出すことに長けているということに他なりません。とはいえネタは入れどギャグ漫画になるレベルまではいかせず、留まるのはコメディの領域まで。そのため多くの人にとって親しみやすい、非常に読みやすい、ほんわかした雰囲気のお話になっているんじゃないでしょうか。


千歳ヲチコチ
怨霊が出たので陰陽寮に来てみたら、みんな星を身にっていたという事実に対してのツッコミ。「部活」という言葉が出てくるように、その辺かなり緩め。だからこそすごく気軽に楽しめます。



 主人公の二人は文のやりとりはしていても、互いには顔も見た事がありません。加えてお互いに素性も明かしていないので、探りようもなく。そして1巻では結局出会うことなく終了。もちろんなんやかんやで繋がりはあるのですが、生活圏は全く異なるので、序盤は二つの生活領域が切り替わるように物語は進行していきます。チコのほうは乳母に友達に、女性社会。男勝りだったり非常に変わり者だったりと、チコのみならず個性的なメンバーが揃い、非常に賑やかな女子同士の会話を楽しむことができます。一方の亨は、貴族でありながら大学に通っており(お金持ちは普通は家庭教師)、情けなかったり軽かったりな友達たちとの男社会…というか学生社会がベース。いかにもその歳のおぼっちゃんらしい、能天気な友達が多いわけですが、その中一人生真面目な主人公が素敵です。そして家族がまた個性的で面白いという。
 
 結果様々な場所で、様々な登場人物が出てくることになり、正直キャラを全然覚えられていません(笑)それでもちゃんと楽しめる、間口の広いネタと親しみやすさ。ほんと日常ベースのホームコメディで、これからどう進むのか全くわからないのですが、それでもいいかなっていう程度には普通に面白く楽しめています。食いつきにくさもちょっとある、平安時代というテーマを、ここまで近いところにまで持って来てしまうその手腕はさすが。そういう切り口の面白さも混みで、オススメでございます。


【男性へのガイド】
→キッサン作品は男女問わず読みやすいかと。平安ってどちらかというと女性好みな感のある時代なんですが、これは中でも格別に親しみやすいかと。
【感想まとめ】
→ギャグでも真面目でもなく、中間のコメディとは。しかもそれを平安時代で。そしてそれがしっくりくるし、面白い。続きが気になるという感じではなくとも、続きを買いたいと思わせる魅力のあるお話でした。


■作者他作品レビュー
「どろ高」のD.キッサンが贈る、真面目なストーリー短編集:D.キッサン「矢継ぎ早のリリー」


作品DATA
■著者:D・キッサン
■出版社:一迅社
■レーベル:ZERO-SUM
■掲載誌:ゼロサム(連載中)
■既刊1巻
■価格:552円+税


■購入する→Amazon

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Tag [続刊レビュー] 2011.10.26
作品紹介→*新作レビュー*南波あつこ「隣のあたし」
2巻レビュー→近くにいる者が勝つという、シンプルな構図 《続刊レビュー》「隣のあたし」2巻
3巻レビュー→仁菜はこんなに成長してるってのに、京介は…《続刊レビュー》「隣のあたし」3巻
4巻レビュー→三宅君は期待以上の働きをしてくれたと思うんだ:南波あつこ「隣のあたし」4巻
5巻レビュー→よし、三宅君をヒーローにしよう!:南波あつこ「隣のあたし」5巻
6巻レビュー→お風呂上がりの女の子のいい匂いっぷりは異常:南波あつこ「隣のあたし」6巻
7巻レビュー→よし、これを最終回にしよう!:南波あつこ「隣のあたし」7巻
関連作品レビュー→南波あつこ「スプラウト」



1106079480.jpg南波あつこ「隣のあたし」(8)


ちゃんと
伝える



■8巻発売です。
 聖夜を三宅と2人きりで過ごす約束をした仁菜。けれど、三宅の家に向かおうとしたとき、熱で倒れた京介に気がつく。動揺した仁菜は、結衣子を呼ぼうとするけれど、京介は「行くなよ」と仁菜の手を握りしめる。。。自分を待つ三宅と、行くなと朦朧としながら言葉をかけてくる京介。聖夜の夜に激しく動いた、3人の恋の行方は…?
 

~あれ、8巻…?~
 8巻が発売されました。あれ、8巻?おかしいですね、「隣のあたし」は7巻で仁菜と三宅が晴れて結ばれてめでたしめでたしで終わったはずなのに…。特別編とかでしょうか…?なんて現実から目を背けるのはやめて、8巻ですよ。もう今更揺れる必要とかないじゃないですか、何やってはるんですか仁菜さん。さて、物語は早々に雲行き怪しげ。こともあろうにこんな大事な時期にぶっ倒れた京介、大人しく寝ていればいいのに、仁菜が気づいちゃうもんだからもう。。。結局三宅君は優しさを見せて、京介の元に行くように働きかけます。ここで仁菜の気持ちを尊重する三宅君、本当に大人というかなんというか。普通これ、恋愛マンガだったら年上の彼氏がする行動ですよ?やさしく微笑んで、「俺はいいから行っておいで」って。しかしこちら、気遣う中学生に、気遣われる高校生…Oh..。さて、これだけ大人を見せてくれれば、仁菜もきっと三宅くんに夢中なはず。大逆転の三宅君エンドあるで…!
 
 

隣のあたし
なかった


 まさかの三宅くんギブアップ宣言。ここでへたったかぁ。。。近くにいれば居る程に、一番になりたいという欲求は強くなるばかり。けれどもここ一番では、京ちゃんには敵わないと、悟ってしまったようです。この素敵すぎる表紙は、もうこれこのまま最終巻の表紙にしようってぐらいに素敵な表紙は、このシーンへの布石だったというのですね。なんとも悲しい。この突然の言葉には仁菜も驚いたようで、大きく気持ちを落とす事になります。そして持ち上がる、京ちゃんルートの頭。今まで仁菜に対するハッキリとした想いは口に出して語られることはなかったのですが、ついに…
 

お前が羨ましい
(中略) 
あいつがかわいいのなんかずっと昔から知ってんだよ



 嘘だっ!そんな今更ですやん。このくだりのおかげでなんだか物語として、京ちゃんエンドを迎える手はずが自然と整ってしまった感があるのですが、ちょっと三宅派としては辛い。かませ犬は華々しい相手を前に寂しく散ることに意義があるというか、だからこそ素敵なのですが、今回の相手ばかりは負けて欲しくないという。せめて男を見せてから、京ちゃんとくっついて欲しいのです。このままだと、こちらからは優しくもせず、ただ優しくされて「やっぱり好きでした」でくっつくだけですので。そしてそのワンチャンは次回あたりにありそう。逆に言えば、三宅君がかませ犬として寂しく散る表舞台とも言えるわけですよ。


~ここで見せる嫉妬に唯一の期待を~
 さて、そんな中8巻ラストではちょっと気になる動きが。すっぱり諦めきれない三宅くんが見せたのは「ムカつくんだよ」という苛つき。嫉妬、焦燥、様々な気持ちが混じり合っての怒り。南波あつこ先生の作品での恋愛のひとつのパターンというのは、ヒロインが嫉妬を飲み込んで、それでも飲み込みきれずにぶつかって結ばれるというもの。今回仁菜が終始そのパターンで行くのかと思いきや、ここに来て三宅君にシフトしてきました。これもしかしたら、大どんでん返しがあるやも…と密かに期待をしているのです。中盤以降完全に京ちゃんのペースだったのですが、ラストの引きだけ見れば三宅ルートの芽はまだ枯れてない…はず。次巻予告で「手を握るのは!?」って書いてあるその袖が、あからさまに京ちゃんのお召し物と色が一緒なのは気にしない。三宅君のドット柄(かわいいなおい)の服が、袖だけ違うあしらいになってるんだもんきっと!



■購入する→Amazon

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Tag [新作レビュー] 2011.10.24
1106070125.jpg小藤まつ「半熟ガールフレンド」


どうして本当のことが言えないんだろう


■好きな事は食べること。嫌いなものは、“イケメン”。そんなあおかが最近気になるのは、影の薄いクラスメイト、臼田くん。ホントに影が薄いのだけど、実は隠れイケメンだと知っているのは、あおかだけ…。イケメンは嫌いだけど、彼は嫌いじゃない…でも残念なイケメンだから、好きってわけでもないし。そんな彼が、ひっそりと片想いをしていることを知ったあおかは、憧れの子に告白できるようにプロデュースすることになったのだけど…!?

 小藤まつ先生の新作、1巻完結作でございます。小藤まつ先生の作品読むの久々だったのですが、ちっこい女の子があちらにこちらにと走り回る、イメージ通りのお話でした(って「桜アイロニイ」のイメージだけなんですが)。主人公は、イケメン嫌いの食べる事好きな女の子。イケメンのそのいけ好かない態度が本当にムカつく!という彼女が、最近唯一気になるのは、クラスメイトでも影の薄い存在の臼田くん。小声で猫背で前髪厚め。けれど、髪をたくしあげたときに覗くその顔は、イケメンそのもの。その残念ささえ消えれば、きっとモテるだろうに…なんて思っていたら、ひょんなことから彼が密かに片想いをしていることを知る。いてもたってもいられず、彼のプロデュースを買って出たあおかですが…というストーリーでございます。


半熟カ#12441;ールフレント#12441;
ちょっと磨いて近くで見てみたら、あれやっぱりいい男。でも即座に好きになんてならない。それは自分のトラウマと、相手の残念さを知っているから。


 プロデュースしてみたら、すごく人気出ちゃって、なんだかちょっと寂しい…これって…。というのは、あらすじ読んで想像ついたかとおもいますが、その歯痒さが良い良い。やわな少女マンガであれば、告白せずにヒロインと…となりますが、優柔不断な恋する男の子である臼田くんがそんなことするわけもなく、またヒロインもあまりに興味無さげでアウト。お互いがそれぞれに向き合う構えに入るのが、非常に遅いため、割と幸せで甘い物語を欲している人からしたらちょっと面食らうかもしれません。
 
 元々ヒロインはイケメン好きで惚れっぽい子でした。けれどもあまりにフラれて心に傷を作ってしまったがため、反動でイケメン嫌いに。食べる者好きというのも、その欲求を食欲へと転換した結果だと思います。自分自身の性質が捻曲がった形で内在しており、それが一人の男の子を変え、向き合うことで治って行く。物語に甘さはあまりありませんが、けれども非常に前向きで、その人が変わる瞬間を存分に受けとめることができる、とても爽やかなお話で印象は非常に良かったです。変わるのって、すごく大変なんだな、と。相手役はヒロインの意思という他所からの力によって、そしてヒロインは自力で変わったわけですが、後者は本当に時間がかかった。さらっと変わるのではなく、これだけ時間をかけてあそこに辿りついたというのは、恋愛を描く少女漫画としては回り道感が非常に強かったものの、一人の少女の成長として捉えるのであれば至極真っ当。良かったと思います。


【男性へのガイド】
→甘さがないぶん読みやすいのかしら。相手役の男の子は結構共感できるところはあると思います。ただ彼結構心強い。きもいって言われたら自分は立ち直れないっす。。。
【感想まとめ】
→たぶんあんまり受けは良くないと思うんですけど(どうだったかは知らない)、1巻まるまるかけて描く意味は確かにあったはず。


作品DATA
■著者:小藤まつ
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックス
■掲載誌:別冊マーガレット(連載中)
■全1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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Tag [新作レビュー] 2011.10.24
1106090775.jpgさよならポニーテール「きみのことば」


ねぇ半径何メートルまでは信用できる?
ねぇ、人生何パーセントは自分のものなの?



■きみのコトを思うとなぜだかとっても胸がくるしいよ…
 3人の女の子たちが繰り広げる、奇跡の物語がいまはじまる。
 

 女性向けかはわからないのですが、ここ1年くらいずっとハマっているので、お届けします。みなさん、「さよならポニーテール」という存在はご存知でしょうか?音楽共有サイトであるmySpaceをベースに活動する、謎多きアーティスト(?)で、先日インディーズでのCD発売に続き、メジャーデビュー。ご紹介ではアーティストと言いましたが、当人としては「音楽を中心とした物語」を名乗り、様々な活動をしております。私はmySpaceで偶然見つけて以来、この独特の世界にハマってしまったのですが、その存在や魅力について語るのはなかなか難しく…とりあえずさよポニとは何なのか、詳しくはこの辺りの記事をご参照いただければ…
 
謎だらけの「さよならポニーテール」 その真相に迫る


ちなみに曲はこんな感じです。


さよならポニーテール『さよなら、ありがとぉ(みぃな弾き語りver.)』





さよならポニーテール『ナタリー』MV(サビだけ)
 


 ちょっと前からざわざわと話題になっていたのですが、ここ最近はよくその名前を耳にするようになってきました。今回ご紹介するのは、メジャーアルバムの発売に合わせて一緒に発売された、マンガ作品「きみのことば」です。アルバムジャケットなどからもわかるように、イラストやマンガも活動のひとつ。しかし太田出版からこういった形で発売されるとは。帯では「坂道のアポロン」(→レビュー)の小玉ユキ先生が言葉を贈っています。
 

 物語の中心となるのは、表紙にいる3人の女の子。センターにいる“みいな”に、そんな彼女のクラスメイトでもある黒髪の“あゆみん”と、ショートカットの“なっちゃん”の、学校生活を中心に描かれます。舞台となるのはさよポニワールド。ここはこちらの世界とは異なり、魔法が使えたり、なんだか不思議な不思議な世界。通学は専らうさぎ通学かネコバス通学。なんだか見たことのない生き物がいたりします。それでもテストはあるし、その勉強に苦しんだり、好きな男の子がいたりっていう姿は普通の女の子そのもの。
 
 絵柄的にちょっと懐かしい匂いを感じるかも。決して上手いわけではないですが、それこそが個性であり、旨味でもあります。最近だと例えば今日マチ子さんとかこういう系になるんでしょうか。独特の世界に独特の空気感、そして独特の間で贈る、ちゃんとした説明のない物語。とにかく全てがそこで完結していて、だからこそあちら側に踏み込んでしまったら、抜けられなくなるというか。ただ世界観は独特であっても、物語の中に落とし込まれる女の子同士のかけ合いは、日常風景そのもの。ふんわりした絵柄を守るように夢物語を描くわけではなく、むしろその裏にあるネタは割と地に足ついているというか、ごくごく普通で形のハッキリしたもの。そのギャップというか違和感が、余計に印象に残るといいますか。
 

無気力スイッチ
テスト勉強での一幕。歌詞がそのまま登場することも。基本的に自由な二人と、心配性な一人。

 
 女の子も無駄にキャラキャラしていないんですよね。描かれているのは我々からしたら非日常であり空想に他ならないのですが、その中で動く彼女たちからしたら、それこそが日常であり、当たり前の風景。だからこそみんながみんな自然で、必要以上にキャラキャラしていないんですよね。ファンタジックな物語を空想している人からしたら、大きく違和感を残す構成になっているとも言えるかもしれません。それは単純に物語の描かれ方の違いだと思っていて、その多くが内側からの視点。こちら側からの視点に立っている感覚を受けたのは、収録されているお話のウチでも「水中通学路」とだいぶ譲って「ねむりの国へ」あたりぐらいしか。だからこの作品…というかそもそもさよならポニーテールを楽しむには、どっぷりハマらないといけないわけで。そしてまさに、そうならざるを得ないように、そういう物語構成になっているという。好き放題やっているように見えて、そのプロモーションの仕方はすごく一貫しているな、という印象を、この作品を読んで一層強く持つようになりました。
 
 個人的に好きなのは、ショートカットのなっちゃんです。まずもう見ためが好みですよ、はい。一番クールっぽく見える変わり者な彼女が、このふんわりした世界に一番ドライな空気を吹き込んでくれるという(笑)ブレない良い友達ポジションで、物語を引き締めてくれるんです。この自然体が好きですねー。たぶん実際にいたら男子から人気出るのは、ヒロインのみいな(天然系でかわいい)か、あゆみん(大人しくて気が弱くてかわいい)な気がするのですが、そんな彼女たちの魅力を引き出しているのはなっちゃんなんだよ!と。なっちゃん好きが高じて、彼女のデザインが施されたiPhoneケース買っちゃいました。いや、iPhoneもってないんですけどね(なんで買ったとかいう問いかけはなしの方向で…)。せっかくだから、iPhone買おうかしら…。



きみのことは#12441;1
序盤はカラーです。不思議な要素もたくさんですが、あくまでベースは女の子たちの日常風景。それこそが、かけがえのない時間、瞬間。


 さて、肝心のマンガの方なのですが、女の子たちの日常を中心に番外編を含め13編が収録されています。全てさよならポニーテールの曲名が掲げられていて、その内容も曲とリンクしているという。もちろんこのマンガだけを読んでもさよポニワールドに充分触れることはできるのですが、マンガが曲を強化するという関係性になっている以上、曲を聴いていた方がずっと楽しめると思います。曲でメッセージは言葉として伝えているので、作中の台詞も少なめですし。物語は前半は日常&友情パートになっていて、中盤~後半にかけては青春&恋愛モードへと移って行きます。物語&曲の組み合わせで個人的に好きだったのは、「甘い感傷」でしょうか。甘くない、全然甘くないんですけど、それがいい・・・!


 さて、まとめ。核心は語られない、どっぷりはまり込む系の存在。ゆえに一旦ハマると深いのですが、同時に他の人にオススメしづらいというのと、数年後振り返って「あれ?なんで自分これにハマってたんだろ…」と賢者からの落ち込みモードに入る可能性もあるという。でもとりあえず、好きな間は追いかけようと思うのですよ。そして今は、一番の追いかけ時だと思うんですよね。プッシュのされかたもすごいですし、もし知らない方は少しさよポニワールドを覗いてみては…?
 


【男性へのガイド】
→そもそも女性向けかわからんという。文法は少女マンガに見られるものではあると思います。
【感想まとめ】
→ハードカバー1200円ということは、ファンは買えってことなのですよ、きっと。とはいえこのエントリーをきっかけに、さよならポニーテールを知ってくれる人が、そして好きになってくれる人がいたら嬉しいです。


■その他特集記事など
マンガが特別に読めたり

ナタリーでの特集記事


作品DATA
■著者:さよならポニーテール
■出版社:太田出版
■レーベル:
■掲載誌:
■全1巻
■価格:1200円+税


■ちなみに発売になるCDはこちらです。

魔法のメロテ#12441;ィ魔法のメロディ(初回生産限定盤)(2CD)



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Tag [続刊レビュー] 2011.10.23
作品紹介→*新作レビュー* 遠山えま「わたしに××しなさい!」
2巻レビュー→三角関係突入!《続刊レビュー》遠山えま「わたしに××しなさい!」2巻
関連作品レビュー→遠山えま「ココにいるよ!」
3巻レビュー→これはただの恋愛ではない、覇権を懸けた熱き闘いなのだ:遠山えま「わたしに××しなさい!」3巻
4巻レビュー→「なかよし」で指フ○ラは、セーフなのですか…?:遠山えま「わたしに××しなさい!」4巻
5巻レビュー→指フ○ラの次は耳舐めとか「なかよし」始まりすぎている:遠山えま「わたしに××しなさい!」5巻
6巻レビュー→繋がりたい、離れたくない:遠山えま「わたしに××しなさい!」6巻
関連作品レビュー→神さまは髪の中から現れる…:遠山えま「かみかみかえし」1巻




1106079489.jpg遠山えま「わたしに××しなさい!」(7)



なんか…
めちゃくちゃかわいーから



■7巻発売です。
 ついにマミが時雨に本気告白!!予想外のマミの告白にとまどいを隠せない時雨。そんな時雨の態度にじれた雪菜はマミにまさかのライバル宣言!?一層とまどう時雨は、雪菜に対して思いもよらない行動に!?晶は晶で、マミの恋を陰で応援!四つどもえの四角関係は、一気に大波乱に!
 

~お待たせしました~
 先日レビューしました「GFDGD-DOGS」(→レビュー)と同時発売になります。なぜだかウチのブログの「×しな」のレビューはコメント欄が非常に賑わってまして、レビューのリクエストなどもちょいちょい頂いていたりするので、やっとお届けできましたという感じです。特別なにもしていないので、なぜ「×しな」ばかりこんなに?という感じではあるのですが、リクエスト頂けるのは非常にありがたいことですので、気にせずいつもとおりにレビューしていきたいと思います。


~告白したマミさんがスタンダードヒロインだと思うんです~
 前回ついに告白をしたマミさん(さん付けやめよう)、7巻最初からその続きと、いきなり見せ場からやって参ります。初登場からずっとこの子のことをプッシュしていたわけですが、7巻は本当に素直に可愛かったです。告白も、彼女が持っている不安さや、想いを伝える恥ずかしさが前面に出た…
 


わたしに××しなさい7-1
このもじもじ感


 手を寄せている感じとか、相手の顔を直視できない様子とか、純然たる少女マンガのヒロインの告白じゃないですか!結局時雨から答えはもらえず終いとなり、その後しどろもどろに気まずい雰囲気となるわけですが、だからといって暗い気持ちになるわけではなく、あくまで前向きに。雪菜から、時雨のことがどれくらい好きなのか尋ねられた際には、ためらうことなく「世界で一番好き」と答え、ライバルと目する雪菜に対しても、爽やかに…
 

わたしに××しなさい7-2
ぜったい負けないよっ


 うおっ眩しっ!このピュアさ、明るさ、前向きさ…すごくヒロインっぽいです。そして左隅にテレビのワイプの如く追いやられる雪菜。このあと「まずい」と思うわけですが、どう考えてもヒロインの座が奪われてしまうと思ったことでしょう(思ってない)。そんな雪菜は正攻法とは真逆、唐突にライバル宣言して、自分の気持ちに気づかないままに恋愛戦線に躍り出ることになります。こんなヒロインでいいのか…?とすら思ってしまうような強引なやり口に、物語は益々盛り上がるわけですが、この行動はもうヒロインでもライバルでもなく一発キャラですよね。そんな子をメインヒロインに据えて物語を壊すことなく進められてるってのは、ある意味すごく希有なことなのかもしれません。これがもし、マミ視点の物語でも、充分成り立つというか、むしろそれこそがスタンダードの感。そして雪菜の邪魔物っぷりすごいことになってるはずです。体の弱いヒロインの心の支えになってくれた幼なじみ。そんな彼にずっと想いを寄せていて、我慢していたけど自分の気持ちにウソはつけない。高校生になってついに…と思ったら、横から出て来たよくわかんない子にかっさらわれてくっていう…マミさんは不憫な子。


~またしてもアウトの予感~
 さて、そんな異色のヒロインである雪菜。とりあえず二人はエロいことやってりゃいいんじゃないの?(投げやり) なんて、そんな言葉を投げかけずとも、とんでもないことになっておりますよ、またしても。ブレーキかけるつもりはないようです。今までも、「指フェラ」「耳舐め」等々様々なアウトシーン出て来ていたわけですが、今回もすごいっす。もちろん高校生だから、こんなことやっても、まぁいいかなとは思うんですけども、掲載されているのはあくまで「なかよし」ですから、やはりそれを考えるとですね(【追記】高校生だと思ってたら中学生でした…)。ってどのシーンのこと言ってるかっていうと…
 

わたしに××しなさい7-3
目隠しプレイからの指舐め再び



 もうね、この擬音(笑)そういうプレイじゃないんだから、そんな音しないだろっていう。そしてこの直後、雪菜の「感じる」発言。もちろんそれは、「彼の感触を感じる」という意味合いで発せられたものではあるのですが、そこだけ大ゴマぶち抜きで切り取って描くあたり(このコマは単行本で読んでのお楽しみ)、絶対に狙ってますよね、遠山先生。あくまでアイスを持って、その溶けたアイスを舐めとるという、理由あっての行動にはなっているのですが、そういうギリギリのラインを狙う屁理屈じみた冒険が、着エロ等のエロコンテンツの制作サイドのそれっぽくて…(笑)そしてもちろん忘れないのが、男性へのサービス…
 
 
わたしに××しなさい
プールに落ちて透ける下着


 これも狙ってるなぁ…。というか、今まで出てなかったのが不思議なくらいではあります、はい。そして透けた下着の柄が、意外にも花柄っていう。雪菜ってそういうのにあんまりこだわりがなさそうなイメージがあったので、花柄でちょっと驚きました。意外にもかわいらしい柄なんですねー。しかしこういった男性の方にこそ需要がありそうなハプニング、最近女性向けでもよく目にするのですが、嬉しいものなんでしょうか?これだったら時雨の着替えを目の当たりに…とかの方が、嬉しいんじゃない?とか単純に考えてしまうのですが、そうじゃないのかもしれませんね。って今回この二人の関係の進展について何も語ってないですが、そういった関係になるには未だ一押しふた押し足りないという感。そしてまさかの身バレフラグが、大きな波乱を呼びそうです。てかマミさんはライバルケータイ小説家じゃないんでしょうか。。。その説をずっと書いて来たわけですが、ここに来てもうその設定すら消えそうという…次出てこなかったらきっと出てこない気が。


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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2011.10.23
1106057486.jpgヤマザキマリ「地球恋愛」(1)


俺はどういうわけか
あの冴えなくて素朴な幼なじみに惚れる女性を好きになる
だからきっと俺の女の趣味は悪くない



■恋は若者だけがするものじゃない。中高年だって、どこに住んでいたって、人は恋に落ちるもの。イタリア、ツバル、デンマーク…ブラジル、シリア、アメリカ。そんな世界の各地に住む中高年の恋模様を、ヤマザキマリが描き上げる。愛は地球を回る!

 「テルマエ・ロマエ」のヤマザキマリ先生が描く、世界各国の中高年の恋模様。またなんとも異色な本作は、講談社のKISSPLUSにて連載中でございます。ヤマザキマリ先生自身、シカゴ在住の国際結婚組と、外国人をお相手にした恋愛は経験済み。本作は国際結婚というか、その土地土地に住む中年男女の恋愛模様を描いたものになるのですが、やはりそういう背景があってこそ描ける物語なのかな、とちょっと思ったり。
 
 描かれる国は、イタリア、アメリカ…うん、この辺までは想像できる。しかしここから段々とヤマザキマリワールドが炸裂するようになってきます。デンマーク、ブラジル、そして、ツバルにシリア。ツバルとシリアってどこ?ツバルは確かオセアニアに属する、あの太平洋に浮かぶ島国たちの一つで、シリアは中東とかに属していてウイイレのアジア予選で良く当たるイメージ。もちろん首都は言えないですし、国旗もわかんないなぁ。名産品とかもわからず。ちなみにツバルは
 
「独立国としてはバチカンの次に人口が少なく(約9000人)、ミニ国家の一つである。海抜が最高でも5mと低いため、海面が上昇したり、地盤沈下がおこれば、国の存在そのものが脅かされることになる。」
 
 とのこと。シリアは
 
「北にトルコ、東にイラク、南にヨルダン、西にレバノン、南西にイスラエルと国境を接し、北西は東地中海に面する。首都はダマスカス。 」
 
 だそうです。ダマスカスはレバノンとの絡みで聞いた気がしますが、名産とか名所とか全くわからず。

 それでもその国に行けば、その国の文化があり、生き方があり、そして恋愛があります。恋愛といっても、フォーリンラブから始まるガッチガチの恋愛ではなく、既に結ばれたもの同士であったり、なんだかんだで一緒にいた二人であったりと、やはり中高年らしい恋愛模様が描かれます。それは“愛”でもあり“情”でもあり。どちらにせよ、強い絆で結ばれる時間を重ねた二人というのは素敵なものです。


地球恋愛
お互い大人だから、ベタな口説き文句を言う事も、ひたむきに恋に向き合いそれを外に出す事もない。大人だからこそできる、アプローチ。


 もちろん恋に落ちるところから始まるものもありますが、そういうパターンは先進国で見られるパターン。小国や発展途上国にて描かれる恋愛模様は、より成熟した関係という印象を受けました。中でも印象に残ったのが、シリアの砂漠を舞台に描かれた物語。出稼ぎに行った夫をひたすら待つ妻の姿が描かれるのですが、貧しく厳しい環境に行きているからこそ育つ絆というものが、そこに確かに描かれていて、非常に感動しました。
 
 一話読切りで描かれますが、微妙に物語の中で繋がっていて、そのちょっとした心遣いが嬉しかったり。中高年といえど黄昏流星群とかとは毛色異なりますかね、やっぱり。全体的にさすがに上手い内容で、派手さはなくとも味わい深い、独特の一冊になっていると思います。面白かった!



【男性へのガイド】
→割とみんな読めると思うのですが、年齢でフィットするかどうかがポイントか。
【感想まとめ】
→滲み出る味わい深さは、ゆっくり噛み締めるように読んでこそ。いや、異色ですけど面白かったです。巻数付きですので続き出るようですね。ちょっと読んでみようなか。



作品DATA
■著者:ヤマザキマリ
■出版社:講談社
■レーベル:KCKISS
■掲載誌:KISSPLIS(連載中)
■既刊1巻
■価格:562円+税


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Tag [新作レビュー] 2011.10.21
1106079529.jpg山中ヒコ「王子様と灰色の日々」(1)


人を好きになるのは
なんでこんなに



■酒飲みの父、貧しい家…。不幸を仕方ないとあきらめ過ごす高校生の敦子は、ある日自分とは真逆の世界に済む大金持ちの男子たちに出会い、その運命を大きく変えていくことになる。乃木グループの跡取り息子・至が失踪し、パニックにならないようにと代役として白羽の矢がたったのが敦子だった。男装すると至に瓜二つである彼女は、遼によって至の身代わりに仕立て上げられ、豪邸での暮らしをはじめることになるのだが…

 BLで人気の山中ヒコ先生のARIA連載作品でございます。一応少女漫画ということなのですが、テイストはBLに近いかも。ヒロインは、貧乏な家に生まれ育った敦子という女子高生。働かずに酒ばかり飲んでいる父のせいで、女子高生らしい生活は全く送れず、学校でもその存在を疎まれていました。あの手この手で日銭を稼ぐのが精一杯…ところがとある出会いが、そんな彼女の人生を一変させることになります。コンビニで出くわした、同い年くらいの少年3人組。どうやら彼らは、自分達とは住む世界が違う、御曹司たちらしい。関わるのもこれが最初で最後…と思っていたら、そのうちの一人で一番の御曹司が失踪。顔立ちがソックリということで、彼が見つかるまでの間、敦子が男装して身代わりとなって欲しいというのだ。普通であれば引き受けない。けれども家を飛び出してしまい、そのタイミングで報酬100万円と聞かされれば、引き受けないわけにはいかない。敦子の、身代わりとしての生活がはじまる…


王子様と灰色の日々
男装しての赤ら顔はもうこれ山中ヒコ先生のBLのそれですよねっていうか。この顔好きなんですよ、はい。


 現実ベースのストーリーかと思いきや、さすがARIA連載というところでしょうか、ガッツリ非日常を取り込んだストーリーとなっています。突然身代わりとして御曹司に…という急展開。しかも取り巻く人々の想いもまた複雑で、物語の彩りもどこか灰色(タイトルすごくしっくりきます)。読む人によっては序盤で振り落とされそうな感じすらありますが、BLベースでの山中ヒコ先生の作品て、基本こういうファンタジックな展開なので、既存ファンの方からすると安心の山中ヒコ節だと受け取れるかもしれません。借金を背負いお金持ちの家に…というのは「王子と小鳥」であったパターンですし、女装(こちらの場合男装ですが)してというのは、「丸角屋の嫁取り」であったパターン。
 
 イケメン男子3人が登場するわけですが、一人は早々に失踪。あとの二人も一癖二癖あるキャラで、簡単に恋愛展開には至りません。そもそもヒロイン自身が人間不信であり、そのリハビリ的な部分が、序盤で大きなウェイトを占めることになります。髪の毛だけが取り柄であった彼女が、髪の毛を切り落とし全てを無にして再スタート。ありえない新生活ながら、今までに受けたことのない感謝の言葉や優しさに、少しだけ自分の居場所や安心感を見出していくその過程が、仄暗い物語の中に淡く優しい光を灯します。
 
 結果的に全員男の子の格好していて、すごくBLっぽいのですが、じゃあ男装しなかったら少女漫画的に成り立つのかと言われるとそれもまた微妙で。狙っているのか違うのか、ヒロインの女の子時が本当に色気がなく、逆に男装すると謎に色気アップ。山中ヒコ先生の作品に出てくる中性的な男の子って、妙に色っぽいというか、普通の女の子より女の子っぽい匂いを感じることがあるのですが、今回もそんなイメージ。簡単に言うなら、すごく…かわいいです。


【男性へのガイド】
→これは女性が…というか山中ヒコ先生ファンが…。無論男性は…BL基準で語るのでなく、少女マンガとして語るのであれば。
【感想まとめ】
→またすごくクセのあるお話ですな。山中先生の作品は好きなので色々読んでご紹介もしてきたのですが、これが一番クセあるというか、扱いに困るというか。私は続き読みますよ、もちろん。



■作者他作品レビュー
山中ヒコ「丸角屋の嫁とり」
山中ヒコ「森文大学男子寮物語」
好きになったのは、世界で一番優しくて残酷な人:山中ヒコ「エンドゲーム」
山中ヒコ「王子と小鳥」


作品DATA
■著者:山中ヒコ
■出版社:講談社
■レーベル:ARIA
■掲載誌:ARIA(連載中)
■既刊1巻
■価格:562円+税


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2011.10.20
1106079633.jpgねむようこ「とりあえず地球が滅びる前に」(1)


私は神です


■ある日、青春真っ盛りで部活に励む寅子の前に、「神」を名乗るイケメンが現れた!見ためは良いが、その格好はあからさまに底辺バイト。とてもじゃないけど神になんか見えやしない。そんなことより目の前の恋の方が大事!と思っていたら、なんとその神、寅子たちが県大会で優勝しないと地球が滅びると言い出して…!?

 「午前3時の無法地帯」(→レビュー)などのねむようこ先生の、フラワーズ連載作になります。色んなところで描かれていますが、flowersってちょっと印象と違ってて良いですね。今回描かれるのは、バスケ部に所属する女の子のお話。それも、真っ当な青春モノではなく、ちょっとしたネタを落とし込んで非日常的に進行していく物語になっています。
 
 ヒロインは、そこそこの進学校に通う女子高生・寅子。所属するのはバスケ部と家庭科部。そこそこの進学校ということで、部活はやっぱり強くない。県大会2回戦~3回戦が相場のチームで、そんなキツくはないけどゆるすぎでもないバスケ部が大好き。上級生が引退し、ついに始まる自分達の時代…と思ったら、併せて変なことも始まった。突然現れた超絶イケメンの青年。彼曰く、「私は神」「あなたたちのバスケ部が県大会で優勝しないと地球が滅びる」とのこと。うさんくさいことこの上ない、あたしゃありもしない空想よりも、目の前の恋に一生懸命なのよ…と相手にしていなかったら、どうも事が現実味を…?というお話。


とりあえす#12441;地球か#12441;滅ひ#12441;る前に
モンスターエンジンよりも神っぽくない。作業着ですから、なんたって。当然言っても信じてもらえない。全知全能の神ってわけではなく、神の中でもそんなに偉くないみたいです。


 自分達の日常のほんの一部が、世界の運命を左右することに。セカイ系…というにはあまりにもノリが軽いか。自分達に定められた運命を知り、全力で部活に懸ける…なんてことはなく、未だに半信半疑にユルい日常が続いていきます。それもそのはず、とにかく神様が頼りなくていかにもダメっぽい感じ。今後自覚的になる瞬間が訪れるとは思うのですが、今の「すごい危機的な状況下に置かれているにも関わらず、どこか無自覚で自分達の毎日を楽しむ」という構図がそれなりに良いバランス感で、この後どういう変化を見せて、結果それが吉と出るか凶と出るかまではなかなか想像つかないですね。基本的にはどこにでもある女子高生たちの日常がベースで、恐らくこの大きなネタは、その日常を輝かせるためのファクターであるにすぎない…となんとなく自分の中の感覚にはあります。
 
 というのも、恋愛の描き方であるとか友達づきあいの描き方であるとか、高校生のノリやテンションがすごくしっくり来る感じで、やっぱりこっちが言わずともメインに感じさせるよね、と。進学校の部活とか、確かにこんな感じだよねっていう共感もあり。ユルいだけに部活に雑念=恋愛だ勉強だ友情だ今夜のおかずだetc...が入り込んでくる余地はたくさん。またヒロインをはじめとして、取り巻く女子たちがみなみなノリがよく明るい面々なので、何もしなくともなかなか賑やかで楽しい風景が楽しめます。


とりあえす#12441;地球か#12441;滅ひ#12441;る前に1
こんな感じのノリ。ヒロインは勝つことにはあんまり興味がない。そういう子でもついていける程度にはユルい。バスケそのものというよりも、バスケ部の中での部活前後のトークが主に描かれます。


 どうもねむようこ先生はバスケ部だったみたいですね。ヒロインはねむようこ先生の作品に多い、そばかすの女の子ですし、今回も自己が少なからず投影されているかも。自分が働いていたパチンコデザイン会社を舞台にした「午前3時の~」シリーズ、自身の職業である漫画家と、編集者の恋を描いた「ペンとチョコレート」(→レビュー)、そして自分が所属していた部活を描いた本作と、基本物語作りには自分の経験が必要なタイプの漫画家さんなのでしょうか。そしてどちらも当たりになっているので、今回も…と期待してみたり。なかった要素と言えば、神様。この作品を生かすも殺すも神様次第。うーんまさに神様だ。


【男性へのガイド】
→女子部活の雰囲気ってこんな感じなのかな、とちょっとした覗き見が出来た気分。女性の方があるあるって感じなんでしょうかね。
【感想まとめ】
→本文でも書いたとおり、正直掴みかねてるところがあります。どう転がるのかもわからんし。ねむようこ先生なので、とりあえず2巻は買って損はないのかな、という気も。



作品DATA
■著者:ねむようこ
■出版社:集英社
■レーベル:フラワーコミックス
■掲載誌:flowers(連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税


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Tag [新作レビュー] 2011.10.19
1106079526.jpg夏目ココロ「平安女子部!」(1)


なんとかなる
ううん
なんとかするわ!



■デザイナーになることを夢見る女子高生・いろはは、意気揚々と被服部に入部するも、そこにいるのはコスプレイヤーばかり…。そんな部活風景に、不満を募らせるいろはだったが、ある日突然平安時代にタイムスリップ!? 現代っ子の奇抜なファッションセンスと、女子高生の知識&アイテムを武器に、平安京で繰り広げる華麗なるファッション絵巻開幕!!

 夏目ココロ先生のITAN連載作でございます。ARIAでも連載しているので、講談社新雑誌でのダブル連載ってことになりますね、すごい。ARIA連載作は、女子高生×ロボットという特異な組み合わせで送るSF青春モノでしたが、こちらは女子高生×平安時代。これまたちょっと奇抜な組み合わせです。ヒロインは、服飾のデザーナーに憧れる女子高生・いろは。被服部で切磋琢磨しながら目指せデザイナー!と思っていたのですが、部員はみんなコスプレイヤーで、ちょっとベクトルが違うみたい。このままでデザイナーになれるのか…なんて先行き不安に感じていたら、学校の七不思議やらでなぜだか平安時代にタイムスリップ!行きついた先にいたのは、落ちぶれ質素に暮らす姫様の家で…というお話。

 割と簡単にタイムスリップして、割と簡単にその状況にシフトできるというのはお約束。大体1日悩めば大丈夫です。タイムスリップしてそのアイデアを行った先で…というのはSFものでは比較的よくあり、代表的なもので言えば例えば「戦国自衛隊」や「仁-jin-」などでしょうか。どちらも現代の知識や技術をがっつり使い、その時代に一つの大きな流れを巻き起こすのですが、こちらの作品はそれがファッションや女の子同士のコミュニケーションに使用されていく形になっています。宮中での生き方に現代技術を…というのは見られるパターンとはいえ、それをメインにというのはやや珍しい気が。


平安女子部
別に突飛なアイデアを思いつくわけではなく、あくまで普通に思いつきそうな「工夫」「はったり」を自由にするっていうだけ。誰でも思いつきそうなものだからこそ、成功したとき気持ち良いし、そんなアイデアを自由に楽しくこなすヒロインに親近感がすごく湧きます。


 彼女はあくまでデザイナー志望。ということで、輝くのは彼女自身ではなく、当時の時代を生きる女性たち。なんだかんだで女子高生・女子大生的なコミュニティを築いている彼女たちですから、その中にヒロインが溶け込むのもそんなに難しいことではありませんでした。そして浮かび上がる問題も、女性ならではのもの。身分のある人たちですから一大事ではあるのですが、その根本は意外とシンプル。その中で、ヒロインがアイデアを出して上手く乗り切るという、読んでいて気持ちの良いお話です。
 
 ただそれだけでは終わりません。アイデアで乗り切るという序盤を経て、それなりに動きやすい環境を作ってから、同じくタイムスリップしてきたと思しき男の子を発見し、以降はそこを軸に物語は展開していきます。どうやら彼の方が、より平安時代に適応し、しかもかなりの地位を築いている様子で…さて気になる!というところで巻またぎ。一発のインパクトはありませんが、じわじわと面白さが滲み出てくる作品だと思います。続きが気になりますねー。あと、個人的にはタイムスリップものは好きなので、非常に読みやすかったです。
 

【男性へのガイド】
→女子部ですから、女子こそが…という印象が強いかもですね。
【感想まとめ】
→何かすごいインパクトのあることをしているわけではないのですが、前向きに動くヒロインが作り出すテンポと、1話ごとに物事が解決していく心地よさが、そのまま良い読み心地に繋がっていきました。


作品DATA
■著者:夏目ココロ
■出版社:講談社
■レーベル:ITAN
■掲載誌:ITAN(連載中)
■既刊1巻
■価格:562円+税


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Tag [新作レビュー] 2011.10.18
1106079530.jpg遠山えま「GDGD-DOGS」(1)


こいつら究極にうざいわー


■大学でもマンガ科が設立される昨今、ついに高校にもマンガ家コースが誕生。そんなときわ高校マンガ家コースに入学したのは、既にプロデビューを果たしている現役少女漫画家の手塚神奈。このコースなら、思う存分漫画に打ち込める…!と思って入学したは良いものの、生徒のやる気はまるでナシ、コースのカリキュラムもメチャクチャ…挙げ句漫画家に夢見るイケメンだけどアホな3人組の男子に信奉されて…!?

 遠山えま先生のARIA連載作でございます。遠山せま先生って一体どれだけの雑誌で描いてらっしゃるんでしょ…何気にすごい執筆ペースですよ。というわけで、今回の作品は昨今話題にもなっていた「漫画家マンガ」でございます。現役の少女漫画家が、執筆活動に打ち込むために新設された漫画家コースに入学するけれど、カリキュラムはまるでだめで、生徒達のやる気はまるでなし。それでも放っておいてくれれば、仕事進められるからこの状況はウェルカム…!と思っていたら、大の苦手な三次元イケメン3人組(しかもすげーアホ)にプロの漫画家だとバレてしまい、漫画指導をさせられることに。けれどもこいつら、マジで漫画描かねぇ…!というギャグテイストの強い作品でございます。


GDGD-DOGS.jpg
ヒロインの神奈は前髪厚めの地味女子。でもふと見せる瞳がかわいかったり。基本的には暗いオタク系の気質の持ち主でございます。


 ARIAのギャグ枠というと先日ご紹介した「ケモノキングダム-ZOO-」(→レビュー)があるわけですが、こちらはショートページで展開するアホ学園モノ。ちゃんと毛色は違えてあります。表紙のデザインとか、ヒロインが人付き合いの苦手なプロの物書きということで、「わたしの××しなさい!」(→レビュー)の焼き直しじゃん…なんて先入観があったので、読んでみて驚き。遠山先生ほんと引き出し多いなぁ。
 
 ヒロインは唯一の真人間で、当然のことながらツッコミ役に。真人間といっても彼女自身かなり歪んだ性格の持ち主であり、イメージ的にはネットの情報・ネットのノリに浸食されている人という感じ。ネットスラングは割と当たり前に登場しますし、イケメンやリア充は爆発しろというスタンスの持ち主。もちろん賢くない人は嫌い。というわけで、彼女の目の前に現れた3人組は、強引でイケメンでアホという彼女の苦手な要素を全て持ち合わせているという。逆ハーレムからのトキメキ展開なんてものは一切なく、ただただ3人の残念なイケメンに突っ込みまくるという形でお話は巡っていきます(進んでないので堂々巡り感アリ…それこそがGDGDなのですよ)
 
 イケメン3人組の構成としては、頭の軽いチャラい系のアホに、フェミニンな不思議ちゃん系のアホ、そして一見まともに見えるもその実歪んだド変態の眼鏡系アホと、選り取りみどり。漫画家を目指すというよりは、漫画家に夢見る状態で、実際に手を動かすことはあまりありません。基本はテンションの高いトークを展開。「新人賞の賞金100万円獲ったらどうする?」とか、「センスの良いペンネームでも考えるか…」とか「漫画家になればバレンタインチョコトラック単位で来るらしいよ?」とか、「とりあえず漫画を知るためにマンガ喫茶行くか…」など、本当にどうでも良い話題で激論を交わすのです。そして心でそこにツッコミを入れる、ヒロイン。ARIAという掲載誌ながら、多分作品のイメージとして一番近いのは、石原まこちん先生の「THE 3名様」。そこにテンションとイケメンと、心でのツッコミ役を投入し、ちょっと違ったテイストのギャグ漫画に仕上げていると言う感じでしょうか。


GDGD-DOGS1-1.jpg
努力はしない、話はする。そして話は膨らむばかり。。。力にはならない、結果邪魔になる。この前向きなウザさこそが持ち味なのです。挽回一切なしっていう清々しさがまた。。。


 あくまで漫画家マンガということで、漫画家あるあるネタとかもやっぱり用意してます。ヒロインは人気作家というわけではなく、掲載誌の人気最底辺をうろうろ。打ち切り回避と現状打開策の思案に苦しんでいる感じ。ゆえにネガティブネタが多いのですが、それもまた面白いです。遠山えま先生自身の作家像というものが落とし込まれているかはわかりませんが、多少なりともこういうこと考えているのだなぁと思うと、ホント大変なのだな、と改めて思うというか。とはいえこちらの作品は、割と自由に描いている印象ではありますが。


【男性へのガイド】
→残念なイケメンが本当に残念なのですが、残念じゃないイケメンより愛着湧きませんか?私はむしろすごくむかつk(自主規制)遠山えま先生ですから、基本男性も読みやすい絵柄、展開かと思っています。
【感想まとめ】
→「こいつら究極にうざいわー」というヒロインの言葉、もうそれにつきます。こういう系のネタも描ける引き出しの多さに驚き。気楽に楽しく、ささっと読むことができました。


■作者他作品レビュー
神さまは髪の中から現れる…:遠山えま「かみかみかえし」1巻


作品DATA
■著者:遠山えま
■出版社:講談社
■レーベル:ARIA
■掲載誌:ARIA(連載中)
■既刊1巻
■価格:562円+税


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2011.10.07
■10月ですねー。あっという間に過ぎて行く日々と、迫り来る年末に、「何かしなきゃ!」と意味もなく慌てふためいています。先月末あたりからだいぶ仕事が忙しくなってきていて、ちょっと更新どころじゃなくなっております。。。頑張ってもなかなか時間短縮できないタスクってすごくストレス溜まりますよね。。。

 そういえば以前から行きたいと言っていた、スカイアクアリウムに行ってきました!最終日近くの連休ということで、すごく混んでいましたがすごくキレイでした!普通の水族館とは違って、すごく造形的というか、とにかく魅せることにこだわったエンターテイメント魂みたいなものを感じました。


P9180056.jpg
映画のような展示


P9180073.jpg
全体的に非常にカラフルでした。青になったりピンクになったり、人工光で満たされた空間で、ショートトリップしたような感覚。
 

今月オススメまとめてあります→今月のオススメ 厳選 10タイトル 【'11年09月】
雑記→別フレ公式マスコットのふれ美ちゃんが相変わらずな件




ピックアップ
海外アニメスレ「どうして"お金持ちのお嬢様"キャラはたいてい金髪なんだろう?」あにとら
…確かに高飛車のお嬢様って金髪のイメージあります。パッと思い浮かんだのがモンモランシーでしたがそもそもあの作品に出てくる女の子軒並みお嬢様だった。。。


オトコでも読めるBLマンガ『世界一初恋』で新たな地平を切り拓け!
…ありがとうございます!(謎のお礼) 中村春菊先生の作品の読みやすさは異常。本当にずば抜けて読みやすいと思います。読ませ方を心得ているというか。アニメも2期ということで、いかがでしょう?


2011.09.26 【秋色2011/オリジナル】サイコウキオン-35°
…TOP絵を描いてくださった都崎さんの絵が更新されていました!秋めいた配色の素敵な一枚です。



タアモがflowersで新連載、主役はマンガ家アシスタント
…移籍の際に、「以後小学館で描くことはあってもベツコミではない」と言っていたような気がするのですが、flowersですか。幹がしっかりした物語でないと受け入れてもらえなそうなイメージのある掲載誌で、どれだけしっかりとした物語を描くのか注目です。



コーラス後継誌Cocohanaに東村アキコ、朝倉世界一ら新作
…引き続き連載が続くのはごく僅か。個人的には藤村真理先生の新連載が注目。あとは引き続き水城せとな先生の「脳内ポイズンベリー」が楽しみです。



集英社の女性誌YOUが11月より月刊化、毎月15日発売
…集英社が女性向け雑誌の整理を着々と…。


映画「モテキ」公開記念、物語を盛り上げる豪華音楽を特集
…モテキ面白かったです。ここ最近ずっと作業BGMにしている、さよならポニーテールが参加しているのも注目だったり。。。



新書館の少女誌カグヤSPADE休刊、一部作品はウィングスへ
…早かった…。強みがあまりない雑誌という印象だったのですが。。。「少年よ耽美を描け」は各所で話題ということで、ウチでも追いかけたいところです。



藤原ヒロら参加の「黒LaLa」発売!11月には「白LaLa」も
…書店で非常に目立っていたのを覚えています。私は購入していないので感想書けないのですが、空夢ノートのりるさんが書かれておりましたのでそちらをご紹介 →レビュー



僕のMacにかかせない100のアプリ
…Macってことでマンガ全然関係ないのですが…。このブログをはじめるきっかけとなったのは、Macを買ってネットの世界に触れるようになったから。購入したての際に、どんなアプリを入れたら良いか分からない中、この記事の第一弾(今回のは第二弾)に非常にお世話になりました。Mac持ちの方は是非一度ご覧になって頂きたい。そういえば、昨日appleのジョブズ氏が亡くなりましたね。寂しいというか、非常に残念な気持ちが強いです。。。




 さて、仕事が本格的に忙しく。今日を境に更新が止まるやもしれません。資格試験とか、色々あるんです。。。ではでは、今年も残り僅かですが、宜しくお願いします。


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2011.10.06
■9月です。といっても9月刊行作がどれだけあるんだっていう(略)10月は更新数ぐっと少なくなる予感。というわけで、駆け込みで面白い作品はレビューしているつもりです。充実のラインナップを、とくとご覧あれ。リンクをクリックすると、レビューへ飛びます。



1.よしながふみ「大奥」7巻
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…ここで1巻へと繋がる。こう来たかと、思わず唸ってしまいました。益々面白さを増すよしながふみワールドに、全力で夢中です!





2.有川浩/弓きいろ「図書館戦争LOVE&WAR-」8巻
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…王子様が誰か知るという以上に、柴崎&手塚にドキドキニヤニヤできた8巻。この二人のファンにとっては、永久保存版の一冊となりました。





3.西炯子「兄さんと僕」
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…今年は落語ものが当たりな気がする。というわけで、名手・西炯子先生のメロディ連載作でございます。いい感じに脱力したゆるーいコメディ。素敵な雰囲気で、とても楽しいです。





4.チカ「これは恋のはなし」3巻
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…成長の3巻。日々成長し、大人へと変わっていく遥ちゃんが、本当に頼もしく、そして美しかったです。今年の話題作ということで、改めてここでチェックを。





5.時計野はり「学園ベビーシッターズ」4巻
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…恋の風吹く4巻。こんなにも早く恋愛パートが訪れるとは…!牛丸さんも含め、女の子の赤面具合が可愛すぎるのです!





6.野口芽衣「フィンランディア-サンタ養成学校-」2巻
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…完結しました。フィンランドのサンタ養成学校を舞台にした、学園ラブコメ(ファンタジーに非ず)。残念カワイイヒロインの変化の様子が本当に素敵でした。





7.椎名軽穂「君に届け」14巻
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…それぞれの恋を踏み出す修学旅行。いつだって、乙女は悩むもの(だと思う)。嬉しい悩み、楽しい悩み、悲しい悩み、よくわからない悩み。。。それに向き合い立ち向かう少女達の強さに、惹かれるばかりでした。






8.咲坂伊緒「アオハライド」2巻
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…2巻で振り落とされる人結構出てくる気が。でも追って味があるのが咲坂先生だと思っていますので、まだまだ追いかけます。というか単体ではすごく面白いし、良く出来てるんですよ。期待との方向の違いが、それをかき消してる。
 




9.こうち楓「LOVE SO LIFE」8巻
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…梨生ちゃんがとにかく頑張った8巻でした。こういう友達がいるだけで、すごく学校生活が楽しくなるんだろうなぁ。そして気になる双子ちゃんの未来。ホントには慣れちゃうのでしょうか。。。





10.あさのあつこ/木乃ひのき「No.6」1巻
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…原作とアニメの話題から、手に取ってみたら当たりでした!面白かったです!近未来をイメージしたディストピアもの。2巻も既に発売中、ということで手に入り次第レビューお届けします!





 粒ぞろいだけども突き抜ける感がないのは、気のせいでしょうか。その殆どが続刊となったわけですが、9月は全体的に新作のご紹介が少なかった気もします。新作ではダントツで西炯子先生の「兄さんと僕」。ゆるゆる落語コメディは、それ自体が落語っぽく読めて、本当に面白かったです。こういうノリは大好きですとも。それとアニメ化している「No.6」も面白かったです。原作の評判がスゴく良いので、続きも楽しみ。
 
 続刊では、もう鉄板ばかり。その中でも注目して欲しいのが、今回完結と相成った「フィランディア」。今年は残念かわいい女子がトレンドだったと勝手に思っているのですが、このヒロインもまたその一派。物語も綺麗にまとまっていたし、サクッと、だけどしっかり楽しめる作品でございますよー


 
■その他オススメタグを付けた作品&オススメ続刊
鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」10巻
リカチ「明治緋色綺譚」1巻
鈴木有布子「星河万山霊草紙」1巻
佐藤ざくり「マイルノビッチ」2巻
遊知やよみ「これは恋です」6巻
緋桜泉「メタモ☆レイヤーLV.0」


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2011.10.05
■こんばん輪島功一、いづきです。先月の雑記では、別フレの公式マスコット・ふれ美ちゃんについてご紹介したわけですが、はい、今月もふれ美ちゃんです。前回、そのプロフィールがなかなかぶっ飛んでいて、すごいとお伝えしたのですが、Twitterでの呟きもそれに負けず劣らず、いや、それ以上にフリーダムで面白いのですよ。というわけで、今回は別フレ公式マスコットでありえいえんの15歳でもある、ふれ美ちゃんに引き続きスポットを当ててみたいと思います。

 まずはおさらいから。ふれ美ちゃんは、女子中高生向け少女誌・別冊フレンド公式マスコットで、年齢はえいえんの15さいです(普通のトーンで紹介していいのかこれ)。15歳のじょしこうせいかと思いきや、彼女はあくまで分身(もうわけわからない設定)。肉と菓子(断じて「お肉」でも「お菓子」でもない)が大好きなぶんしんです。それと、モンハンとお寺が好きという、渋い一面も持っていたりします。そんな彼女のつぶやきは、プロフィール以上にフリーダム。ちょっとこれ公式マスコットでいいのか、というような自由な呟きに、ここ最近はずっと夢中。そんな彼女の自由さをあなたとも共有したい、ということで、一体どんなものなのか、ちょっと彼女のツイートを覗いてみましょう…
 

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Tag [続刊レビュー] 2011.10.03
作品紹介→椎名軽穂「君に届け」
9巻レビュー→爽子の告白などに関して思うことを少々…《続刊レビュー》「君に届け」9巻
10巻レビュー→ひとつの区切り、新たなスタート《続刊レビュー》「君に届け」10巻
11巻レビュー→くるみちゃんの魅力:椎名軽穂「君に届け」11巻
12巻レビュー→いやいや、あなたこそ、良いパパだっ!:椎名軽穂「君に届け」12巻
13巻レビュー→制服×海辺砂浜×二人で=最高:椎名軽穂「君に届け」13巻




1106070119.jpg椎名軽穂「君に届け」(14)


どうしよう
もう
逸らせない



■14巻発売しました。
 沖縄での修学旅行開始!楽しい時間の中で、それぞれの気持ちが動き出す…。龍が告白されたと知り、なんだかとってももやもやする千鶴。旅行直前に付き合いはじめた茂木と、微妙な空気のあやね。そして夜、お風呂上がりに会った風早と爽子がどきどきの急接近!?
 
 
~開放的な空気の中、動き出したそれぞれの恋~
 14巻です!修学旅行です!ということで、何か起きないわけがない、少女マンガでの修学旅行。爽子に千鶴にあやねに、それぞれ異なった恋愛の立ち位置から、それぞれに思い悩んだ回でした。いつもは何かに絞ってレビューをお届けしているのですが、今回は三者三様の恋模様を追いかけてみようかと思います。


~初々しい青春模様を繰り広げる爽子~
 まずは爽子。最も遅れをとっているスタート地点とは異なり、気がつけば自分が一番幸せで進んだところに居て…ってのは結構見られがちなパターン。既に盤石の状態にある風早くんとの関係で、次に来るのは当然のことながら恋人同士のわかりやすいステップアップ…そう、キスです。むっつり評価のある風早くん、二人きりになれば意外と手が早そう(←偏見)ではあるもの、修学旅行って恐ろしい程団体行動なんですよね。個人的には、修学旅行で恋人同士の愛情が深まるなんてのは、基本的に都市伝説だと思ってます。当然のことながら、風早くんも爽子と二人きりなんてなれやしません。それでもやっとこさ巡ってきた大チャンス。人気のない廊下、好きな子と二人きり、しかもお風呂上がりで髪の毛からはすっごくいい匂いがするはずです(これ重要)。火照った体が、心と共に余計に火照る。そして…ついにキ…
 
 
君に届け14-1
スうわあああああ


 残念ながらファーストキスはお預けとなりました。この後二人は、お互い部屋に戻り、その時の感触を確かめます。唇でなく、その前に触れた頬と手の。胸の高鳴りと、ちょっとの感触を残し、それを噛み締めての終幕。この初々しさがなんとも…!いきなりキスには行かずにその手前ですん止めして、もう一度おいしく頂く。恋の階段をゆっくりゆっくり昇るその姿を描くこの物語ならではの、素敵な描き方だったと思います。キスなんてした日には、パパの顔はもちろん、ママの顔さえ見れないことでしょう(なぜかレベッカ締め)
 
 
~ベンチに座ったその距離が、今の二人の心の距離~
 さて、今回爽子と同じくなんだかとっても甘酸っぱい青春模様を繰り広げていたのが、千鶴。こちらは自分の恋心が、というよりはもっと別のところを契機として、相手を意識することになりました。龍に起こった思わぬ告白劇。彼女の心に渦巻いたのは、一体なんだったのでしょうか。兄妹、幼なじみ的な感覚から来るもの?それとも…得体の知れない感覚に、彼女自身も戸惑います。そして訪れる自由行動の時間、龍は千鶴の顔を見ることもなく、落ち着いた口調でその想いを告げることに。結局これが結果に繋がることはありませんでしたが、これから先進んでいくにあたって、大きなターニングポイントとなるのは確かでしょう。ここでとても印象的だったのが、その二人のベンチでの距離…
 
 
君に届け14-2
 直前まで間にジョーがいたため、このような座り位置となったわけですが、これがまさに今の二人の心の距離を表しているような気がしてならなかったのです。この直前のお話は、先述の爽子と風早のキス未遂事件。その時二人は、動いたらぶつかるような距離で座ってしまい、あのような形になるのですが、同じ“座る”というパターンを用いての対比に見えるんですよね。言ってみればこれはスタート地点。ここからだんだんと距離を縮めていけば良いのです。多分なんだかんだでにやにやほっこりできるのは、この二人の恋模様なんじゃないかと思うのです。



~目下最大の注目の的・あやねのお相手は?~
 さて、お待たせしました。やっとのことであやねです。14巻はまさにあやね回と言っても過言ではないほどに、彼女中心に物語が描かれました。自分の恋愛観と、絡まる複雑な糸。彼女だけ、爽子や千鶴とは異なる世界で恋愛をしているようです。住処としては、「君に届け」よりもむしろ前作の「CRAZY FOR YOU」の方がしっくりくるような印象があります。
 
 そして気になるのは、誰が相手本線に躍り出るのかって話ですよ。茂木くんは畜生っぷりを見せつけて早々に脱落し、恋の匂いを残しつつなのが、ピンとケント。うーん、究極の2択(笑)どうも周りのブログとかを見ていると、ピンとくっついてもらいたいという声が大きいみたいなのですが、個人的にはケントの方がちょっと病的で好きかなぁ、と。というのも、あやねに感じる「CRAZY FOR YOU」の匂いから、なんとなく軽度の相互依存的な関係が結末としてイメージできるというか。ピンは今までも、そしてこれからもあやねに頼ることってないような気がするんですよね。あれだけ生徒達の領域に介入しておきながら、ちゃんと一線は引いている。それを越えて、ピンが彼女を受け入れるかってのが、ちょっとまだ想像できないのです。それにケントはそろそろ幸せになっていいはず(彼の貢献については、前巻レビューご参照)とはいえ結局決めるのはあやねです。今回浮き彫りになったあやねの恋愛の弱点は…


君に届け14-3
「自分から好きになったことがない」ということでした。このマイナスを埋めることが出来るのは、愛情を注いでくれる存在ではなく、愛情を注げる相手が登場すること以外にありません。そうした時に、既に愛情注ぎまくりのケントはどう見たってそれを埋めるキャラにはならないような。そして残るはピンに…。でも確かに、普通にあやねが同級生の男の子に夢中になるって、これまた想像つかないんですよね。そうすると、やっぱりピンか。最初はジョーがそういうポジションに来そうだったのに、やっぱり彼ではちょっと足りませんでした。そして残ったケントはくるみちゃんを幸せにしてもらいましょう。てかそれぐらいしかもう、くるみちゃん登場しなそうだよ…


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Tag [続刊レビュー] 2011.10.02
作品紹介→鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」
4巻レビュー→花ゆめで今一番ラブでコメしてるのはこの作品に違いない《続刊レビュー》「神様はじめました」4巻
5巻レビュー→天狗の鞍馬はいらない子じゃなかった!《続刊レビュー》鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」5巻
6巻レビュー→神様ではなく、あくまで女の子として:鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」6巻
7巻レビュー→求める裏にある、奈々生の悲観的な未来観測:鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」7巻
8巻レビュー→ただただ純粋に想い続ける姿が、本当にかわいい:鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」8巻
9巻レビュー→隠しきれない喜び方にニヤニヤ:鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」9巻




1106069818.jpg鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」(10)


巴衛の背中が温かくて気持ちよくて
なんだか幸せな気分になった



■10巻発売しました。
 天狗の里で跡目争いに巻き込まれた奈々生たち。鞍馬の父・僧正坊に霊薬である桃丹を渡すため、協力な結界に包まれた本家道場内へ潜入を試みる!その作戦前夜、巴衛と奈々生が相部屋でお泊まりすることになり、まさかのドキドキ急接近!?

 
~一つの視点からしか見れない巴衛~
 10巻の大台に乗りました。ここまで続くなんて…というくだりは毎回書いている気がするので今回はさすがに割愛ですよ。でもやっぱりここまで続くなんて、嬉しい限りです。というわけで前巻から続く、天狗のお山編(勝手に名付けた)が一件落着しました。
 
 さてさて、今回はなぜだかモテモテであった奈々生。一方通行の巴衛への愛情ばかりが描かれていた彼女ですが、今回独り相撲感が強まったのは、奈々生ではなくむしろ巴衛の方でした。もうしっかりと、自分の中に芽生えた想いを自覚しているというのに、素直になれないあまのじゃく。奈々生と対峙すると、どうしても意地悪で興味無さげなことを言ってしまうのです。ここで不思議なのが、なんでここまで巴衛が奈々生に好きだと言えないのか。別に相手の気持ちが分かっていないわけではありません。今までも、そして今回も、イヤと言うほどに奈々生の好きだという気持ちはは巴衛に伝わっています。意地悪なことを言われれば…
 
 

神様はし#12441;めました10-1
こんなにだってしょげるし、ハプニングから酔っぱらっていつも以上に素直になれば、



神様はし#12441;めました10-2
好きだってちゃんと伝える。

 
 この素直さ、巴衛とは正反対です。もう何度となく同じことばっかり書いているのですが、これだけ自分の「好き」という気持ちに素直になって、そのまま言葉に出せるヒロインの素敵なこと素敵なこと。白泉社花とゆめには、やっぱりあんまりいないタイプのヒロインさんなんですよ。良い意味で恋愛体質というか、恋愛に置くウェイトが大きくて、かつ明るく積極的。思考はちょっとネガティブだけど…あ、多少の諦めがこれほどまでに積極的にさせているってのもちょっとはあるのかもしれませんね。振られた前提で「好きだ」と言うのは、すごく楽ですから。これがこれから、不意に巴衛がまんざらでもない態度見せたら、逆にすごくどぎまぎしそう。でも根がポジティブでちょっと考えない子ってイメージなので、すぐに好かれてる前提にシフトして、暴走→うざがられる→ショボン…ってパターンを辿りそうです。
 
 そんなわけで、立場的には非常に優位にいるはずの巴衛、もう巴衛が言っちゃえば全部終われるのに、そうしないのは編集部的な事情…ではなく、巴衛自身にあります、多分。今回彼の、奈々生にとっての自分、奈々生に対する自分についての認識が明らかになるのですがそれが意外で。
 

神様はし#12441;めました10-3
黙って俺に守られていればいいのに…
俺がしてやれることは
それしかないのだから



 「自分にしてやれることは、守ることしかない」…神遣である以上、神様のためになること=守ることという発想に辿りつくのは当然のことなのですが、これが結果的に彼の首を絞めているのでした。奈々生は守って欲しいなんてことは言っておらず、どちらかというと欲求は「触れて欲しい」とか「好きになって欲しい」とか。でも巴衛は、未だそこへ行けずに「守る」という所にこだわったまま。だからこそ、他の神遣が現れれば全力で不機嫌になりますし、守れなかったらとことん落ち込む。今回の天狗のお山では、巴衛自身が奈々生を「守る」ことは殆どできず、天狗の二郎の前に力の差を見せつけられることに。奈々生の思うようにして欲しいと思っているにも関わらず、彼女自身が最も望む巴衛との幸せな結末へと一歩踏み出すことができないのは、全て「守る」という価値観で物事を捉えているからかもしれません。変わるべきは、巴衛。11巻以降、意識の変化が現れることを期待したいと思います。


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Tag [続刊レビュー] 2011.10.02
作品紹介→ *新作レビュー*こうち楓「LOVESOLIFE」
2巻レビュー→詩春が魅力的すぎてDHCのCM状態になっている《続刊レビュー》「LOVE SO LIFE」2巻
3巻レビュー→子供と過ごす、季節の行事 《続刊レビュー》こうち楓「LOVE SO LIFE」3巻
4巻レビュー→友情よりも、子供よりも、恋愛が見たいんです!:こうち楓「LOVE SO LIFE」4巻
5巻レビュー→変わらない中、変わってくものもあるから:こうち楓「LOVE SO LIFE」5巻
6巻レビュー→行ってみたいです…。←この“…”が大事:こうち楓「LOVE SO LIFE」6巻
7巻レビュー→女の子がそれぞれ違うベクトルで頑張ったのです!:こうち楓「LOVE SO LIFE」7巻




1106069781.jpgこうち楓「LOVE SO LIFE」(8)


離れたって
ずっと大好きだよって
伝わるように



■8巻発売しました。
 夏休み後半は、松永家と一緒におでかけ続き☆でも、松永さんといるとドキドキする詩春の気持ちは複雑で…。一方こちらもドキドキなのは、たける君にキスして告白した梨生。想いは伝わったけど、結果はどうなる!?そして迎える修学旅行、行き先は北海道!双子のために携帯を買うが、松永さんとも合えない寂しさに気づき!?
 

~勢いで実らせる恋もある!~
 8巻発売でございます。前回衝撃のキスで幕を閉じたわけですが、盛り上がりそのままに8巻スタートということで、非常によろしい(謎の上から目線)。梨生ちゃんの一世一代の大告白ということで、成功して欲しいなぁ、と思っていたのですが、付き合った相手をふったらふったでたける君の男度が若干下がる気も…。結果ですが…
 

lovesolife8-1.jpg
梨生の恋、成就です!


 おめでとう!これは心から、素直におめでとうと思えました。脇役の明るい恋愛模様って、ただただ元気づけられるというか、それだけですごく幸せな気分になれるんですよね。恐らくこの二人は、ちょくちょく喧嘩して詩春にも迷惑かけるカップルになりそうですが(笑)ひとまず今は、付き合いたてのラブラブっぷりで周りの空気を明るくして欲しいです!
 
 しかし強引なキスで彼女持ちの男の子を振り向かせるなんて、大胆な!ここでしっかり成就したのと、ついこの間見て来た映画版「モテキ」の影響もあって、「強引にキスしたら意外といけるのか…?」とかおかしなこと考えるようになったのでちょっと改めたいです。誰か訴えられる前に諭してください。イヤまじで、「モテキ」後にこれ読んで連続して強引キスパターンだったので、もうちょっと変な感じになってます、はい。


~修学旅行でまさかのごちそうさまです~
 変な感じになったついでに、こんな嬉しいシーンの話も。修学旅行ということで、ラブソラ的には珍しい、学生生活モード一色なお話の展開に。そこまで男の子と仲良くない(と思われる)詩春ですから、終始女子と行動。もちろん旅行先の名所を楽しむのも良いですが、一番の楽しみはクラスメイトと過ごす時間そのものが楽しいわけで、移動にご飯に…
 

lovesolife8-2.jpg
脱衣所サービスシーン


 なんとまさかのサービスカット。いや、花とゆめでサービスカットっておかしいんですけども。前回水着でサービスカットを披露した詩春は、今回後方に控えて露出少なめ。とはいえその他の女の子たち(主に梨生)のはしゃぎっぷりがなんだか微笑ましい。こういう場所でのやりとりって、当たり前ですが男からすると全くもって未知の領域ですので、「こういう話してるのかー」とかなんだか見ちゃいけないものを見たというか、見れないものを見れて得したというか、なんだか色々な感覚が混じってとりあえず良かったという(結論が平易)。幻想だ!とか言われたら、それはそれで。あ、でも雪奈ちゃん(苗字わからん)が上下セットの黒下着でしたが、女性って上下セットの下着ってそんなに多くないんじゃないんですか?やっぱり一応修学旅行ということで、人に見せられる下着で来るのでしょうか。とかどうでも良いし、知っていてもどうにもならんことがただただ気になったり。もうほんとしょうもないな、今回の自分の感想…。


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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
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売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。