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2009.03.01
薔薇の鎖刑部真芯「薔薇の鎖」


今 思えば…
私は きっと この時に
もう好きだったんだと思う…



■3巻発売、完結しました。
 使用人の息子として引き取られ、8つの時からずっとすず子と同じ家で育ってきた鋼。時折見せる優しさはあるものの、小学校、中学校と時を重ねるに連れ、鋼と距離を感じるようになってきた。そんな二人も高校生になり、同じクラスになった。そこで出会ったのが、積極的な九州男児・惟光。彼の登場によって、微妙だった二人の関係は一気に動き出す!!
 
 流されやすく、鈍感なヒロイン・すず子と、彼女の家の使用人の息子である鋼。恋心をお互い自覚していない中高校に進学します。そこで出会うのが九州出身の松浦惟光。彼は積極的にすず子にアプローチ。そしてその様子を見て焦る鋼。結局それがきっかけで付き合うことになるのですが、空きあう気持ちとは裏腹に、お互い空まわってばかり。なんつーか、ドロドロっとした話です。
 
 とにかくヒロインが流されやすい性格で、かつ身勝手。ワガママには可愛げがあるものとそうじゃないものがありますが、ヒロインは後者を連発。男子から一番敬遠されるタイプだと思うのですが、これわざと狙って描いてるんですかね?一方の鋼くんは、ぶっきらぼうな喋り方ではありますが、俺様というわけではありません。単純に不器用なのか。まぁすず子みたいな子を好きになってしまった以上、こうならざるを得ないって気もしますが。ただ「貴様」って言葉は使わんよね、普通。あと惟光によって九州男児=器が大きいって図式が出来上がりつつあります。


【オトコ向け度:☆    】
→このヒロインはキツいか。だからといって男の子もシンクロできる部分は少なそうだし。
【私的お薦め度:☆    】
→想いにがんじがらめにされる、ドロドロの関係を描こうという狙いなんでしょうかね?個人的には合いませんでした。


作品DATA
■著者:刑部真芯
■出版社:小学館
■レーベル:Cheese!
■掲載誌:モバフラ(2007年12/20号~)
■全3巻

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