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Tag [新作レビュー] 2010.09.23
1102949771_20100923214634.jpg坂口よしを「地獄ヤ変」(1)


あたしは
戒も天星さんも信じる



■明治黎明期、東京。仕えていた主人を亡くした少女・お玉。主人を亡くした悲しみから、未だ立ち直れずにいるところに、ある日“地獄”と呼ばれる男・鉄戒が現れる。彼がお玉に見せた紙には、「鉄にお玉を引き取ってもらう」と書かれており、その日から彼と一緒に暮らすことに。さらに戒を追って、赤月天星という男も現れ、お玉の生活は一気に変化していく。どうやら戒は、天星に狙われているようだが…!?

 不老不死をもたらす存在・“水”を巡る、禁忌のダーク・ファンタジーでございます。物語の主人公は、仕えていた主を亡くした少女・お玉。これ表紙に載ってないので、わかりにくいですよね。彼女は裏表紙にいます。さて、そんな彼女の前に、突然現れたのは、2人の男。まずは、彼女のことを引き取りに来た、鉄戒という男。現れ引き取るなり、「何があっても必ず側にいて、お前も守ると約束した」などと言ったり、よくわからないながらも大切にしてくれることを窺わせてくれます。そしてもう一人は、戒を追って来た、爽やかながらどこか胡散臭い青年・赤月天星。彼の狙いは、戒なのですが、その先にいる、お玉にも興味があるようで。というのも、お玉にはとある秘密があり、それを巡ってこの2人の男が動いているのでした…というストーリー。


地獄ヤ変
不老不死・自分は妖怪であるということを聞かされ、戸惑うお玉。今の自分を受け入れてくれる戒と、天星と共に、少しずつ自分の存在というものを受け入れていくようになる。


 いきなり2人の男に狙われる(欲される)という、急展開なのですが、物語の進行と共に、全貌がわかりはじめてきます。まずお玉は、飼い猫と融合して妖怪になってしまい、そのせいで歳をとらなくなってしまいました。また同時に、彼女が生きていく以上、誰かの生気を吸い続けないといけません。その力の源となっているのは、不老不死をもたらず“水”というものなのですが、赤星天星はその水を欲しがっています。また戒は同じく、“地獄”という存在との契約者で、不老不死の身。彼がなぜ天星から狙われているのか、またお玉をそこまで庇うのかは明らかになっていませんが、彼の不老不死である体は、生気を吸い取りつづけるお玉にとって、助け舟的存在になります。物語は、やがて彼2人の他にも“水”を狙いにくる輩との対立を描いていったり、妖怪という面から、アクションファンタジーの様相を呈していったりと、なかなか見応えのある展開をなっていきます。
 
 ヒロイン自身は完全に巻き込まれ。特に何をしたいという意思があるわけではないのですが、水の持ち主であるということ、また生気を吸い取らないと生きていけないということから、戒と離れることができないという状況を作り出しています。またそんな戒は、天星に狙われており、水の持ち主であることから唯一天星に要求をすることができる自分が、戒の側にいてやらないといけないという意思も発生。狙い狙われあっている3人が、一緒に生活するという、なかなか奇妙な状況に。これが結果として、物語に動きを与えるわけで、上手いなぁと思わされます。展開早めのファンタジーがお好きという方は、結構好きかもしれないですね。
 

【男性へのガイド】
→ヒロインのかわいらしさは一縷の望みか。物語的にも、ちょっと前の妖怪ファンタジーっぽくて、物語の全体像を意識しなければ楽しめるのかもしれません。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→全体像が見えないため、スッキリしない感が。ただそれが良いという考え方もあるわけで、難しいところ。とりあえずお玉かわいいです。


作品DATA
■著者:坂口よしを
■出版社:秋田書店
■レーベル:プリンセスコミックス
■掲載誌:プリンセスGOLD(連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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