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Tag [続刊レビュー] 2010.09.23
作品紹介→高屋奈月「星は歌う」
6巻レビュー→ユーリがやってくれました《続刊レビュー》高屋奈月「星は歌う」6巻
7巻レビュー→傷を抱え寄り添う者たち《続刊レビュー》高屋奈月「星は歌う」7巻
8巻レビュー→辛気くさい空気が一変、突如として青春ラブコメに!:高屋奈月「星は歌う」8巻



1102957383.jpg高屋奈月「星は歌う」(9)


好きになってくれて
ありがとう



■9巻発売です。
 センター試験の出願が近づき、、卒業後の進路について語り合うサクヤたち。サクヤがユーリに、どこの大学に行きたいのかと尋ねても、返事は先延ばしにされるばかり。そんな中、家族と進路を反対されて悩むユーリは、サクヤと千広の間に漂う親密な空気にも頭を悩ませていた。しかし、残り時間はあと僅か。ユーリは心を決めて、サクヤに自分の思いを伝えるが…!?それぞれが、進むべき方向を決める、待望の第9巻、登場です!
 

~ユーリの告白~
 帯にデカデカと「ユーリ告白!?」の文字が。ええ、突然すぎませんか!?なんて思いつつも、物語ではすでに高校3年で受験勉強まっただ中。残り時間は少なく、またサクと千広の関係が目に見えて親密になっていく中、少しの可能性を見出すのなら今しかないと、飛び込んでいったのでしょう。結果はあの通りですが、告白一つでも、数話をかけて、サクとユーリの関係性を余すところなく描き出したというのは、嬉しかったしすごいな、と。鬱鬱とする展開が多かった序盤から中盤、変わることなく明るく輝き続けてくれたユーリは、本当にこの物語に欠かすことができない存在でした。サクヤは彼のことを「お日さまみたいな人」と形容していますが、本当にその通り。暗い陰を持つ、星たちが輝く前の真っ暗な空を、一人で明るく照らしてくれました。でも、太陽だからこそ、一緒にはいられない。孤独の星(アルファルド)と形容される千広にこそ、サクヤは惹かれるのであって、「お日様のよう」という形容は、同時にこの物語では、可能性がないことを暗に表しているようなものでありました。太陽もアルファルドも、同じ恒星なのですが、太陽は少し近すぎたのかもしれませんね。


~せーちゃんテッカテカ~
 さて、今回はユーリに一つの答えが出ましたが、前回すでに答えが出た、せーちゃんが9巻ではテッカテカしてます。もう以前のように、いや前以上に、絶好調。今回は、せーちゃんがせーちゃんじゃないシーンが全くありませんでした。どこまでもせーちゃん様。ユーリ相手だと、やっぱり俄然輝きますね。
 

星は歌う9-1
てかてかしてますよ、てかてか。
 
 
 フラれた直後のユーリの家に、わざわざ押し掛けたり、家に呼んだり。コレってやっぱり、せーちゃんなりの慰めなんだと思います。いや、楽しんではいると思うのですが、趣味と実益を兼ねるみたいな。サクヤに想いを伝えた以上、サクと千広との関係は今までとは異なったものに、変化せざるを得ません。また進路の問題から、兄と祖母との関係にも、若干の変化が。そんな目まぐるしく周囲との関係性が変化していく中、変わらずいつも通りでいてくれるせーちゃんというのは、ユーリにとって結構大きなことなんじゃないのかな、と。どんな時も不変である関係性というのは、それだけで心強いです。たとえ弄られたり罵倒されたりしたって…(きっと)。


~サクの他人との物理的距離感がどんどん近くなっていくような~
 いきなり話は変わりますが、ここ最近のサクの変化はなかなか…。メンタルももちろんそうなのですが、目に見えて、他人との距離感が近くなったような。もちろん物理的な意味で。先のユーリとの一件でも、かなり近くてドキドキしたのですが、今回はなんといっても千広との距離が…。特にこっそり屋上に2人で忍び込んだときとか…
 
 
星は歌う9-2
近い!近いよ!


 この距離感はヤバい。すっぽり収まるサクの、この無防備な表情がまた。直前までは、顔を赤らめていたりしてたのですが、その時よりもなんかドキドキします。結局このあと、千広は自分なりの答えを見出し、全員がひとまず自分の進むべき道を見出すのですが、ラストにまさかの大どんでん返し。読んでいて思わず「えええええええええええええ」と。この、このラストはずるくないですか。恐らくこの一件が、物語の最後の山となりそうですね。果たして千広はどんな決断を下すのか、引き続き目が離せない展開となっていますよ! 


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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
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王国の子
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レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
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レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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