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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2010.11.15
1102969571.jpg山川あいじ/河原和音「友だちの話」


英子はさ
人を見る目ないと思うんだ
私と親友やってるくらいだからさ



■英子は地味な外見で弱気な性格、逆に親友のもえは誰もが振り返る美少女だけど、性格がキツめ。お互い全然違うタイプなのに、2人の絆はとてつもなく固い。色んな男子から告白されるもえだけど、その時に放つ言葉はいつもお決まり「自分と付き合うってことは、英子とも付き合うってことだから、英子をもえより大事にしてね」。当然のことながら、そんな条件そうそう呑めない。けれどもある日、そんな条件を満たす男子・土田が現れる。変化し始める親友との関係に英子がとった行動は…?

 お二人の方からオススメを頂きました。ありがとうございました。しかしAmazonの評価を見ても、軒並み☆5つと、すごいですね。ということで、「友だちの話」のご紹介です。作画は山川あいじ先生、原作は「高校デビュー」や「先生!」、現在は別マで「青空エール」(→レビュー)を連載中の河原和音先生でございます。お話のメインとなるのは、二人の仲良し二人組。地味で気弱でとことんお人好しな英子と、誰もが振り返る美少女ながら性格がハッキリとしていて損をすることの多いもえ。見ためも性格も真逆の二人ですが、その絆は驚くほど固く、もえは英子と過ごすことが第一。そのためもえは男子から告白されても、「自分と付き合うなら、自分よりも英子を大事にしてくれないとイヤ」という条件を突きつけ、幾多のオトコ達をふってきたのでした。しかしそんな厳しい条件を呑んで、晴れてもえと付き合うことになる男の子が。「ありえない」と英子は思うものの、いつも英子と一緒にいるもえを優しく楽しそうに見守る彼・土田くんに、英子も一安心。しかしそんな日々はいつしか、英子に遠慮を生み出すように。「もしかして、自分邪魔なんじゃ…」小さく生まれた気遣いは、やがて英子の心を大きく支配するようになり…という導入となっております。


友だちの話
百合ではない。描き出すのは、あくまで友情。固い絆で結ばれているからこそ、戸惑いぶつかることもある。



 彼らの関係性はそこからさらに展開。結局もえは、土田くんといるよりも、英子といることを選択するようになるのですが、振られて傷心の土田くんを見て、親友の鳴神くん(性格ドライ)が二人にちょっとした仕返しをしようと試みます。しかもターゲットとされたのは、気の弱そうな英子で…という展開。以降はこの3人を中心に、物語は繰り広げられていきます。お人好しすぎる地味ヒロインに、不思議な感性を持つ美少女に、これまたお人良しな男の子と、ちょっと捻くれた性格の男子という4人の組み合わせ。その内容は、「友だちの話」という普遍的でどこにでもありそうな感性・関係を描いたものを想像させるタイトルとは異なり、ややクセのある捻った物語となっています。
 
 導入はヒロイン英子の視点で、もえとその彼氏との距離感を計るというお話。しかし終わってみれば、英子をめぐってもえと鳴神くんがバトルを繰り広げるというお話に。軸となるのは英子ともえの関係なのですが、この二人の性格の違いが、この作品の不思議な捻れを生み出しているのかもしれません。英子はどこまでも友だち思いで、物語の性格として「ああ、わけのわからない親友に振り回される系のお話なのかな」と序盤思わせるような部分が多いです。それが、中盤鳴神くんの視点を経ての、英子に執着する自分本位なもえの視点ということで、その感覚は完全に変質。気がつけばもえが相手に振り回されるというお話になっており、読み終わった時に良い意味で「おおお?」と。とはいえどの視点でも、「友だちと想う」というテーマはブレずに、しっかりと閉じられているので、振り返れば実にキレイなまとまり方と言えるでしょう。双方からの、「友だち」を思う気持ちがしっかりと落とし込まれているという点からすると、やはり。最後のカットなど、は実に爽やかでありながら、英子が映っていないために、やはりどこか違和感のようなものを残しての締めとなっていますし、面白さと同時に、なんとも不思議な感覚を残す作品であったという印象です。

 また、表題作の他、もう一作コラボ作品が。こちらもまた、一本通った河原節に、山川先生独特のキラキラ感を付け加えたような面白い作品で、楽しかったです。とりあえず、どちらかの先生のファンを謳うのであれば、読んでおかなくてはだめだと思いますよ。


【男性へのガイド】
→百合とかはないです。あくまで友情。なんだか変な感じの関係を構築する作品ですが、基本的には読み辛さを生み出す要素はそこまでないかと。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→実に独特な感覚を覚える一作。地味ですが、面白かったです。河原先生がこれを描くと、もっとストレートな感じになるのかもしれませんが、こういった見せ方もまた良し。一読の価値はあると思いますよ。


作品DATA
■著者:山川あいじ/河原和音
■出版社:集英社
■レーベル:別冊マーガレットコミックス
■掲載誌:別冊マーガット
■全1巻
■価格:438円+税


■購入する→Amazon

カテゴリ「別冊マーガレット」コメント (4)トラックバック(0)TOP▲
コメント

いづきさんも読まれたんですね。
私は別マ3月号の『その彼、調べます』で河原和音×山川あいじのコラボを初めて読んで「おお!」と思い、別マsisterで『友だちの話』Finalを読んで、「これ単行本出たら絶対買おう!」と決めてました。
別マsisterに単行本化のお報せが載ってなかったので、10/25発売というのはかなり直前になって知りました。

別マで山川あいじ先生のオリジナルの連載『やじろべえ』が始まって、気に入ったので『恋々。』を買ってしまいました。これも良いです。
From: Wrlz * 2010/11/19 15:33 * URL * [Edit] *  top↑
>>Wrlzさん

周りですごく評判良いのですよ、これ。
想像していたのと違っていたのですが、とても面白かったです。
山川あいじ先生新連載みたいですねー。
単行本派なので、発売日が待ち遠しいです。
From: いづき * 2010/12/12 23:53 * URL * [Edit] *  top↑
友だちの話おもしろかったです。
4月25日に発売された山川あいじさんのやじろべえも良かったでぜひ宜しくお願い致します。
From: よじう * 2011/04/30 21:24 * URL * [Edit] *  top↑
「やじろべえ」先日レビューしましたので、どうぞー
http://idukidiary.blog6.fc2.com/blog-entry-1324.html
From: いづき@管理人 * 2011/05/20 22:36 * URL * [Edit] *  top↑

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