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Tag [新作レビュー] 2010.11.03
1102969078.jpg田村ことゆ「ステディ スタディ」


まっすぐ見てくる目がすき
あ 少し照れたときの ほっぺたも すき
それから



■一目惚れが災いしてホントの恋ができない子依。加えて初めて付き合ったカレシが、簡単にヤらせてくれる女だと吹聴したために(ホントは迫られて拒否った)、言い寄る男が少なくないから、悪循環。今日も今日とて、こんなハズじゃなかったとフラれ、もう同じことはくり返さない!と心に誓う小依だったけど、夏期講習で出会った男の子・峰に、またも一目惚れ!?でも、今までの下心丸出しの男達とは違い、ピュアでまっすぐな峰に、子依のキュン心は止まらない!!あ、ホントの好きってこういうことだったんだ!豊富な用例と超ド級のときめきでキュン恋の世界へあなたを誘います!

 田村ことゆ先生のデビューコミックスです。おめでとうございます。田村ことゆ先生という存在は、ベツコミの告知などで目にしており、結構前から存じ上げていたのですが、やっとデビューコミックス発売ですか。比較的デビューの早い印象のある小学館ですが、それでも数年は見積もっておくのが普通みたいですね。白泉社なんかだと軽く5年とかあったりしますが。さて、作品の話に移りましょう。収録されているのは、3話1シリーズの表題作含め、計3部収録。どれも高校生同士の初々しい恋愛に、軽い小ネタを交えて笑いを含ませる、オーソドックスな作りの恋物語となっています。


ステディスタディ
下心を隠しきれない。この正直さ、素直さがあるからこそ、親しみやすさは増幅する。

 
 表題作は、一目惚れ多きヒロインが、「一目惚れはもうしない!」と誓った直後に一目惚れしてしまうことから始まる物語。彼女の一目惚れの多さも確かに悪因の一つではあるのですが、一番の要因は前カレによる悪評の流布。簡単にヤれるという噂を流されたヒロインは、下心丸出しの男達に迫られ、結果付き合っては拒んでフラれるというパターンをくり返してきていたのでした。そんな彼女が今度一目惚れしたのは、夏期講習で同じクラスになった男の子。クールに見えてちょっとぬけてる、優しいんだけど余裕がない、そんなピュアでウブな彼にヒロインは夢中になっていきます。物語はそんな二人の恋模様を描いていくのですが、好きなのに、いや好きだからこそ、なかなか足並みが揃わずにやきもきし、悩む二人の姿がとても愛らしいです。何もなければ、心から相手を信じられる。けれども、過去と邪魔な意地が、邪魔をする。中高生の恋愛なんてこんなものだよなぁ、と妙な納得感と共に読んでいくことができました。
 
 ベツコミにありがちな、相手役に辛い過去なんてパターンはなく、お互いに普通の高校生同士。そりゃあ3話完結シリーズでやってくることはないわけですが、それにしても普通っぽさが際立つ組み合わせ。そのためか、ややこじんまりした印象を受けました。ただ同時にまとまりの良さも感じさせ、設定如何でこの辺はどうにでもなりそう。逆に読切りの2作は設定が勝っていて、表題作ほどキレイに纏まらなかった感じ。個人的にはオーソドックスな設定に、軽い笑いを織り交ぜてという運び方は好みですので、今はまだ安定しない絵柄と共に、先々を期待したいところです。ベツコミライクな、不幸じゃない恋物語がお好きという方は、チェックしてみてはいかがでしょうか。


【男性へのガイド】
→表題作はよほどアレルギーを持っていない限りは、ラブコメとして楽しめるのではないでしょうか。読切り2作はどうだかわからんですが。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→ちょいとこじんまり、けどそれが逆に好感に。こじんまりといっても、設定だけで、雰囲気が地味とかそういうことはないです。むしろテンション高めで楽しげです。


作品DATA
■著者:田村ことゆ
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ
■全1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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BEARBEAR
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かみのすまうところ。
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