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Tag [新作レビュー] 2010.09.28
1102957857.jpgさくら真呂「planetary*」1巻


変わりたいって
思ったことはある?



■ここは、ソーラー国にある、プラネタリー学園。この国を動かしているのは、プラネタリーグループと言われる、8つの財閥。そして、その子息だけが入ることを許されるのが、プラネタリー学園のプラネットクラス。そんなプラネットクラスの新入生の地球碧は、財閥達の中でもひと際強い影響力を持つ、地球家の長男。しかし本人は、そんな肩書きとは裏腹に、ウジウジおどおどしている。というのも彼、内気な性格で、当主である父親から、隠されるように育ってきたのだった。そんな彼が、プラネットクラスへの入学を期に…

 さくら真呂先生による、惑星擬人化作品でございます。舞台となるのは、太陽家という王族を中心に、プラネットグループと呼ばれる8つの財閥が国を支える、ソーラー国。そんなプラネットグループの子息しか入学できないのが、名門校・プラネタリー学園のプラネットクラス。そんなクラスに入学することになった、地球家の長男・地球碧くんが、この物語の主人公となります。この碧くん、とにかくウジウジしていて、歯切れが悪い。自分に自信が無く、内気で、友達も少ない。というのも彼、自分とは対照的に、明るくなんでも出来る弟がおり、当主である父親は、その弟に期待を一心に集める形で、碧は隠されるように育ってきたのでした。そんな彼が、突然プラネタリー学園のプラネットクラスへ入学。人付き合いの苦手な彼は、どうせここでも皆のアシを引っぱって、馴染めないと考えるのですが、気の良いクラスメイト達のお陰で、少しずつ彼の考えは変わっていき…というストーリー。


planetary.jpg
はじめて触れる、財閥家のスタイルに、戸惑い、一層劣等感を強めていく。


 ベースとなっているのは、学園モノのそれ。そこに財閥という要素を当て嵌め、後の権力争いに巻き込まれる形で、人間関係も変化…みたいな流れになっていくと予想されます。惑星擬人化ということで、とうぜんオタク系の流れを汲んでいるわけですが、あまり惑星に詳しくない私は、この子がこういう性格なんです!とか描かれても、今ひとつピンとこなかったり。とりあえず地球は内気で大人しいということなのですが、ちょっとそこに違和感を感じてしまったり。一応男性だけでなく、女の子のキャラもおります。その子たちは、今のところあまり活躍の場はありませんが、これから続々と物語に絡んでくるのでしょう。
 
 家族構成ということで、長男はそれぞれの惑星、そして弟・妹たちは、衛星がモデルとなっております。例えば碧の弟は、朔とか、木星くんの妹はイオちゃんとか。てことは土星家には、64人の兄弟達がいるってことですか。すごい。また冥王星が、惑星たちの地位を狙おうとしている、野心的な財閥として登場。矮惑星化後の事情もしっかりと汲んでおります。とりあえず、物語としては、それなりに行く先が考えられているであろうという印象で、擬人化だわーい!なんてテンションで適当に進んでいくなんてことはなさそう。ただ主人公である地球が、あまりにもうだうだしているので、物語の魅力を体現しきれないままに、1巻終了となってしまっているのは、マイナスかもしれません。木星くんと海王星くんで引っぱれるとは思うのですが。


【男性へのガイド】
→女性の擬人化キャラに期待も、現時点ではさほど登場せず。現状静観が正解かもです。
【私的お薦め度:☆☆   】
→擬人化なら、もっと色々と特徴出しても良さそうなのですが、ちょいと中途半端だったかなぁ、と。


作品DATA
■著者:さくら真呂
■出版社:一迅社
■レーベル:ゼロサムコミックス
■掲載誌:ZERO-SUM(連載中)
■既刊1巻
■価格:552円+税


■購入する→Amazon

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