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Tag [続刊レビュー] 2010.07.25
作品紹介→高梨みつば「紅色HERO」
16巻レビュー→カナコと嶋の、ベタで素晴らしき師弟関係《続刊レビュー》高梨みつば「紅色HERO」16巻
17巻レビュー→のばらにとってのバレーボールの在り方の変化:高梨みつば「紅色HERO」17巻



1102940395.jpg高梨みつば「紅色HERO」(18)


みんなの手をにぎって
春高へ



■18巻発売です。
 突然の大事故で意識不明の重体になってしまった祐信。あまりのショックに、のばらは立っているのもやっとの状態。数日後に始まる、春高の予選の出場も危うい。そんな彼女に、圭介は発破をかけるも、反応は薄い。けれどもカナコの熱い想いに動かされ、春高目指して戦ってきた仲間のために、試合に挑むのだが。


~ちょっと追いかけるのがしんどく…~
 前巻でかなり厳しかったのですが、そろそろ限界かもしれんです。もうそこには、スポーツ漫画の欠片はありません。いや、あったとしても、それはヒロインにではなく、カナコあにあるぐらい。バレーと恋愛を、祐信との約束のもとにセパレートして挑むはずだったのですが、祐信の事故によってそれが完全に一緒にされてしまいました。そこにあるのは、精神的にボロボロのヒロインと、体の動くことのない祐信。またヒーロー像とのばらに求める圭介と、そんな彼に積もった想いを爆発させる桜坂先輩。チームの軸となるべき選手達で、純粋に春高に気持ちが向いているのは、唯一カナコぐらいでしょう。コーチの嶋は、「迷いがあるようでは春高には出れない」と言っていたはず。うーむ、これで春高出場しちゃってもなぁ。。。


~ヒーローとしてののばらはどこへ?~
 ぼろぼろになったのばらに対し発破をかける圭介に対し、桜坂先輩は「のばらは普通の女の子だよ?」という忠告をします。確かにそうなんです、ただそれは、恋愛に関しての話。それはあくまで一面であって、バレーボーラーとしてののばらは、決して普通の女の子でカテゴライズできるようなヒロインではなかったはずです。というか、バレーボーラーとしてののばらは、ヒロインではなくむしろヒーローに近い存在と言えるでしょう。それを端的に表しているのが、作品タイトルであるわけで。この作品はそもそも、女の子(ヒロイン)としてののばらと、バレーボール選手(ヒーロー)としてののばらという二面が、主人公の中に内在していて、そのバランス感がそのときどきの物語の印象を変化させてきました。その割合における、ヒロイン要素が巻を追うごとに増えていき、また相手役となる祐信も、のばらのヒーロー性ではなく、女の子としての部分を肯定することでのばらの心を掴みました。段々と薄れていった、のばらのヒーロー部分が、この事故によってすべて飲み込まれようとしている感を受けるのです。それが、ヒーロー面を楽しみにしていた者にとっては、かなりつらい。恋愛に於いても、土台となっていたのはバレーボールであるはずなのに、気がつけばその配置が逆に。うーん、19巻どうなるのでしょうか。多分矢部商業との対戦で春高出場決まってラストみたいな感じになりそうですが、そこにスポーツ漫画の要素はあるのか。


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カテゴリ「別冊マーガレット」コメント (1)トラックバック(0)TOP▲
コメント

はじめまして。
紅色HERO全巻みました!
20巻まで!!
この漫画のおかげで夢が出来ました
それは、バレーボール選手です。
新しい夢をありがとうございます。
これからもがんばってください
From: 平岡はずき * 2012/05/05 15:17 * URL * [Edit] *  top↑

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