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Tag [新作レビュー] 2010.08.15
1102949833.jpg藤原晶「ロストガールは恋をする」(1)



自分がどうしたいかわからない?
自分で住むところも決められないヒト?
バカなの?



■ヒロミは平凡な家庭で平凡に育てられた、ごくごく普通の女子。中小企業で普通に働きながら、普通に幸せになりたいと思っている。孤立を恐れる彼女は、同僚で個人主義を貫く変人・勝馬幸宏が大の苦手。ところがそんなある日、見つけた下宿に引っ越すと、そこには彼の姿が。なんと下宿先は、勝馬家だったのだ!やたら童顔でかわいらしいお母さんに、勝馬の双子の弟でとっても人懐っこい高宏くん、そして家でも相変わらずの幸宏。最初はどうなることやらと思っていたけれど、料理も出来るし振る舞いもキレイな幸宏との生活は、実に快適で…!?

 藤原晶先生の新作でございます。藤原先生の作品を読むのって、これが初めてだったりします。いつも表紙とかタイトルでスルーしていたのですが、今回はスッキリとした表紙に帯で、買ってみようかなぁと。物語のヒロインは、ごくごく普通の家庭に育てられた、ごくごく普通のOL・ヒロミ。母に昔から、普通の男と結婚すれば幸せになれると言われ、いつも「普通」を理想に置いてきたものの、なかなか理想通りの男性は現れず。それもそのはず、普通って、意外と難しいのです。そんなある日ヒロミは、今と同じ家賃で、倍の広さの部屋に住める下宿先を発見します。とりあえず様子見…とその下宿先に向かったヒロミでしたが、そこには何故か同僚で仕事は出来るが変人と噂の勝馬の姿が。そんな彼に、「自分の住みたいところも自分で決められないのか」とけしかけられたヒロミは、勢いで居住を承諾。勝馬と、その双子の弟、そして二人の母と、あわせて4人での生活がスタートします。



ロストガールは恋をする
仕事をバリバリこなすといっても、スパービジネスマンという様相ではなく、どちらかというとゆったり風流な生活を送る方。しかしそれでも、現代社会においてはなかなか浮くもので。


 一緒に住むという触れ込みから、二人で同居するのかなと思いきや、下宿でしかも相手の母までついているという変わった状況に。しかしながら、その環境が、面白い。とことん客観をベースに考え、普通を追い求めるヒロインに対して、とことん主観をベースにして、我道をゆく勝馬。料理上手というところや食べ方がキレイだとか、含蓄があるという面では、それだけでも十分に魅力となるのですが、彼はかなりの変わり者であるわけで、直接コミュニケーションしているだけではすれ違いが多発してしまいます。価値観の相違は致し方ないものの、二人の場合はそこに差がありすぎるため、中継者が必要となってくるのです。その役目を務めるのが、勝馬家の母と、勝馬の双子の弟。その考え方はやはり勝馬家ベースであるものの、一般的な感覚を持ち合わせている部分も多く、ヒロインにとって大きな手助けとなります。
 
 自分の頭で何が正しいのか考え、自分のしたいことをする。何一つ自分で決められないヒロインにとって、そういった存在は衝撃でもあり、そしてやがて魅力的に映ってきます。しかし優柔不断さが災いし、想いとは裏腹にあらぬ方向にいってしまったり…。一方の勝馬は、自分自身も含め人の気持ちに対してはかなり疎く、相手の意図や欲求を汲み取れない人間。ですからヒロインがそういった気持ちを持っても、なかなか気がついてくれません。そのため、二人の歩みはレーベル的に見ると比較的ゆっくり。序盤もお互いの考え方や、生き様を説明するためにあったという感じで、ロマンチックさはあまりございません。その分コメディとしてはしっかり成り立っており、楽しさはあるわけですが。一対一で完結するのではなく、異世代を巻き込んでの物語展開であるので、当然話も広げやすいし転がしやすいわけで、退屈せずに読み進めることができました。また全体的に、ありがたい言葉や教訓などが点在。読んでいて思わずメモしたくなるようなものも結構ありました。


【男性へのガイド】
→これから先、プチコミ展開になりそうではあるものの、1巻時点では肩肘張らずに見れるコメディ昼ドラみたいな感じで、レーベルの割に読みやすい部類には入るのだと思います。ヒロイン、苛つく人もいるかもしれませんが、振り回されおののく姿はなかなかかわいらしいですよ。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→納得の出来。テンプレなぞるのではなく、オリジナル感たっぷりで進めてくれるので、飽きずに読むことができます。


作品DATA
■著者:藤原晶
■出版社:小学館
■レーベル:プチコミフラワーコミックス
■掲載誌:プチコミ
■既刊1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazonbk1

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