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Tag [続刊レビュー] 2010.09.26
作品紹介→椎名軽穂「君に届け」
9巻レビュー→爽子の告白などに関して思うことを少々…《続刊レビュー》「君に届け」9巻
10巻レビュー→ひとつの区切り、新たなスタート《続刊レビュー》「君に届け」10巻
11巻レビュー→くるみちゃんの魅力:椎名軽穂「君に届け」11巻



1102960189.jpg椎名軽穂「君に届け」(12)


…立派になんてならなくてもいいんだ
健康で
楽しく過ごせればそれで…



■12巻発売です。
 高2の夏、おつきあいすることになった爽子と風早。爽子は、わからないなりに、「彼女」が何をするのか考えたりする毎日。夏休みに入っても、講習で学校では会えるけれど、それ以外でも会いたいし、会えば近くにいたい。止めどなく溢れてくる感情に、戸惑いながらも爽子は…。そんなある日、風早と一緒に帰っているところで、お母さんに偶然出会ってしまう。その流れで、何故か風早くんが爽子の家でご飯を食べることになったのだけれど、お父さんの反応が!?
 

~映画化と初版~
 映画公開ということで、かなり宣伝されていますね。行きつけの本屋さんの、12巻の積みっぷりが尋常でなく、かなり驚いたのですが、初版どのくらいなのでしょうか。キャスティングの三浦春馬くんと多部美華子さんに関しては、かなり賛否両論あったみたいですが、誰がやったところでブーイングは出るのでしょうから、商業的に採算の見込めるこの2人というのは、手堅いキャスティングだったのではないかと思います。他の脇役の演者さんは全く知らないので、如何とも言いがたいですが。


~お父さんとお母さん~
 さて、今回の見所は、表紙からもわかる通り、家族への恋人の紹介です。お父さんとお母さんへ、お付き合いしている人がいることを、言う。すごく勇気のいることですし、聞く方もドキドキ。言いたくても言えずにためらっていた爽子でしたが、風早くんと一緒にかえっている時に、偶然母親とばったり。度胸ありの風早くんは、そこでお母さんに交際宣言。その流れで、父親にも言い、さらには一緒にご飯を食べることになります。そこでのお父さんとお母さんの反応の違いが、真逆で面白かったです。


君に届け
あれこれと楽しそうに聞く、爽子ママ。


 現実でもそうだと思うのですが、娘の恋愛に関して寛容であり、むしろ興味を持って聞いてくるのはいつだって母親です。家の妹の場合もそうでしたが、やっぱり娘の恋愛って、興味あるものなのでしょうか。今回もお母さん、ささっと状況を受け入れ、夕食の場までセッティング。さらには風早くんにあれこれと問いつめるなど、実に活き活きしておりました…
 
 それに対し、爽子パパは…。なんだか色々と空回り。どう向き合って良いのかわからず、張り合ってみたり、もてなしてみたり。「肉食べなさい!」→「肉ばっか食べてるんじゃないのか」のコンボには、思わず爆笑でした。アンタが食わせたんだろうが、と。相手とのコミュニケーションで必死で、細かいことには気が回らず。でもそんなお父さんが、どこまでも愛らしい。そりゃあ大好きな、一人だけの娘に彼氏が出来たなんて、ショックですよ。しかもごく最近、やっと女友達を連れて来たと思ったら、男友達をパスして、いきなり彼氏ですから。実はこのエピソードの表紙には、過去のお父さんと爽子の姿が描かれているのですが…


君に届け12-2
 どうですか、この幸せそうな笑顔。娘のこんな笑顔を作れるのは、自分だけしかいないと信じているような、自信と幸福に満ちた表情です。自分の手を握っていた、こんなに小さな手は、いつしか大きくキレイになり、今では違う男の手を握っている。ショックでしょう、ショックでしょう。でも、態度は変だけども、決して器は小さくない爽子パパ。なんだかんだで風早くんのことを認め、最後には
 
「いい青年だっ…!」

 の一言が。いやいや、あなたこそ、良いパパだっ!


~その他うだうだと~
 そういえば今回は、爽子がそこはかとなく積極的だったのですが、それに合わせているのかいないのか、やたらとセクシーっぽいカットが多かったな、と。色々と風早くんを意識して、制服のシャツをスカートに入れてみたり、さらには第一ボタンを外してみたりの爽子。第一ボタンを外すことで、鎖骨が覗くのですが、これは狙っているのだろうか。実は表紙もさりげなく鎖骨見せだったり。いや、狙ってなんかないのでしょうが、極端に露出の少ない彼女だと、たぶんこういう何気ないことでも風早くんはドキっとしちゃうんじゃないかな、と。だって彼、ちづとあやね曰くむっつりですから。
 
 そうそう、今回はちづとあやねの仲良くなる過程も描かれていました。確かに違う中学だったのに、性格も見ためも全然違う2人が仲良しというのは、結構謎だったんですよね。実はあやねが人見知りなんて設定も飛び出したりで、結構楽しめました。ここでも爽子は何気に2人の友情に貢献していたのですね。てか爽子、長距離走早かったのか、と。だからこそ、クラスマッチのサッカーでも、活躍できたのかもしれないですね。


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