
俺はお前に決めたから
お前は俺がいいと言うまで俺のために尽くすんだ
■別次元の国「ガレリア」。そこでは、人間界の「時間」がエネルギーとして利用されている。国民の消費する「時間」を賄うため、国家の秘密機関は"Clock"と呼ばれる者たちを派遣し、人間たちのいらない時間を収集している。また、Clockが人間界で活動するに際して、ランダムで人間のパートナーが選ばれる。そんなClockの一人、ルアルグのパートナーとして選ばれたのが、至って普通の高校生・啓太。その日から、それまでの平穏な毎日は一変、ルアルグの「時間」集めに振り回されることになる。
"Clock"のルアルグと、そのパートナー・啓太が、時間集めに奮闘する姿を描いたファンタジーです。国のエネルギー確保のために「時間」を収集するClock。しかし勝手に時間を奪うことは出来ず、相手の同意が必要になります。ところがClockの姿はパートナーにしか見えません。そこでパートナーがClockに代わって相手と交渉し、時間を収集することになります。双方同意の上ということで、奪うのはあくまで「いらない時間」。さながら、悪夢を食べてくれる貘のような存在と言えるかもしれません。
Clockが狙うのは、いらない時間がたくさんある、悩みを多く抱えた人。そのため話は展開させやすいでしょう。いらない過去を消す、いわゆる「たられば」を実現させるという発想は、いかにもファンタジーらしくて素敵。しかしそこだけに終始するわけではなく、いくつかの要素を織り交ぜながら話を展開させます。
とはいえパートナーに何の旨味もない関係を、こんなにも簡単に受け入れるものなんですかね?やらなくちゃ死ぬとかっていう強い強制力も働いていないみたいですし、その辺は少し腑に落ちないところではあります。
【オトコ向け度:☆☆☆ 】
→オトコ向き、というわけではありません。とはいえ男性が好みそうな要素もチラホラある気が。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→設定はおもしろいと思いますが、全体的にちぐはぐな印象。特殊な設定の話は、それこそ徹底的に詰めていかないとしんどくなってしまいます。
作品DATA
■著者:芹川豆 作者サイト→「BM」
■出版社:一迅社
■レーベル:ZERO-SUMコミックス
■掲載誌:WARD(平成20年No.2~No.6)
■既刊1巻
■定価:円552+税
■Amazonで購入する