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Tag [オススメ] [新作レビュー] 2009.02.28
ボクラノキセキ久米田夏緒「ボクラノキセキ」


そうだ
“この世界で生きていかなきゃならない”
じゃないね
生きていたい



■皆見晴澄は前世の記憶を持っている。だがその事を信じてくれる者はおらず、「変な事を言う」と学校では避けられてばかり、唯一信じてくれたのは、同級生の女子・上岡だけ。そんなある日、ふとした事をきっかけに、前世で体得した魔法を思い出す。やっぱり妄想なんかじゃなかった。揺らいでいた想いが、確信に変わる。そして、それに呼応するように、高校生となった彼の周りで不思議な出来事が起こり始める…。

 主人公の前世は女王で、戦争で命を落とした。それを、現世で「魔法」を使う事によって確信に変えるのですが、それに呼応するかのように、彼の周囲の人間にも変化が…。なんとクラスメイトの中にも前世で同じ時を生きた者がおり、記憶をよみがえらせていきます。現時点ではそこまでで、今後どう転がして、どう落としていくのかはわかりません。ただかなり引き込まれるモノがあります。
 
 とりあえず絵がカワイイ。それだけでも十分なんですが、話もなかなか面白いです。最終的には過去の想いを決着させるってところにいくのでしょうか?とりあえず中学からの理解者・上岡がどういう立ち位置になってくるのかが気になります。前世での繋がりがあるのなら、当然敵のセンで、当然重要なポスト。もし関係ないのだとしても、それはそれで面白い要素になる。さて、どうなることやら。これは期待せざるを得ません。


【オトコ向け度:☆☆☆☆☆】
→主人公は男の子。それだけじゃなく、男性がハマれる要素が強く出ていると思います。これは読みやすいのでは。
【私的お薦め度:☆☆☆☆☆】
→全体像が見えないところがあり、多少の難しさはありますが、それでも面白いです。これは期待したい。ぜひチェックしてもらいたい作品です。


作品DATA
■著者:久米田夏緒 作者ブログ→「くめた日記
■出版社:一迅社
■レーベル:ZERO-SUMコミックス
■掲載誌:WARD(平成20年Vol.18~連載中)
■既刊1巻
■定価:552円+税

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