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Tag [新作レビュー] 2010.10.20
1102969480.jpg霜月かよ子「彼はディアボロ!」(1)


さぁて
“悪魔”とのエンカウント率と
“素敵なカレシ”とのエンカウント率…
果たしてどちらの方が高いかな…?



■憧れのセンパイへの想いが、叶いますように…。女子高生・めい子の密やかな想いは、占いやおまじないといった可愛らしいものから、やがてエスカレートして陰陽五行や黒魔術へと形を変えていった。その結果呼び出したのは、恋を叶える天使…ではなく、傲慢・冷酷・けれどイケメンな悪魔王・ルシファーだった!しかもそのルシファー、めい子の担任として赴任してきたと思ったら、さらに思わぬ要求をしてきて…!?思わぬ形で魔女ッ子デビュー!恋するオトメの運命やいかに!?

 傲慢・冷酷・あくまでイケメンな彼との、新感覚魔女ッ子ラブコメです…ラブコメ?というのも、笑いの方向性としてはコメディというよりも、シュールなギャグ寄りで、少女漫画的ラブコメという字面から受け取るような印象とは、かなり異なるということを、予めお伝えしておきます。それでは内容のご紹介を。ヒロインは、部活のセンパイに恋する高校生・めい子。好きという気持ちが、やがて黒魔術といったオカルトチックな方向に走り出してしまったという、なんだか少しイタい女の子です。そんな彼女が、術中に何かを召還。恋を叶える天使かと思いきや、その正体は悪魔王でした。しかもめい子のクラスの担任としてやってきた彼。最初は「お前の願いを叶えてやる」なんて甘い言葉をかけてきたものの、結局それは、彼のとある要求を通す布石でしかなく、めい子はまんまとその手に乗り、彼の願いを叶えることに。それは、彼専属の魔女となること。魔女ッ子と言えば聞こえは良いが、やることは基本的に身の回りの世話。そんな魔女修行に追われる中、彼女の周りにはなぜだかどんどん悪魔が増えてきて…というお話。


彼はディアボロ!
ダウジングでカレシ探しというわけのわからなさ。これはあくまでジャブで、そこから一気に変な方向へと突き進んでいく。ちなみに魔女化したために魔力はあるものの、めい子の場合「あんぱんを食べた直後に怪力になる」という、どちらかというと「魔女」というよりは「魔人」みたいな能力しかない。


 ヒロインのリアクションが、キラキラ輝く少女漫画のヒロインのそれではなく、なんていうか情けなさとか残念感とか、そういう雰囲気を強く出す、青年誌とかでしばしば見られるような印象を残します。というか変顔、アホ顔、アホリアクション…相手役のルシファー以外はみんな備え持っており、ヒロインのみならず、全員でそういった空気感を作り出しているという感じでしょうか。ファンタジックな要素があまり見られないのが、掲載誌・別冊フレンドの特徴なのですが、これはノリから何から完全に別枠という印象で、良い意味で浮いています。とりあえず楽な気持ちでページをめくっていけるのが、良いですね。個人的にはこういうノリ、嫌いじゃないです。むしろ好きです。
 
 シュールとか言いつつ、種を明かせば結局のところアホが集合してるというだけ。とはいえ「バカとハサミは使いよう」とはよく言ったもので、この作品、アホをちゃんと使って話を展開しているので、一本調子に単調な笑いをくり返すということにはなっておらず、短時間で飽きさせるなんてことはありません。わけわかんないけど、とりあえずクスリと笑える。そんな感じですかね。ヒロインのバカっぽさもさることながら、まったく意味もなく派手で、まったく使えないジュローデル先輩が、個人的にはお気に入りです。正直オススメしずらいような系統の作品ではあるのですが、多分買ったなりに楽しめると思いますし、気になる方は手に取ってみてはどうでしょうか。あ、間違っても表紙からの印象で購入を決めてはだめです。「騙された!」となりますから。それが良い意味での「騙された!」なのか、はたまた反対なのかは、読んだ人の嗜好次第。 
 

【男性へのガイド】
→男性でも読めると思いますよ。別フレのエッセンスは多分に含んでおり、そこが壁となりそうな気はしますが、それを補って余りあるバカさ加減。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→様子見の3つ。これ以上展開があるとも思えないのですが、現状不満足かと言われるとそうでもないわけで、だとしたら十分じゃん?という気もします。


作品DATA
■著者:霜月かよ子
■出版社:講談社
■レーベル:KC別フレ
■掲載誌:別冊フレンド(連載中)
■既刊1巻
■価格:419円+税


■購入する→Amazon

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