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Tag [続刊レビュー] 2010.07.19
作品紹介→葉月かなえ「好きっていいなよ。」
3巻レビュー→根暗と幼女とヤリマンと・・・ 葉月かなえは計り知れない 《続刊レビュー》 「好きっていいなよ。」3巻
4巻レビュー→まだまだ幅を見せつける,どんどん面白くなる 《続刊レビュー》葉月かなえ「好きっていいなよ。」4巻
関連作品レビュー→葉月かなえ「堀高ハネモノレンジャー」 葉月かなえ「あれもしたい、これもしたい」



1102940341.jpg葉月かなえ「好きっていいなよ。」(5)


自分で自分の首を絞めるなんて
悲しいじゃないか



■5巻発売です。
 学校一のモテ男・黒沢大和と付き合いはじめて、しばらく経つ。お互いの想いを確認し合って、ラブラブな二人だけど、めいはまだまだ自信が持てない。読者モデルのめぐみも未だに大和を諦めていないし、同じ高校に入学してきた大和の中学時代の親友・海も、次第に二人の関係に影響を与えて…。めいも、大和も、みんな必死で精一杯な、ドキドキの第5巻、登場です。
 
 
~めぐみちゃんが素敵に映った~
 久々の5巻。やっぱり良いですねー。大和は相変わらずのモテっぷりで、競争相手はいなくなりません。今回は、かつての愛子を凌ぐほどに、読者モデルのめぐみがダークサイドを見せて物語を盛り上げてくれました。えーと、そうですね…私ああいうライバルキャラ大好きなんですよ。もう今回のめぐみさん、ホント素敵やなぁ、と。性格悪くてカワイイから好きってわけじゃなく、己のコンプレックスを自覚して、それを克服しようと努力するようなキャラが好きなんです。そしてこの作品には、コンプレックスを自覚した後、それを克服するために努力をし、生まれ変わったキャラが沢山登場します。
 

~努力と苦労を重ねて生まれかわった脇役たち~
 まずは海。彼は中学時代、線が細く虐められていた経験がありました。そんな彼を虐めた人間に復讐をするため、体を鍛え逞しく生まれかわりました。

好きっていいなよ5-1
元々勉強は得意でなかったのかもしれませんが、それでも受験勉強が疎かになり浪人してしまうほどに、トレーニングに勤しんでいました。それが大きな自信となり、今の彼の姿があるのです。

 
 続いては、かつてのライバル・愛子。今でこそスレンダー美女の愛子ですが、かつてはかなり太っており、化粧も厚塗りの今以上にケバい容姿をしていました。それが男にふられ、自分の容姿の悪さを改めて自覚。その克服と、大和へキレイになった姿を見てもらいたい一心で、体重を2か月で17キロも落としました。この歳でのダイエットって、かなり大変なことです。それを見事に遂行し、生まれかわった愛子さん。彼女もまた、想像以上の努力を重ねて今を手に入れた苦労人なのです。


 そして今回の、めぐみ。その名が表しているように、生まれながら恵まれた容姿・環境で育って来たのかと思いきや、彼女の回想シーンによって、昔は貧乏な家に生まれ、みすぼらしい格好をし、周囲から虐められていたことが明らかになりました。彼女もまた、努力と執念によって、己を磨き、今のポジションを手に入れた努力人なのでした。
 

~努力したからこそ、生まれる想い~
 そしてそんなめぐみは、大和と付き合っている冴えないめいに対して、こんな想いを抱いていました…
 

好きっていいなよ
どうして努力してかわいくなった
あたしや愛子さんが選ばれないで
努力もなにもせず
いつまでも地味で冴えない橘めいが
選ばれなきゃならないの



 すごくよくわかるんですよ、努力でコンプレックスを克服して、でもそれが思っていた形で幸せを呼び込んでくれなくて悲嘆にくれたり、努力もしていない人間が幸せを手にして苛ついたりする気持ち。努力を重ねているからこそ、何かしらの結果が出ればそれは自信になり、やがてそれはアイデンティティへと変化していきます。だからこそ、視点はその土俵で固定され、そこに上がってこない、ないしそこで結果を残せていない相手を見ると、苛立つ。ましてや自分が手に入れたいものを、そいつが手に入れていたら、そりゃあムカつくじゃないですか。実はめぐみと同じようなことを、愛子もまた考えていたのでした…


好きっていいなよ5-3
努力もせずになにかを得ようとするやつは
認めない



~葉月先生が込める想いとは~
 驚くほどに、努力をしてコンプレックスを克服する脇役が多いのにも関わらず、ヒロインはその逆を行くようなキャラクターとなっています。実は葉月先生は、過去にイジメを受けていた経験や、太っていてダイエットに成功した過去を持っており、どちらかというと脇役たちに近い側にいた方でした。それでも彼女たちとは違う生き方を、ヒロインにさせる。その意図は、いったいどういったものなのでしょうか。どちらが正しいなんてことはないのでしょうが、ヒロインのような生き方に、何かしらの可能性を見出そうとしているような、そんな気がしてきます。でもむしろリアルなのは、愛子や海や、めぐみの心情で、だからこそ私は彼女たち、彼らに強く惹かれてしまうのです。メンタリティ的には、めぐみちゃん、海と合いそうな気がするんだけどなぁ。高確率でそっちの方向に流れそうな気がする。うん、6巻楽しみですね。


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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
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王国の子
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シリウスと繭
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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